愛すれどTigers


2011年度開幕目前

 東日本大震災の影響で、3週間開幕が延期された。4月12日、待ちに待った開幕を迎える。タイガースの選手たちは、キャンプ、オープン戦で大きな怪我をすることもなく、全員がそろってよいコンディションで開幕に臨むことができた。練習試合で阿部を欠くことになったジャイアンツや、チェンや吉見が故障で調整が遅れているドラゴンズに対し、有利な形で開幕ダッシュを目指すことができるのは確かだ。また、開幕が延期されたことによりリハビリをしていて当初の開幕日には万全の状態で臨めないかと思われた城島と金本が先発で起用できるのも大きい。
 今季はキャンプ前から各選手が「優勝」を口にしていたし、真弓監督の口からも「日本一」の言葉が何度も出ている。昨年度、あと1勝で優勝を逃した悔しさ、金本が今季限りで引退するのではないかという危機感などが、チーム全体の士気を高めているといえるのではないか。実際、戦力は昨年から上積みや底上げはあっても、ダウンはしていないのだ。優勝のチャンスは大いにあると言いたい。
 まずは投手陣。昨年はシーズン途中に能見が戦線離脱、安藤も不調と故障で二軍落ち、岩田は肩の故障で1年間登板がなかった。久保とスタンリッジが頼りで、若い鶴や秋山、上園らに頼らざるを得ない時期が最後まで続いた。しかし、今季は能見、久保、岩田、スタンリッジ、下柳、メッセンジャー、榎田などの先発候補がそろい、榎田をリリーフにまわすほどの余裕がある。さらに鶴、秋山、若竹らもそこに割って入るだけの勢いがある。中継ぎには渡辺、西村、福原、加藤、江草などを早めに投入することも可能だ。なぜならば、小林宏の加入で7回以降はKKK(トリプル・ケイ)と呼ばれる久保田、小林宏、藤川を1回ずつ投げさせて逃げ切る形ができたからだ。
 こと投手陣については、昨年優勝のドラゴンズとなんら遜色のない布陣で臨むことができるのである。
 昨年度、「平成ダイナマイト打線」と呼ばれた猛打線は、統一球の導入のために今季は不利だと言われているが、つなぐ意識がブラゼルにも出てきているだけに、ホームランの数は減るかもしれないが、打線そのものがまるで打てなくなるということはないだろう。シーズン安打記録を更新したマートンを一番にすえ、平野、鳥谷、新井、ブラゼル、金本、城島と続く打線は相手チームにとっても脅威であることに間違いはない。センターは俊介、柴田、坂、浅井らの競争になるが、金本が途中で退く試合も多くなろうから、これに林や桜井を加えて守備や走塁、打撃でそれぞれの特徴を生かした激しい競争が期待できる。内野では新井良太、大和、上本らも固定メンバーに伍して起用が増えることだろう。ベテラン関本の起用方がここではカギになる。代打でもよし守備固めでもよしのユーティリティープレイヤーをベンチで腐らせる法はない。さらに代打の神様桧山も好調。移籍の藤井彰は城島に無理をさせないためにも終盤のリリーフ捕手としてその経験豊富なリードを生かしてもらいたい。
 今年こそ、優勝。その言葉が現実味を帯びてくる。プロ野球選手会の会長としてリーダーシップを発揮した新井を中心に、チーム一丸となって勝利に邁進してほしい。それだけの力が、今季のタイガースはある。
 そして、真弓監督、金本らに加え、赤星、矢野も胴上げに参加させてもらいたい。

(2011年4月11日記)


目次に戻る

ホームページに戻る