甲子園球場でのベイスターズ戦、初戦は能見の好投に応えて打線も爆発して取ったが、2戦目は中継ぎが打たれて好投のスタンリッジの勝利を消した。3戦目は白仁田が前回とは打って変わって大崩れし1勝2敗。ナゴヤドームでのドラゴンズ戦は、打線が機能せず藤浪とメッセンジャーの好投を見殺しにして0勝2敗。今節は1勝4敗。通算で69勝65敗4分。勝率.515。優勝したジャイアンツとのゲーム差は13.0で2位。3位カープとの差は3.0ゲームに縮まった。残り試合で2勝すれば2位は確保できるのだが、カープの勢いを見ると2位の座が危うくなってきた。
◎ベイスターズ20回戦……6-1
タイガースの先発は能見。1回表、2死から梶谷にライトスタンドに運ばれ1点を先制された。ベイスターズの先発は加賀美。2回裏、新井良がヒットで出るも、森田、清水と連続三振の上に、清水の三振時に新井良は盗塁死。3回裏につかまえる。2死から俊介が歩くと、すかさず盗塁。マートンのセンター前に落ちるヒットで同点のホームを踏む。鳥谷と福留が四球で満塁と攻め立てたが、新井良がライトフライで勝ち越しはならず。5回裏、先頭の西岡が左中間を破る二塁打で出ると、俊介がバント。加賀美は三塁に送るが、誰もベースカバーに入っておらず、そのまま送球は外野へ。西岡は一気にホームインして勝ち越した。しかし、加賀美はその後立ち直り7回まで投げ切る。能見も走者は出しても連打は許さず8回まで初回のホームランだけに抑える。8回裏、二番手山口に対し、1死から新井良が二塁打を放ち、坂のライト前ヒットで一三塁とし、代打桧山が登場。しかし空振り三振でムードが一瞬悪くなったが、代打新井貴が四球を選び満塁に。ここで西岡が右中間を破る走者一掃の二塁打を放つ。さらに俊介もレフトポール際にあわやホームランというフェンス上部直撃の二塁打を放ち、西岡を迎え入れた。9回表は二番手福原が三者凡退に抑えて締める。9月に入って初めての連勝。ヒーローインタビューは11勝目の能見と、二塁打2本で攻撃を引っ張った西岡。
◎ベイスターズ21回戦……2-4
タイガースの先発はスタンリッジ。2回表、先頭の中村紀にレフト線に二塁打を打たれ、金城のバントで三進。松本のライト前タイムリーで1点を先取される。ベイスターズの先発は三嶋。この試合までタイガースは1点も奪えていない。3回裏、先頭のスタンリッジがライト前に運ぶと、1死後に俊介がセンター前ヒットでつなぐ。マートンが歩き満塁に。鳥谷の一二塁間への当たりは石川に好捕され、内野安打でスタンリッジが同点のホームを踏むが、抜けたと思った俊介がホームを突くも、石川のバックホームに刺され同点どまり。その後もスタンリッジ、三嶋とも走者を出すが打線がともに荒れ球の両投手を打ちあぐむ。スタンリッジは6回表のピンチを切り抜けたところで、代打を出されて交代。二番手のボイヤーは7回表は三者三振と好投したが、8回表、先頭の荒波にライト前ヒットを打たれ、1死後、ブランコにもセンター前ヒット。中村紀はライトフライに打ち取り、2死一三塁とされたところで、多村にセンターバックスクリーン左に3ランホームランを叩きこまれた。ベイスターズは藤江、ソーサとつなぎ逃げ切りを図る。9回裏、2死から西岡が相手の守備の乱れにつけこむ形の投手前内野安打で出塁すると、俊介のレフトフライは松本がポケットキャッチを試みるがこぼしてしまい、球が外野を転がる間に西岡が生還。2死三塁と攻めたてたが、マートンが空振り三振で逃げ切られた。
◎ベイスターズ22回戦……4-6
タイガースの先発白仁田は初回から不安定な投球。先頭の石川のピッチャーゴロを内野安打にしてしまい、荒波にバントで送られ、梶谷を歩かせ無死一二塁に。ブランコのレフト前タイムリーヒットで先制される。中村のショートライナーは鳥谷が好捕したが、多村にライト前にタイムリーヒットを打たれて2点をいきなり献上した。しかし、タイガースもすぐに反撃。ソトに対し、西岡がショート梶谷の悪送球で出塁すると、俊介のバントは投手ソトの横を抜けるように転がり内野安打に。マートンはセンターフライに倒れたが西岡が三進。鳥谷が右中間を深々と破る二塁打を放ち一塁から俊介も長躯ホームインし、同点に追いつく。