甲子園で交流戦最後の4試合。ファイターズ戦は好投手の武田勝に岩田が投げ勝ち関本のサヨナラ打で先勝し、さらにダルビッシュを攻略して2勝。ゴールデンイーグルス戦では初戦は雨にないて降雨コールド負けを喫したが、2戦目は相手のミスにつけこみ大勝して1勝1敗。今節も3勝1敗。通算21勝28敗1分の勝率.429で首位スワローズとと6.5ゲーム差の4位に浮上。交流戦の成績は10勝14敗で9位。
◎ファイターズ3回戦……1−0
先発はタイガースが岩田、ファイターズが武田勝。タイガース打線は武田勝のタイミングを外す投球術に完全にはまってしまい、凡ゴロの山を築く。岩田はスライダーがさえてここというところで三振をとる。2回表、1死からホフパワー、金子誠に連打を浴びるが、鶴岡のスクイズを外してホフパワーを本塁で刺し難を脱した。タイガースは4回裏、新井貴の四球とブラゼルのヒットでチャンスを作るが関本がサードゴロで実らず。7回表、岩田の三者三振で流れを作り、その裏、新井貴、ブラゼルの連打でチャンスをまた作ったが、関本がライトフライ、新井良がゲッツー。両投手、一歩も引かない。9回表、2死から金子誠が内野安打で出塁し、鶴岡の打席の時に代打二岡が後ろに控える。梨田監督はここで武田勝を交代させることにしたようだ。しかし、鶴岡のピッチャーゴロでチャンスがついえると、武田勝は続投ではなく9回裏には増井がマウンドに。DH制のパ・リーグならではの継投であったが、これが裏目に。新井貴がフォークをうまくすくい上げてヒットにすると、俊介はバント失敗のあとエンドランのサードゴロで新井貴を二塁に進める。そして関本がやはりフォークをすくい上げてショートの頭を越す。新井貴が一気にホームを突きサヨナラ勝ち。ヒーローインタビューは復活の完封勝利をあげた岩田とサヨナラ打の関本。
◎ファイターズ4回戦……2−1
メッセンジャーとダルビッシュの投手戦。初回は両投手ともヒットを続けられてピンチを招くがうまく乗り切って2回以降安定した投球に。3回裏、マートンがセンター前ヒットを放ち、糸井のエラーで二塁に進む。平野が犠打で三塁に進め、鳥谷三振のあと新井貴の打席の時にダルビッシュが高めに暴投。マートンが先制のホームを踏み、連続無失点記録は44イニングであっけなく途切れた。メッセンジャーは5回までよく踏ん張ったが、6回表につかまる。糸井のヒットとホフパワーへの四球で2死一二塁。稲葉のセンター返しの打球を関本が横っ跳びで捕球し内野安打にとどめる。満塁から金子誠にレフト前に運ばれ同点とされたが、大野をセカンドゴロに打ち取って勝ち越しは許さず。7回裏、先頭の関本がヒットで出ると、続く林がショートへの深い当たりで内野安打に。藤井彰は番失敗のゲッツー。しかし代打桧山が死球で塁に出、マートンのライト前ヒットで代走柴田が一気にホームへ。返球は柴田に当たり、桧山もボールが転がる隙にホームを狙ったがこれはアウト。しかし、とにかく1点をもぎ取った。7回には榎田、8回には小林宏がきちっと抑えると、9回表には藤川球を投入し、代打二岡にはヒットを打たれたものの今成、陽、田中をすべて三振でアウトに取って逃げ切った。ヒーローインタビューは先制のホームインと決勝タイムリーのマートン。ABC清水アナウンサーに「日本語と関西弁で」とふられると、「ひとつ、かみさまはわたぁしのちかぁらです、ふたぁつ、まいど、まいどおおきにぃー」とやって満場の甲子園をわかせた。
◎ゴールデンイーグルス3回戦……1−2
雨上がりの甲子園、能見は初回につかまる。ヒットの鉄平を塁に置き、松井稼のレフトスタンドポール際への2ランで先制された。しかし、2回以降は先頭打者を毎回許しながらも粘りの投球で6回を投げ切った。タイガースはイーグルス先発川井を打ちあぐねていたが、3回表、マートンがライト線を深々と破る三塁打。ここで雨が強くなり56分の中断。再開後、平野がセンター前に弾き返してマートンを迎え入れて1点差とした。4回裏、関本と藤井彰の連続ヒットでチャンスを作り、ここで川井から小山にスイッチ。俊介は内角のボール球を空振り三振。能見もチャンスを逸した。6回裏の攻撃が始まる前に再度の中断。30分待って主審の山村がゲームセットを宣告し、コールド負け。イーグルスは抑えの切り札が確立していないだけに逆転のチャンスはまだまだあったはず。もったいない敗戦となった。
◎ゴールデンイーグルス4回戦……7−0
イーグルスの先発は永井。2回裏、1死から関本が歩くと林がライト前ヒットで続き、藤井彰のレフト前ヒットで1点を先制した。3回裏、先頭の平野が二塁打を放ったが、鳥谷は三振、新井貴はファールフライ。ブラゼルも平凡なサードフライ。しかしここで三塁手の草野と遊撃手の松井稼が交錯し草野が落球、平野が一気に生還して2点目を奪って流れを引き寄せた。4回裏には藤井彰が二塁打で出るとスタンリッジのバントを捕手の嶋が三塁に送球したが球がそれて藤井彰はセーフ。マートンと平野の凡退でまたチャンスをつかめないかと思われたが鳥谷がライト線に二塁打で藤井彰を迎え入れる。さらに新井のレフト前2点タイムリーで5点目を奪った。さらに6回裏、二番手ヒネメスからヒットの平野を塁に置き、鳥谷がライトスタンドに2ラン。7点の援護をもらったスタンリッジは速球と変化球をうまくおりまぜ完封勝利。交流戦のラストを勝利で飾った。ヒーローインタビューはスタンリッジと藤井彰の完封バッテリー。藤井彰は「今日は鳥谷でしょう」と満面の笑みで言って満場の笑いを誘った。
愛すれどTigers週間MVP
投手……ジェイソン・スタンリッジ デーゲームに弱いとされていたが、今季のスタンリッジはそうではない。カープを有効に使う投球で今季初完封。ローテーション投手として十分な活躍である。
野手……関本賢太郎 控えに甘んじる選手ではない。先発で二塁に定着し、サヨナラ打を含む効果的なヒットと球際に強い二塁守備を見せてその存在感を見せつけてくれた。
交流戦も終わり、セ・リーグ相手のリーグ戦が再開だ。まずは甲子園でジャイアンツを迎え撃つ。。怪我の久保のリハビリも順調に進んでいるという。さあ、勝負はこれからだ。
(2011年6月20日記)