今節は京セラドーム大阪でバファローズと2連戦。初戦はまたも打線が沈黙して落としたが、2戦目は相手投手のコントロールの悪さもあり打線爆発でついに交流戦初勝利をあげ、1勝1敗。1日おいてヤフージャパンドームでホークス戦。ここでも打線が機能して1勝1分。すぐに甲子園に戻りライオンズ戦。能見の粘りのピッチングで先勝したものの2戦目はアンダースローの牧田に翻弄され1勝1敗今節は3勝2敗1分で、通算勝利は20勝21敗6分。勝率.488と五割を切っているがスワローズの失速のおかげで3位に浮上。首位のドラゴンズとの差は6.5ゲーム。
◎バファローズ1回戦……0−6
先発はメッセンジャー。3回までノーヒットに抑えていたが、4回裏にイ・デホのヒットと後藤のピッチャー強襲のヒットでピンチを作るが、後続を断ってピンチを切り抜けた。バファローズの先発金子は立ち上がりから慎重な投球。2回表、金本が初安打。新井貴がセカンドゴロでランナーが入れ替わり、ブラゼルは三振、林のところで新井貴は盗塁を企図し、アウトにと、チャンスを生かせない。3回表には2死から柴田が内野安打で出塁し、盗塁で二塁に進んだが、鳥谷が空振り三振。タイガースの残塁はこの柴田だけ。4回表、平野がヒットで出塁したが、マートンはショートゴロ併殺。打線のつながりがない。そしてメッセンジャーは6回裏、先頭のバルディリスにヒットを打たれ、イ・デホと後藤を歩かせ無死満塁に。高橋信はショートゴロで本塁封殺としたが、伏兵の新人川端にレフトスタンドに運ばれる。いきなり満塁ホームランで4失点。これは効いた。7回裏、二番手鶴は2死後にバルディリスに二塁打を打たれ、イ・デホにセンターバックスクリーンに叩きこまれる。8回表、先頭の新井貴がサードへの内野安打で塁に出たが、ブラゼルはセカンドゴロ併殺。金子に4安打無四球完封をくらってしまった。完敗であった。
◎バファローズ2回戦……8−2
バファローズ先発左腕の中山を初回から攻め立てる。2死からこの試合三番に入った鳥谷がライトオーバーの三塁打を放つと、金本は四球。新井貴のレフト前に落ちるタイムリーで1点を先取。さらに2回表、先頭の関本が四球を選び、藤井彰のバントで進塁。2死後、平野も四球を選び、大和が三遊間を抜けるタイムリーで2点目をあげた。4回表にはまたも先頭の関本が四球。藤井彰がまたバント。2死後、平野への四球で中山降板。二番手のマクレーンから大和が四球で満塁に。鳥谷は脇腹に当たる死球で押し出しの3点目が入った。タイガースの先発岩田は3回裏、中村一の内野安打、野中のヒット、バルディリスへの四球で2死満塁とされたが、イ・デホを空振り三振に。しかし4回裏、2死からヒットの川端を置いて中村一にレフトスタンドに運ばれ、この2ランで1点差と迫られる。岩田は6回裏、1死を取ったところで福原に交代。勝ち投手の権利を持ちながら之途中降板となった。7回表、バファローズの四番手吉野から金本が二塁打を放つと、五番手香月が登板。新井貴は金本を三塁に進めるセカンドゴロ。続くマートンがセンター前にタイムリーを放つ。関本が四球を選び、2死後、代打桧山に対して送られたミンチェが死球を与え、平野にも押し出しの四球。この2点で試合は決まった。8回表、ミンチェから金本が四球を選び、代走に田上。新井貴のライトへの二塁打で二三塁とし、マートン、関本、浅井がそれぞれタイムリーを放ち、3点を追加。7回裏からは筒井、榎田、藤川のリレーで大量差がつきながらも確実に締め、交流戦初勝利。ヒーローインタビューは先制タイムリーなど2打点をあげた新井貴。
◎ホークス1回戦……5−0
