ＱＶＣマリンフィールドでのマリーンズ２連戦。前回甲子園で抑えられた吉見と成瀬の両左腕を攻略し、２連勝。西武ドームに移りライオンズ２連戦では仇敵石井一を崩して今季初の３連勝としたが、２戦目では期待のルーキー菊地を打ち崩したものの榎田が打たれる誤算で１勝１敗。今節は３勝１敗。通算１８勝２７敗１分の勝率．４００で首位スワローズとと７．５ゲーム差の５位に浮上。マートンが今節２発の先頭打者ホームランを放つなど、昨年のいい時にもどってきた。ブラゼルにもヒットが出るようになり、打線がつながるようになってきた。城島がヒジ痛で二軍落ち。しかし、ＦＡ移籍の藤井が好リードを見せて穴を埋めて余りある活躍を見せたのも今節の収穫か。
◎マリーンズ３回戦……６−３
初回、マリーンズの先発吉見からマートンがいきなりレフトスタンドにソロホームランを叩きこむ。これで打線に火がついた。平野がセンター前ヒットで続き、新井貴が歩いてブラゼルがライト前にタイムリーを放ち、この回２点目を奪う。続く２回表、１死から藤井彰と俊介が連続してレフト前にヒットを放つと、マートンのライト前ヒットで満塁に。鳥谷の打席で吉見が暴投し３点目。さらに鳥谷が走者一掃の三塁打を左中間に放ち、５点目。ここでマリーンズは二番手に川越を送るが、新井貴がレフト前に弾き返して６点目を奪い、試合の主導権を握った。タイガースの先発メッセンジャーは５回まで藤井の好リードに助けられてマリーンズ打線を抑えこむ。しかし６回裏、岡田、今江、井口の三連打で無死満塁とし、キム・テギュンに押し出しの四球を与えてしまう。さらに大松にレフト前にタイムリーを打たれたところで榎田と交代。榎田は福浦に犠牲フライを許して３点目を失ったが、後続を断つ。８回裏には小林宏が慣れ親しんだマリンフィールドに立ち、井口、キム・テギュン、大松を連続三振に切って取る。９回裏には藤川球が登板、先頭の福浦にヒットは許したが、里崎、伊志嶺、金澤を連続三振。本来の形で勝利をもぎ取り連敗をストップさせた。ヒーローインタビューは先頭打者ホームランを含む４安打のマートン。
◎マリーンズ４回戦……５−２
マリーンズのエース成瀬を２回表に攻略。２死から関本がヒットを放ち、金本がライトオーバーのフェンス上部にあたるあと少しでホームランという二塁打で先制。藤井彰のセンター前ヒットで金本は二塁から一気に滑り込み、里崎のタッチをかいくぐって２点目を奪う。４回表には新井がライト前に高いバウンドのヒットを放つとライトの伊志嶺の頭を超えて二塁打に。金本の内野安打で一三塁とし、藤井彰のライト前に落ちりテキサスヒットがタイムリーとなり３点目を奪った。５回表、平野がライト前ヒットで出塁すると、新井貴の外野フライはセンターの岡田とライトの伊志嶺が激突を避けて躊躇する間を抜けて三塁打となり４点目。６回表にはヒットの関本と四球の藤井彰を塁に置き、マートンのライト前タイムリーで５点目。じわじわと成瀬を苦しめて６回限りでマウンドから引きずりおろした。タイガースはスタンリッジが先発。速球主体の組み立てにうまく変化球を織り交ぜてマリーンズ打線を牛耳る。７回裏、大松にソロホームランを打たれ、さらに二連打を食らうが細谷を併殺に打ち取り、マウンドを小林宏に譲る。小林宏は８回を無失点で切り抜け、９回表には久保田がマウンドに。しかし久保田はキム・テギュンにヒットを打たれ、大松には四球を与えてマウンドを藤川球に譲った。藤川球は予想外の登板で福浦にセンター前に弾き返され、柴田がもたつく間に１点を返されたが、里崎を浅い外野フライに打ち取ると、神戸、伊志嶺と連続三振で逃げ切った。ヒーローインタビューは移籍後初打点と好リードの藤井彰。
◎ライオンズ３回戦……４−０
