愛すれどTigers


交流戦5年ぶりの勝ち越し

 交流戦が終了。札幌ドームでファイターズ2連戦。初戦は昨年やられた吉川を攻略して交流戦の勝ち越しを決めたが、2戦目は木佐貫の好投に完封負けして1勝1敗。2日おいてクリネックススタジアム宮城でイーグルス戦。初戦は永井を攻めきれず能見の好投を見殺しにし、2戦目は藤浪が田中に貫録負けして2敗。せっかく優勝の可能性もあった交流戦も終盤の連敗で今節は1勝3敗。通算で35勝25敗2分。勝率.583。4連勝したジャイアンツに抜き返されて2位に陥落。首位ジャイアンツとのゲーム差は2.5でリーグ戦に戻ることになった。

◎ファイターズ3回戦……6-1
 ファイターズの先発吉川を初回から攻略。先頭の西岡が初球をセンター前に運び、大和は2球目をバント。走者二塁で鳥谷が2球目をセンター前に打ち返し、西岡が一気にホームインしてわずか5球で先制。3回表には1死から大和がライト前ヒットで出るとリードを大きくとって吉川を撹乱。鳥谷は四球で1死一二塁。そしてマートンがライトスタンドへ3ランホームラン。試合は一気に決した。5回表には2死からマートンがレフト前ヒットを放ち、新井貴がレフト中田のグラブの下をすり吹けフェンスに達する二塁打を放ってさらに1点追加。吉川をこの回限りでKOした。タイガースの先発はスタンリッジ。ボールの判定でいらつく場面も見られたが、味方の大量援護で落ち着く。ランナーを出しても後続を断ち、4回まで無失点。5回裏、先頭の今浪にレフト前ヒットを許し、鶴岡と村田の内野ゴロで走者を三塁まで進ませる。佐藤のセカンドへの鈍いゴロは西岡が懸命の送球を見せたがわずかに一塁に間に合わず内野安打となり、1点を返された。続く大引にもライト前ヒットでピンチは続いたが、アブレイユを三振に打ち取り最少失点にとどめた。ファイターズはモルケンと鍵谷のリレーでタイガース打線を抑え、タイガースも8回には福原をつぎこんで逃げ切り態勢に。9回表、四番手根本から高山がセンターバックスクリーンにダメ押しのホームランを放ち、その裏は加藤が三者凡退に抑えて快勝。連勝を5とのばした。ヒーローインタビューは1ヶ月ぶりの勝利となったスタンリッジ。
◎ファイターズ4回戦……0-3
 ファイターズの先発は木佐貫。この試合の木佐貫のフォークは、選球眼抜群の鳥谷ですら手を出して空振りしてしまうほど冴えていた。一方、タイガースの先発メッセンジャーもこの試合はコントロールがよく初回から飛ばしていたが、2回裏、先頭の中田にライトポール際に飛びこむ先制差路ホームランを打たれてしまった。木佐貫に4回までパーフェクトに抑えられていたタイガース打線だったが、5回表にチャンスを作る。先頭のマートンがレフト線に二塁打を放つと、新井貴はピッチャー強襲のヒット。木佐貫の一塁悪送球でマートンは三塁に進むが、新井貴は二塁をうかがうこともできなかった。一三塁で坂はショートゴロ。大引がバックホームし、マートンは三本間に挟まれてアウト。ここでも新井貴は二塁にとどまる。1死一二塁で藤井彰はショートゴロ併殺。同点機を逸した。7回裏、メッセンジャーは先頭の鶴岡にヒットを打たれると、陽にはライト前に落とされ、大引きのセンター前にぽとりと落ちるタイムリーヒットで2点目を奪われた。8回裏には中田にこの試合2本目となるソロホームランをレフトスタンドに叩き込まれ、3失点で降板。筒井が後続を断った。タイガース打線は8回表に坂が四球で出塁したが、点にはつながらず、わずか2安打の完封負けを喫した。ホークスが勝って交流戦優勝を決定させたため、奇跡の逆転優勝はならず。
◎ゴールデンイーグルス3回戦……1-2
 イーグルス永井の立ち上がりは、コントロールも定まらず、初回に西岡の四球を大和が送り、鳥谷も四球でチャンスを作る。しかし、マートンが3ボールになったあとのボール球を空振り、外角いっぱいを見逃し三振とちぐはぐなバッティングに終わり、新井貴がレフトフライに倒れる。2回表には2死から藤井彰と柴田の連打でチャンスを作るが、西岡が一塁ゴロで永井を助けた。2回裏、初回を快調に飛ばした能見が崩れる。先頭のジョーンズを歩かせ、2死はとったが島内のライト前ヒットと嶋への四球で満塁に。打者藤田の時にフォークを藤井彰がパスボールして、やらないでよい先制点を献上した。3回表、タイガースも反撃。1死から鳥谷がレフト前ヒットで出る。マートンの打席で鳥谷は盗塁。キートンは三振に倒れたが、新井貴は敬遠気味の四球。坂がセンター前に打ち返し、鳥谷がホームインして同点に追いついた。3回裏、先頭の松井稼に初球をレフトスタンドに運ばれ、またもリードを許した能見だったが、4回以降はパーフェクトピッチング。打線は永井の荒れ球に手を焼き6回まで投げさせて1得点のみ。青山、ラズナーの勝ちパターンの投手リレーで逃げ切られた。
◎ゴールデンイーグルス4回戦……0-3
 イーグルスのエース田中に対し、序盤は攻め立てる。1回表、1死から柴田が内野安打で出塁し、すかさず盗塁。しかし、スライディングで手首を痛めて次の守備から交代することになってしまった。鳥谷、マートンは凡退でチャンスを生かせず。2回表には新井貴、坂の連続レフト前ヒットでチャンスを作り、藤井彰のバントは投手の横を抜き内野安打に。無死満塁で荒木は三振。大和は一塁ライナー、西岡のヒット性の当たりも松井稼の好捕でショートライナーに終わり、最大のチャンスを逸した。タイガースの先発藤浪は2回まで一人の走者も許さず、3回裏も2死まではすいすいといったが、藤田にライト線にこの試合初安打となる二塁打を打たれ、続く松井稼もライト線を破り、先制のタイムリー二塁打に。銀次にはレフト前にタイムリーを打たれ、大きな2点を失った。5回裏には先頭の島内にレフト線に二塁打を打たれると、嶋のバントで三進。藤田のレフト前タイムリーで3点目を奪われて降板。二番手筒井、そして渡辺、加藤の好リリーフで以降は無失点に抑えた。しかし、エース田中のここという時のコントロールに翻弄され、打線は中盤からチャンスが作れない。8回表、2死から西岡のヒット、今成と鳥谷の四球で満塁としたが、マートンがショートゴロに倒れる。9回表は先頭の新井貴がヒットで出たが、坂、藤井彰、代打桧山がことごとく打ち取られ完封負け。交流戦、イーグルスに4連敗を喫してしまった。