先制したのはタイガース。ホークス先発大隣から、4回表に金本が右中間を破る二塁打を放つと、2死後、マートンがセンター前に落とすヒットで金本を返す。タイガースの先発スタンリッジはスライダーとカーブを有効に使い、ホークスの強力打線もゴロの山。6回裏、1死から明石にライトオーバーの三塁打を打たれたが、本多のファーストゴロで三塁走者が飛び出し、狭殺プレーでアウトにすると、内川のヒット性のセカンドゴロを平野がファインプレーでアウトに。7回表、マートンがバックスクリーン右に今季第1号のソロホームランを放ち、大隣をノックアウト。8回表、二番手吉川から代打柴田がレフト前ヒット。平野が送り、代打桧山は四球。鳥谷がレフトオーバーの二塁打で2点を追加し、試合を決定づけた。ところが、三番手の金澤の変化球をファールした金本の自打球が膝に当たり、歩くのもままならぬ状態で今成に交代。この試合で通算安打数が立浪に並ぶ好調ぶりだっただけに、痛いアクシデントだ。9回表には四番手の新外国人カストロから1死後、関本がショートゴロを打たされたが、明石が悪送球し、そのままカメラ席に入りテイクワンベースで1死二塁のチャンス。柴田がしぶとくセンター返しのヒットで関本を返して5点目を加えた。スタンリッジは7回を投げ切ると、榎田、筒井のリレーでホークス打線を完封した。ヒーローインタビューは先制打とホームランのマートン。
◎ホークス2回戦……1−1
前日の試合で自打球を膝に当てた金本が無事4番DHで先発出場。ホークスのエース攝津からチーム初安打を放ったのも金本だった。2回表、先頭打者で二塁打。元気に走り、ファンを安心させた。4回表も右中間を破る二塁打で出塁。1死後、マートンのライト前ヒットで生還。エース攝津を攻略した。タイガースの先発は安藤。4回裏に本多と内川の連打で無死一二塁のピンチを作るがペーニャを併殺に打ち取ると、松田をファールフライに詰まらせてピンチを脱した。5回裏、1死から江川にライト前に運ばれ、落ちる球が手前でバウンドし、藤井が前にはじいてなんとか抑えるも江川に二進を許した。福田は空振り三振に打ち取ったが、ベテランの細川にはよく粘られ、二塁左へのゴロ。アンツーカーの土の部分でバウンドが変わり、平野のグラブの下を無情にもすり抜けセンター前に。江川が生還して同点に追いつかれた。しかし、以降も粘りの投球で7回を投げ切った。7回表、先頭のマートンが猛打賞となるヒットで出るとブラゼルはショート強襲のヒットで続く。藤井彰がバントで送り、代打には桧山。しかし、摂津に踏ん張られる。桧山は浅いセンターフライに終わると、平野もライトフライでチャンスを逸した。8回裏、二番手筒井が代打多村にヒットを打たれ、明石のバントで二進。本多のセンター前ヒットで明石は一気に本塁を突くも、柴田の好返球でホームでアウトに。内川を敬遠し、ペーニャをフライに打ち取って切り抜けた。9回裏には三番手榎田が松中のヒットと代走城所の二盗、三盗と福田の四球で2死一三塁のピンチを作ったが、ここで和田監督は藤川を投入し、山崎を見送り三振に打ち取り引き分け。リーグ屈指のエースと対等に渡り合った安藤の踏ん張りが光った。
◎ライオンズ1回戦……3−2
能見は立ち上がりをライオンズ打線に攻めたてられる。先頭の片岡にヒットを打たれ、栗山三振の間に二盗を決められる。中島にレフト線に二塁打を放たれ片岡に先制のホームを踏まれ、さらに中村のセンター前タイムリーで2点目を失った。しかし、2回以降はスライダーの切れが復活し、12奪三振3併殺で9回まで投げ切った。タイガース打線は自打球の影響で守備を回避した金本をベンチに置き、なんとマートン4番、桧山5番という打順を組んだ。今季初登板の平野将に対し、2回裏など先頭のマートンがヒットで出たが桧山は併殺打、続く新井貴がレフト前ヒットというちぐはぐな攻撃。それでも3回裏、藤井彰がサードゴロをヘルマンのエラーで出塁し、能見が送ると、平野恵がレフト前にテキサス性のヒットを放つ。