愛すれどTigers


4位確定で真弓監督辞任

 今節は東京ラドームでジャイアンツ3連戦。初戦は能見で勝ち、期待をもたせたが、2試合連続サヨナラ負けで1勝2敗とがけっぷちに。神宮球場でのスワローズ戦に勝ち、1勝。横浜球場でのベイスターズ戦も勝って1勝。希望を残していたが、甲子園に戻ってカープとの初戦は降雨コールド負けという不運。ジャイアンツが首位ドラゴンズに連勝してAクラスが確定し、真弓監督は辞任を発表。それでも能見の好投でお返しをし、1勝1敗。今節は4勝3敗。通算65勝66敗6分の勝率.496。首位ドラゴンズとの差は8.5ゲームで4位確定。

◎ジャイアンツ22回戦……6−3
 タイガースの能見とジャイアンツの西村の投手戦。先に点を取られたのは能見。5回裏、1死から苦手の谷にヒットを打たれ、続く脇谷のヒットで一三塁に。西村は二塁走者を送るバントの構え。バントしたところに三塁走者の谷が突っ込む。ボールは一塁ライン上を転がり、本塁は間に合わず一塁でアウトに。しかし、そこから能見はよく粘り、寺内をフライに打ち取り1点にとどめる。5回までノーヒットに抑えられていたタイガース打線は、6回表に奮起。1死から平野がセンター前に初安打を弾き返すと柴田が送り、鳥谷の右中間を破る二塁打で平野が帰り同点に。さらに新井貴が初球打ちのレフト前ヒットで鳥谷を返して逆転に成功。西村はノーヒットピッチングをしながらこの回越智にマウンドを譲った。7回表、先頭の金本が四球を選び、俊介が代走に送られる。小宮山のバントは越智の一塁送球をベースカバーの寺内がこぼして無死一二塁に。代打上本のバントで二三塁とすると、投手は左腕高木に。しかし実は左腕投手が得意の平野がレフト前に2点タイムリー。8回表には四番手福田からブラゼルとマートンのヒットでチャンスを作り、俊介が送る。代打関本の右中間へのタイムリーでさらに2点を加えた。8回裏、福原からつないだ渡辺が代打藤村への四球と長野のヒットでピンチに。ここで交代した榎田が阿部を歩かせ満塁とし、ラミレスの犠牲フライと代打矢野のタイムリーで2点を失うが、なんとかそこで食い止める。そして9回裏には藤川球がマウンドに。3人の打者をいずれも外野へのポップフライに打ち取り、逃げ切り。これで今季、ジャイアンツの優勝は完全になくなった。ヒーローインタビューは勝ち越しのタイムリーを放った新井貴。
◎ジャイアンツ23回戦……3−4
 タイガースの先発はメッセンジャー。2回裏、阿部のライトスタンドへのソロホームランで先制される。しかし、ジャイアンツの先発東野は初回から不安定。3回表、2死から柴田、鳥谷、新井貴の3者連続四球で満塁に。ここでブラゼルがライト前ヒットで2点を返し逆転。新井貴は三塁で刺されて一気に突き放すことができなかったが、これが大きく響くことになる。5回裏、先頭のラミレスを歩かせ、谷のライト前ヒットで無死一三塁に。亀井のファーストゴロは飛びだした三塁走者ラミレスを挟殺して1死は取ったがランナーは二三塁に進まれる。ここで非力な藤村を侮り速球をセンターに打ち上げられて同点の犠牲フライに。それでも直後の6回表、二番手高木から新井貴がレフトスタンドに勝ち越しのソロホームラン。それでもジャイアンツは食い下がる。6回裏、二塁打の坂本と投手への安打の脇谷を塁に出して無死一三塁に。阿部のライト前ヒットでまた同点に追いつかれる。ジャイアンツは三番手山口が好投。タイガースは試合展開が早かったためメッセンジャーを9回裏まで引っ張ったが、これが裏目に。先頭の谷にヒットを打たれ、鶴岡のバントで二塁に送られる。ここで藤川球を投入したが、藤村に速球をうまく合わせられレフト線へのサヨナラヒットを打たれ、連勝を逃した。この試合、マートンが30試合連続ヒットで日本記録まであと3試合と迫った。また、この日の敗戦でタイガースも優勝の望みは断たれてしまった。
◎ジャイアンツ24回戦……1−4
 岩田が力投。5回1死までパーフェクトピッチング。ラミレスに打たれた先制ソロホームランが初被安打となった。9回まで投げ切って4安打1失点という結果で勝ち投手になれなかったのは不運。タイガース打線も内海に対し苦しんだが、先制された直後の6回表に先頭の平野がセンター前に弾き返し、柴田が送り、鳥谷のライト前ヒットで同点に追いつく。しかし内海を攻略し切れず、延長10回まで投げ切らせてしまった。マートンもノーヒットでついに連続試合安打の記録がストップ。10回裏、二番手に福原を投入。先頭の阿部にヒットを打たれ、谷のバントで二塁へ。ここで榎田にスイッチ。代打鶴岡を三振に取り、続く代打矢野は敬遠で塁を詰める。そして代打高橋由を迎え、初めて甘いところに入ったのをライトスタンドに叩き込まれ2試合連続のサヨナラ負け。これはさすがにきつかった。
◎ベイスターズ21回戦……10−0
