交流戦も後半戦。倉敷マスカット球場と甲子園でライオンズ2連戦。初戦は西岡のタイムリー、2戦目はマートンのホームランと2試合連続サヨナラ勝ちで2勝。1日おいて甲子園でマリーンズ戦。初戦は新井貴の逆転ホームラン、2戦目はマートンの逆転サヨナラホームランで2勝。完全に勢いに乗った今節は4勝0敗。通算で34勝22敗2分。勝率.607。ジャイアンツを抜いて首位にたつ。2位ジャイアンツとのゲーム差は0.5。
◎ライオンズ3回戦……3-2
タイガースの先発榎田は初回からピンチ。2死を取ったあと栗山にセンター前にヒットを打たれ、浅村のサードゴロは新井良がグラブからいったん落としてすぐに送球したがセーフ。ヘルマンを歩かせ満塁とされたものの木村を三振に取りピンチを脱した。タイガース打線はライオンズ先発野上の前になかなかヒットが出ない。先制したのはライオンズ。5回表、ヒットの片岡を塁に置き、浅村がレフトスタンドに2ランを叩きこむ。直後の5回裏、タイガースもすかさず反撃。先頭の新井良が左中間を破る二塁打を放つと、柴田のバントで三進。代打今成がライトへ犠牲フライを打つと、浅い当たりながら新井良はホームへつっこみ、捕手炭谷のブロックにまともに足を突っ込み、炭谷が転んでボールをこぼし、ホームイン。6回裏、1死から鳥谷が四球で出塁し、すかさず盗塁。マートンの三塁線を破る二塁打で同点に追いついた。タイガースは渡辺、加藤、安藤とつないでライオンズ打線を抑え、ライオンズも涌井、大石と必勝リレー。9回裏、その大石から先頭の新井良がライトの頭上を襲うフェンス直撃の三塁打でサヨナラのチャンス。代走に荒木を送り、浅いヒットでもホームインできる体勢を作る。柴田は浅いレフトフライで荒木が動けず2死三塁に。代打の桧山は敬遠。目の前の打者を歩かされた西岡は高めの速球を叩いて右中間に運び、サヨナラヒット。接戦をものにした。ヒーローインタビューはもちろんサヨナラ打の西岡。
◎ライオンズ4回戦……2-1
ライオンズの先発はサブマリン牧田。初回、いきなり先制パンチだ。西岡がセンター前ヒットで出塁し、大和はバント。これは投手牧田への小フライとなり進塁打は失敗したが、飛び出した一塁走者の西岡を刺そうと牧田が一塁へ悪送球し、西岡は結果的には二塁に進めた。ここで鳥谷がライト線を深々と破る。西岡が楽々ホームインして先制点を奪った。
タイガースはメッセンジャーが登板。2回には1死から大崎と鬼崎の連打でピンチを招いたが、炭谷はバントできず、強硬策に出て投手前の併殺ゴロに。なんとか守り切ろうとするメッセンジャーに対し、4回表に、浅村がライトポール直撃の同点ホームランを放つ。メッセンジャーは7回を投げ切り1失点とゲームを作った。そこから加藤、安藤とつなぎ、無失点でライオンズ打線を抑えこむ。ライオンズは牧田が9回のマウンドに立ったが、球の力は弱まっており、マートンは高めに浮いた球をレフトスタンドにぶち込むサヨナラホームラン。2試合連続のサヨナラでライオンズに連勝した。ヒーローインタビューはサヨナラ本塁打のマートン。例によって日本語を織り交ぜたユーモラスなインタビューとなった。
◎マリーンズ3回戦……3-1
タイガースの先発能見は立ち上がりから快調。しかし、3回表に伏兵根元にバックスクリーンへのソロホームランを当たれてしまう。一方、マリーンズの先発成瀬に対し、初回先頭の西岡がセーフティーバントで出塁。一塁にヘッドスライディングをした際に顔面を強打したが、退場にまでは至らず。大和が送るも鳥谷、マートンがショートゴロで得点ならず。4回裏、先頭のマートンが四球を選ぶと、新井貴が左中間スタンドにライナーで運ぶ逆転2ランを放った。6回裏にはマートンと新井貴が連続四球で出塁すると、浅井が投手成瀬の正面にバント。成瀬は三封しようと三塁に投げたが、三塁手今江のグラブから送球がこぼれて無死満塁に。新井良三振のあと、藤井彰がセカンドゴロを打たされ、二封はされたものの一塁は間一髪セーフで併殺崩れの間にマートンが生還して2点差に。力のある球と落ちる球のコンビネーションで6回以降を完全に抑えこんだ能見が、みごとな完投勝利。ヒーローインタビューは完投で6勝目の能見と、逆転2ランでプロ通算1000打点を記録した新井貴。
