愛すれどTigers


先発陣が崩れてジャイアンツに迫れず

 今節は甲子園でジャイアンツ3連戦。能見、岩田、メッセンジャーの先発投手陣がいずれも崩れ、打線は上向きになってきたもののやはりあと1本に泣き今節は1勝1敗1分。通算55勝57敗6分の勝率.491。首位スワローズとの差は8.0ゲームで4位。優勝から少しずつ遠のいていっているが、なんとかCS出場権をもぎとりたいところ。ここまでチームを支えてきた投手陣に疲れが見え始めた。こういうところで百戦錬磨の下柳が……と思うのだが、球団は戦力外を発表。鳴尾浜でラストマウンドを迎えてしまった。それでもいいから大ベテランの経験を生かす道はないものか。

◎ジャイアンツ19回戦……4−4
 ジャイアンツの先発は西村。3回裏、金本がセンターオーバーの三塁打を放つも、藤井彰は三振、能見はサードへのファールフライ、期待の平野もセカンドゴロに打ち取られ、先制できず。タイガースの先発能見は調子よく、3回まで6奪三振でジャイアンツ打線を寄せつけなかったが、4回表に落とし穴が。先頭の寺内に甘い球をレフト前にもっていかれると、続く長野にもセンター前ヒットを打たれる。1死後、ラミレスのヒットで満塁とされ、フィールズにライト前に落とされて2点を先制された。能見は5回表にも失点。先頭の坂本に死球を与え、寺内のバントで二塁へ進められる。長野は打ち取ったが阿部にレフトの頭を越す二塁打を打たれて1点を追加され、この回限りで降板となった。6回裏、タイガースも反撃。先頭の鳥谷が歩き、新井貴の内野ゴロでランナーーは入れ替わったが、ブラゼルのショートゴロを坂本が後逸して新井貴は一気に三塁へ。マートンがセンター前に弾き返して1点を返す。しかし、金本、代打上本の連続三振で1点どまり。8回表まで、渡辺、藤原、福原の継投でジャイアンツを無失点に抑えていたが、五番手筒井が打たれる。長野に死球を与え、続く阿部にはセンター前ヒットで無死一三塁に。代打谷は打ち取ったがまたもフィールズにセンター前ヒットを打たれて1点を追加された。しかし、続く矢野をライトフライに打ち取ると、二塁走者の阿部がヒットと勘違いして大きく飛び出していて二塁に返球し併殺に。ここでの追加点を1点にとどめたのが大きかった。8回裏、ジャイアンツの三番手金刃から鳥谷がライトオーバーの三塁打を放つ。四番手アルバラデホがマウンドに上がるが、新井貴がセンター前ヒットで鳥谷を返し2点差に。さらに新井貴は盗塁して二塁に進み、マートンのライト前に落とすタイムリーで1点差に。ジャイアンツは8回ながらクローザーの久保を投入。この回はここで切られたが、9回裏、タイガース打線は久保をつかまえた。1死から平野がヒットで出ると、代走に大和を送る。代打桧山の四球で1死一二塁とし、鳥谷が同点タイムリーをセンター前に弾き返す。桧山が二塁に進んだところで西村を代走に送るという総力戦。しかし、新井貴、ブラゼルとフライに打ち取られてサヨナラはならず。
◎ジャイアンツ20回戦……9−4
 タイガースの先発は岩田。2回表、先頭の阿部にライトフェンス直撃の二塁打を打たれ、ラミレスのヒットで無死一三塁。しかし、矢野のショートゴロで飛びだした三塁走者阿部を狭殺プレーでアウトにし難を逃れた。タイガース打線は直後の2回裏、ジャイアンツの先発東野をつかまえた。新井貴がレフトフェンス直撃の三塁打を放ち、ブラゼルの犠牲フライでまず1点。続くマートンはレフトスタンドにソロホームランで2点目。2死から藤井彰、能見、平野の三連打で満塁とし、柴田が右中間を破る走者一掃の三塁打でこの回一挙5点を奪った。