交流戦は2週目に突入。2連戦で1日起きという変則日程となる。まずQVCマリンフィールドでマリーンズ2連戦。初戦は勝ち試合を久保のリリーフ失敗で追いつかれたが、筒井の好投で引き分け。2戦目に唐川を打ちこんだことで勢いがついた。甲子園にもどりファイターズ戦、初戦は9回土壇場で逆転サヨナラ勝利。2戦目はエース武田勝を滅多打ちにして連勝。球界の宝である藤浪と大谷が初対戦。これからも続くだろう物語の序章は試合は藤浪で取り、一騎打ちは大谷が打ち勝った。今節は3勝1分。通算で28勝18敗2分。勝率.609。首位ジャイアンツとのゲーム差は1.5で2位。
◎マリーンズ1回戦……6-6
先制したのはマリーンズ。タイガース先発榎田から、先頭の今江がヒットで出ると、サブローを歩かせ、清田のバントで1死二三塁に。鈴木の浅いレフトフライはマートンの返球も悪く犠牲フライに。しかし、タイガース打線もすぐに反撃。マリーンズ先発阿部に対し、4回表に先頭の鳥谷が四球で出塁し、マートンの二塁打と新井貴の四球で無死満塁に。今成の併殺で2死二三塁となったが、新井良がセンター前ヒットで2点を返して逆転。日高もレフト前ヒットで続き、柴田がレフトスタンドに3ランを叩きこむ。さらに5回表、マートンのレフトスタンドへのソロホームランで5点差と突き放した。しかし、6回裏に榎田がつかまる。先頭の井口にレフトスタンドに、続く今江にライトスタンドに二者連続ソロホームランを打たれると、2死から鈴木に二塁打を打たれ、川本のレフト前タイムリーヒットで2点差に迫られた。ここで鶴と交代。鶴、加藤、安藤とつないでマリーンズの反撃を断つ。6回裏、二番手上野に対し、1死から新井良、日高の連打でチャンスを作ったが、柴田のヒットで新井良が走塁死。西岡が歩いて満塁としたが、大和がサードへのファールフライで追加点ならず。8回表には三番手南に1死から柴田のヒットと西岡の四球大和のバントで2死二三塁とし、鳥谷がセンターの頭をこえるかという大きな当たりを打つも伊志嶺のファインプレーでアウトに。ここで追加点を取れなかったのが痛かった。9回裏、抑えの久保が登板。先頭の根元に二塁打を打たれると、井口に同点2ランをレフトスタンドに放りこまれ、試合は振り出しに。タイガース打線は11回表、六番手の松永から鳥谷がレフト前ヒットを放つと、俊介が送り、新井貴は敬遠。代打コンラッドが三振したが、新井良はレフト前にヒット。鳥谷がホームに突っ込むも好返球に刺される。10回裏から登板した筒井が12回裏まで完璧な投球でマリーンズ打線を抑えこみ、試合は引き分けに終わった。
◎マリーンズ2回戦……7-1
マリーンズの先発は唐川。初回、2死から鳥谷が三塁線を破る二塁打を放つと、マートンがセンター前にタイムリーヒットで先制した。タイガースの先発はメッセンジャー。粘っこいマリーンズの打者にいらつく。1回裏、井口と今江の連打、福浦への四球で2死満塁とされたが、清田をライトフライに打ち取りなんとかピンチを脱した。3回表、ヒットの西岡は大和のショートゴロで二封。鳥谷が歩き、再びマートンがライト線への二塁打で1点を追加。新井貴が歩いて1死満塁に。今成はピッチャーゴロで本塁封殺となったが、新井良がレフトフェンス上部に当たる走者一掃の二塁打で3点を加えて5点差とした。それでもメッセンジャーは不安定。3回裏、先頭の荻野貴にライト線に二塁打を打たれ、井口と福浦を歩かせ1死満塁。ここで清田の犠牲フライで1点を返された。さらに鈴木を歩かせなおも満塁のピンチは続いたが、江村を三振に打ち取り最少失点ですませる。メッセンジャーはこのあとも毎回のように走者を出すが、なんとか後続を断ち、1失点のまま6回を投げ切る。すると7回表、ショートへの内野安打で西岡が出ると、大和のショートゴロで二進し、鳥谷がレフトフェンスいっぱいの大きなフライを放つと、これを荻野貴が落球。1点をもらう。マートンはファールフライに打ち取られたが、新井貴のヒットで満塁とし、今成が一二塁間を破るタイムリーでダメ押しの7点目を奪った。メッセンジャーは7回裏に2死まで取ったが福浦と清田に連打され、加藤に交代。加藤が後続を断つ。8回裏には加藤、安藤のリレーで、9回裏は安藤が続投して先頭の今江にヒットは打たれたが、福浦はいい当たりながら柴田の候補でライトフライ。清田をショートゴロ併殺に打ち取って逃げ切った。ヒーローインタビューは先制タイムリーを含む4安打のマートン。例によって「おおきに」「ぼちぼちでんなあ」を連発して千葉のファンを沸かせた。
