愛すれどTigers


新井良太ら若手起用で盛り返す

 今節は西武ドームでライオンズと2連戦。初戦は石井一の投球に手も足も出なかったが、2戦目は先取点を許しながらもベテラン西口を叩いて1勝1敗。1日おいてQVCマリンフィールドでマリーンズ戦。初戦は小雨の中16安打の猛攻で打ち勝ち、、2戦目は能見がまさかの5失点で敗色濃厚なところを一時は勝ち越す猛打で引き分け。1勝1分。野原祐の一番抜擢や、ここぞというところでの代走田上の活躍。そしてなんといっても元気がとりえの新井良が大活躍。若手選手の生き生きした動きが小気味良く、チームを活性化させている。今節は2勝1敗1分で、通算勝利は26勝27敗8分。勝率.491で、4位。首位のドラゴンズとの差は6.5ゲーム。今季の交流戦は9勝12敗3分。最初の5連敗が最後まで響いた。

◎ライオンズ3回戦……0−2
 ライオンズの先発石井一はスワローズに在籍していたころからの苦手。近年は交流戦でやはり痛い目にあっている。この試合でもほぼ完璧な投球でやられた。初回に鳥谷がヒットをセンター前に打ってから、8回まではノーヒット、無四球。9回表に新井良がやっと2本目のヒットを打ったが、反撃にも至らず。タイガースの先発安藤は、昨年の交流戦でやられたお返しと意気込み、上々の立ち上がりを見せたが、4回裏、中村にレフトスタンドにきれいに放物線を描くソロホームランを、続く秋山にはライトスタンドに弾丸ライナーで飛び込む連続ソロホームランを打たれる。そして続くヘルマンには右すねを直撃する強襲ヒットを打たれて無念の降板。二番手の加藤、三番手の渡辺、四番手の筒井が好投し追加点をやらなかったけれど、とにかく打線が2安打のみではどうしようもなかった。
◎ライオンズ4回戦……4−3
 タイガースの先発スタンリッジは、初回先頭の片岡にヒットを打たれるが小宮山が強肩で盗塁を阻止。2死になってほっとしたのではないだろうが、中島にバックスクリーン右に先制のソロホームランを叩きこまれる。さらに2回裏、秋山のヒット、ヘルマンへの四球、大崎のバントで1死二三塁とされ、炭谷にライト前タイムリーを、上本にもライト前にタイムリーを打たれてこの試合3失点。それでもこの日のタイガース打線は西口に食らいつく。4回表、先頭の金本が歩くと西口の暴投で二塁に。1死後、ブラゼルのヒットで一三塁とし、新井良のライト前に落ちるタイムリーで1点を返した。さらに6回表、1死から柴田がセンター前ヒットを放つと代打今成もライト前ヒットで続く。この試合今季初の一軍で一番に起用された野原祐のピッチャーゴロで一三塁とし、ライオンズは二番手松永をマウンドに送る。ここで平野がレフト前に1点差に迫るタイムリー。6回裏、スタンリッジは3つの四球で2死満塁とし、筒井にマウンドを譲った。筒井は代打平尾をライトフライに打ち取り、7回裏も三者凡退と好投。7回表、三番手マイケルから先頭の新井貴が左中間を破る二塁打を放つと、1死後、新井良がセンター前に運ぶ同点タイムリー。8回裏を三番手の榎田がきっちり抑え、9回表を迎える。マウンドにはウィリアムス。金本と新井貴の連続ヒットでチャンスを作り、ブラゼルのライトフライで代走の田上が三塁へ。大和のピッチャーゴロで田上は本塁につっこみついに勝ち越した。9回裏は、ブルペンで足に違和感を覚えた藤川球の登板を回避し、福原を抑えにまわす。ベテランは代打の阿部と米野を三振に取り、平尾をショートフライに打ち取って無事代役を果たし、11年ぶりのセーブを記録した。ヒーローインタビューは2打点をあげた新井良。
◎マリーンズ3回戦……8−5