レフトの栗山が三塁に投げるも大きくそれる悪送球で藤井彰が生還し、1点差とした。その後は平野将の荒れ球を絞り切れず、ランナーを出しても生かせない。7回裏、二番手の長田からブラゼルが左中間スタンドに同点ソロホームランを叩きこみ、これでながれがこちらに。8回裏、三番手ゴンザレスから柴田が四球。鳥谷が送り、マートンは鈍い当たりの三塁内野安打。代打金本が四球で1死満塁に。ところが新井貴はショートゴロ併殺。またもチャンスをつぶした。9回裏、ブラゼルがライト前にヒットを放ち、代走に大和。ゴンザレスは暴投で大和を二塁に進め、藤井彰は敬遠。代打今成のバントが決まり、1死二三塁に。平野恵が敬遠で満塁となったところで、代打関本。ライオンズは四番手ウィリアムスをマウンドに送ったが、左腕から内閣に思い切りよく投げたところ、関本に当たり押し出しサヨナラ死球となった。ヒーローインタビューはサヨナラ死球の関本。「こんな形でもインタビューに呼ばれるんですね」といささか照れ気味であった。
◎ライオンズ2回戦……0−2
ライオンズの先発はアンダースローの牧田。2回裏、2死から柴田が四球を選び、藤井彰が左中間を破る二塁打でチャンスを作ったが、メッセンジャーが三振してこれを生かせず。4回裏には先頭のマートンが右中間に二塁打を放ち、ブラゼルのセカンドゴロで三塁まで進むが、新井貴はセカンドゴロでランナーは釘付け。柴田はセンターに打ち上げてまたもチャンスを逸した。タイガースの先発メッセンジャーはボールが高めに上ずるが、荒れ球になったのが逆に功を奏して、ライオンズ打線に打ち損じが目立った。しかし、序盤にかなり玉数を投げさせられたのがたたったか、7回表についに息切れ。1死から原にセンター前に落とされると、炭谷のピッチャーへのライナーはメッセンジャーの右すねに当たり大きく弾んで強襲ヒット。牧田にはバントをさせずに三振を取ったが、片岡には粘りに粘られフルカウントからライトポール際のスタンドに飛び込む3ランを打たれ、メッセンジャーはここで降板。福原、渡辺、鶴とつなぎそれ以上の失点は防いだが、打線は最後まで牧田の曲球に翻弄される。6回裏、大和がセーフティバントを成功させ、鳥谷が送り、マートンのセカンドゴロで三塁に進む。ブラゼルは敬遠気味の四球で、新井はライトフライ。9回裏には1死からブラゼルがヒットで出塁したが、新井貴はセンターフライ、代打金本は自信を持って見送った球をストライクと判定されて見逃し三振に。試合終了後も激しく抗議したが、判定が覆るはずもなく、連勝ストップ。
愛すれどTigers週間MVP
投手……能見篤史 ライオンズ戦、初回こそ2失点したものの、2回以降は完璧な内容。なかなか反撃してくれない打線にも心が折れることなく、最後まで投げ切ってサヨナラ勝ちで4勝目を手に入れた。この動じない姿勢こそ、彼をエースたらしめているのだろう。この勝利がきっかけになって今後はまさにエースの称号にふさわしい投球を続けてくれるものと期待している。
野手……マット・マートン スランプに陥っていた安打製造機の故障が治った。3試合連続の猛打賞で、チームの連勝に大きく貢献。昨年も交流戦から再起動した。今年もここからシーズン終了まで安打を量産してくれることだろう。勝利のカギを握る男がついに動き出した。
次節は甲子園でマリーンズ戦。岩田とスタンリッジの先発が予想される。そして交流戦もふた回り目に入り、札幌ドームでファイターズ戦。ファイターズには甲子園のお返しで敵地2連勝といきたいところだ。そのためにも新井貴になんとか復活してほしい。責任感が空回りし過ぎている。技術的にも腰がまわらずフォロースルーでそっくりかえっている。今こそ護摩業を思い出せ! そしてボロカスに言う「自称阪神ファン」の汚い野次を封じてくれ。
(2012年5月29日記)