オールスターでは新井貴が第2戦で勝ち越しタイムリーを打ちMVPを獲得。第3戦でも2安打を放ち敢闘賞を受けた。藤浪も中田翔にスローボールを投げて会場を沸かせた後空振り三振をとるなど目立った活躍を見せた。この勢いをペナント再開でも持ち越すかと期待されたが、神宮球場のスワローズ戦では初戦こそ大勝したものの、2戦目で石川にタイミングを狂わされて1蕭1敗。甲子園球場に場所を移してベイスターズ戦は、苦手の藤井秀にまたも敗れ、打線がすっかり勢いをなくし、0勝3敗。今節は1勝4敗。通算で46勝35敗2分。勝率.560。首位ジャイアンツとのゲーム差は5.5と大きく開いて2位。
◎スワローズ13回戦……12-0
スワローズ先発の八木を初回に攻略。1死から俊介がファールで粘って四球を選ぶと、すかさず盗塁。鳥谷は三振に倒れたが、マートンも四球で2死一二塁に。ここで新井貴がセンター前に弾き返して先制。続く今成は右中間を破る二塁打で走者を一掃して2点を追加すると、新井良がレフトスタンドに2ランホームランを放つ。メッセンジャーは大量得点をバックに速球と大きな変化球を織り交ぜ、スワローズ打線を7回3安打、10奪三振の無失点で抑えた。2回から八木が立ち直り、タイガース打線も追加点を奪えない。7回表、二番手松岡から西岡の四球と俊介のヒットで1死一二塁とすると、鳥谷が右中間を深々と破る三塁打で2点を追加。マートンへの四球で松岡がマウンドから降り、三番手松井光には新井貴は空振り三振を奪われたが浅井が四球で2死満塁に。新井良がこの試合2本目、今季3本目となる満塁ホームランをレフトスタンドへ。この回の6点で試合はほぼ決した。8回表には四番手江村からヒットの坂を置いて俊介がライトのライン上に落ち、大きく跳ねる三塁打でダメ押しの1点を奪う。8回はボイヤーが、9回は松田がそれぞれ好投して完封リレー。ヒーローインタビューは2ホーマー6打点の新井良。
◎スワローズ14回戦……1-11
スワローズ先発の石川の立ち上がりを攻める。先頭の西岡が左中間へ二塁打を放つと、俊介が送り、鳥谷のライト線への二塁打で1点を奪った。しかし、マートンはサードゴロで走者を進められず、新井貴は歩いて走者をためたが今成が平凡なセンターフライに打ち取られ、1点どまり。ここで追加点を取れなかったのが大きく響いた。タイガースの先発は藤浪。1死から上田にライト前ヒットを打たれ、ミレッジのセカンドゴロで二進を許す。バレンティンを歩かせ、川端のライト前タイムリーで同点に。さらには4回裏、四球の森岡を塁に置き、相川に2ランをレフトスタンドに運ばれた。藤浪はこの回限りで降板。6回裏、二番手の渡辺がつかまる。先頭の相川にレフト前ヒットを打たれ、石川はバントをフライに仕留めたが、山田のライト前ヒットと上田への四球で満塁としてボイヤーに交代。ボイヤーはミレッジのショートゴロ併殺崩れの間に1点を失い、バレンティンに3ランをライトスタンドにもっていかれた。7回裏には四球の畠山とライト前ヒットの森岡を塁に置き、相川にライトライナーを打たれ、スライディングキャッチを試みた俊介が後ろに弾き、さらに1点を失う。8回裏、四番手は移籍初登板の高宮。ミレッジにソロホームランを打たれ、ヒットのバレンティンを追いいて川島慶にとどめの2ランをレフトスタンドに叩き込まれた。タイガース打線は2回以降、石川の術中にはまり、6回表に鳥谷の二塁打と新井貴の四球で2死一二塁とチャンスを作ったが今成がセカンドゴロ。7回以降は一人も走者を出せず、完投を許してしまった。
◎ベイスターズ12回戦……1-5
スタンリッジが初回につかまる。先頭の石川を歩かせ、山崎のバントで二進。モーガンにセンター前に運ばれて1点を失った。さらにブランコにもヒットを打たれたが後続を断ち1失点にとどめた。2回以降スタンリッジは立ち直ったが、6回表、ブランコのヒット、荒波の四球、金城のヒットで1死満塁に。鶴岡にセンターへ犠牲フライを打たれて2点目を奪われた。スタンリッジはこの回限りで降板。タイガース打線は苦手藤井秀のまえに、初回と4回のチャンスをいずれもマートン、新井貴がそれぞれ併殺でつぶし、得点できない。7回裏、鳥谷がレフトポール際にソロホームランを打ちこみ1点差に。しかし、8回表、三番手加藤が荒波と金城の連打と鶴岡のバントで1死二三塁のピンチに。そのまま打席に立った藤井秀は高いバウンドの投手ゴロ。俊足荒波がホームへ突入し、加藤はホームへ投げたが、藤井彰のミットを弾いて捕球できず1点を献上。交代した今季初登板の西村はモーガンに一二塁間を破られて2点を追加された。藤井秀に最後まで手も足も出ず、またも完投を許してしまった。
