今節は甲子園で６連戦の予定だったが、雨でカープ戦を２試合流す。第３戦も雨天だったが挙行し、打線が爆発して快勝した。しかし、好天に恵まれたドラゴンズ戦はここというところで打てず１勝２敗。第３戦で鳥谷が爪をはがす負傷をしたが、代役の上本が活躍。打線も平野、俊介の一二番に組み替え雰囲気を変えて臨んだのが功を奏した。今節は２勝２敗。通算１１勝１４敗の勝率．４４０で首位スワローズと５．５ゲーム差の５位。交流戦を前に五割に戻すことはできなかったが、打線の組み替えなどで若手がはつらつとした活躍を見せたことが停滞気味のチームの雰囲気を変えつつある。
◎カープ６回戦……１１−４
雨中の乱戦。１回表、下柳は先頭の梵を歩かせ、東出に送られ、廣瀬のタイムリーと栗原の犠牲フライで２失点。しかし、直後の１回裏、篠田からマートンが四球を選び、平野に送らせ、鳥谷の二塁打で１点。続く新井貴は三塁打で同点。ブラゼルの一塁ゴロで新井貴が生還して勝ち越した。２回裏には四球の俊介とマートンを置いて平野の三塁打で２点、続く鳥谷にもタイムリーが出て３点目を追加。３回表、下柳は廣瀬と岩本の二塁打で失点して降板。二番手の渡辺が好投して後続を断つ。３回裏、金本がライトスタンドに、城島がレフトスタンドに連続ホームラン。さらに三塁打の俊介を渡辺がプロ入り初安打初打点となるタイムリーをはなち、この回も３点を加えた。６回裏には三番手岩見からマートンがソロホームラン、７回裏には城島がこの日２本目のソロホームランと一方的な試合に。８回表、四番手の福原がトレーシーに一発を浴びたが最後は小林宏が締めて快勝。ヒーローインタビューは緊急登板でゲームを作り勝ち投手となった渡辺。
◎ドラゴンズ４回戦……２−４
能見とネルソンの投手戦。先制したのはドラゴンズ。４回表、二塁打の森野を能見の暴投で三塁に進め、ブランコの犠牲フライで１点を失った。６回表には和田のタイムリーを許して２失点でこの回限り降板。７回表、二番手久保田がヒットの野本を塁に置き、谷繁にダメ押しの２ランを打たれてしまった。７回裏、ネルソンからブラゼルが今季甲子園初アーチを放ち、８回裏には二番手浅尾から代打柴田のプロ入り初安打、代打桧山のヒットに続きマートンもヒットで柴田を返して２点差としたが、反撃もそこまで。９回には岩瀬に抑えられて前日の勢いをつなげることができなかった。
◎ドラゴンズ５回戦……３−４
久保は２回表にブランコにソロホームランをレフトスタンドに叩き込まれたが、それ以外は危なげない投球。しかし、打線がチェンを打ち崩せない。７回表、久保は先頭のグスマンを歩かせてリズムを崩した。谷繁に送られて代打堂上剛のタイムリー二塁打で追加点を与え、荒木、井端のヒットで満塁にされて降板。二番手の榎田は暴投で３点目を献上したが、そのあとはなんとか抑える。タイガース打線は７回裏、二番手三瀬からブラゼルのヒット、代打関本の四球、俊介のヒットで満塁とし、代打新井良のレフト前タイムリーで１点差に迫る。しかし、８回表、前回好投の渡辺が不調のグスマンにソロホームランを浴びてしまう。９回裏、代打桧山が岩瀬から今季第１号のソロホームランを放って１点差と迫ったが、追撃もそこまで。痛い２連敗を喫した。
◎ドラゴンズ６回戦……３−１
初回、鳥谷がゴロをさばいたところで指をついて爪をはがし、その裏の打席から上本に交代。２回表、タイガースの先発メッセンジャーは二塁打のブランコを塁に置き谷繁のタイムリーで１点を先取されたが、吉見をバント併殺に切りとる好守で最少失点にとどめた。４回裏、吉見から俊介が四球を選び、上本の一塁ゴロで二塁に進み、マートンのタイムリーで同点に追いついた。５回裏には２死から俊介がヒットで出塁し、盗塁を決める。ここで上本が三塁線を抜けるタイムリー二塁打で勝ち越した。８回裏には二塁打の上本をマートンがこの日２本目のタイムリーで返して大きな追加点。メッセンジャーは５回で降板したが、榎田、小林宏、藤川球のリレーで逃げ切り、一矢報いた。ヒーローインタビューは上本と俊介の広陵高校の先輩後輩コンビ。
愛すれどTigers週間ＭＶＰ
投手……榎田大樹 リリーフ投手陣の中で、新人ながらわずか自責点１の好投を続ける。ピンチになっても堂々としたマウンドさばきで自信をもって抑えている。長いシーズン、この調子が最後まで続くことはないだろうが、かなり安定した成績を残してくれそうだ。
野手……平野恵一 開幕から不振を続けてきたが、ここにきて復調。気がつけば打率も．３００を超えるまでになってきた。一番打者にも起用され、交流戦に向けてチームを牽引する役割が期待される。
次節から交流戦開始。まずは絶不調のバファローズと準本拠地の京セラドームで。続いてはホークスとヤフードームで、そして甲子園でライオンズと。甲子園では昨年好評だったブラックユニフォームが登場する。今節の最終戦で気分良くリーグ前半戦を終えることができた。俊介、上本、榎田らの若い力で勢いをつけて交流戦を制してほしいものだ。先発投手陣の頭数はそろっている。小林宏も復調気味。光明が少しは見えてきたか。
（２０１１年５月１６日記）
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