愛すれどTigers


連日の延長戦を制してカード勝ち越し

 長期ロードのビジター戦で4試合延長戦となり、3勝1敗。接戦続きながら粘り強く戦い続けている。しかし、ジャイアンツは勝ち続け、ついに優勝マジックが点灯。とはいえ残り1ヶ月、勝負は下駄をはくまではわからない。マツダズームズームスタジアムではカープ3連戦。初戦はピースナイターという企画でカープの選手たちの気迫に押され、前田健を打てず延長戦を落としたが、2戦目は打線が奮起して大竹をノックアウト、3戦目は秋山の好投もあって延長戦を制し、2勝1敗。鬼門ナゴヤドームでの3連戦は、初戦はスタンリッジが打ちこまれて敗れたが、2戦目は能見の調子が悪く試合がもつれたが延長戦でなんとか勝利、3戦目はドラゴンズ戦初登板の藤浪が9回を投げて完封し延長戦でマートンがタイムリーを放ち、2勝1敗。今節は4勝2敗。通算で54勝42敗2分。勝率.563。首位ジャイアンツとのゲーム差は8.0で2位。

◎カープ12回戦……0-1
 メッセンジャーと前田健の投手戦。初回、2死から鳥谷とマートンの連打でチャンスを作るが、新井貴は空振り三振。先制のチャンスを逸した。2回表には今成と新井良の連打でチャンスを作ったが、藤井彰のセンター返しをセカンド菊池に好捕され併殺。メッセンジャーは三振でまたも好機を逸した。5回表には1死から藤井彰が四球を選ぶもメッセンジャーはバント失敗で三進。坂のヒットでチャンスを広げたが大和はサードゴロ。5回裏、2死から堂林に二塁打を打たれ、石原を歩かせたが前田健を三振に打ち取る。前田健は好投しながらも7回で降板。8回表には二番手横山に対し1死から坂がヒットで出ると大和が送り、鳥谷のヒットで一三塁と攻め立てたがマートンはライトフライに終わる。9回表には三番手ミコライオが2死をとったところで故障を訴え降板し、永川勝が急遽登板。しかし、新井良は三振。9回裏、好投のメッセンジャーがエラーで崩れた。ルイスのショートゴロを鳥谷がわずかに悪送球し、メッセンジャーの一塁牽制悪送球で二塁に進まれる。菊池のバントで三進。丸の一塁ゴロでルイスを狭殺したと思ったら、判定はファール。結局丸にはセンターへの大きなサヨナラ犠牲フライを打たれ、メッセンジャーは好投虚しく完投負け。
◎カープ13回戦……7-1
 カープの先発は大竹。初回、今季初めて一番打者に起用された今成が歩くと、大和が送り、マートンのセンター前に落ちるヒットをセンター丸が後ろに弾き、今成が生還して先制。3回表には先頭の大和が歩き、鳥谷の一塁ゴロは一塁キラが二封しようとセカンドに送球したが、小窪が取れずに二三塁とする。マートンがあるいて無死満塁。新井貴は内野フライに倒れたが、坂がライトへ犠牲フライを放ち追加点を奪う。タイガースは岩田が先発。これまでリードを守り切れないことが多かった岩田が、3回裏につかまりかけた。1死からルイスに初安打となるレフトへの二塁打を打たれると、菊池のセンター前タイムリーで1点を返された。しかし、丸をピッチャーゴロ併殺に打ち取り、この試合はなんとかリードを保ったまましのいだ。4回表、ヒットの清水を岩田が送り、今成はセカンド強襲ヒットで1死一三塁とすると、大和のセンター前タイムリーですぐに点差を広げた。5回表にはヒットの新井貴を置いて新井良が低めをうまくすくい上げレフトスタンドに運ぶ2ランを放ち、大竹をこの回限りでノックアウトした。岩田は6回まで投げて松田、安藤とリレー。8回表、三番手小野から大和が四球を選ぶが盗塁死。鳥谷の四球、新井貴のヒット、坂の内野安打で2死満塁とし、桧山が一二塁間を抜く2点タイムリーでダメ押し。6点差で最終回は久保が久々に登板し、三者凡退で締めた。ヒーローインタビューは今季2勝目の岩田。
◎カープ14回戦……1-0
