マツダズームズームスタジアムでのカープ戦、初戦は好投のメッセンジャーまたも打線が見殺しに。2戦目は野村を攻略して大勝。3戦目はバリントンを打てずに敗れ1勝2敗。甲子園球場でのスワローズ戦は、初戦は大きくリードされたのを追いつき引き分け、2戦目もミス続出で大きくリードされ、1点差まで追い上げたものの惜敗。この敗戦でジャイアンツの優勝が決定した。3戦目はメッセンジャーが完封して連敗を止めて1勝1敗1分。今節は2勝3敗1分。通算で68勝61敗4分。勝率.527。優勝したジャイアンツとのゲーム差は13.0で2位。3位カープとの差は5.5ゲーム。
◎カープ21回戦……1-2
タイガース先発のメッセンジャーは序盤から三振の山を築いていく。1回裏、先頭の丸の二塁打を菊池に送られ、キラを歩かせ1死一三塁に。ここでエルドレッド、松山を連続三振に取ってピンチを脱すると、2回裏には梵、木村、石原を三者三振に取り、5者連続三振。4回表も先頭のキラを三振に取ったが、エルドレッドにはセンター前に抜けようかという当たりを鳥谷が止めたが送球は間に合わず内野安打に。松山を歩かせて、梵のセカンドゴロで2死二三塁に。木村も四球で満塁に。石原は高いバウンドのセカンドゴロ。高く弾んだ分、二塁西岡の捕球が遅れて内野安打となり、1点を先制された。大竹はライトフライに打ち取り、なんとか最少失点にとどめた。タイガース打線は大竹の気合の入った投球の前になかなかチャンスを作れない。1回表は坂がヒットで出たがマートンが併殺打。2回表は新井貴ヒットでチャンスを作るも福留とのエンドランで三振ゲッツー。6回表、先頭の伊藤隼がファールでよく粘り四球を選ぶと、清水との間にバスターエンドランが決まり、無死一二塁。メッセンジャーもバスターを決めてあと少しで内野安打となるセカンドゴロを打ち1死一三塁に。西岡のセカンドゴロの間に伊藤隼が生還して同点に追いついた。8回表2死から清水がライトオーバーの三塁打を放ち、ここで代打桧山が登場。しかし、空振り三振で代打策は実らず。7回まで投げ切ったメッセンジャーは9奪三振で最多奪三振のタイトルに一歩も二歩も近づいた。8回裏、二番手久保が2死からエルドレッドを歩かせ、松山のライト前ヒットで代走赤松が一気に三塁に。梵にも四球で満塁に。木村をショートゴロに打ち取りここは切り抜けた。しかし9回裏、先頭の石原に初球を叩かれ打球はレフトスタンドに吸い込まれる。あっけなくサヨナラホームランで、緊迫の投手戦はケリをつけられた。
◎カープ22回戦……9-1
カープの先発は野村。前回の登板では抑えられているだけに、苦手にはしたくない相手だ。1回表、1死から坂がセンター前ヒットで出塁。マートンは気のない三振に終わったが、鳥谷のセンター前ヒットで2死一二塁とチャンス拡大。新井貴のレフト前ヒットはエルドレッドがこぼし、返球を焦ってそらしたため、走者は一掃。新井貴も三塁に進んだ。そして福留の死球。伊藤隼はライト前タイムリーで1点を追加した。タイガースの先発能見は、1回裏、四球の菊池とヒットのキラを塁に背負うが、エルドレッド、梵と連続三振で課題の立ち上がりをなんとか抑えた。エンジンがかかる能見に対し、野村には2回表にヒットの西岡を坂のセカンドゴロで進め、マートンのセンター前タイムリーで1点追加。さらに4回表、四球の清水を能見が送り、坂がライトオーバーのタイムリーエンタイトルツーベースを放ち1点を加え、そしてマートンがレフトスタンド最上段に2ランを放ち、勝敗は決した。5回表には二番手河内から福留がヒット。伊藤隼が四球で無死一二塁とし、清水のレフト前ヒットで代走俊介が生還。能見が送って1死二三塁とし、西岡の犠牲フライでこの試合9点目を奪った。能見は完封ペースの投球だったが、2死から廣瀬にレフトスタンドにソロホームランを叩き込まれて完封を逃した。これで連敗ストップ。ヒーローインタビューは完投で10勝目をあげた能見。
◎カープ23回戦……1-3
