今節は$クリネックススタジアム宮城でイーグルスと2連戦。初戦は今年も出ました金本の仙台での一発と岩田の好投でとったが、2戦目は田中に抑えられて、1勝1敗。1日おいて甲子園球場でバファローズ戦。初戦は大雨の中金本の一発で勝利をもぎ取るが、2戦目はまたも金子に抑えられ1勝1敗。続いての甲子園ではホークスに初戦は大敗したが2戦目は岩田の力投で1勝1敗。今節は3勝3敗で、通算勝利は24勝26敗7分。勝率.480で、4位のまま。首位のドラゴンズとの差は7.0ゲームと前節より少しだけ離された。
◎ゴールデンイーグルス3回戦……3−1
タイガースの先発は岩田。丸刈りにして臨んだ決意のマウンドだ。2回裏、新井貴がフェルナンデスのゴロを悪送球して1死一塁に。中島のショートへのゴロもパウンドが変わり鳥谷が二塁に送球しても間に合わず内野安打。それでもテレーロをピッチャーフライ、枡田をピッチャーゴロに打ち取ってピンチを切り抜けた。イーグルスの先発美馬から金本が先制のソロホームランをライトスタンドに叩きこんだのが4回表。以降はしびれるような投手戦となったが、7回裏、1死からフェルナンデスに二塁打を打たれると、続く中島のセンター前ヒットで同点に追いつかれる。テレーロを歩かせ1死一二塁のピンチに枡田の一二塁間を抜けようかという当たりを平野が飛びこみながら取り一塁に送りぎりぎりアウト。小山桂をサードへのファールフライに打ち取り、同点どまりでなんとかとどめた。8回表、1死から柴田が四球を選び、平野がショート強襲のヒットで続く。ここで美馬は降板し二番手にはハウザー。代打桧山、鳥谷が打ち取られ、チャンスを逸した。しかし9回表、ハウザーから金本が三振に打ち取られると、星野監督はストッパーの青山を投入。しかし、それが裏目に。マートン、新井貴と連続で四球を選び、ブラゼルがライト前に勝ち越しのタイムリーを放つ。藤井彰と三塁走者の新井貴の間のスクイズを見破られて新井貴が狭殺されたが、藤井彰の一塁ゴロに青山がベースカバーに入らないボーンヘッドで内野安打とし、柴田も四球で満塁に。ここで四番手有銘がマウンドに上がるが、平野はファールで粘りついに押し出しの四球を選んで1点を追加した。2点差で藤川球が9回裏のマウンドに。フェルナンデスにヒットを打たれたものの、最後はテレーロを空振り三振に打ち取り久々のセーブ。連敗を脱出した。ヒーローインタビューは勝利投手の岩田。後ろでトラッキーも帽子を脱ぎ、丸坊主で並ぶ映像が微笑ましかった。
◎ゴールデンイーグルス4回戦……3−8
イーグルスのエース田中を初回に攻略。平野が初球打ちでセンター前にヒット。柴田が初球をバント成功。鳥谷がこれまた初球打ちでセンター返しのヒットを放つと平野が一気にホームイン。たった3球で先制だ。しかしタイガースの先発安藤は初回こそ三者凡退でスタートしたものの2回裏につかまる。中村、高須、枡田の三連打で満塁とされ、伊志嶺のセカンドゴロで同点に追いつかれると、鉄平にレフトオーバーの三塁打で2点をリードされる。それでも3回表、平野のショートゴロを枡田が大きくはじき、エラーで出塁。1死後、鳥谷が左中間を破る二塁打で1点差とした。5回表、2死から鳥谷が二塁打を放つも、田中の牽制球でタッチアウト。流れはイーグルスに。5回裏、ヒットの銀次を塁に置き、フェルナンデスがうまく落ちる球をすくい上げてレフトスタンドに運び3点差とされる。田中はこの追加点で余裕ができ、タイガース打線は沈黙。6回裏、二番手久保が先頭の枡田にヒットを許し、伊志嶺のバントと鉄平のタイムリー、聖澤にもヒットを打たれ、フェルナンデスのタイムリーで2点を追加された。7回裏には三番手渡辺が榎本をライトフライに打ち取るが背走した田上が落球し、二塁に進まれる。西村にもライト前に二塁打を打たれ、さらに1点を献上し、ワンサイドゲームに。9回表、1死からブラゼルが必死にファールで粘り、三振した者の田中を苦しめる。さらにこの日負傷の藤井に変わって先発した今成がさんざんファールで粘ってライトオーバーの二塁打で移籍後初の猛打賞。続く田上は初球をセンター前にタイムリーでプロ入り初打点をあげた。平野が倒れてそれ以上の追撃はならなかったが、若手が最後まで食らいついたので少しは溜飲が下がった。