 タイガースの秋山とカープの中村恭の投手戦。3回裏、先頭の倉に二塁打を打たれたが、中村恭のバントを藤井彰が素早く処理して三塁で倉を封殺。丸にセンター前ヒット、菊池にショートへの内野安打を打たれて1死満塁とされるも、松山をセカンドフライ、キラをライトフライに打ち取り無失点で切り抜け、ここから秋山の調子が出だした。走者を出しても粘り強い投球で失点しない。6回を投げて7安打2四球ながら無失点で切り抜けた。対する中村恭も負けてはいない。6回までていねいな投球でタイガースを新井貴の1安打に抑える。7回表、マートンが歩くと、新井貴がヒットで出塁。ここでカープは横山にスイッチ。黒瀬はバントの構えで揺さぶり、四球で満塁に。しかし新井良は一塁ゴロでホームゲッツー。藤井彰はショートゴロで絶好の機会を逸した。7回裏には松田が三者三振。以降も筒井、安藤とつないで走者を許しても得点は許さない。試合は延長に。10回表、カープの四番手永川勝に対し、黒瀬がレフト線に二塁打を放つと、代走に田上。浅井がバントを決め、藤井彰は死球。坂の一塁ゴロで三塁走者の田上がホームを突くが捕手石原にうまくブロックされて得点ならず。代打の関本もセンターフライに。10回裏は久保がきっちりと抑え、11回表に。カープは今村をマウンドに送る。先頭の大和がレフト前ヒットと盗塁でチャンスを作り、鳥谷のライト前ヒットで無死一三塁とする。マートンの代走から守備についていた俊介が一二塁間をしぶとく抜けるゴロのヒットで大和をホームに迎え入れ、待望の得点が入った。そして11回裏には福原が1死から堂林にヒットを打たれたものの岩本、木村を連続三振に打ち取り逃げ切った。ヒーローインタビューは決勝打の俊介。
◎ドラゴンズ13回戦……2-4
 鬼門ナゴヤドームで先制されると、非常に厳しい試合になる。先発スタンリッジが初回につかまった。1死から森野に二塁打を打たれると、クラークのレフト前ヒットはマートンの動きが緩慢なのを見越した森野に一気にホームを突かれ、先制点を奪われる。和田のレフト前ヒットでつながれて一三塁とされ、平田の当たりはセカンドとセンターの間にぽとりと落ちるテキサスヒットで2点目を失った。それでも高橋周を歩かせた後谷繁を併殺に打ち取って、大量失点は防いだ。直後の2回表、ドラゴンズの先発大野から新井良がライトスタンドにソロホームランを打ちこむと、3回表には四球の大和に対して大野が牽制悪送球で大和は一気に三塁まで進み、鳥谷のショート内野安打で同点に追いついた。続くチャンスに、鳥谷が盗塁をしかけると、マートンが思い切って打った打球はサードライナーに。鳥谷は帰塁できず、一塁に返球されて併殺となる。まさに鬼門ならではの不運なプレー! 3回裏、スタンリッジは和田にレフトスタンドに勝ち越しのソロホームランを打たれ、そのあとは調子を戻して抑えていたが、6回裏、二塁打の平田を塁に置き、2死から谷繁にセンター前に弾き返されて4点目を失い、この回限りで降板した。リリーフ陣は加藤と久保田がそれぞれ無失点で打線の反撃を待ったが、8回から浅尾、岩瀬と必勝リレーで抑えられ、逃げ切りを許した。
◎ドラゴンズ14回戦……6-5
 ドラゴンズの先発カブレラの立ち上がりを攻める。初回、1死から大和が四球で出ると、ランエンドヒットの鳥谷のライト線二塁打で大和は一気にホームイン。マートンの一塁ゴロで鳥谷が三進し、新井貴のレフト前ヒットで2点目のホームを踏む。能見の立ち上がりも不安定。1回裏、ヒットの大島を荒木に送られ、ルナは三振に打ち取ったが、和田にセンター前にタイムリーを打たれる。平田を歩かせ、森野のセンター前ヒットで和田が一気にホームを突くが、大和の好返球でタッチアウト。同点は阻止した。2回表、2死から能見がショート井端のエラーで出塁すると、今成のセンター前ヒットで能見は一気に三進。大和のサードルナへの強襲ヒットで1点を追加した。直後の2回裏、ヒットの井端が松井雅のファーストゴロで二進、カブレラのバントはヒットとなり一三塁から大島のセンターへの犠牲フライで1点差に迫られる。4回裏、井端のヒットと松井雅の二塁打、カブレラへの四球で満塁とされ、ワイルドピッチで同点に追いつかれた。このあと試合は動かず。カブレラには6回まで投げられ、マドリガル、岡田の継投でタイガース打線は沈黙。ドラゴンズ打線も能見の落ちる球に手を出し始めて8回まで得点できず。