 タイガースの先発は今季初先発の小嶋。初回、2四球でいきなりピンチを迎えるが村田を三振に打ち取ってからは落ち着いた投球。2回表、天敵三浦から新井貴が左中間スタンドに先制のソロホームラン。3回表にはヒットの小宮山を小嶋が送り、平野の二塁打で1点を加え、柴田が四球を選び、鳥谷の一塁ゴロで二三塁に進む。ここで新井貴がライト前に2点タイムリーと突き放す。5回表、ヒットの鳥谷と四球の新井貴を塁に置き、ブラゼルが進塁打となる一塁ゴロ。マートンの二塁ゴロの間に鳥谷が生還し、マートンは初めて二塁を守った中村紀のエラーで生きる。続く金本も内野ゴロで新井貴が生還した。この回限りで三浦は降板。6回表には二番手山本から柴田、鳥谷、新井の三連打でさらに1点追加。新井はこの時点で打点トップに立つ。8回表には三番手福山から内野安打の柴田とライト前ヒットの新井がチャンスを作り、途中出場の大和がライト前にタイムリー。9回表には四番手大沼から先頭の俊介がサードのエラーで出塁すると、上本が四球を選び、平野の内野安打で満塁とし、柴田の2点タイムリーがライト線に。得点はなんと10点。真弓監督解任のニュースが飛ぶ中、選手がプレッシャーから解き放たれてのびのびと野球をしている。投手リレーも6回途中から西村が登板、藤原、筒井とつないで完封リレー。ヒーローインタビューは4年ぶり、ルーキーイヤー以来の勝ち星を得た小嶋。
◎スワローズ23回戦……10−1
 久保と村中が苦しい内容ながらも5回まで無失点に抑える。6回表、二塁打の鳥谷と四球の新井貴を塁に置き、ブラゼルがレフト前に先制タイムリー。マートンが歩いて満塁となったところで豪雨で中断。二番手押本が代打関本、代打金本を凡退させたが代打桧山が押し出しの四球を選ぶ。平野のレフト線への三塁打で走者一掃。その平野を柴田がセンター前ヒットで返して一気に6点。ここで再び豪雨で中断。このままコールドゲームになると、5回までの得点で決着がつくために0−0の引き分けになるところだったがなんとか再開。久保は5回を投げ切り筒井にバトンタッチ。筒井は7回裏にバレンティンのソロホームランで1点を失ったが、藤原、西村とつないでスワローズ打線を抑えこむ。7回表には二塁打の俊介をトンがヒットで返し、8回表には久古からヒットの柴田と俊介を置いてまたマートンが今度はレフトスタンドに3ラン。試合は決した。ヒーローインタビューは3安打4打点のマートン。「まいどおおきに、タイガースのファンはいちばんやー」とオマリーを主出させる日本語で答えた。
◎カープ20回戦……0−2
 タイガースの先発スタンリッジは不安定ながらもなんとか抑える。3回表、先頭のバリントンに二塁打を打たれ、赤松のバントで三塁へ。東出のセンターフライでバリントンがホームへ突入、柴田の返球がバリントンのヘルメットに当たりタッチできず先制点を許す。6回表には栗山と松山の連打でピンチに。丸のバントで二三塁とされ、會澤にレフト前にタイムリーを打たれて2点差に。ここでスタンリッジは降板し、藤原が抑えてなんとか大量点は防いだ。カープの先発バリントンは変化球が低めにはまり、なかなかチャンスを作れない。4回裏、鳥谷と新井貴の連打とバリントンの暴投、金本の敬遠で2死満塁としたが、藤井彰が三振。6回裏には1死からブラゼルのヒットと金本の二塁打、マートンの四球で満塁としたが、代打桧山はショートフライ、代打関本は三振と切り札二人が凡退で攻略できない。ここで雨が強くなり、30分を超える中断の末、主審友寄が試合終了をコール。Aクラス入りがほぼ絶望的になった。
◎カープ21回戦……2−0
 試合前、デイゲームでジャイアンツが勝ったためにBクラスが確定。それでも能見は渾身の投球でカープ打線を抑える。8回を投げて2安打8奪三振。対するカープ先発の大竹も好投。ヒットは出るがあと1本が出ず7回まで得点できず。8回裏、先頭の柴田がライト線に三塁打を打つと、続く鳥谷は四球を選び、ここで大竹から岸本にスイッチ。新井貴を抑えられ、続くブラゼルのところで青木高に交代。ここでブラゼルはセンター前に弾き返す巧打で2者生還。ついに先制点を奪った。9回表は藤川球がマウンドに上がり、三者凡退に仕留めて意地を見せた。これでタイガースの4位とカープの5位が確定した。ヒーローインタビューは決勝打のブラゼルと11勝目をあげた能見。

愛すれどTigers週間MVP
投手……能見篤史 苦しい連戦の中で自分のペースを取り戻し、大切なジャイアンツ戦の初戦を取り、あるいはAクラス進出がなくなっても気持ちを切らせることなく完璧な投球。この姿勢が大切なのだ。来季もエースとしての活躍を期待できる。
野手……柴田講平 ここにきて、打撃もよくなり、走塁も積極的に大胆にいけるようになった。さらに守備でもいいところを見せ、来季こそレギュラー定着を期待させた。

 真弓監督の辞任、4位確定で、今後は次の監督が誰になるのかというところに焦点が移ることになるだろうが、現場は残り試合すべてを消化試合にせず全力で戦ってほしい。次節は甲子園でスワローズ、ベイスターズ相手に4連戦をし、マツダスタジアムでカープ3連戦という7連戦。これで今季の日程はすべて終わる。スポーツ紙もそれまで後任の監督についてはそっとしておいてほしいけれど、まあ無理だろうなあ。外部なら梨田、内部からなら平田、和田という名前が挙がっている。タイガースのことなど何もわからない梨田氏よりも内部からの昇格が好ましいと思うのだが。

(2011年10月10日記)


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