◎バファローズ3回戦……3−1
強い雨が降り、さすがの甲子園も3度中断して阪神園芸の係員たちによって砂が追加され、試合終了時にはグラウンドに水が浮く状態。そんな中で、タイガースのスタンリッジ、バファローズの西の両先発は好投。いつコールドゲームになるかわからない中、1点もやれない展開が続く。先制したのはバファローズ。4回表、先頭のイ・デホがストレートの四球。続くバルディリスには追い込みながら死球。川端のセカンドゴロを平野が好捕して二塁に送り、一塁走者を封殺。ベースカバーに入った鳥谷は間に合わないタイミングでも併殺を狙い一塁に悪送球。ブラゼルが後ろにそらす間にイ・デホに生還を許す。続く後藤にもヒットを打たれたが、鈴木と西を連続三振に打ち取り最少失点にとどめた。5回裏、先頭の代打今成がヒット。平野がバントをするが、ベース前で大きく弾み、捕手の鈴木がいち早くベース前に出て捕球し、二塁へ送球。ファールと判断した今成も平野も走っておらず、併殺に。和田監督が抗議したが覆らず。6回裏、1死からマートンのヒット、2死になってブラゼルの四球。ここで西は降板し、二番手は吉野。代打桧山も四球で満塁に。しかし代打関本が三番手香月に内野フライでチャンスを逸した。最後のチャンスを生かしたのが7回裏。香月から先頭の平野が四球。柴田はバント失敗のあと、ライトオーバーの二塁打。無死二三塁で鳥谷はピッチャーゴロ。ここで四番手平野佳が登板。金本はいつもとは逆風になるライトへの風に乗せてライトスタンドに逆転3ラン。タイガースは6回から1イニングずつ福原、筒井、榎田、藤川球と継投し、バファローズ打線を封じた。ヒーローインタビューは逆転ホームランの金本。この試合、西から新井が2球続けてブラッシュボールを投げられて、さすがの新井も表情を変えたが、乱闘には至らず。
◎バファローズ4回戦……1−6
タイガースの先発能見が最後までリズムよく投げることができなかった。初回、後藤にライト前ヒットを打たれ、野中のバントとスケールズのセカンドゴロで三塁に進まれる。イ・デホを歩かせ、バルディリスのセンター前ヒットで1点を先制された。2回裏、バファローズの先発金子から1死後、ブラゼルが四球を選び、小宮山のセンターオーバーの二塁打で一気にホームを突くも、足がやたら遅くホームインしようとしても本塁を完全にブロックされていて憤死。これ以降、金子はリズムを作りだす。4回表、2死から大引のヒットと盗塁でピンチを作ると、齊藤のライト前ヒットでホームインされる。この時、ライトのマートンの動きが緩慢な上に返球も大きくそれた。5回表、ヒットの後藤を塁に置き、スケールズのレフトポール際に飛びこむ2ランで4点差をつけられ、この回限りで能見は降板。6回表、二番手鶴はヒットの川端を塁に置いて大引にレフトポール際に2ラン。反撃は6回裏。1死からマートンがセンター前ヒットで出ると、新井貴もライト前ヒットで続く。そしてブラゼルがセンター前にタイムリー。ここで代打桧山は三振し、今成もセカンドゴロで1点止まり。8回から、平野佳、そして岸田という必勝リレーを繰り出される。9回裏、岸田から1死後、平野のヒット、代打田上もセンター前に運び、鳥谷もセンター前ヒットで満塁と攻め立てる。しかし、金本は三振、マートンはショートゴロとあと1本がここでも出ず、大敗のまま試合終了。
◎ホークス3回戦……1−2
