愛すれどTigers


打線復調で新潟2連勝

 今節は下位と5試合。新潟ハードオフエコスタジアムではカープの自慢の外国人投手を打ちこみ2勝。横浜スタジアムに移ってベイスターズ戦。苦手の三浦にあわやノーヒットノーランという厳しい試合もあったが2勝1敗。今節は4勝1敗で、通算勝利は17勝15敗5分。勝率.531でゴールデンウィークの負けを少し寄り戻して3位。首位のドラゴンズとの差は3.0ゲーム。鳥谷の一番固定や浅井のレギュラー起用という打線の組み替えが当たった。この調子で交流戦も着実に勝ちを重ねていってほしい。

◎カープ7回戦……8−6
 タイガースの先発久保はいつもの冷静な投球をできなかった。2回裏、先頭のニックにレフトスタンドに叩きこまれると、2死後、今度は堂林にもレフトスタンドにソロホームランで2点を失った。しかし、この試合のタイガースはすぐに反撃。カープの先発バリントンから3回表、藤井彰が内野安打で出塁すると、久保が送り、鳥谷のセカンドゴロの間に三塁に進む。平野のライト前タイムリーで1点を返し、マートンのセンター前ヒットと金本の四球で満塁に。ここで新井貴がセンター横への2点タイムリーを放ち逆転した。ところが、久保は直後の4回裏、またもニックにレフトポール際にホームラン性のファールを打たれ、命拾いしたかと思った瞬間、レフトスタンドに運ばれて同点に。5回裏、先頭の梵に出塁を許したが、盗塁死と東出の三振。これで持ち直すかと思われたが、丸を歩かせてしまい、ここで降板。交代した二番手渡辺はニックに3連発目となる2ランをレフトスタンドに打ちこまれ、2点差をつけられた。しかしバリントンも本調子ではない。6回表、2死からブラゼルがセンターオーバーの二塁打を放つと続く浅井もセンターオーバーのタイムリー二塁打で1点差とし、藤井彰はセカンドのグラブをかすめてライト前に落ちるタイムリーヒットで同点に追いついた。代打新井良が四球を選んだところでバリントンは二番手江草に交代。鳥谷が歩いて満塁。さらに平野も四球を選んで押し出しで勝ち越す。7回裏、必勝パターンで送りこんだ筒井が乱調。東出、ニックのヒットと廣瀬への四球で満塁とし、ここで二塁に牽制悪送球をして同点に追いつかれた。ところが、8回表、セットアッパーのミコライアから藤井彰がセンター前ヒットを放ち、鳥谷がライトスタンド最前列に飛びこむ勝ち越し2ランを放ち、試合を決した。9回裏は藤川球が三者凡退で締め、勝率5割復帰。ヒーローインタビューは地方球場のためになし。地方球場によく見られる「荒れた試合」を制した。
◎カープ8回戦……6−2
 5回まではタイガースの先発スタンリッジとカープの先発齊藤の投手戦。スタンリッジがここまで許した安打は1本のみ。4回表、ショート鳥谷のグラブからこぼれるエラーとニックへの四球でピンチを作ったが、廣瀬が2球続けてバント失敗の末空振り三振。松山はサード新井貴正面へのライナー。堂林をセンターフライに打ち取りピンチを脱する。均衡を破ったのはカープ。6回裏、ニックにライトスタンドにソロホームランを叩きこまれて先制される。しかし、直後の7回表、タイガース打線が反撃。無死から新井貴のレフト前ヒットとブラゼルのセンター前ヒットでチャンスを作り、浅井がバントを決めて二三塁に。代打関本を送ったところで齊藤は降板。二番手岸本に関本はセカンドゴロに打ち取られランナーは動けなかったが、続く代打桧山は幸運にもサードーのファールフライを堂林が取りそこね、打ち直しの一打はセンター前に落ちる同点タイムリー。さらに鳥谷のレフト前ヒットで代走田上が逆転のホームイン。そして平野もセンター前に運んで1点を追加。なおもマートンが左中間を破る三塁打で走者一掃。この回一気に5点を入れて大きくリード。9回表には調整登板の五番手サファテから鳥谷が四球、平野がバントでチャンスを作り、代打城島のサードゴロは堂林が一塁に低すぎる送球で一塁手の足が離れる失策で一三塁とし、新井貴のレフト前タイムリーで6点目を入れた。タイガースは福原、榎田とつないで9回裏に渡辺が登板。ニックと廣瀬に連打を浴び、松山のセカンドゴロの間に1点を失ったが、堂林、代打中東を打ち取り逃げ切った。ヒーローインタビューは地方球場のため今日もなし。
◎ベイスターズ7回戦……3−1
