愛すれどTigers


打線沈黙で最下位に

 札幌ドームでのファイターズ2連戦。ウルフとダルビッシュの前に打線が沈黙しで2敗。甲子園に戻りホークス2連戦ではホークスに交流戦初黒星をつけたが杉内の前に打線が沈黙して1勝1敗。続くバファローズ戦では久保、下柳ら先発投手がうちこまれ2敗。今節は1勝5敗。通算15勝26敗1分の勝率.366で首位スワローズとと9.0ゲーム差の6位。なんともいえない負のスパイラルで打線が全く爆発しない。ヤジは日増しにきつくなり、真弓監督が観客席をにらみつける一幕も。

◎ファイターズ1回戦……0−5
 メッセンジャーとウルフの両外国人投手が先発。4回裏、メッセンジャーがつかまる。1死から糸井にこの試合ファイターズの初安打となるライト前ヒットを許し、中田には四球。稲葉のライト前ヒットで満塁とされる。ホフパワーは見逃し三振に打ち取ったが、今浪に初球の速球を狙われセンター前に弾き返されて2点を先取された。しかし、その後は立ち直り、7回まで追加点を許さなかっただけに、この2点は惜しかった。タイガース打線はウルフの前に歯が立たず、5回表に先頭のブラゼルが二塁打を放ったものの林、柴田が凡ゴロ、マートンは三振と得点できず。その後もファイターズの宮西、増井と中継ぎに抑えられる。8回裏、二番手小嶋が先頭の中田を歩かせ、代走村田に盗塁を許し、稲葉とホフパワーは打ち取ったが代打二岡を敬遠したところで福原に交代。大野に投手強襲のヒットを打たれ、満塁となり、飯山に左中間を破る走者一掃の三塁打を打たれて5点差とされた。9回表、武田久から鳥谷と新井貴が連続ヒットを放つも、金本はファウルフライ、城島は併殺で試合終了。
◎ファイターズ2回戦……0−1
 ファイターズの先発はダルビッシュ。先に点をやってはまず勝ち目がない。スタンリッジは2回裏に2死から大野に死球。ワイルドピッチで二塁に進められると飯山のセンター前ヒットで一気にホームへ。しかし、センター柴田の好返球でタッチアウト。3回表、林が内野安打で出塁し、盗塁と暴投で三塁に進んだが、柴田、マートンが連続の空振り三振で長蛇を逸した。5回まで5死四球と苦しみながらもスタンリッジが投げ抜き、二番手の榎田も6回裏に二塁打に2四球で2死満塁とされたが飯山を三振に打ち取って無失点で切り抜けた。8回裏、四番手小林宏が1死から二岡に四球を与え、金子誠、大野の連打で1点を奪われてしまった。9回裏もダルビッシュは余裕の投球でマートン、平野、鳥谷を打ち取り、タイガースはまたも完封負けを喫してしまった。
◎ホークス3回戦……5−3
 タイガースの先発は岩田。初回、先頭の川崎にヒットを許し、内川を歩かせ多村のライト前ヒットで1点を先制された。ホークスの先発ホールトンをタイガース打線はすぐに攻略。レフト前ヒットのマートンを平野が送り、新井貴のライト前タイムリーヒットですぐさま同点に追いつく。2回裏、金本がライト前ヒットで出ると、城島が四球を選ぶ。柴田の送りバントはホールトンの鈍い動きに助けられてショート前の内野安打に。満塁から岩田がセンター前に弾き返し、勝ち越し。マートンの併殺打の間にさらに1点を追加する。5回裏、先頭の鳥谷が四球を選ぶと、新井貴のヒットでつなぎ、ブラゼルがレフト前にタイムリー。城島のショートゴロは川崎のエラーを誘いさらに1点を加えて4点差とした。岩田は2回以降立ち直り、好投を続けていたが7回表、ヒットの長谷川を塁に置いて代打オーティズのセンターの頭を越す2ランで2点差に迫られた。しかし、榎田、藤川球とつないで逃げ切った。ホークスはこれが交流戦の初黒星。ヒーローインタビューは連敗をストップさせるタイムリーと好投の岩田。
◎ホークス4回戦……0−2