しかし、岩田は打線の援護に応えられない。3回表、代打加治前にヒットを打たれ寺内にライト線を破る二塁打で1死二三塁に。長野の二塁打の間に加治前が生還して1点を返され、さらに阿部にセンター前にタイムリーを打たれ2点目を失う。さらに4回表、フィールズ、矢野の連打で1死一三塁のピンチを作り、代打谷に犠牲フライを打たれる。坂本のヒットで2死一三塁とされたところで岩田は降板。ここで二番手渡辺が登板。坂本が盗塁をし、藤井彰が二塁に送球するも内野手のベースカバーが遅れ、その間に矢野が本盗。1点差に迫られた。ここで渡辺は寺内を三振に取り、同点は許さず。渡辺とジャイアンツ三番手小野の好投で1点差の緊迫した試合が続く。タイガースは渡辺から藤原と小刻みな継投。それに対し、ジャイアンツは小野を6回裏も続投させ、これが明暗を分けた。6回裏、1死から平野、柴田の連打と鳥谷の四球で満塁とし、新井貴がセンターオーバーの二塁打で2点を奪う。さらにブラゼルのセンター前に落ちるテキサスヒットで2者が生還し、この回一挙4点で突き放した。その後福原、筒井、西村の継投でジャイアンツ打線を封じ、快勝。ヒーローインタビューは満塁で三塁打の柴田と満塁で二塁打の新井貴、そしてリリーフで好投し5勝目をあげた渡辺。柴田の第一声、「みなさん、ご迷惑をかけています、すみません」に甲子園のファンが沸いた。
◎ジャイアンツ21回戦……2−4
 タイガースの先発メッセンジャーが3回表につかまった。内野安打の橋本を内海が送り、坂本にもヒットを打たれて1死一三塁。藤村にうまくショートの頭を越されてまず1点。長野のショート内野安打で満塁とされ、阿部の犠牲フライとフィールズのライト前タイムリーでこの回3点を失った。6回裏、ここまでランナーを出しながら要所を締められていた内海に一矢報いる。1死から鳥谷のレフト前ヒットと新井貴の三塁古城へのサードゴロを古城がこぼして一二塁とし、マートンのセンター前ヒットで鳥谷が一気にホームインし、2点差とする。しかし7回表、二番手藤原がつかまる。古城のショートゴロを鳥谷が弾き出塁を許すと、代打矢野の三塁線への当たりを新井貴が取れずレフト線への二塁打としてしまい1死二三塁としたところで渡辺に交代。坂本にセンター前に弾き返され3点差に戻された。8回裏、二番手山口から新井貴とブラゼルの連打でチャンスを作り、金本の猛打賞となるレフト前ヒットで新井貴が生還して2点差に迫るも、ブラゼルが三塁を欲張りタッチアウト。一気に同点というチャンスを作れたのに、自らつぶしてしまった。9回裏には久保に抑えられ連勝ならず。

愛すれどTigers週間MVP
投手……渡辺亮 今季も45試合登板を果たしたタフネス。2戦目の勝利をヒーローインタビューで自ら「ごほうび」という。それくらいどんな場面でもきっちりと役割を果たしているということだ。
野手……マット・マートン やっと本来の巧打を連発しはじめ、首位打者のタイトルも見えてきた。これが来季、タイガースでプレーするためのアピールならよいのだが、米メジャー向けのアピールでないことを祈りたい。

 次節は神宮でスワローズ3連戦。そして甲子園でドラゴンズ3連戦。上位2球団を叩くことによって、Aクラス入りはおろか奇跡の逆転優勝の目もでてくるというもの。若い秋山が今季初の一軍登板を予定されている。何かを持っている男だけに、その運がチーム全体にまわってくれるといいなあ。

(2011年9月27日記)


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