 ベイスターズの先発高崎の立ち上がりを攻略。先頭の新井貴が左中間に二塁打を放つと、ブラゼルがファールフライに倒れたものの浅井がセンター前に先制のタイムリーヒットを放つ。藤井彰のセカンドゴロの間に浅井は二塁へ。能見のレフト前にしぶとく運ぶヒットで浅井がホームイン。続く鳥谷は一塁へのファールフライと思われたのが、一塁手が取れずしかもボールはフェアゾーンではねた。この運のよい当たりが二塁打となり、能見が生還して3点目が入った。ワンチャンスをものにしたことが大きく、能見も初回から全力でとばし、7回まで散発4安打の力投。一方タイガース打線はその後は立ち直った高崎から1安打しか打てなかった。8回裏、代打金城にレフトオーバーの二塁打を打たれると、1死後、荒波にも左中間を破られついに能見は失点。サラサーを打ち取ったところで二番手榎田と交代。榎田は筒香を三振に取り、9回裏は藤川球が三者凡退で締めて3連勝。ヒーローインタビューは投打に活躍した能見。
◎ベイスターズ8回戦……1−2
 タイガースの先発は岩田。毎回のようにランナーを背負いながらも粘りの投球で得点を許さない。しかし、相手は名うてのタイガースキラー三浦。ていねいにコーナーを突き、初回こそ2つの四球でチャンスを作ったものの新井貴が力のない投手ゴロでチャンスをつぶすと、8回までノーヒットピッチング。先に打たれたのは岩田。6回裏、ヒットのサラサーを塁に置き、筒香のバントでサラサーは二塁へ。ラミレスはフライに打ち取ったが、中村紀は敬遠の四球で吉村の右中間を破る二塁打で2点を先取された。9回表には先頭の代打桧山がマーヒッターの夢を破るライトフェンス直撃のヒットを放つ。鳥谷のサードゴロで走者がいれかわり、平野のレフト前ヒットで1死一三塁とし、マートンの投手ゴロの間に鳥谷がホームインして1矢報いたが、反撃もそこまで。金本は力のないサードフライで連勝ストップ
◎ベイスターズ9回戦……8−3
 ベイスターズ先発の国吉が独り相撲。それにつけこんで序盤に得点を重ね、これまで援護がなく苦しんでいたメッセンジャーが楽に投げられた。1回表、先頭の鳥谷が四球で出ると、バント失敗の平野がバスターエンドランに切り替えレフト前ヒットで無死一三塁に。マートンは四球で満塁に。金本も押し出し四球で1点を先制。新井貴は浅いセンターフライに倒れ、浅井はサードゴロで一塁走者が二封。その間に三塁走者がホームインで2点目。ブラゼルが高めの速球を運び右中間を破る走者一掃の二塁打で、いきなり4点を奪った。2回表には1死から鳥谷がまた四球。2死後、マートンも歩き、金本のショートゴロを梶谷が一塁へ悪送球し、鳥谷がホームインして労せずして1点を追加。新井貴が四球で満塁に。浅井はショートへの内野安打でもう1点追加した。6点のリードをバックにメッセンジャーは勢いよく投げ続けていたが、5回裏、黒羽根のサードゴロを新井貴がワンバウンド送球、ショートバウンドをブラゼルが前にはじき、先頭打者を出塁させた。代打森本と荒波の連打で満塁とされ、梶谷は三振に打ち取ったものの筒香にライト前に2点タイムリーを浴び、続くラミレスにもライト前にタイムリー。メッセンジャーは6回まで投げてリリーフ陣に後を託す。筒井、榎田の好投でさらなる失点を防いだ。ベイスターズも二番手以降がよく踏ん張ってタイガース打線を寄せつけなかったが、9回表、五番手の菊地から関本がヒットを放つと、六番手は左腕篠原。鳥谷が三振して2死とされたが平野がセンター前ヒットでつなぎ、マートンがセンターオーバーの二塁打で2点を加え、勝利を盤石に。9回裏は渡辺が登板してサラサーへの四球と荒波のヒットでピンチを作ったが、梶谷はセカンドゴロで無失点で締めくくった。ヒーローインタビューは初回に二点タイムリー二塁打のブラゼル。母の日なので、「御母さんにハグしてあげてください」と観客にアピールしていた。


愛すれどTigers週間MVP
投手……ジェイソン・スタンリッジ 打線の援護のないところを辛抱して投げ抜き、代打を出されたものの味方の援護で久々の3勝目。登録抹消期間によく調整してきたのだろう。交流戦の初戦も任されるようなので、かつて所属していたパ・リーグ相手に好調を維持してもらいたい。
野手……浅井良 捕手のスペアという立場でもあったためなかなか出番がなかったが、藤井彰の復帰と今堀の昇格でセンターのスタメンに起用されるや、勝ち運を運んできた。打率はそう高くないけれど、印象的な場面でいい仕事をしている。こういうラッキーボーイの登場を待っていた。

 次節はいよいよ交流戦の開始。甲子園でファイターズと2連戦のあと、1日おいてイーグルスと2連戦。先発投手陣に余裕があるだけに、感覚があく場合、調子のいいものを優先的に起用できる。ローテーションにこだわらず、スタンリッジ、安藤、能見、メッセンジャーら4名を中心にまわしていけば、確実に勝ちを拾えるのではないか。過去、交流戦で勝ち越した年は優勝争いに最後まで残っている。期待したい。

(2012年5月14日記)


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