カープの先発はバリントン。1回表、いきなり坂が右中間スタンドにソロホームランで先制。マートンが二塁打で続き、鳥谷の死球で1死一二塁と攻めるが、新井貴は空振り三振、福留はセカンドフライでバリントンを崩す絶好のチャンスを逸した。バリントンは尻上がりによくなり、走者を出してもここというところで低めに球を集め、タイガースに追加点を与えない。タイガースはスタンリッジが先発。2回裏、1死から松山にレフト線に二塁打を打たれると、梵のセンター前ヒットで一気に生還を許し、同点とされた。それでもスタンリッジも低めのスライダーを駆使してカープ打線を抑える。辛抱の仕合はスタンリッジが先に崩れる。7回裏、先頭の木村にセンター前ヒットを打たれると、石原がバントで送り、代打岩本がセカンドの右を破るライト前ヒット。木村が生還してついにリードを許す。代走の赤松に二盗を許し、丸の四球は清水がパスボールで1死一三塁となり、菊池のセンターへの犠牲フライでさらに追加点を許し、スタンリッジはここで降板。二番手加藤と三番手久保田がおさえて打線の逆襲を待つが、カープは8回には永川勝が得意のフォークとスライダーで、9回には切り札ミコライオが速球でタイガース打線を翻弄し、逃げ切り。
◎スワローズ21回戦……7-7
スワローズの先発は木谷。1回裏、1死から坂が歩き、マートンのライト線への二塁打で二三塁とすると、鳥谷がセンター前に運んで2点を先制した。タイガースは藤浪が先発。2回表、1死から森岡にセンター前に打たれると、伊藤隼はバウンドを合わしそこねて後ろにそらし、打球が外野を転々とする間に森岡は三塁に進む(記録は三塁打)。山田のショートゴロの間に森岡が生還して1点差とされる。タイガース打線はこのあと木谷を打ちあぐねる。4回表、藤浪が崩れた。先頭の松元ユウイチのセカンドゴロを西岡がファンブルして生かしてしまう。相川がセンター前ヒットで続き、森岡のライト前タイムリーで同点に。山田を歩かせ満塁とすると、木谷に押し出し四球で勝ち越される。上田の2点タイムリーとなるライト前ヒットで突き放され、川端のセカンドゴロの間にさらに1点を失い、この回限りで降板。藤浪は予想外の6失点。5回表には二番手岩田が森岡と木谷を歩かせ2死一二塁から上田のレフト前タイムリーでさらに1点を奪われた。木谷は大量得点に守られて余裕の投球と思われたが、5回裏1死から坂とマートンの連続四球から鳥谷のライト前タイムリーで1点を返し、さらに新井貴のライトへの犠牲フライで1点を返して3点差につめよる。6回裏、二番手松岡に対し、2死から柴田が四球を選ぶと、西岡がライト前ヒットで続く。ライト三輪がファンブルする間に柴田と西岡はそれぞれ進塁し2死二三塁に。坂がライト前に2点タイムリーを放ち、ついに1点差に。6回表ボイヤーでつなぎ、7回表に久保田が登板した時に、かつてのチーム名とで引退を表明している藤本が代打で出場。センターフライに終わったが、タイガースファンからも大きな拍手を送られ、引退の花道を飾った。8回表は加藤が抑え、8回裏、五番手山本哲に2死を取られたが、ヒットの柴田を置いて西岡が右中間を破る同点タイムリーを放つ。スワローズは石山が、タイガースは福原がおさえて試合は延長戦に。10回表、久保が先頭の代打宮本に打たれたヒットからピンチを招くが、飯原、川崎を三振に取ってピンチを脱し、11回表は三者凡退に。10回と11回の裏はタイガース打線がロマンに完全に抑えこまれる。12回表、松田が1死から川島慶と上田の連打、飯原への四球で満塁のピンチに。それでも代打田中浩をサードゴロに抑えホームアウト。川崎はサードゴロで逃げ切った。12回裏、藤田太陽に対し2死から代打関本の四球と日高のヒットでサヨナラのチャンスを作るも柴田はライトフライに倒れ、5時間半の長い試合は引き分けに終わった。
◎スワローズ22回戦……6-7
