甲子園球場でのドラゴンズ戦は、秋山やメッセンジャーの好投を打線が見殺し。0勝2敗1分。神宮球場でのスワローズ戦は、初戦はスタンリッジの好投に打線がなんとかこたえたが、バレンティンの年間ホームラン記録達成の異様な雰囲気に呑まれた形で1勝2敗。今節は1勝4敗1分。通算で66勝58敗3分。勝率.532。首位ジャイアンツとのゲーム差は11.5とまたまた大きく開いた2位。3位カープが6.5ゲーム差で追いかけてきた。
◎ドラゴンズ19回戦……2-2
タイガースの先発は秋山。初回、クラークにライトスタンドにソロホームランを運ばれたが、それ以降は立ち直り、走者を出しても落ち着いた投球で逆転を待つ。ドラゴンズは久々に対戦する川上。絶妙のコントロールでタイガース打線を抑えこむ。しかし、6回表に先頭の俊介がセンター前ヒットで出塁すると、鳥谷がライトスタンドに逆転の2ランを放りこみ、逆転に成功。秋山は勝利を意識したか、7回表、先頭の高橋周にレフト線への二塁打を打たれると、谷繁のバントで三進を許し、堂上直のライトへの犠牲フライで同点に追いつかれた。7回途中で加藤にマウンドを譲った秋山の今季初勝利はまたもお預け。タイガースは8回途中から安藤、そして9回は福原、10回は久保、11回以降は久保田が好投してドラゴンズ打線を封じこむ。ドラゴンズは6回限りで川上をおろし、1イニングずつ投手をつぎ込む。7回裏は田島におさえられたが、8回裏には浅尾から鳥谷、マートン、新井貴の連続四球で1死満塁とする。ところが代打桧山は空振りの三振、代打坂はサードへのファールフライでチャンスを逸する。9回はマドリガルに対し2死から俊介と西岡の連打と鳥谷の四球でまたも満塁に。ここはマートンが空振り三振。10回は岩瀬から先頭の新井貴がレフト前ヒットを放つも狩野のバントと関本の敬遠で1死一二塁のチャンスを藤井彰の併殺でつぶしてしまう。11回は高橋聡に三者凡退に抑えられ、12回裏は岡田から先頭の鳥谷がヒット。マートンのセカンドゴロで二進し、新井貴は四球。狩野にサヨナラのチャンスが託されたが、ショートゴロ併殺で4時間半の投手戦は引き分けに終わった。
◎ドラゴンズ20回戦……2-3
タイガースの先発はメッセンジャー。奪三振王を狙うメッセンジャーは序盤は速球主体に、中盤は変化球をおりまぜてドラゴンズ打線を抑え、7回を投げて8奪三振と好投。ただ、ドラゴンズ先発の中田賢の前になかなか援護点を奪えない。しかし7回裏、ついにとらえる。先頭の鳥谷がライト線へ二塁打を放つ。マートンはセンターフライに倒れたが、新井良は四球で1死一二塁。この試合から一軍に復帰して先発出場した柴田がライト線へ二塁打を放ち先制。二三塁として代打福留は敬遠で満塁に。続く代打桧山はふくらはぎへの死球で押し出しの2点目を奪う。大量点のチャンスだったが、二番手高橋聡の前に西岡は三振。俊介は外野フライに倒れて2点どまり。逃げ切りを図るタイガースベンチは8回表に加藤をマウンドへ。しかし1死から森野のヒットと和田への四球で一二塁とされ、クラークのレフト前に転がるタイムリーで1点差に。高橋周をフライに打ち取ったところで安藤に交代。これが裏目に。谷繁を歩かせて満塁とされ、代打堂上剛のライト前タイムリーで同点に追いつかれた。さらに代打山崎に押し出しの死球を与えて勝ち越しを許してしまう。ドラゴンズは8回から浅尾、岩瀬の必勝リレーで逃げ切り。リリーフ陣の不調が大きな誤算となって勝ちムードの試合をひっくり返されてしまった。
◎ドラゴンズ21回戦……2-5
