今節は神宮球場でスワローズにいずれも逆転されて3連敗。甲子園でのドラゴンズツ3連戦は初戦を取ったもののそのあと2連敗。今節は1勝5敗。通算56勝62敗6分の勝率.475。首位スワローズとの差は11.0ゲームで4位。3位のジャイアンツとのゲーム差は5.5。Aクラスの座も遠のいていく。ヒーローインタビューで藤川球が「底力を見せます」と宣言してくれたのを信じるしかないが……。それにしても敗戦のすべてを真弓監督におしつけて「辞任しろ」と短絡的にののしる「ファン」の気持ちもわからぬではないが、苦しい時にこそ声援するのがファンの心意気ではないかと私は思う。
◎スワローズ17回戦……4−3
スワローズ先発の村中をタイガース打線が初回から攻略。先頭の平野がライト前ヒットで出ると、大和が送り、鳥谷が死球。1死一二塁から新井貴は三振。しかしブラゼルのセンター前ヒットで1点を先制した。しかしタイガースの先発スタンリッジはこの試合も不安定。1回裏、先頭の青木を歩かせ、田中浩のバントで二塁に進まれる。そして川端の左中間への二塁打で同点に追いつかれた。さらに畠山にレフトスタンドに2ランを叩きこまれリードを許す。タイガース打線はこれも不安定な村中を攻略。3回表、1死から新井貴が歩き、ブラゼルのヒットでチャンスを作ると、マートンがレフトスタンドに逆転3ラン。リードをもらったスタンリッジだったが、3回裏、ヒットの青木を田中浩に送られ川端を打ち取ったところで渡辺に交代。渡辺は畠山を打ち取りリードを保つ。4回裏、渡辺は宮本の四球と相川のヒットでピンチを作り、藤原にスイッチ。藤原はホワイトセルに四球を与え2死満塁としたが青木をショートゴロに打ち取る。6回裏、四番手福原は先頭の宮本にヒットを許し、飯原のバントのあと相川のヒットで1死一三塁とする。代打川島慶のセンター返しの当たりは福原の足に当たりショート方面へ転がる。鳥谷がバックホームしたが宮本はホームイン。1点のリードを許したところで榎田が登板。青木の膝に死球を与え、1死満塁に。田中浩はショートゴロで本塁封殺。あと一人というところで川端の当たりはライトスタンドに。大きな満塁ホームランで試合は決した。スワローズは5回表から登板した左腕日高が好投。押本、松岡、イムの継投でタイガース打線は反撃をかわされた。
◎スワローズ18回戦……5−8
タイガースの先発は今季初登板の秋山。初回からまずまずの滑り出しだったが、2回裏にピンチを迎えた。先頭の畠山にヒットを許し、バレンティンを歩かせ宮本のバントで1死二三塁に。武内をセカンドフライに打ち取り、相川を敬遠して投手の七條と勝負。七条はキャッチャーへのフェアフライ。秋山が一瞬取りに行きかけたのが目に入ったか、藤井がまさかの落球で2点を先制される。しかし、直後の3回表、七条をつかまえた。先頭の柴田が四球を選び、鳥谷がセンター前ヒットでつなぐ。そして新井貴が逆転の3ランをレフトスタンドへ。通算250号は逆転の胸がすくようなホームランであった。秋山はこの1点リードをよく守っていた。スワローズ打線はことごとくタイミングを狂わされていた。しかし、6回裏、神宮の魔物が秋山を襲った。先頭の畠山を歩かせ、バレンティンに逆転の3ランを打たれたのである。続く宮本にヒットを打たれたところで藤原に交代。武内にバントを決められ、相川にレフトオーバーの二塁打で1点を失い、代打川島慶を歩かせて1死一二塁。青木にまたもレフトオーバーの三塁打を打たれ、さらに2点を失って藤原は降板。三番手の西村は田中浩にライトへの犠牲フライを打たれ、この回だけで6点を奪われる悪夢のような展開。スワローズは一場、松井光、押本、松岡と小刻みな継投でタイガースをかわしにかかる。8回表、松岡にタイガース打線が意地を見せた。ヒットのマートンを塁に置き、1死から代打林がセカンドゴロを打つも田中浩がこぼして投げられずセーフに。代打桧山は浅いライトフライに終わるが、平野が執念の内野安打で満塁に。柴田は空振りの三振。しかし、相川が後ろにそらす間に一塁へ走る。相川の送球は柴田の後頭部当たり大きく弾み、この間に2人が生還。一気にたたみかけたいところだったが、鳥谷はセカンドフライに倒れ、反撃もそこまで。9回表はイムに抑えられて連敗。優勝しようとしているチームのもつ勢いに飲みこまれるような敗戦だった。
◎スワローズ19回戦……4−7