◎マリーンズ4回戦……4-3
マリーンズの先発大嶺は不運な立ち上がり。2死から鳥谷のショートゴロを鈴木が悪送球して生かしてしまうと、マートンのライト前ヒットで一三塁。新井貴のレフトへの強いライナーを角中が落球して鳥谷が生還。タイガースが先制した。タイガースは藤浪が初回は好投していたが、2回表、2死から清田、岡田の連続レフト前ヒットと江村のセカンド内野安打で満塁とされたが、大嶺を三振に取ってピンチを脱した。しかし3回表、2死から井口に左中間スタンドにどうていホームランを叩きこまれた。4回表には2死一二塁のピンチで、好投の大嶺にかわる代打大松をセンターフライに打ち取り、ヒットは打たれても得点は許さない。タイガース打線は二番手藤岡の前に沈黙し、藤浪を援護できない。6回表、先頭の鈴木にヒットを打たれると、清田のショートへの内野安打、そして岡田へのサードへの内野安打と不運な当たりが続き、無死満塁。ここで藤浪は高校の先輩でもある江村をセカンドゴロに打ち取り、西岡がホームに、日高が一塁に送って併殺。2死二三塁と変わる。代打サブローのレフト前ヒットはマートンが返球を焦ってお手玉するなどして2点タイムリーとなり、ここで藤浪は降板。あとは筒井、そして安藤、加藤のリレーでマリーンズ打線を抑える。マリーンズ打線はヒットは出るが、バントを用いない強攻策をとり続けて、併殺も多く15安打を放ちながら3点どまり。マリーンズのマウンドは6回裏に三番手中郷。先頭の新井貴がライト線へ二塁打を放ち、日高のセカンドゴロで三塁へ。新井良はサードゴロで新井貴は三塁に釘付け。四番手の左腕服部がマウンドに上がると、代打に高山。死球で一塁へ。さらに代打浅井が外角の変化球をライトに運んで新井貴を迎え入れ、1点差とした。マリーンズは、松永、ロサと勝ちパターンの継投。8回裏、ロサから坂と浅井の連打でチャンスを作ったが、代打桧山の三振などで同点にできない。9回表には加藤が伊志嶺の内野安打を根元に送られ、細谷は内野フライに打ち取ったが井口を敬遠。ここで福原にバトンタッチして今江をセカンドゴロに打ち取り、1点差で9回裏に進む。9回裏、マウンドにはマリーンズのクローザー益田が。先頭の鳥谷がレフト前ヒットで出ると、マートンがレフトスタンドに逆転サヨナラホームランを放つ。まさに劇的な幕切れで、本拠地4連勝を飾った。ヒーローインタビューはサヨナラホームランのマートン。いつまでも興奮冷めやらぬという感じの受け答えになった。
愛すれどTigers週間MVP
投手……安藤優也 同点の場面、リードした場面の重要なところで起用され、確実に相手を抑えこみ、3度のサヨナラ勝利を呼び込んだ。昨年は先発で復帰したものの後半戦に息切れ。しかし、今季はリリーフとして今のところ持てる力を最大限に発揮している。2003年の頃のように内外角低めのコーナーにきっちりと投げられるコントロールがよみがえってきた。
野手……マット・マートン 他に誰がいる?
次節は交流戦最終節。札幌ドームでファイターズ戦。甲子園で連勝したとはいえ、札幌ドームはあまり相性がよくない。足をからめた攻めができるかどうか。2日おいてクリネックススタジアム宮城でイーグルス戦。ここでは田中と再び対戦が予想される。前回は一度は打ち崩しただけに、苦手意識はないだろう。そして交流戦を締めるのは藤浪だ。4連勝すればまだ交流戦優勝の可能性は残っているが、とにかく今の勢いを大切にして積極的に攻めていってほしい。
(2013年6月11日記)