◎ベイスターズ13回戦……1-4
ベイスターズ先発コーコランからチャンスを作るが、決定打が出ない。4回裏、マートンの四球、新井貴のヒット、今成の四球で無死満塁とするが、坂は内野ゴロ、藤井彰は三振。能見のライト前ヒットで1点は先制したが、続く西岡は見送り三振でビッグイニングを作れない。能見は5回までパーフェクトピッチングで相手に付け入るすきを与えない。しかし6回表、先頭の宮崎にレフト前ヒットを打たれると、鶴岡のバントで二進。代打井手のライト前ヒットで同点に追いつかれた。金城にはセンター前ヒットで一三塁とされ、山崎は三振に取ったが、モーガンがセンター前に抜けようかというセカンド内野安打で勝ち越しを許すと、走者を三塁に置きブランコのセンター前に落ちるタイムリーで2点差とされた。能見はこの回限りで降板。加藤、安藤、松田のリレーでベイスターズに追加点を許さなかったが、9回表、五番手のザラテがつかまる。荒波を歩かせると内村にバントで送られ、代打西森のプロ入り初安打がタイムリーとなり、大きな1点を加えられた。金城を歩かせたところで西村にスイッチ。西村は山崎を一塁ゴロに打ち取って、打線の援護を待つ。ベイスターズは6回以降は高崎、菊地、加賀、大原と小刻みにつないでタイガース打線を抑えこみ、9回裏はソーサの前にタイガース打線は三者凡退。まさかの連敗を喫してしまった。
◎ベイスターズ14回戦……0-10
タイガースの先発は榎田。2回表、多村と宮崎に連続四球を出すと、鶴岡のレフト前タイムリーで1点先取された。3回表には2死からモーガンに四球を与え、ブランコにバックスクリーンぎりぎりのところに2ランを打ち込まれた。4回表、先頭の多村にレフトスタンドにソロホームランを叩きこまれると、5回表にはセンター前ヒットの金城を置いて、山崎のサードへのバントを新井良が一塁へ悪送球。モーガンのライト線への二塁打で1点を失うと、ブランコにはレフトへの犠牲フライでさらに1失点。榎田は5回6失点でマウンドを降りた。7回表、二番手筒井がつかまる。山崎、モーガン、ブランコの三連打と中村紀のレフト線への二塁打でこの回2失点。8回表には三番手清原が2死から山崎のヒットとモーガンの四球でピンチを作る。しかし、ブランコをライトフライに打ち取ったと思ったらライト今成が目測を誤りイージーフライをワンバウンドで捕球して2失点。打線はベイスターズの新人三嶋の前に、初回に大和と鳥谷の連打で先制のチャンスを作ったが、マートンはセンターフライ、新井貴は三振。以降は打線に助けられた三嶋の速球に差し込まれ、7回と9回のチャンスも俊介、マートンの併殺で結果は最悪。ついに本拠地で3連敗を喫してしまった。
愛すれどTigers週間MVP
投手……松田遼馬 2年目のルーキーが投げるたびに自信をつけてきた。連敗の中で、期待を抱かせる存在になっている。まだ勝ちパターンの継投には入ってきていないが、若さの勢いでチームにも勢いをつけてもらいたい。
野手……新井貴浩 オールスターでの好調を再開されたペナントレースでも維持している。打線がつながらないので勝利に結びついてはいないが、鳥谷とマートンの調子が上がってくればきっと勝利に結びついてくれることだろう。
次節は甲子園でドラゴンズ3連戦。ドラゴンズも連敗中で調子を落としているだけに、ここで持ち直してほしいものだ。そして東京ドームでジャイアンツ3連戦。少しゲーム差は開いたが、ここで踏ん張ればまだまだジャイアンツの独走を防ぐことができる。気持ちを切り替えて、特に打線が奮起していってほしい。
(2013年7月29日記)