愛すれどTigers


ルーキー歳内、堂々の一軍デビュー

 今節は、横浜スタジアムでベイスターズと3連戦。初戦はラミレスにホームランを打たれて負け、2戦目は新井良のホームランで勝ち、3戦目は梶谷にホームランを打たれて負けと、ここというところのホームランで勝敗を分けて1勝2敗。長期ロードから帰ってきた甲子園のカープ戦ではエース能見、助っ人スタンリッジ、ルーキー歳内がそれぞれ好投して、2勝1敗。今節は3勝3敗。通算勝利は44勝62敗12分。勝率.415で、5位。首位のジャイアンツとの差は26.5ゲーム。最下位ベイスターズとの差は7.0ゲーム。カープ戦ではまた同じ組み合わせで復刻ユニフォーム対戦。別なカードにしてくれたら新鮮な気持ちで見られたのに。なお、2戦目には試合前に上田二朗さんと山本浩二さんが対戦。上田さんの時代のユニフォーム(私の記憶の中で最も古いデザイン)がなつかしい。来シーズンはあのユニフォームに完全に戻してくれんかな。

◎ベイスターズ19回戦……2-4
 久保が2回に長打を打たれる。1死から筒香に二塁打を許すと、続く後藤に右中間を破られ、先取点を許す。4回裏には無死から金城のライト前ヒット、ラミレスのレフト前ヒットと連打を許し、筒香を歩かせて満塁に。ここで後藤に深いところへレフトへの犠牲フライを打たれ、2点差に。それでも久保は打線の援護を待って辛抱の投球。打線は天敵三浦の前になかなかヒットを続けることができなかったが、7回表、先頭の新井良がライトオーバーの二塁打を放つと、金本のセカンドゴロで三進。坂のセカンドゴロでホームインして1点差に詰め寄る。8回表、二番手藤江から代打今成がファールで10級以上粘り四球をもぎ取る。俊介はバントを失敗して追い込まれ、三遊間にゴロを打ち、内野安打に。上本のバントで1死二三塁とし、平野のセンター前に落とすヒットで代走の大和が生還。しかし俊介が三塁への走塁でスタートが遅れ、タッチアウト。鳥谷はファールフライで同点どまり。8回裏、榎田が登板。先頭の金城を死球で歩かせると、内角の厳しい球をラミレスにレフトポール際に運ばれて2点差をつけられる。やっと追いついたところでこの一発は痛かった。9回裏、ストッパーの山口にあっさり三者凡退で敗れた。
◎ベイスターズ20回戦……2-1
 ベイスターズの先発藤井から初回に先制のチャンス。1死から大和がレフトフェンス直撃の二塁打を放ち、鳥谷のセカンドゴロで三塁へ。新井良が歩いて、打席には新井貴。しかしショートゴロに打ち取られてしまった。4回表、1死から新井良がヒット。新井貴が四球を選び、そのボールが暴投となり新井良は三進。狩野がセンターフライを放ち、犠牲フライになるかと思われたが、なぜか新井良はタッチアップの途中で走塁を躊躇し、ホームインできず。俊介が倒れて先制点はまたもならず。タイガースの先発は岩田。気迫のこもった投球でよく抑えていたが、4回裏、ヒットの内村を塁に置き、バントで二塁に進んだところを筒香のライト前タイムリーで先制された。しかし、その後は攻めの投球でよく抑え、追加点を許さない。5回表、先頭の小宮山がセンター前に弾き返すと、岩田が送り、上本のレフト線の二塁打で生還し同点に。しかし、大和のセンターライナーに、飛び出していた上本は帰塁が遅れ併殺に。走塁のミスがまたも出た。その失敗を吹き飛ばしたのが新井良。6回表、1死からレフトスタンドに豪快なソロホームランを叩きこみ、ついに勝ち越し。7回表、先頭の俊介が投手強襲のヒットを放ち、小宮山が送る。岩田は凡退し2死となったが、上本が歩いたところで藤井は降板。二番手加賀から大和が二塁へ内野安打。今度はマウンドに三番手篠原があがる。この2死満塁のチャンスに鳥谷はセカンドゴロ。1点差のまま試合は進む。岩田は7回を投げ切り、8回には二番手福原が。1死一二塁のピンチを招くが、筒香を見送り三振、後藤を空振り三振に切って取る。9回裏には藤川球が登板。先頭の梶谷に二塁打を打たれ、代打小池のバントで三進。しかし代打下園と荒波を連続三振に取り、逃げ切った。ヒーローインタビューは先発勝利の岩田。