ホークス先発の大場は荒れ球で狙い球を絞り切れないタイガースの各打者はボール球を空振りし9三振を奪われた。タイガースの先発はメッセンジャー。2回表1死から、松田にライトの頭上を襲う打球を放たれる。ライトはマートンを外して新井良を入れていたが、慣れない守備ながら追いつきはしたもののグラブで大きくはじいた上に地面に倒れこんですぐに起きられず、三塁打を許してしまう。続くペーニャには初球を軽打され、センター前のタイムリーで1点を先制された。5回表、先頭の長谷川にヒットを打たれ、細川はバントの構えからバスター。軽く振ったバットに速球がタイミングよく当たり、レフトオーバーの三塁打で2点目を失う。しかし、メッセンジャーは根気よく投げ、8回をこの2失点だけにおさめた。ところがタイガース打線は湿ったまま。5回裏、先頭のブラゼルがライト前に初ヒット。しかし、新井良、小宮山、メッセンジャーと後続が三者三振。6回まで投げさせてヒットはわずかにこの1本だけ。7回から岩嵜、9回から森福へと必勝リレー。9回裏、タイガース打線がようやく反撃。1死から鳥谷が歩き盗塁、金本はレフトファールフライに倒れたものの、新井貴がしぶとく三塁に打ち全力疾走で内野安打にする。ブラゼルのセンター前タイムリーで鳥谷がホームインして1点差に。しかし、代打関本はショートゴロに倒れ、万事休した。マートンは8回裏に代打で出場したものの力のないサードゴロに終わった。
◎ホークス4回戦……1−0
タイガースの先発岩田は真っすぐとスライダーがさえる。2回表、松田にレフトオーバーの三塁打を打たれるも、ペーニャをサードゴロに、長谷川を見逃しの三振に打ち取り点を与えない。3回表は細川、山田と三振を取ったあと、本多にヒットを許し、盗塁もされたが今宮を見逃し三振に。この試合、8奪三振だがそのほとんどが見逃し。絶妙のコントロールが光った。ホークスの先発山田に対し、3回裏、先頭の新井良が左中間を破る二塁打を放ち、小宮山のバントで三塁に進んだが、岩田はピッチャーゴロ、平野はレフトフライに打ち取られ、こちらもチャンスを生かせない。しかし、8回裏、数少ないチャンスをものにした。先頭のブラゼルがライト線に二塁打を放つと、代走の田上を新井良がバントで三塁に進める。ここで代打に関本。田上の足とスクイズを警戒した捕手の細川がサードへ牽制球を投げたが、これが田上に当たり大きくそれる。ボールを取りにいった三塁手の松田に覆いかぶされてスタートが遅れた田上だが、バックアップの今宮が焦ってホームへ悪送球。田上が決勝のホームに滑りこんだ。9回表、二番手は藤川球。本多を三振に取ったが、代打松中を警戒し過ぎて歩かせる。しかし、内川はつまらせてセンターフライ、カブレラは空振り三振で逃げ切った。ヒーローインタビューは連勝の岩田。
愛すれどTigers週間MVP
投手……岩田稔 決意を示すために自ら坊主頭にした。それで気合が入ったというわけではないだろうが、速球とカーブ、スライダーのコンビネーションが冴えて今節だけで2勝。これで今季の勝敗を5割にした。どうせならタイガースの打者もみんな岩田にならって坊主頭にしてはどうかと思ったほど。とにかく気持ちの入りようが違うのだ。
野手……金本知憲 コンスタントに打ったわけではないけれど、イーグルス戦といいバファローズ戦といいここぞというところで素晴らしいホームラン。久々に「頼りになる兄貴」ぶりを発揮してくれた。
次節は西武ドームでライオンズ戦。甲子園では1勝1敗だったので、ここは安藤とスタンリッジの力投に期待。ライオンズは抑えが弱いから、先発投手さえ攻略すれば勝機は十分にある。1日おいてQVCマリンフィールドでマリーンズ戦。交流戦では首位を走るマリーンズだが、前回の甲子園での試合を見ても、決して相性は悪くない。能見とメッセンジャーできっちり締めていただきたい。そして、そろそろマートンをスタメンに戻してほしい。代打向きの選手ではないので、やはり打席に数多く立たせて調子をあげさせたい。つまらないジョークを暴言と大騒ぎされてしまい気の毒に思う。気持ちよくプレーさせるためにも先発復帰を!
(2012年6月12日記)