愛すれどTigers


次のクローザーは筒井に決定?

 今節は、甲子園球場でのベイスターズ3連戦。ただ、2戦目が雨で流れ、10月9日に延期となり、この日が金本の引退試合となった。初戦は藤川球のかわりにクローザーをつとめた福原が打たれて引き分け、2戦目はスタンリッジの好投がようやく報われて僅差で勝利。1勝1分。続いて甲子園でドラゴンズ戦、2連敗のあと若い森田の活躍などもあり1勝2敗。今節は2勝2敗1分。通算勝利は51勝70敗14分。勝率.421で、5位。優勝を決めたジャイアンツとの差は31.0ゲーム。最下位ベイスターズとの差は8.0ゲーム。Bクラスが確定し、新井貴らが登録抹消。いよいよ来季に向けた若手中心のオーダーが組まれることになる。
 それにしてもスポーツ紙は来季のコーチについての報道ばかり。平田前二軍監督や水谷元打撃コーチらの名があがっているが、そういうことをもらすフロントに問題あり。まだシーズンは完全には終わってないのだから、すべてが終わってから発表すべきだろう。

◎ベイスターズ22回戦……4-4
 メッセンジャーが初回につかまる。先頭の荒波にヒットを打たれ、内村のバントをメッセンジャーが一塁へ送球すると、打者走者の内村に当たり、球はファールグラウンドへ。無死二三塁となり、筒香は三振。ラミレスはピッチャーゴロに打ち取るが、三塁走者の荒波の狭殺に失敗、二塁走者の内村はアウトにしたが、ラミレスは二塁に。後藤を歩かせて満塁に。下園が右中間を破り、走者一掃の二塁打を打たれた。1回裏、天敵三浦に反撃。先頭の上本がセンター前ヒットを放ち、大和のライト前ヒットを下園がそらして上本がホームイン、1点を返した。しかし、続く鳥谷はキャッチャー前に落ちた打球を自分でファールと判断して走らず、アウト。新井良はサードゴロ、マートンはいい当たりのレフトライナーをラミレスに好捕され、追加点はならず。このあとはメッセンジャー、三浦の両投手が持ち味を発揮してそれぞれ得点できず。しかし、ベテラン三浦は7回裏に力尽きた。先頭の藤井彰がライト前ヒットで出、代打金本はセカンドフライに倒れたが、上本の二塁打で1死二三塁に。代打桧山が歩いて満塁とし、鳥谷の右中間を破る三塁打で一挙3点を奪い、逆転に成功。8回表は榎田、渡辺の好投でしのぎ、9回表、マウンドには福原。藤川球が試合前の練習で内腿を傷めていたのだ。1死から梶谷に二塁打を打たれ、中村紀は三振に打ち取ったが、小池のセンター前ヒットで同点に追いつかれてしまう。福原はここで降板し、加藤が荒波を三振に取ってサヨナラ勝ちを待つ。しかし、ストッパーの山口の前に上本、俊介、鳥谷が三者三振。抑え不在で惜しい勝ち星を逃した。
◎ベイスターズ23回戦……1-0
 スタンリッジと高崎の投手戦。4回表、スタンリッジは内村と筒香を連続三振に打ち取ったあとラミレスと中村紀に連打を食らうが、小池を三振に取って難を逃れる。4回裏、1死から鳥谷が四球を選び、新井良のヒットと森田の四球で2死満塁とするが、田上がピッチャーゴロでチャンスを逸した。5回表、梶谷、高城と三振に取りながら、高崎と荒波に連打を食らう。それでも内村は二塁ゴロでまたもピンチを脱した。7回表、先頭梶谷を歩かせ、高城のバントで二進。高崎のピッチャーゴロで梶谷が飛び出し、狭殺プレーで走者はアウトにしたが、高崎は二進。荒波を敬遠し、代打下園も歩かせて満塁とされるが、筒香の深いところへのショートゴロを鳥谷が好捕しアウトに。7回裏、森田がレフト前にヒットを放ち、田上がバントしたが代走俊介が二封され、田上は盗塁失敗で走者がなくなる。しかし小宮山のヒットでまたチャンスをつなぎ、代打金本がセンター前ヒット。しかし、上本がライトフライ……。お互いに得点できず、両投手とも7回で退いた。8回表、タイガースは福原がランナーを背負いながらも無失点で切り抜ける。すると8回裏、加賀に対し1死から鳥谷が右中間に二塁打を放ち、新井良は敬遠気味の四球。マートンは三振したが三番手篠原から代打桧山は四球を選び2死満塁に。四番手は切り札山口。この場面で関本もよくボールを選び押し出しの四球でついに得点。9回表、藤川球不在の中、筒井がストッパーとして登板。速球で押しまくり、三者凡退に抑えて試合終了。ヒーローインタビューは押し出し死球の関本とプロ入り初セーブの筒井。
◎ドラゴンズ21回戦……2-3