◎ベイスターズ21回戦……3-4
 タイガースの先発はメッセンジャー。ストレートにいつもの切れがない。2回裏、2死から後藤にレフト前に運ばれると、梶谷にライトスタンドに入る先制2ランを打たれた。決してホームランバッターではない伏兵梶谷といえども、甘い球を芯でとらえれば打球は伸びる。4回裏にはヒットの荒波を塁に置き、後藤のレフトへの二塁打、梶谷への四球で満塁とされ、鶴岡にも押し出し四球でさらに1点を失う。5回表、ベイスターズの先発高崎を攻める。先頭の新井良が歩き、坂の一塁ゴロを後藤がトンネルしてくれて1死二三塁とすると、ブラゼルがバットをへし折られるセカンドゴロを打つ間に新井良が生還して1点を返した。6回表には先頭の代打狩野のヒット、上本のショートゴロは梶谷がグラブに収められず敵失で無死一二塁。1死から鳥谷がうまくすくい上げてライト前に落とし、1点差に迫る。そして7回表、二番手菊地からブラゼルがレフトスタンドに同点ホームラン! このあとタイガースは加藤、ベイスターズは藤江が登板して抑えきる。しかし、9回表、三番手福原が1死から金城、ラミレスの連打でピンチに。代打下園がライト前に運んで金城を返し、痛恨の決勝点を許してしまった。9回裏に山口が登板。威力のある速球で、ブラゼル、藤井彰、狩野を三者三振に抑えて試合終了。
◎カープ20回戦……3-0
 タイガースは初回に相手のエラーでチャンスをつかむ。先頭の上本のピッチャーゴロはバリントンの打球処理がまずく内野安打。続く大和のバントはバリントンが一塁へ悪送球し、無死二三塁に。ここで鳥谷がライト前に先制タイムリーを放つ。新井良は三塁堂林が送球しようとしたのにボールが手につかずエラーで満塁に。しかし後続を断たれて1点に終わった。能見はわずか1点のリードながら落ち着いた投球でカープ打線を寄せつけない。待望の追加点は6回裏に。先頭のブラゼルがセンター前ヒットを放ち、代走に坂。平野のライト前ヒットで一三塁とする。藤井彰のピッチャーゴロで坂が三本間で狭殺されたが、その間に平野、藤井は二三塁に進む。能見の打席でスクイズを敢行。しかし能見は球をバットに当てられず。それでも倉が捕球できず、平野はホームイン。記録はホームスチール。このジャッジに対し、カープ野村監督は能見のバットに当たったファールではないかと抗議したが、覆ることはなく、遅延行為で退場となった。8回裏には二番手河内から代打狩野が今季第1号となるソロホームランをレフトスタンド最前列に叩きこむ。好投の能見は8回まで三塁を踏ませず。9回表、マウンドには藤川球。先頭の菊池を歩かせ、1死後エルドレッドにもヒットを打たれるピンチを招いたが、代打前田智を一塁ゴロに、代打松山をレフトフライに打ち取って締めくくった。ヒーローインタビューは1ヶ月ぶりの勝利を飾った能見と、嬉しい復帰ホームランの狩野。能見が狩野よりもホームランを喜んでいた笑顔が印象的だった。
◎カープ21回戦……0-1