タイガースの先発能見は球のキレが悪くコントロールもばらつきが激しい。2回表、1死から平田を歩かせ、クラークのファーストゴロで二進。高橋周に右中間に二塁打を打たれ、先制を許す。ドラゴンズの先発は左腕大野。直後の2回裏、2死から鳥谷が歩き、マートンのライトオーバーのヒットで鳥谷は三塁へ。マートンは二封され、2死三塁に。新井良の打席で大野が暴投し、鳥谷が生還して同点とする。せっかく相手のミスで同点にしてもらったのに、能見は直後の3回表、大野と堂上直のヒットで1死一二塁とし、森野のピッチャーゴロを併殺に取ろうと二塁に送球したところ、これが悪送球となって大野を生還させまたリードを許す。5回裏、ヒットの新井良を柴田が送り、2死後に能見のライト前タイムリーで同点に。自ら同点にして乗るかと思われた能見だが、6回表に1死から高橋周に二塁打を打たれると、谷繁のセンター前タイムリーでまたもリードを許した。能見は7回を投げ切って降板。二番手の久保が8回表につかまる。先頭の和田を歩かせ、平田は三振に取ったもののクラークの二塁打で二三塁とされ、高橋周を敬遠。谷繁のタイムリーで1点を追加され、降板。三番手藤原は代打堂上剛を歩かせて押し出しでさらに1点を失い、3点差とされる。松井佑のセカンドゴロは西岡のグラブトスから鳥谷の一塁送球までよどみない流れの併殺。6回から投げたドラゴンズ二番手田島に抑えられ、8回裏には三番手浅尾。新井貴と鳥谷の連打、新井良の四球で満塁とするが、柴田が空振り三振で大きなチャンスを逸した。9回裏には岩瀬に対し、1死から関本の当たりそこねのゴロを谷繁がこぼしてしまい、西岡のセカンドゴロは二塁手吉川が大きく前に弾いて内野安打に。しかし、浅井、新井貴と打ち上げてしまい万事休した。
◎スワローズ18回戦……3-2
スワローズのバレンティンが年間本塁打記録の56号を打つかどうかが注目された試合。初回、スタンリッジはひやりとするような大きなセンターフライを打たれたが、フェンスには届かず。2回表、スワローズの先発八木からマートンがレフトスタンドに先制のソロホームランを放つ。3回まで1比安打と好調なスタンリッジだったが、4回裏、松元ユウイチにレフトスタンドに運ばれて同点に。しかし5回表、1死から西岡が右中間を破る三塁打で出ると、2死後、八木をカモにしている新井貴は歩かされ、鳥谷で勝負。鳥谷はコンパクトな打撃でライト前に勝ち越しのタイムリー。スタンリッジは6回裏2死から松元ユウイチにヒットを打たれると、牽制悪送球で二塁に進まれ、武内のレフト前タイムリーで同点に。自分のミスはバットで返すと7回表、スタンリッジはセンター前ヒット。西岡の二塁打で無死二三塁となったところで三塁走者を入れ替え上本を起用。二番手山本哲に対し新井貴のセンターへの犠牲フライで三たびリード。7回裏、二番手の久保が森岡と代打三輪に連打を浴びたが、山田のバントを三封で阻止し、上田のヒットで満塁とされたものの川端を二塁ゴロ併殺に切って取ってピンチを脱した。8回裏は久保田が抑え、9回裏には福原がマウンドに。先頭の相川にヒットを許したが、川島慶のバントは二封。その川島が代打宮本の時に盗塁を試みるも清水がよく刺し、2死走者なしに。宮本は歩かせたが、山田をサードゴロに打ち取って連敗ストップ。ヒーローインタビューは8勝目をあげたスタンリッジ。
◎スワローズ19回戦……0-2
タイガース藤浪とスワローズ木谷の投手戦。タイガースは2回表、1死から福留と新井良の連打でチャンスを作るが、清水と藤浪が連続三振でチャンスを逸した。4回裏、藤浪はバレンティンにライト前に初安打を許し、松元ユウイチにもセンター前に弾き返されるが、相川のセンターに抜けようかという当たりを西岡が好捕しグラブトスで鳥谷に送り二封。互いにここというところで決め手を欠く。6回表、2死からマートンが右中間に二塁打を放ち、福留のセンター前ヒットで一気にホームを突くが、ブロックする捕手相川に体当たりし、アウト。