今節は、ナゴヤドームでドラゴンズと2連戦。2試合とも完全に相手のペースで試合を進められ2連敗。続く甲子園のベイスターズ3連戦も2連敗して完全な沈滞ムードだったが、3戦目でついに打線が爆発し連敗ストップ。オールスター明けの連戦は1勝4敗に終わった。後半戦も暗雲漂うスタートとなったが、この勝利をきっかけに流れが変わるか。通算勝利は33勝46敗9分。勝率.418で、5位。首位のジャイアンツとの差は18.5ゲーム。最下位ベイスターズとの差は5.0ゲーム。ここからが正念場だ。
◎ドラゴンズ13回戦……0-6
新井良を三番に入れる打線の組み替えを行ったタイガース。しかし効果はなかった。序盤はメッセンジャーと吉見の投手戦。盗塁を狙う大島を小宮山の強肩が刺すというような見どころもあった。しかし、4回裏にメッセンジャーがつかまる。和田に左中間を破る二塁打を打たれ、1死後井端のライトフライで三塁に進められる。森野のライト前ヒットで1点を先制されたあと、2者連続四球で満塁のピンチに。ここは吉見をセカンドゴロに打ち取り最少失点でこらえた。直後の5回表、1死からマートンが左中間に二塁打。平野が四球を選び、小宮山のサードゴロで一三塁に。メッセンジャーもボールを見極め四球で満塁に。絶好のチャンスで鳥谷はよく粘ったがフルカウントから落ちる球に空振り三振で1点も取れず。逆に5回裏、メッセンジャーがコントロールを乱す。ヒットの大島を塁に置き、堂上剛のショートゴロを鳥谷が弾く。和田のライトオーバーの三塁打で2点を追加されると、山崎武の浅いレフトフライが犠牲フライとなってさらに1点を追加され、メッセンジャーはノックアウト。加藤、鶴、小嶋と無失点でつないだが、8回裏、渡辺が乱調。先頭の大島を歩かせ、野本にセンター前に弾き返され、1死後、柳田と井端の連続タイムリーで2点を失う。打線は吉見に6回以降ヒットは打ってもつなげることができず、完封を許した。鬼門ナゴヤドームでまたもいいようにやられてしまった。
◎ドラゴンズ14回戦……1-4
先制したのはタイガース。5回表、ドラゴンズの先発ソトから平野がセカンド内野安打で出塁。小宮山がバントを決めて二塁へ送り、久保の三振のあと、鳥谷がセンターオーバーの二塁打で平野を迎え入れた。しかし、攻撃の見どころはここだけ。6回以降は山井と田島、ソーサに抑えられて得点できず。一方、タイガースの先発久保は勝ち投手の権利目前の5回裏、1死から森野にセンター前ヒットを打たれ、谷繁のサードゴロは新井良が弾いてオールセーフ。久保の暴投で走者は二三塁に。そして代打堂上剛のライト前タイムリーで同点にされた。さらに6回裏、和田の二塁打と井端のヒットで1死一三塁とされたところで久保は降板。二番手の筒井は森野をライトライナーに打ち取ったかに見えたが、柴田がダイレクトで取れずヒットとなり1点をリードされた。鶴、加藤とつないで迎えた8回裏、五番手の福原がヒットの井端を塁に置き、谷繁にレフトフェンス上部に当たって跳ね返る2ランホームランを打たれて試合は決した。
◎ベイスターズ13回戦……1-5
序盤はスタンリッジと高崎の投手戦。2回表には1死満塁のピンチを背負ったスタンリッジだったが、黒羽根を三振、高崎をピッチャーゴロに打ち取りピンチを脱した。2回裏には平野のレフト前に落ちるヒットと伊藤隼の左中間を破る二塁打でチャンスを作るが、小宮山がサードゴロ、スタンリッジが三振とこちらも無得点に終わる。3回裏、鳥谷がライト線へ三塁打を放ち、大和がレフトファールライン上に落ちるタイムリーで先制。しかし、6回表、1死から金城に二塁打を打たれ、渡辺直はライトフライに打ち取ったが筒香を敬遠したのが裏目に。代打小池のレフトスタンドへの逆転ホームランを浴び、スタンリッジはこの回限りで降板。7回表、二番手渡辺が1死から内村を歩かせ、中村紀をサードゴロに打ち取ったが新井良が二塁に悪送球し、捕った鳥谷の足がベースから離れてオールセーフ。ラミレスは浅いライトフライに抑えたものの金城を歩かせ、渡辺直のレフト前タイムリーで3点差に。9回表には四番手の小嶋が2死から森本の内野安打と金城、渡辺直への連続四球で満塁とし、筒香に押し出し死球でさらに1点を失った。小嶋はあと一人でチェンジというところで鶴にマウンドを譲る。鶴は鶴岡をかんたんに打ち取り、最終回の反撃を待つ。9回裏、ストッパー山口が二番手として登板。1死から今成のライト前ヒットで希望をつなぐが代打桧山はショートへの併殺打。とにかく打線が相手投手の思い通りに打たされている。
