愛すれどTigers


スタンリッジ、今季2度目の完封勝利

 今節は9連戦の終わり。マツダズームズームスタジアムでのカープ3連戦は2戦目が台風の影響で中止。2試合を連勝すれば5割で後半戦を迎えることができたのだが、初戦をスタンリッジの完封で取ったが2戦目は岩田を引っ張り過ぎて惜敗。今節は1勝1敗。通算34勝36敗1分の勝率.486で、負け越しは2のまま。首位スワローズと8.0ゲーム差のドラゴンズとの同率2位。

◎カープ9回戦……5−0
 カープの先発は福井。初回、2死から鳥谷が四球を選ぶと、新井貴がレフト前にヒットでつなぐ。ブラゼルは左中間を破る二塁打でまず2点を先制。3回表には1死から新井貴がライト前に落とすとライト松山が後ろにそらして二塁打に。ブラゼルのレフト前ヒットで新井貴が生還し、3点目。関本が歩き、金本のセカンドゴロは二封のあとショート木村が一塁に送球した球をファースト栗原がそらしてブラゼルが生還。さらに藤井彰が左中間に二塁打を放ち金本が生還してルーキー福井から5点を奪った。福井は3回限りで降板。カープはこのあとジオ、上野、青木高、豊田とつないでタイガース打線を抑えきっただけに、先発福井のKOは大きかった。タイガースの先発はスタンリッジ。4回裏まで1安打に抑え、5回裏には2死から石原と代打天谷に連打を浴びたが、丸を平凡な外野フライに打ち取りピンチを脱した。6回裏には木村、嶋の連打で無死一二塁とされたが栗原、松山を連続空振り三振にとると、小窪をライトフライに。9回裏には2死から天谷の一塁ゴロを新井良がトンネル。代打赤松にも内野安打を打たれて完封危うしという雰囲気になったが、最後の打者、木村をピッチャーゴロに打ち取り今季2度目の完封勝利。台風の接近で強風が吹く中、みごとな投球だった。ヒーローインタビューはむろんスタンリッジ。
◎カープ10回戦……1−3
 岩田と前田健の投手戦。両チームの打線は初回からランナーを出して攻め立てるが、両投手ともここというところで打線を封じこめる。先制したのはタイガース。6回表、1死から新井がヒットで出塁すると、ブラゼルがライト線を破る二塁打で返す。続く関本の左中間を破る二塁打に、ブラゼルは一度二塁に戻りかけてからスタート、山脇三塁コーチの制止もきかず一気にホームへ。しかし、返球もよくホームではペースを踏めずキャッチャーにはブロックされてアウト。その判定にブラゼルが激昂する場面も。この追加点が取れなかったことが響いた。7回裏、先頭の井生がヒットで出ると、小窪が送り、山本の内野ゴロの間に三塁まで進まれる。石原の深いショートへのゴロが内野安打となり同点に追いつかれた。さらに8回、先頭の赤松の二塁打を足場に2四球で1死満塁に。代打前田智の打球は前進守備の関本の頭を越えてライト前への2点タイムリーに。ついに岩田は力尽きた。カープは辛抱して投げた前田健から9回表、サファテにスイッチ。その速球にブラゼル、関本は三振。俊介も力のないセンターフライで試合終了。タイガースは5割で前半戦を折り返すチャンスを逸した。

愛すれどTigers週間MVP
投手……ジェイソン・スタンリッジ 今季2度目の完封勝利。今ひとつ安定を欠く能見や岩田よりも頼りになる投球だ。現時点ではタイガースのエース格といえよう。こういう投手がオールスターに選ばれないのは不思議である。
野手……クレイグ・ブラゼル 豪快な一発こそないが、流してよし力づくで打ちこんでよし。今節は特にチャンスでのコンパクトな振りによるタイムリーが目立った。統一球への対処法をつかみかけているのだろう。

 オールスターゲームでは、マートンが3試合とも先発出場し、3試合連続ヒットで気を吐いた。榎田は初戦にはホームランを打たれたが、2戦目も連騰し、こちらはきっちり抑えた。藤川球も初戦に登板し、リリーフ投手陣9人による豪華リレーの終わりを締めた。平野は2戦目にフル出場したが、ノーヒットに終わるも、一塁へのヘッドスライディングを見せて球場を沸かせた。次節はペナントレース再開。甲子園で同率2位のドラゴンズと3連戦。さらに甲子園に残ってベイスターズと3連戦。標的を首位スワローズに定め、まずは勝率5割を目指してほしい。先発投手陣の顔ぶれを見れば、後半戦は大いに期待できそうだ。

(2011年7月25日記)


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