タイガースの先発は秋山。課題の立ち上がりにまたつかまる。初回1死から上田にヒットを打たれ、川端を歩かせて一二塁に。バレンティンは空振り三振に打ち取ったが、松元ユウイチを歩かせ満塁に。飯原のレフト前ヒットで2点を先制された。タイガースもすぐに反撃。スワローズの小川から1回裏に坂とマートンの連打と鳥谷の四球で1死満塁とし、福留のセカンドゴロの間に1点を返す。しかし、新井良が空振り三振でチャンスがつながらない。3回表、秋山は上田と川端の連打でまたもピンチに。バレンティンは一塁フライ、松元ユウイチはレフトフライに打ち取り2死までこぎつけたが、またも飯原にライト前にタイムリーを打たれる。秋山は5回3失点で降板。6回表はボイヤーがきっちり抑え、6回裏に反撃。先頭のマートンがセンター前ヒットで出ると、鳥谷は四球で無死一二塁に。ここで福留が右中間を破る二塁打で走者を一掃し、同点に。しかし続く新井良は三振。柴田のセンター返しの打球はセカンド山田に横っ跳びで取られるセカンドライナー。飛び出していた二塁走者福留は帰塁できず併殺に。7回表、三番手久保田が先頭の山田に二塁打を打たれると、上田のバントを素手で取り握り直さず一塁に投げると、これが悪送球となり山田は一気にホームインして勝ち越しを許した。川端はファールフライに打ち取ったが、バレンティンを歩かせたところで久保田は降板。四番手加藤は松元ユウイチにライトスタンド最前列に飛びこむ3ランを打たれて、4点のリードを許してしまう。7回裏、代打日高がライトとセンターが譲り合うように追うライトオーバーの二塁打で出ると、関本がレフト前のテキサス性の二塁打で二三塁に。西岡は素晴らしい当たりのライナーをライトに打つが正面を突く不運。それでも坂のセンターへの犠牲フライで1点を返すと、マートンのセンター前タイムリーで2点差に。ここで小川は降板し、二番手久古に対し鳥谷のヒットでチャンスを広げたが、福留はセンターフライに終わる。8回表、五番手久保が代打宮本のヒット、上田への四球、川端のヒットで1死満塁と攻められたが、バレンティンをフォークで空振り三振に取り、松元ユウイチを一塁ゴロにさばいて窮地を脱した。8回裏、山本哲から俊介がヒットを放ち、日高のセカンドゴロで進塁し2死二塁に。ここで関本がセンター前に落ちるタイムリーを放ち1点差に迫る。西岡のセンター前ヒットで代走田上が三塁を狙うが、センター上田の好返球でタッチアウト。反撃はここまで。9回表はマツダがしっかりと抑えたが、9回裏、石山にもきっちりと抑えられて逃げ切られた。この敗戦でジャイアンツの優勝が決定してしまった。
◎スワローズ23回戦……2-0
スワローズ先発の村中を3回裏につかまえる。2死から西岡がセンター前ヒットで出塁。続く俊介が左中間の間に落ちてレフトとセンターが交錯している間にフェンスまで転がる三塁打で先制。マートンのライト前に落ちるヒットで2点目を奪う。タイガースの先発はメッセンジャー。まさに絶好調。3回までパーフェクトに抑え、4回表に先頭の山田にセンター前に落ちる初安打を打たれるが、落ち着いて後続を断つ。村中も4回以降は立ち直り、ヒットを打っても連打できない。それでもメッセンジャーの力投で打線が打てていなくても安心して見ていられる展開に。8回表、1死から飯原にヒットを打たれ、川島慶はセカンドゴロに打ち取る。代打田中浩にはライトポール際にあわやホームランというファールを放たれたが、セカンドゴロに打ち取る。一塁への送球が乱れ、一塁新井良のベースタッチが遅れたかに見えたが、判定はアウト。9回表には先頭の代打宮本にヒットを打たれたものの、山田をサードゴロ併殺に切って取り、上田もセカンドゴロに打ち取って締めた。ヒーローインタビューは完封勝利のメッセンジャー。
愛すれどTigers週間MVP
投手……ランディ・メッセンジャー カープ戦は勝敗はつかなかったが勝利にあたいするピッチング。スワローズ戦では相手チームに三塁を踏ませない完ぺきな投球で12勝目をあげた。奪三振王争いも2位の前田健に大きく差をつけ、タイトル獲得が視野に入ってきた。
野手……マット・マートン ここにきて連日の猛打賞。CSで勝つためにはマートンを四番打者にすえた方がいいと解説者たちも口をそろえる。3度目の最多安打のタイトルも狙えるヒットの量産ぶりだ。
次節、甲子園でのベイスターズ戦、今季苦手にしているだけに、2位確保のためにはなりふり構わず勝ちにいきたいところ。1日おいてナゴヤドームでのドラゴンズ戦は、もうナゴヤドームを鬼門ということもなくなっただけに、これを来季にも続けるためにも2連勝といきたい。あと1勝すれば、Aクラスは確定。とにかく2位でシーズンを終えられるように気持ちを切らさず戦ってほしい。勝敗よりも自分のアピールの場として若手には活躍してほしいのだが……。
(2013年9月23日記)