 タイガースの先発はスタンリッジ。初回、丸と松山に四球を与えて2死一二塁としたところでエルドレッドにレフト前にタイムリーを打たれて1点を先制された。しかし、2回以降は立ち直り、8回を投げて3安打1失点は素晴らしい内容。しかし、打線がその好投にこたえられない。カープの先発今井に、追いこまれて落ちる球に手を出して三振というような打席が目立った。4回裏、1死から鳥谷と新井良の連打でチャンスを作ったが、金本とブラゼルが連続空振り三振。6回裏には大和のヒットと新井良の四球で2死一二塁としたが金本がキャッチャーフライ。9回表、タイガースの二番手福原は先頭の梵に死球を与え、赤松のバントで1死二塁に。エルドレッドを敬遠したところで榎田に交代。天谷はショートゴロに打ち取ったが併殺には取れず、木村を歩かせて満塁に。しかし倉を切れのいいスライダーで三振に取り、打線の奮起を待つ。9回裏、1死から新井良が右中間に二塁打を放ち、金本のライトフライで代走俊介が三塁に進む。同点のチャンスを作ったが、ブラゼルは空振り三振に。今井にプロ入り初完封を喫してしまった。
◎カープ22回戦……3-1
 高卒ルーキー歳内がついにプロ入り初登板。しかも初先発で、投げ合う相手はリーグ最高の投手前田健。初回、東出にセンター前に弾き返され、菊池は三振に切って取ったが天谷とエルドレッドを連続四球で満塁に。ここで丸はサードのファールフライ。堂林をショートゴロに打ち取って無失点で切り抜けた。2回表、先頭の赤松に二塁打を打たれ、石原のバントで三進。前田健はセカンドゴロに打ち取ったが、東出の投手強襲ヒットでボールが歳内の左腕に当たって転がる間に赤松がホームインして初失点。しかし、4回表、堂林の振り逃げと赤松のバントを三塁新井良と捕手小宮山がぶつかりそうになるのをよけてボールを取れず内野安打にしてしまう。石原のバントで1死二三塁とされたが、前田健のライトファールフライを平野が好捕。中継の上本がホームにストライク送球し、堂林はタッチアウトで追加点を許さず。4回裏、1死から大和の二塁打と鳥谷のサード強襲ヒット、新井良の四球で満塁としたが、ブラゼルがセカンドゴロ併殺で得点できず。それでも歳内が5回表を三者凡退に取ると、打線も奮起。平野が左中間を破る二塁打で出塁し、小宮山のセカンドゴロで2死三塁のチャンスを作ると、代打金本が一二塁間を破る同点タイムリー。このあと、リリーフの鶴、加藤、榎田の好投でカープ打線を抑えきり、前田健は8回を投げ終えたところで降板。9回裏、横山から鳥谷のヒットと盗塁、代打今成の敬遠で2死一二塁とサヨナラのチャンスを作ったが、三番手河内から代打桧山はライトフライ。試合は延長に。11回裏、四番手今村から1死から大和が四球を選ぶ。鳥谷は凡退したが、新井良が初球をライトスタンドへ叩きこみ、プロ入り初のサヨナラホームラン。久しぶりにカープ戦で勝ち越しを決めた。ヒーローインタビューはサヨナラホームランの新井良。

愛すれどTigers週間MVP
投手……ジェイソン・スタンリッジ べスターズ戦では久々の勝利。カープ戦でも8回を投げてわずかに1失点。昨シーズン、8月以降調子を落とした反省を生かしている。あれだけ素晴らしい投球をしたのだから、カープ戦は勝たせてやりたかった。2勝分の値打ちのある週であった。
野手……新井良太 ベイスターズ戦での決勝アーチ、カープ戦でのサヨナラアーチと、ここで一発がほしいというところでの思い切ったスイングが勝利を決めた。4番打者も板についてきた。その分、兄の新井貴の影がどんどん薄くなっていっているのが気がかりではあるが……。

 次節は甲子園でジャイアンツ戦。こうなったら岩本、清原、松田と生きのいいのを初物に弱いジャイアンツにガンガンぶつけてみてはどうか。優勝はできないということがはっきりと決まったので、勝敗を抜きにして若手で勝負してほしいのだ。鬼門ナゴヤドームでのドラゴンズ戦ではナゴヤドームも何も関係ない森田、西田、野原将らを抜擢して谷繁を撹乱するというのはどうか。それくらい大胆なことをしてもかまわんと思うのだが。

(2012年9月3日記)


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