ライオンズの先発はかつてタイガースキラーで名をはせた石井一。しかし、立ち上がりをマートンが襲う。レフトスタンドにまたも先頭打者ホームラン。鳥谷の四球と新井貴のセンターオーバーの二塁打で１死二三塁とし、関本のライト前ヒットで鳥谷が還り２点目。新井貴もホームに突入したが、残念ながら憤死。３回表、平野のヒットと鳥谷の二塁打でまたもチャンスを作り、新井貴の犠牲フライで３点目を奪う。タイガースの先発は能見。初回、片岡、栗山、中島を三者三振に切って取る好調な立ち上がり。新人の熊代には２安打を許したが栗山、中島、中村の中軸をノーヒットに抑えて得点を許さない。７回表、２死から浅井がセンターオーバーの二塁打を放って石井一をノックアウト。二番手平野からマートンがタイムリー二塁打を放ち大きな４点目が追加された。能見は８回裏、中島、中村を連続三振に打ち取るなど最後まで力を振り絞り、みごと今季初完封を果たした。もちろんヒーローインタビューは能見。３連勝も今季初めて。
◎ライオンズ４回戦……５−１１
ライオンズの先発はプロ入り初登板の菊池。初回、いきなりマートンのヒットで攻め立てる。平野が送り、鳥谷が四球、新井のヒットで満塁に。ここでパスボールが出てタイガースが１点先取。タイガースの先発は復活を期す安藤。二軍でなじんでいた岡崎が今季初マスク。しかし、それが裏目に。２回裏、先頭の浅村を歩かせ星秀のバントで二塁に。銀仁朗のタイムリー、熊代にもタイムリー、栗山にもヒットでつながれ、中島にタイムリーと３点を失い降板。二番手の福原が後続を断ち、なんとか流れを断ち切った。３回表、菊池からマートンが内野安打で出ると平野が送り、鳥谷のヒットで１死一三塁に。新井貴、ブラゼルがライト前に連続で運んで３点を奪い逆転した。ここで菊池は降板し、ほろ苦いデビューとなった。４回まで福原がしっかり抑え、逃げ切りを図って５回表には榎田を投入。しかし、榎田は中島に四球、中村には死球。原のバントで１死二三塁とされ、浅村を歩かせ満塁に。代打平尾にはセンター前に弾き返され２点タイムリーとなって逆転を許した。さらに銀仁朗にスクイズを決められ、グラブトスをしようとした榎田だが取りそこなう。熊代には犠牲フライを打たれ、この回４失点。満塁のところで藤井彰に捕手を代えたが、その策も実らず。二番手平野に抑えられていたタイガース打線だったが、７回表に平野の内野安打、鳥谷のライト前ヒット、新井貴の四球で１死満塁とし、ライオンズの平野は降板。タイガースから移籍した江草がブラゼル封じのためにマウンドに。ブラゼルはライトへの犠牲フライで１点を返した。四番手ミンチェから関本がヒットでつないだが金本がセカンドゴロに抑えられて反撃もそこまで。ミンチェに最後まで抑えられてしまう。８回裏、西村が登板したが、銀仁朗の内野安打、熊代のバントで１死二塁とされ、片岡にタイムリー、栗山にもヒットを打たれ、清水の捕逸などでピンチを広げ、中島にもタイムリー。代打フェルナンデスの２点タイムリーで１１失点と点差を広げられ、完敗した。
愛すれどTigers週間ＭＶＰ
投手……能見篤史 今季初完封である。しかもチームとしても初の完封。そして今季初めての３連勝。ここまでエース級相手との投げ合いで打線の援護がなく苦しい投球が続いていたが、やっと報われた。
野手……藤井彰人 該当者なしでもよいのだが、桧山だけは肩の力の抜けた素晴らしいスイングで代打で使うのはもったいないくらい。一度先発で４番を打たせてみたらどうか。決して奇策ではなく、調子のよいものを優先して使うという意味で。
次節は甲子園に戻り、ファイターズとイーグルスと対戦して交流戦終了となる。久保の穴は日程がゆったりしているために無理に埋めることはない。リーグ戦再開に向け久保の完治を待ちたい。リード、打撃、捕球など「らしさ」を失っている城島よりも巧みなリードで投手のいいところを引き出す藤井彰の存在が頼もしく思える。城島の戦列離脱を想定して獲得したのが藤井彰なのだ。本拠地でダルビッシュからなんとか打ち勝ってほしいのだが、それができたらさらに勢いづくに違いない。
（２０１１年６月１３日記）
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