9回裏、二番手のマツダは、1死から大島にセンター前ヒットを打たれ、荒木のバントで二進。ルナのヒットで2死一三塁、サヨナラ負けのピンチを迎えたが、和田の流れていくショートフライを鳥谷がなんとかランニングキャッチ。延長戦に。ドラゴンズは浅尾、岩瀬とつなぎ、タイガースも久保、安藤のリレーで一歩も譲らず。12回表、六番手高橋聡から先頭の関本がレフト線に二塁打。大和はセカンドフライで走者を進めることができなかったが、鳥谷の打席で捕逸があり代走田上は三進。鳥谷のセンター前ヒットでついに勝ち越し点を奪う。マートンの空振り三振の際に捕逸があり鳥谷は二進。新井貴は敬遠で、勝負の相手となった坂はセンターオーバーの2点二塁打で突き放す。楽勝かと思われたが、12回裏、福原が先頭の代打藤井の一塁ゴロの際にベースカバーが遅れて内野安打に。ルナがライト前ヒットで続き、和田のライト線の二塁打で1点を返される。さらに平田のショートゴロで1点差とされ、森野を歩かせて一打サヨナラの危機に。ここで井端をショートゴロに打ち取るが併殺崩れでピンチは続く。代打谷繁をなんとかショートフライに打ち取り試合終了。4時間版を大きく超えるきつい試合となった。ヒーローインタビューは先制打と決勝打の鳥谷。
◎ドラゴンズ15回戦……1-0
 藤浪と山井の投手戦。3回表、タイガースは1死から藤井彰がサードへの内野安打で出塁するも藤浪はスリーバント失敗。今成のセカンドゴロはセカンド森野の一塁悪送球で2死二三塁となる。しかし、この好機に大和はショートゴロに倒れる。5回裏、ここまでノーヒットに抑えていた藤浪だったが、1死から平田にレフト前ヒットを打たれ、井端は内野フライに打ち取ったものの谷繁にセンター前に弾き返されて一三塁とされる。ここで山井を三振に打ち取り、ピンチを脱した。以降の藤浪は四球は出しても後続を断ち、9回まで無失点に抑える好投。6回表、1死から今成がレフト線に二塁打を放ち、大和もレフト前ヒットで続いて1死一三塁としたが、鳥谷はセカンドゴロで本塁封殺、マートンはレフトフライに倒れてまたもチャンスに打てない。8回表、先頭の今成がセンター前ヒットで出ると、代走俊介を大和が送り、鳥谷はレフトフライに倒れたもののマートン、新井貴が連続四球で2死満塁。しかし、坂はセカンドゴロに倒れ、ここでも得点できない。9回表はマドリガルに抑えられ、延長戦に突入。10回表、三番手岡田に対し、2死から鳥谷が四球を選ぶ。ここで四番手小熊に交代。その初球を狙ったマートンの打球は左中間フェンス最上部直撃の二塁打となりついに1点をもぎ取った。10回裏、二番手の福原は1死から井端にライト前ヒットを許し、谷繁をファールフライに打ち取って、代走岩崎恭、代打松井佑を迎える。ここで岩崎恭が盗塁を試みるも藤井彰がみごとに刺し、試合終了。連日の延長戦を連勝で制した。ヒーローインタビューはプロ入り初めて9回を投げ切って完封し、8勝目をあげた藤浪。

愛すれどTigers週間MVP
投手……藤浪晋太郎 鬼門ナゴヤドーム初登板で、9回を完封。打線の援護がなかったので延長10回を福原に助けてもらい「完封勝ち」とはならなかったが、松坂(L)以来同一リーグ5球団すべてから勝利という記録を作った。タイガースでは江夏さん以来。黄金ルーキーにまた勲章が増えた。
野手……鳥谷敬 守備で、そして17試合連続ヒットという打撃面でも好調さを見せ、連日の延長戦勝利にからんでいった。ジャイアンツを追いかけていく精神的支柱としてここからが正念場だ。

 次節は京セラドーム大阪でカープ、スワローズと6連戦。長期ロードの中、地元関西での主催試合だけに、のびのびと力を発揮してほしい。特にカープ戦では前田健攻略が課題になっているだけに、次節こそ打ち砕いてほしい。とにかく勝ち続けていれば、ジャイアンツもいつまでも現在の好調が続くとは限らない。また、次節からは故障の癒えた福留が一軍復帰する。勝負強い福留の復帰は朗報。今成と併用しつつ、好機に力を発揮してもらいたい。

(2013年8月12日記)


目次に戻る

ホームページに戻る