今節は、甲子園でジャイアンツと3連戦。初戦はあっさりと完封負け、2戦目は新井良の活躍などであと1点まで追いすがったが惜敗。3戦目は優位に進めながら引き分け。オールスター前の連戦は2敗1分に終わった。しかし、新井良、伊藤隼、鶴ら若手の活躍が光り、後半戦の巻き返しを期待させるものもあった。フレッシュオールスターでは中谷が決勝打を放ちMVPに。伊藤隼にもヒットが出、二神と歳内は無失点の好投。彼らが後半戦に台頭することを願うばかり。オールスターではファン投票で藤川球、鳥谷、平野がファン投票で選出され、監督推薦で能見が初出場。能見は第1戦で無失点の好投で優秀選手賞を受賞。平野は第2戦でセーフティバントとヘッドスライディングで場内を沸かせ、鳥谷はプロ入り初の二塁守備につき好守を見せた。藤川球も貫禄の投球を見せた。この活躍で後半戦に弾みがつくか。前半戦を終わり通算勝利は32勝42敗9分。勝率.432で、5位。首位のジャイアンツとの差は15.0ゲームにひろがった。
◎ジャイアンツ13回戦……0-2
スタンリッジは2回表、1死から高橋由にレフト前にヒットを打たれ、エドガーにレフトスタンドに先制2ランホームランを叩きこまれた。以降、6回まで危なげない投球だっただけに、この失投が悔やまれる。7回以降も加藤、福原、筒井が好投してジャイアンツ打線を抑えた。ジャイアンツの先発内海の落ちる球に空振りばかりして、タイガース打線は勝機がつかめない。8回裏、1死から代打浅井のヒットとブラゼルの死球でタイガースは内海を追いつめるが、ここで交代した二番手山口に鳥谷が抑えられ、9回裏にはマシソンに新井貴、金本が二連続三振するなど、あっさりと敗れてしまった。
◎ジャイアンツ14回戦……3-4
タイガースの先発岩田が初回、制球が定まらない。先頭の長野にライト前にヒットを打たれると、谷はバント失敗の末三振に打ち取ったが、坂本と村田に連続四球を出し、阿部にライト線に二塁打を打たれて2点を先制された。さらにエドガーにも四球でまた満塁に。それでも加治前を併殺に切って取り、それ以上の失点は防いだ。3回表、先頭の谷にライト前にヒットを打たれると、坂本に低めの球をうまくすくい上げられバックスクリーン左のスタンドに入る2ランホームランとなる。4点差となってからは岩田も立ち直り、4回まで投げて降板。5回からは、鶴、筒井、福原が一人のランナーも出さない見事なリリーフ。ジャイアンツの先発ゴンザレスから決定打を打てない打線だったが、4回裏、新井良と今成のヒット、代打関本の四球で1死満塁に。マートンのサードゴロを村田が三封、併殺を狙うも一塁はセーフで新井良が生還して1点を返す。さらに5回表、新井貴のサードゴロを村田が絵に描いたようなトンネル。2死となって、新井良がレフトスタンドに2ランを叩きこみ、1点差とする。甲子園で初めて先発出場した伊藤隼がプロ入り初安打をライト前に打つと、ゴンザレスはここで降板。二番手は高木康。今成の打席で伊藤隼が盗塁を試みるも失敗し、これで流れが断ち切られた。ジャイアンツは新人の田原、そして中継ぎの山口を投入。8回から西村が登板する。9回表、タイガースは藤川球をつぎこんで勝利をあきらめない姿勢を見せたが、9回裏に引き続きマウンドに上がった西村の前に三者凡退。悔しい連敗を喫した。
◎ジャイアンツ15回戦……2-2
先制したのはタイガース。ジャイアンツの先発澤村から、3回裏にマートンのレフト前ヒットを皮切りに、大和のショートゴロで二進。鳥谷のヒットで一三塁とし、新井貴のレフト前タイムリーで先制。次いで金本がレフトフェンス直撃の二塁打を放ち、2点目を加えた。しかし、4回以降は決定打が出ず、メッセンジャーにも疲れが見え始める。6回表、寺内と坂本の連打でピンチを作り、村田のセカンドゴロの間に寺内は生還、1点差とされる。限界が近づいていたメッセンジャーを7回まで引っ張り、それが裏目に。7回表、1死から代打松本哲の内野安打と寺内への四球で2死一二塁とされ、坂本のレフト前タイムリーで同点に追いつかれた。ここで福原にスイッチし、ベテランが村田をサードゴロに打ち取って流れをせき止める。ジャイアンツは7回裏に二番手福田を投入。大和と金本の四球、新井良のピッチャーを襲う痛烈なヒットで2死満塁と攻め立てたが、途中出場の平野は力のないピッチャーゴロ。長蛇を逸した。タイガースは筒井、藤川球を、ジャイアンツは山口、西村を投入して一歩も引かず。9回裏、先頭の鳥谷がヒットを打つが新井貴が併殺でチャンスをつぶし、代打浅井も空振り三振でゲームセット。なんとも残念な引き分けに終わった。
愛すれどTigers週間MVP
投手……福原忍 敗れていても、きっちりと3試合とも無失点で試合を作った。やはり福原の離脱が連敗中非常に大きかったということが証明された。後半戦、榎田不在でも藤川球の前を投げられるだけの安定感がある。
野手……新井良太 今や甲子園のファンの期待は良太一人に集まっているといっても過言ではない。ひたむきに、そして元気にプレーする良太の姿が他の選手に伝播すればいいのだが。
首位とのゲーム差は絶望的に開いたけれど、ジャイアンツにも失速の兆候が見られるし、タイガースは歳内ら若手の起用がカンフル剤となってくれるだろうと信じたい。とにかく新井良みたいな一所懸命さがチーム全体に広がることを期待したい。ちょっとしたきっかけでカープのように勢いがつく場合もある。それは若手の怖いもの知らずの姿勢にかかってくる。後半戦の巻き返しなるか。次節は鬼門ナゴヤドームでドラゴンズ2連戦。ここらでそろそろ1つくらい勝つころだ。そして甲子園に戻りベイスターズと3連戦。果たして二神や歳内の先発があるのか。ここは若手の思い切りの良さに期待したい。
(2012年7月23日記)