愛すれどTigers週間MVP
投手……ジェイソン・スタンリッジ 防御率はいいのに、味方の援護に恵まれずなかなか勝てなかったが、約1ヶ月ぶりに勝利投手に。ファイターズ打線を藤井の好リードで抑えこみ、交流戦の勝ち越しを決める勝利を飾った。この勝利で勢いをつけてリーグ戦に臨んでほしい。
野手……坂克彦 新井良太の二軍落ち、西岡の足の故障もあり、チャンスを与えられ、イーグルス戦では今季初打点をあげた。セカンド、サードと内野ならどこでも守り、外野の守備にもつくユーティリティプレイヤーとしてなくてはならない戦力になってきた。

 次節からリーグ戦に戻る。まずは交流戦最下位に終わったベイスターズと、長野、横浜で3連戦。4日間のインターバルでリフレッシュして、再開されるリーグ戦の頭から勢いをつけていってほしいものだ。6人目の先発として秋山の名が浮上したほか、リリーフでは久保と新外国人のボイヤーが上がってくる。新井良も二軍戦で調子を取り戻してきた。戦力が整ってくれば、すぐに首位を奪還できるだけの力がある。まずはエース能見で初戦をとることだ。先はまだまだ長い。安定した投手陣がチームを支え切ってくれるに違いない。

(2013年6月17日記)


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