 杉内と能見の投手戦。苦手の杉内をなかなか打ち崩せなかったが、7回裏、2死から金本がヒット、城島が歩き、杉内の暴投で二三塁とし、代打関本は敬遠。ここで能見にあえて代打を送らず打席に立たせたが、三振に終わり、最大のチャンスを生かせず。能見は9回表につかまる。本多の二塁打を足がかりに小久保、多村の連打で2点を失う。それでも2死満塁までピンチを広げたが、カブレラをショートゴロに打ち取る。9回裏、抑えの馬原を桧山の二塁打と城島の四球で攻め立てたが、馬原に強い林がセカンドゴロに打ち取られて試合終了。敗れはしたが、見ごたえのあるエース同士の対決であった。
◎バファローズ3回戦……3−14
 先発の久保がまさかのめった打ち。坂口と田口に連打を食らい、T−岡田のライトスタンドに飛び込む先制の3ランで先取点を許す。イ・スンヨプにもタイムリーを打たれ、さらに金子千の投手ゴロは久保がホームに送るも送球がそれてエラーで5点目を奪われた。タイガース打線も負けてはいない。直後の1回裏、マートン、平野、鳥谷の3連打で無死満塁。新井貴、ブラゼルがそれぞれ内野ゴロに倒れる間にランナーを一人ずつ返して3点差に。しかし、2回表、ライト前ヒットの後藤をT−岡田のタイムリーで返され、ここで久保は降板。二番手小嶋は大引のタイムリーで味方の反撃をきっちりと返されてしまった。3回表には坂口とバルディリスを歩かせイ・スンヨプのライトへのタイムリーと捕球しそこねたマートンのえらーでさらに2点。4回表には田口のタイムリーでもう1点。5回裏、レフト線の三塁打の柴田をマートンがセンターへの犠牲フライで返したが、反撃もそこまで。5回と6回に登板した久保田は6連続三振と気を吐いたが7回表、若竹があたりそこねのテキサスヒットを続けられ、バルディリスのタイムリーで2点を加えられた。8回表にはランナー2人を置いて坂口のレフトを襲う三塁打でまた2点を失い、14失点と無残な展開。打線は金子千、近藤、鴨志田の継投の前に反撃もならず。
◎バファローズ4回戦……1−6
 ベイスターズ時代はカモにしていた寺原に8回まで全く得点できず。タイガースの先発下柳は初回には北川の二塁打などで1死満塁と攻め立てられ、伊藤の犠牲フライで北川に頭から突っ込まれるスライディングで先取点を許した。3回表には阪口、田口、後藤の三連打で2点を奪われ、下柳はここで降板。2番手福原も北川にセンター前に運ばれて4点差に。5回表には三番手渡辺がT−岡田のタイムリーでさらに1点、7回表には四番手久保田も打たれて6点差とされた。9回表、今季初登板の西村が好投してリズムを作る。9回裏、完封を意識した寺原が乱れ、マートンのヒット、平野の四球の後、鳥谷の内野ゴロの間に1点を返したが、ブラゼルが併殺で試合終了。いいところなく関西ダービーに負け越した。久保は脇腹の故障で登録抹消。

愛すれどTigers週間MVP
投手……岩田稔 連敗中のチームを救う好投とタイムリー。ヒーローインタビューでは「ファンのみなさんについてきてもらえるようにあきらめずがんばりたい」と声を震わせた。
野手……桧山進次郎 該当者なしでもよいのだが、桧山だけは肩の力の抜けた素晴らしいスイングで代打で使うのはもったいないくらい。一度先発で4番を打たせてみたらどうか。決して奇策ではなく、調子のよいものを優先して使うという意味で。

 次節は。QBCマリンフィールドでマリーンズと、西武ドームでライオンズと連戦。関東遠征で気分を変え、どうせ打てないならとにかくふりまわす、あるいは全員が徹底してセンター返しを試みるとか、徹底した作戦をとっていけば突破口が開けそうな気がするのだが。久保の戦列離脱は痛いが、例えば小林宏を先発起用してみるとか、鶴や秋山をファームから昇格させるとか。とにかくなりふり構わず勝敗にこだわらず元気出していってほしいものである。

(2011年6月7日記)


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