 大ベテランの山本昌を攻略。4回裏、2死から新井良が右中間を破る二塁打を放つと、マートンのセンター前に落ちるタイムリーで生還し、先取点をあげる。6回裏、1死から大和のセカンドゴロを二塁手荒木が珍しく大きく弾く。鳥谷凡飛のあと、新井良がライト前ヒットで2死一三塁とする。ここでまたマートンがライト前にタイムリーで2点目。ただ、一塁走者の新井良が二三塁間で狭殺される走塁ミスが出た。これがのちに響く。7回表、ここまでノーヒットノーランの岩田が無死から荒木と和田を連続して歩かせ、ブランコにバックスクリーン左への逆転ホームランが。初安打が逆転弾というあっけにとられる展開。落胆したのか岩田は井端にセンター前に弾き返され、平田を歩かせ、森野にもヒットで無死満塁に。ここで岩田は降板。6回表までは完璧な投球だっただけに、崩れる速さに継投が追いつかなかった。二番手の渡辺、三番手の加藤が小田、英智、大島を三者三振に取りピンチを脱した。しかし、武藤、浅尾、田島のリレーの前に打線は沈黙。四番手の鶴が好投するも、9回裏、ストッパーの山井の前に、先頭の新井良が四球で出塁したがマートンが併殺。代打関本もヒットで出塁したが、浅井が三振でゲームセット。
◎ドラゴンズ22回戦……0-2
 タイガースの先発能見は8回を投げて10奪三振。特に見送りの三振がずばりと決まることが多く速球が低めによく集まっていた。しかし、ときどき高めにすっぽ抜ける場面がみられ、そこを狙い打たれる。2回表、1死から平田にレフト前ヒットを打たれ、さらに2死後、今季初打席の投手伊藤準にレフト前に運ばれる。これにショックを受けたか、大島にセンター前に弾き返され、大和のホームへの返球も少し左にずれて平田のホームインを許してしまった。ドラゴンズは今季初先発の伊藤準。先頭の上本があわやホームランかという当たりを打ったが和田に好捕され、これで調子が出た。4回までノーヒットピッチング。5回裏には先頭のマートンの初安打と森田の四球で無死一二塁としたが、浅井のバントは谷繁の目の前に。三塁封殺のあと、一塁もアウトになり、併殺。このバント失敗が効いた。8回表にはヒットの井端、二塁打の森野を塁に置き、1死二三塁のピンチ。ここで平田を一塁ゴロに打ち取ったが、新井良はホームアウトを早々にあきらめて一塁でアウトカウントを増やす。試合終盤の得点は重いなあ。伊藤準は7回表に新井良の内野安打とマートンへの四球で2死一二塁としたところで降板。代打金本に左腕の小林正をあてて、金本は投手ゴロ。ドラゴンズは8回以降浅尾、岩瀬の必勝リレーで逃げ切り。
◎ドラゴンズ23回戦……5-2
 タイガースの先発はメッセンジャー。一回り目は軽く抑えていたが、打線が二巡目に入るととらえられる。4回表、先頭の大島に投手強襲ヒットを打たれ、荒木のセンター前ヒットで無死一二塁。和田のライトフライで大島は三塁に進み、ブランコの鈍い当たりのサードゴロは打者をアウトにするのが精いっぱいで先取点を奪われた。さらに井端に一二塁間を抜くタイムリーを打たれて2点先取された。ドラゴンズの先発は高卒ルーキーの西川。リードをもらった4回裏、鳥谷がライトポール際にソロホームランで逆襲。しかし、5回まで投げられてその1点しか奪えない。6回裏、二番手に平井。1死から大和がセンター前ヒット、鳥谷がライト前ヒット、新井良のライト前タイムリーで同点に。エンドランをしつこく書ける和田作戦にドラゴンズの守備陣が右往左往していた。ここで投手は小林正に。この日久々の先発出場をした金本は強い当たりの一塁ゴロ。ブランコがホームに送球するのをよけて転ぶ。鳥谷は三本間の狭殺プレー。アウトにはなったが新井良は三塁に進む。そして四番手田島からマートンのセンター前ヒットでついに勝ち越し。続く森田もセンター前に落ちるタイムリーで今季初打点をたたき出した。メッセンジャーに代打を出したため、7回からは継投。鶴、加藤、福原とつないでドラゴンズ打線を封じる。7回裏、五番手矢地から上本のヒット、大和のバント、パスボールで1死三塁として鳥谷のレフトへの犠牲フライで1点追加。浅めのフライだったが上本の好走塁が光った。9回表、筒井が三者凡退で締めて連敗ストップ。ヒーローインタビューはホームランを含む2打点の鳥谷と今季初打点をあげた森田。

愛すれどTigers週間MVP
投手……筒井和也 福原が抑えを失敗し、筒井に順番がまわってきた。ここでみごとにチャンスをものにした。与えられたチャンスをものにし、自信をつければ、もともといい投手なのだから実力もより発揮できるというもの。来季に向けて明確にクローザー起用を告知してあげれば、筒井もオフの練習に力が入ろうというものだ。
野手……マット・マートン 遅ればせながら本来の打撃を思い出してきた。来季も残留が確定し、落ち着いて野球に打ち込んでいられるのだろう。マートンの場合、代理人にも問題があるのかもしれない。

 次節は神宮球場でスワローズ4連戦。消化試合だからこそできることはあるはず。特にクライマックスシリーズに向けて意気上がる相手に対して若手が全力でぶつかる様子を見たい。後半は甲子園とマツダスタジアムでカープ戦。この連戦が終わると、日程も飛び飛びになる。最後まで全力でプレーする姿を見たい。まさに和田監督の現役時代のヒッティングマーチ「男なら命かけてボールに食らいつけ」と歌いたい気持である

(2012年9月24日記)


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