◎ベイスターズ14回戦……1-3
タイガースの先発岩田が初回につかまる。先頭の荒波に四球を与え、1死後、中村紀に死球。二塁に牽制球を投げたら、荒波のヘルメットに当たり球は外野へ。二三塁と進まれ、ラミレスのライト前テキサスヒットで1点を失う。さらに後藤の鈍い当たりのサードゴロの間に中村紀も生還していきなり2失点。2回裏、ベイスターズの先発藤井秀からマートンと浅井が連続してヒット性のセンターライナーを放つも荒波にことごとくスライディングキャッチされる。流れは完全にベイスターズのもの。3回表にはその荒波のレフトライナーをマートンが同じようにスライディングキャッチしようとしたが、ボールはグラブからこぼれて二塁打に。内村が送って1死三塁とされ、中村紀のサードゴロで荒波がホームへつっこむ。新井良が懸命にバックホームするも、送球がそれて藤井彰はタッチできずフィールダーズチョイスで3点目を献上。岩田は以降、8回途中で福原にマウンドを譲るまで失点を許さず。一方タイガース打線は6回裏1死から大和がヒット。盗塁で二塁に進み、新井良のサードゴロの間に三塁を陥れる。足で稼いだチャンスに新井貴がレフト前タイムリーで応えて2点差とするが、反撃はここまで。以後、6回途中から加賀、菊地、藤江の継投の前に凡打の山。9回裏、先頭の新井良がセンター前ヒットで出塁するが新井貴のセカンドゴロで併殺。するとマートンと今成が連打でまたチャンスを作るも代打金本がライトフライに倒れて万事休す。勝たねばという思いで体が自在に動かない。悪循環に完全に陥っている。
◎ベイスターズ15回戦……9-2
タイガースの先発は能見。初回、いきなり先頭の荒波に左中間を破られる三塁打を打たれ、続く内村の打席で捕手藤井彰が三塁へ牽制球。これが走者荒波に当たり、球がそれたところをホームへつっこむ。鳥谷の送球も高くそれ、先取点を許した。その後、内村と中村紀を連続で歩かせ、ラミレスのセカンドゴロで二三塁とされる。それでも金城をショートフライに、そして渡辺直の当たりの弱いサードゴロも新井良が懸命に一塁に投げてアウトにし、失点を最小にとどめた。4回裏、ベイスターズの三浦から3回まで完全に抑えられていた打線が爆発。先頭の平野が四球で出塁し、大和が送る。そして鳥谷が逆転の2ランホームランをバックスクリーン右へ。さらに新井貴がセンター前ヒットで続き、1死後、マートンもレフト線へ二塁打。1死二三塁から新井良が左中間スタンドに3ランを放ち、この回一挙5点を奪う。能見も自分のペースをしっかりつかみ、2回以降は走者を出しても連打は防ぐ。6回表、ラミレスにレフトスタンドにソロホームランを打たれ1点を返されたが、直後の6回裏、マートンがバックスクリーン左にソロホームランを放ち、追いすがるベイスターズを振り払う。三浦はこの回限りでKO。能見は7回まで投げて2失点で福原につなぐ。7回裏、二番手林に簡単に2死をとられたが、ライト前ヒットの鳥谷を置いて新井貴が外角低めに逃げる球をうまくすくい上げてレフトスタンドに2ラン。8回裏には三番手福田から関本、平野、大和の連続四球で1死満塁とし、鳥谷のセカンドゴロの間に関本が生還してダメ押しの1点をあげた。9回裏は久々の登板の藤川球が三人で片づけ、連敗脱出。新井兄弟のアベックホームランはオリオンズのリー兄弟以来31年ぶりの快挙。ヒーローインタビューは逆転2ランの鳥谷と中押し3ランの新井良。
愛すれどTigers週間MVP
投手……能見篤史 味方のエラーでの失点で先行されても自分の投球リズムを崩さず、久々の先発勝利。ここで踏ん張れなくて何がエースか。そんな意地を見せてくれた。
野手……大和 右投手が先発でも、2番打者に固定されるようになり、思い切り引っ張って鋭いライナー性のヒットを連発。盗塁もシーズン自己最多を記録するなど、やっとレギュラーの座をつかみつつある。これに呼応して、ライバルの柴田や伊藤隼が奮起してくれるのを待ちたい。
二軍から岩本があがってきた。当面はリリーフからのスタートとなるのだろうが、思い切って3回限定で先発させても面白い。今のタイガースに失うものは何もない。大胆に選手を起用するとで道を切り開いてほしい。次節は長期ロード前最後の甲子園。スワローズ3連戦のあとマツダズームズームスタジアムで好調カープと3連戦。いずれも比較的相性の良い相手だけに、これまでの鬱憤を晴らすようなはつらつとした動きを見せてほしい。
(2012年7月30日記)