 マリーンズの先発は香月。1回表、野原祐がライト前ヒット、平野が四球、1死後、金本も四球。2死後、ブラゼルが走者一掃の右中間を破る二塁打で3点を先取。さらに2回表、2死から平野と鳥谷が連続四球を選び、香月はここで早くも降板。二番手松本から金本がセンター前にタイムリー、新井貴も右中間を破る2点タイムリー、そしてブラゼルのセンター前ヒットで金本が生還し、2回で7点という集中打。初回は三者三振と素晴らしい立ち上がりを見せたメッセンジャーだが、2回裏、角中にライトスタンドにソロホームランを浴びる。それでも3回表、三番手大谷から小宮山がライト前ヒット、野原祐のサードゴロで二塁に進む。平野がライト前ヒットで一三塁とし、鳥谷の高いバウンドのショートゴロの間に小宮山が生還し、すぐに1点を返す。しかし、4回以降は古谷、中郷からヒットは打つが得点には至らず、マリーンズがその間にじわじわと反撃。4回裏、ヒットの井口と四球のサブローを塁に置き、角中にレフトの頭を越す二塁打で2点を返される。さらに6回裏、井口にセンター前に風で押し戻されてぽとりと落ちる二塁打でピンチを作ると、またも角中にライトへのタイムリーを打たれ、4点差に追い上げられ、この回限りでメッセンジャーは降板。7回裏からは筒井、榎田の継投。榎田はサブローを塁に置いて今江にレフト線にヒットを打たれる。マートンがクッションボールの扱いにもたつくのを見てサブローは一気にホームを突くが、鳥谷の好返球で本塁憤死、ピンチをしのいで9回裏のマウンドには福原。2死までは簡単に取れたが、清田と代打福浦、根元の三連打で満塁とされ、井口には押し出しの死球。3点差に迫られ一発逆転のピンチを作ったが、サブローをショートゴロに打ち取りなんとか逃げ切り。ヒーローインタビューは先制タイムリーなど4打点のブラゼル。
◎マリーンズ4回戦……6−6
 能見と成瀬の両左腕エースの対決。投手戦の予想を裏切り、乱打戦に。3回裏、伏兵根元のソロホームランで先制されると、5回裏、里崎、荻野貴、根元の連打で2死満塁とし、井口にストレートの四球を与えて押し出しで1点を追加された。6回表、平野と鳥谷のヒットで2死一二塁とし、新井貴が左中間にタイムリーを打って1点差とする。能見は6回裏につかまる。角中、今江、里崎のヒットで1死満塁とされ、清田のセンターオーバーの2点タイムリーで3点差に広げられた。二番手の渡辺が急遽登板し、さらなる追加点は阻んだ。7回表、新井良にレフトスタンドへのソロホームランが出て2点差に詰め寄る。ここで成瀬は降板。二番手益田は2死から浅井と平野の連打でまたチャンスを作り、鳥谷にセンター前にタイムリー。これで点差は1点差に。7回裏、渡辺は根元にヒットを許し、1死でサブローに四球を出して降板。筒井がマウンドへ。角中を歩かせ、今江の三塁線のタイムリーでまた2点差に。8回表、1死からブラゼルがセンター前に向けそうな当たりを井口に止められたが内野安打に。新井良、代打桧山の連打で満塁とし、内に投手を変えてきたが、途中出場の今成がライト前にタイムリー。ライトの清田が弾く間に2人目も帰り同点に。浅井のヒットで二塁ランナーは三塁にストップしたが、今成が二塁をオーバーランしてアウトに。嫌な空気を破って平野がライト前タイムリーでついに逆転した。榎田がついで、9回裏、藤川球が。先頭のサブローのヒットを今江が送る。代打福浦の二塁へのフライは平野が取ってアウトにしたが、この時ライトの浅井と交錯して、浅井が負傷退場となった。そして里崎に左中間を破る同点タイムリーを打たれる。それでも代打金澤を三振に打ち取り試合終了。交流戦最終戦は引き分けに終わった。

愛すれどTigers週間MVP
投手……榎田大樹 多少ランナーは出しても動じない度胸の前に2年目のジンクスはない。今節も無失点を続け、ホールドポイントはセ・リーグトップ。藤川球が負傷で安定感のない状況になっただけに、榎田の役割はさらに重要になる。
野手……新井良太 野原祐、田上ら育成枠出身の選手たちを引っ張るように元気印の男に結果がついてくるようになった。いまや兄の新井貴以上の期待でファンは見ている。とにかく行ける所までとことん突っ走れ。

 次節はリーグ戦に戻り甲子園でベイスターズ戦。5割まであと1勝というところで足踏みしているが、最下位相手にここは一気に勝ち越すくらいの勢いで臨んでほしい。先発投手陣たちの疲れが見え始めているのが不安だが、ここにきて若手がいい感じで活力を与えていてくれる。この勢いは大切にしてほしい。

(2012年6月18日記)


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