マートンのラフプレーに怒った相川が殴りかかり、乱闘となる。マートンと相川は退場を宣告された。6回裏、1死から三輪にヒットを打たれ、盗塁と暴投で三進される。川端の高いバウンドのショートゴロで三輪に生還を許し、先制された。さらに7回裏、先頭の松元ユウイチにヒットを打たれ、牽制悪送球で三進を許す。1死後、森岡にスクイズを決められ、2点目を失う。木谷は7回で降板し、8回表には二番手山本哲が。西岡の内野安打と鳥谷のセンター前ヒットで2死一二塁と攻めたが、代打日高がセカンドゴロ。8回裏、藤浪は川崎の投手強襲ヒットと上田のバント、三輪への四球で1死一二塁とされ、降板。二番手の筒井は川端をファールフライに打ち取って、渡辺にバトンタッチ暴投で二三塁とされたところでバレンティンを敬遠、満塁となる。ここで松元ユウイチをピッチャーゴロに打ち取り、味方の攻撃に賭ける。9回表、三番手石山の前に福留、新井良、代打桧山が凡退し、いいところなく完封負け。
◎スワローズ20回戦……0-9
タイガースの先発は榎田。1回裏、内野安打の山田を川端が送り、飯原のレフト線への二塁打でi点先制される。そして、シーズン本塁打新記録を狙うバレンティンが打席に。榎田の変化球をみごとにとらえ、レフトスタンドに2ランを放ち、新記録達成。その後も松元ユウイチの振り逃げ、相川の二塁打、川崎への死球で1死満塁とされたが川島慶をサードゴロに打ち取り、本塁から一塁へ送る併殺が完成して追加点は免れた。スワローズの先発は小川。タイミングがあっていたのは西岡だけで、初回と3回にそれぞれヒットを打つが、特に二番に入っていた柴田が全く機能せずつながらない。前日の乱闘で1試合の謹慎を受けたマートンを欠いていたのも大きかった。3回裏、1死からバレンティンに2打席連続のソロホームランをレフトスタンド最前列に運ばれ、さらにヒットの相川を置いて川崎にプロ入り初打点となる二塁打を打たれ、5点差をつけられた。榎田はここで降板し、玉置にスイッチ、後続を断つ。玉置は4回裏、2死から二塁打の川端を塁に置いて飯原にライト前ヒットを打たれたが、福留の好返球で本塁に突っ込む川端を刺す。6回裏、三番手の渡辺は2死から山田を歩かせ、川端の打席で暴投。二進した山田は川端のセンター前タイムリーで生還。飯原、バレンティンを歩かせて満塁とされたが、松元ユウイチをなんとか抑えて1失点にとどめた。7回裏、四番手筒井が四球の川崎を塁に置き、2死から小川に二塁打を打たれてさらに1点を失う。そして8回裏、内野安打の川端を塁に置き飯原にバックスクリーン横に2ランを打たれてとどめを刺された。タイガース打線は猛打賞の西岡を生かせず小川の前に完封負け。バレンティンのホームランで完全に試合を相手に支配されてしまった。
愛すれどTigers週間MVP
投手……ジェイソン・スタンリッジ これまでは打線の援護がなく勝利から見放されることが多かったが、今節は打線の援護も多少はあり、久々の勝利投手に輝いた。連敗中の嫌なムード、そしてバレンティンの新記録で落ち着かない試合だったにもかかわらず、安定した力を発揮してくれた。
野手……該当者なし こうも打てなくては選びようがない。いい結果が出てもせいぜい1試合程度では1週間通じてのMVPといえる選手をあげることができなかった。
次節、マツダスタジアムでのカープ戦、3位で追いかけてきた上に、ジャイアンツに連勝して勢いもある。ここで食い止めないと、2位の座も危なくなる。1日おいて甲子園でのスワローズ戦は、バレンティンの新記録が達成されたあとだけに、今節のようなことはないだろう。とにかく打てない。打線の奮起を願うのみ。これでは好投している先発投手たちに対して申し訳ない。
(2013年9月16日記)