愛すれどTigers


惜しくも同率首位ならず2位確定

 最後の東京遠征は、神宮球場のスワローズ戦は久々の大勝で1勝。続く横浜のべイスターズ戦で最終戦に勝てば同率首位となるところで敗れて1勝1敗。今節は2勝1敗。全日程終了で78勝63敗3分で勝率.553。首位のドラゴンズに1.0差の2位。3位のジャイアンツとはゲーム差はなく、勝率で上回った。ジャイアンツが最終戦に負けてくれて2位で終わったが、最終的に同率首位のチャンスを逃したところが今季のタイガースを象徴していた。

◎スワローズ24回戦……17−4
 スワローズの先発中澤を2回表にとらえた。新井の四球、ブラゼルの死球、城島のヒットで1死満塁とし、藤川俊のセンター前ヒットで1点先制。能見は押し出し四球を選び2点目。鳥谷は三振し2死になったが、平野がレフト前に落として3点目。マートンが年間安打数の新記録となる211本目のヒットをセンター前に弾き返して2点追加して5点目。新井のセンター前ヒットで6点目。金本のセンターバックスクリーンに飛び込む3ランが飛び出し9点目。これで試合は決まった。3回表、二番手橋本から先頭の城島がヒットを放つと、能見のバントなどで二塁に進み2死二塁。ここで鳥谷がセンターオーバーのフェンス直撃の二塁打を放ち10点目。これがプロ入り通算1000本目となった。平野も左中間を破る二塁打で鳥谷を返して11点目。能見は快調に投げていたが、中2日での登板で疲れが見えたか3回裏、2つの死四球で1死一三塁とされ青木の犠牲フライで1点を返された。それでも4回表、ブラゼルが三番手増渕から久々のソロホームランをライトスタンドに叩き込む。4回までノーヒット1ランの能見は5回裏、先頭の田中に初安打を打たれ、続く森岡にもヒットを許し、福川のタイムリーで2点目を奪われた。さらに1死から青木、福地の連打で2点を追加され、勝ち投手の権利を持ったまま渡辺亮にバトンを渡した。6回を渡辺亮が、7回と8回をメッセンジャーが無失点で抑えると、打線がそれに応える。8回表、五番手デラクルスからヒットの林を置いてブラゼルが今度はレフトスタンドに2ランを放つ。これでブラゼルはホームランダービートップのラミレスに1本差に迫った。9回表、六番手渡辺恒から2死をとられたあとヒットの平野を塁に置き、マートンがライト線へタイムリー二塁打を放ち15点目。新井もレフト線への二塁打で続いて16点目。代打狩野にもレフト前タイムリーが出て17点目と久々の大爆発。9回裏、四番手杉山は2死から福川への死球と武内のヒットでピンチを招いたが、青木をライトフライに打ち取り試合終了。2位で終えるための大きな勝ち星をとった。ヒーローインタビューは新記録のマートン。「かみさまは、わたしのちからです」と日本語で答えた。
◎ベイスターズ23回戦……5−0
 タイガースの先発、久保が4被安打1与四球奪7三振の好投。目標もなく球団売却で揺れているベイスターズの打者たちの淡白な攻撃にも助けられ、まったく危なげない投球を披露した。これで14勝と200回投球イニングという自己最高の結果を残したシーズンを終えた。この感触を手元に残してポストシーズンにも今日のような投球を見せてほしいものだ。打線ははじめは加賀に抑えられていたが、5回表に集中打。ブラゼルがレフト線に技ありの二塁打を放つと、城島がライト前ヒットで返す。坂の二塁打で無死二三塁とし、久保三振のあと鳥谷がライト前に2点タイムリー。この3点で勝利が確定した。8回表には二番手桑原謙から鳥谷が内野安打を打ち、2死のあと引退を表明した木塚が現役ラスト登板。新井は木塚と正々堂々と勝負し、フェンス直撃の二塁打で鳥谷を返し4点目。9回表には四番手阿斗里からブラゼルがヒット。城島のセーフティバントで代走大和が三塁まで一気に進み、坂の犠牲フライで5点目を奪った。試合後、木塚の引退セレモニーがあったためヒーローインタビューはなし。
◎ベイスターズ24回戦……0−2
 今季ほとんど中継ぎで登板していたベイスターズの先発高崎の前に、打線はがちがちに緊張。のびのびと投げる高崎に対し、肩に力が入ってことごとく手打ちになるタイガース打線。今季何度も繰り返されてきた「ここ一番で過緊張」なタイガースがここでも。タイガースの先発秋山は4回裏に松本の風に運ばれたレフトポール際のホームランだけで降板しなければならなかったし、7回裏に三番手久保田がホームランを打たれた相手の筒香も、高卒ルーキーでこれがプロ入り初安打という選手であるし。主力はちゃんと抑えて大量失点は防いだのだ。7回まで高崎に、8回は牛田に、9回は山口に力のある球で抑えこまれ、タイガースの今季公式戦は終わった。この時点で自力での2位はなくなり、翌日のジャイアンツの勝敗いかんで順位が決まることとなった。

愛すれどTigers週間MVP
投手……久保康友 14勝目を完封で飾り、セ・リーグ投手の最高勝率に輝いた。低めにまとまったコントロールが素晴らしく、この調子をポストシーズンも保っていってほしい。
野手……坂克彦 前節からの打撃の好調さを維持。タイガース打線にとって、現在はラッキーボーイ的存在になっている。打席に入った時の雰囲気ものびのびとしており、ポストシーズンのキーマンになりそうだ。

 クライマックスシリーズでは第一ステージを甲子園で行うことができる。これまでこのシリーズで勝ちぬいたことがないだけに、今季こそはその雪辱を期待できそう。しっかり調整してポストシーズンに勢いをつけて臨んでもらいたいところだ。

(2010年10月11日記)


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