タイガースは能見をたてて連敗ストップを狙う。その能見でさえスワローズの勢いを止められなかった。初回、青木のヒット、畠山への四球などでランナーをためバレンティンにレフトスタンドに先制スリーランを打たれてしまった。しかし、2回以降は本調子に戻り、スワローズ打線を手玉に取る。5回表、ここまで抑えられていた館山からマートンがヒットを放つと金本がライトスタンドにツーラン。これで1点差に。6回表には平野がヒットで出塁。内野ゴロの柴田と一塁走者が入れ替わったところで、鳥谷が左中間を破る二塁打を放ち、柴田が一気にホームを突き同点に。さらにブラゼルの内野フライは風のいたずらか神宮の魔物の気まぐれか三人の野手の間をすり抜けるようにぽとりと落ちて鳥谷が生還しついに逆転。能見はよく踏ん張っていたが、8回裏、力尽きる。先頭の代打川島慶を歩かせ、青木にもヒットを許し、田中浩の犠打で1死二三塁に。そして川端のライト線への二塁打で逆転されてしまう。ここで渡辺に交代したが、畠山のヒットで一三塁となりバレンティンに犠牲フライを打たれ、宮本のタイムリー二塁打でとどめを刺された。3点差とされたら9回表のマウンドにはイム。マートンが、代打の林が三振に。代打桧山もセカンドゴロで試合終了。スワローズの勢いにのみこまれたような悪夢の3連敗。
◎ドラゴンズ22回戦……3−1
先制したのはタイガース。4回裏、先頭の鳥谷がネルソンにセカンドゴロに打ち取られたが、井端がこれをはじき一塁に生きる。新井貴の頭すれすれにネルソンの速球が行き、かろうじてよけた新井貴はネルソンをにらみつけた。そして次の球を狙い打ち。打球はレフトスタンドに飛び込む2ラン。さらにブラゼルも初球をバックスクリーンに叩きこんで3点を先取した。タイガースの岩田は5回表、和田に三塁打を打たれ、平田のセカンドゴロの間にホームインされた。さらに6回表、ネルソンと井端のヒット、ブランコへの四球などで2死満塁のピンチを迎えたが、谷繁を速球で見逃し三振に切って取り、難を逃れた。8回には榎田、9回には藤川球の必勝リレーで連敗をストップ。ヒーローインタビューは久々の勝利の岩田と連敗中に出番がなく久しぶりの登板でうっぷんを晴らした藤川球。
◎ドラゴンズ23回戦……3−4
苦手のソトから初回に先制。1死から上本の四球と鳥谷のヒットでチャンスを作り、新井貴の三遊間を抜くタイムリーで1点先取。ところがメッセンジャーが直後の2回表にブランコの四球と平田の内野安打で1死一三塁とされ、大島と小田の連続タイムリーで逆転された。それでもタイガース打線はあきらめない。3回裏、上本が四球で出ると、ここでソトが故障を訴えて降板。二番手の伊藤から新井貴の四球と伊藤の暴投で2死二三塁とし、マートンがレフト前に2点タイムリーを放ち、再びリード。メッセンジャーはこのあと1発に泣く。4回表には平田にレフトスタンドに同点のソロホームランを叩きこまれ、6回裏にはブランコに勝ち越しホームランを許した。7回裏、柴田のヒットと藤井彰の四球でチャンスを作り、平野のバントはブランコがこぼして無死満塁に。代打桧山が三番手小林正からレフトフライを放つが、タッチアップからホームを突いた柴田を和田がどんぴしゃりの送球で差す。続く鳥谷には浅尾が出てきて三振。最後は岩瀬に抑えられて敗れた。
◎ドラゴンズ24回戦。……2−7
久保が初回、かんたんに2死を取るが、森野を歩かせ、ブランコのヒットと谷繁の四球でピンチを作り、和田と平田の連続タイムリーで4失点。完全に主導権を握られた。5回表にはヒットの森野を塁に置き、谷繁の2ランをレフトスタンドに。久保に代わった藤原も7回表、和田のタイムリーで1点を追加された。タイガース打線はチェンの前に沈黙。8回裏、二番手三瀬から代打清水がヒット。大和の三塁打でまず1点。続く鳥谷もタイムリーを放ったが時すでに遅し。
愛すれどTigers週間MVP
投手……岩田稔 久々の好投。今節唯一の勝利を記録した。次回もこの調子で踏ん張ってほしいものだ。
野手……新井貴浩 通算250号の逆転ホームランや先制ホームランなど、思い切りのいい打棒が戻ってきた。ここ一番での勝負強さをもっと見せてほしいところだが。
次節から試練の13連戦。まずは京セラドームのスワローズ戦と横浜球場のベイスターズ戦。スワローズには神宮のお返しをしてほしいし、ベイスターズには今季ここというところで負けた分を一気に取り戻してほしい。このままずるずるといくようだと、来季もし監督が交代しても同じような結果にしかならないと思うのだ。
(2011年10月3日記)