◎ファイターズ1回戦……2-1
タイガースの先発は能見。初回から3回まではパーフェクトに抑え、4回表は陽とアブレイユにヒットを打たれたものの中田を併殺に打ち取って上々の立ち上がり。ファイターズは若い谷元が先発。低めに切れのいいボールを投げ込み、タイガース打線は狙い球を絞り切れない。1回裏は2死から鳥谷の二塁打とマートンの四球で先制のチャンスを作ったが、新井貴が見送り三振で先制できず。5回裏には2死から西岡がヒットで出るが、不振の大和が凡退。均衡が敗れたのは5回表。先頭の大引に左中間に二塁打を打たれ、金子誠のバントで三塁に進められると、大野のセーフティスクイズが決まり、1点を失う。6回表には、1死から西川に一二塁間に内野安打を打たれ、アブレイユと大引への四球で2死満塁とされるも金子誠を三振に取る。7回表には1死から杉谷に二塁打を打たれ、陽への敬遠などで2死一二塁とされるも代打小谷野をライトフライに打ち取る。能見は苦しいなりに最少失点に抑えた。しかし、打線がそれにこたえられない。6回裏、2死から新井貴、新井良の連打で谷元を引きずりおろし、左腕の宮西から代打浅井が四球で満塁としたが、藤井彰がセンターフライに終わる。8回裏には四番手増井に対し、2死から新井貴が二塁打。しかし新井良はショートゴロ。タイガースはリリーフ陣に福原が復帰。8回に登板して3奪三振としっかり抑え、続く筒井も9回表を完全に抑える。9回裏、ファイターズは武田久を送りこんできた。先頭の浅井は四球。バットに当たってファールではないかとファイターズの栗山監督が猛抗議して暴言退場となった。続く藤井彰はバントを決め、代打桧山のライト前ヒットで代走田上は三塁へ。西岡の打席で武田久が暴投。田上が生還して同点に。西岡敬遠のあと、大和は高いバウンドのショートへの内野安打で満塁に。鳥谷は浅いレフトフライで2死満塁とかわり、マートンが右中間を破るヒットで代走清水がホームイン。相手のクローザーを打ち砕いてのサヨナラ勝利だった。ヒーローインタビューはサヨナラヒットのマートン。
◎ファイターズ2回戦……7-1
ファイターズの先発は武田勝。1回裏、タイガース打線が徹底した右打ちで攻略。1死から大和が四球を選び、鳥谷のセンター前ヒットでチャンスを作る。武田勝の二塁牽制球が悪投となり、走者は二三塁に。ここでマートンがライト前タイムリーヒットで先制。続く新井貴もライト前ヒットで2点目。新井良もライト前に落とし、さらに1点。浅井もライト前ヒットでもう1点。藤井彰は逆にレフトポール際にあわやホームランという二塁打を放ち、2点を加え、一挙6点の猛攻。タイガースの先発藤浪は2回表に先頭の中田に左中間を破る二塁打を打たれ、2死から今浪のライト前タイムリーを許して1点を返された。しかし、それ以降は適度に荒れた球をファイターズ打線が絞り切れず、7回を投げ切ってこの1失点のみ。4回裏、先頭の西岡がヒットで出ると、大和が送り、鳥谷の打席で西岡は三盗に成功。鳥谷のセンター前タイムリーで待望の追加点を奪う。武田勝は4回限りで降板した。8回表には安藤が、9回表には加藤がしっかり抑えて逃げ切り。注目の藤浪対大谷の対決は二塁打を2本打たれてしまって、大谷に軍配。ヒーローインタビューは久々の一軍登板で勝利した藤浪と、好リード、猛打賞の藤井彰。
愛すれどTigers週間MVP
投手……藤浪晋太郎 肩の張りで登録抹消期間を経ての復帰登板を、悪いなりに要所を抑えて1失点で切り抜けたあたり、藤浪の真骨頂。注目の大谷との初対戦は速球勝負で魅せてくれた。再びローテーションに入り、連勝をのばしてくれることを期待したい。
野手……マット・マートン 西武ドームでは不調だったが、QVCマリンフィールドに舞台を移すと、打つわ打つわ。甲子園では武田久から来日初のサヨナラ打を放つなど、打てばヒットという状態に戻してきたのはさすがだ。
次節は甲子園でイーグルス戦。星野監督の前にどのように気合勝ちできるか。1日おいて京セラドームでバファローズ戦。甲子園での連敗をそのままお返ししてもらいたい。翌日はヤフオクドームでホークス戦。カードがふたまわり目に入り、どのような戦いぶりに変わるかが見ものである。
(2013年5月27日記)