3回裏、西岡がレフトスタンドに勝ち越しのソロホームランを放つと、2死から鳥谷が四球で出塁。盗塁を決めて二塁に進めば、新井貴がライト前にタイムリーを放ち2点差に。3回表から登板した久保が5回まで完璧な投球でベイスターズ打線を抑え、試合はタイガースペースになったかと思われたが、6回表に登板した三番手久保田がつかまる。梶谷にライトスタンドにソロホームランを打たれ、続くブランコにはセンターバックスクリーンに同点のソロホームランを叩きこまれた。ベイスターズは小林寛、藤江がタイガース打線を抑え、試合は膠着状態に。7回表から登板した松田も、イニングをまたいだ8回表に、またも梶谷にライトスタンドに勝ち越しのホームランを打たれると、ブランコのヒットと多村の二塁打で1死二三塁とされたところで安藤に交代。安藤は金城は見送り三振に打ち取ったが鶴岡にセンター前ヒットを打たれてさらに1点を奪われた。8回裏、四番手長田から俊介が猛打賞となるヒットを放つと、1死後鳥谷が二塁への内野安打でチャンスを作る。しかし、新井貴、福留が凡退しチャンスを生かせない。9回表、加藤が三者凡退でリズムを作ったが、9回裏、ソーサに対し日高のヒットや西岡の四球などでチャンスを作ったが、俊介が空振り三振で試合終了。今季の甲子園での負け越しが決まった。
◎ドラゴンズ22回戦……3-4
ドラゴンズ先発カブレラから3回表に先制。1死から西岡がレフト前ヒットで出ると、続く俊介のライト前ヒットで三進する。ここでカブレラはワイルドピッチ。西岡が生還して1点をもらった。しかし、タイガースの先発藤浪は4回裏、ヒットの荒木を塁に置き、和田に左中間スタンドへ逆転の2ランを打たれた。6回表、制球の定まらないカブレラから鳥谷、福留、代打今成が四球を選んで2死満塁となったところで代打日高が起用されたが、ライトフライに終わり、課題の「あと1本」がここでも出なかった。7回裏、三番手安藤が二塁打の平田を高橋周のバントで送られて1死三塁で加藤にマウンドを譲る。加藤は代打堂上剛を歩かせ、代走岩崎に盗塁を許したが、堂上直をショートゴロに打ち取る。その間に平田が生還して2点差に。タイガースの反撃は8回表。二番手武藤から鳥谷、新井貴がレフト前ヒットを続けると、福留のバントはサードへの内野安打となり満塁に。坂、代打桧山の連続押し出し四球で同点に追いついた。武藤に代わる田島に抑えられ、ここでも満塁のチャンスで勝ち越しはならず。9回裏、8回を三者凡退で抑えた久保田が引き続きマウンドに登ったが、先頭の大島を歩かせて平田に二塁打を打たれて無死二三塁に。高橋周を敬遠して満塁策をとる。しかし、松井雅に押し出しの四球を与えてサヨナラ負けに。
◎ドラゴンズ23回戦……2-4
メッセンジャーが2回裏に打たれた。先頭の平田にセンター前ヒットを打たれ、高橋周のレフト前ヒットで無死一三塁に。堂上剛はセカンドゴロ併殺に打ち取ったが、平田に先制のホームを踏まれる。しかし、タイガースも山井に反撃。4回表、マートンがレフトスタンドに同点ホームランを打ちこむ。5回裏、お返しとばかりに堂上剛にライトスタンドにソロホームランを叩きこまれ、再びリードを許す。6回表、二番手矢地から俊介とマートンの連打で無死一三塁とし、鳥谷の犠牲フライでまたも同点に。8回裏、メッセンジャーは力尽きる。先頭の岩崎を歩かせ、森野のバントで二進。平田には四球。高橋周は外野フライに打ち取ったが、堂上剛を歩かせて満塁に。代打大島の三遊間へのゴロは西岡が飛びついてなんとか取り一塁に送球したが内野安打となり、2者の生還を許してしまった。9回表は小熊に抑えられ、ナゴヤドームで久々の連敗。
愛すれどTigers週間MVP
投手……能見篤史 エースの意地で連敗をストップさせた。1点差を守って悪いなりに終盤まで相手打線を抑えきり、打線も最終局面でやっと爆発してエースを助けた。CSに向け、調子が上がってきたのは頼もしい限り。
野手……西岡剛 西岡、俊介、マートン、鳥谷までは打線が機能している。しかし、5番打者が決まらずせっかく西岡が好調を取り戻したのにそれを生かし切れていない。孤軍奮闘の感ありだ。
次節、甲子園でドラゴンズ最終戦。続いてマツダスタジアムでカープと直接対決。横浜に移ってベイスターズと試合し、翌日は神宮でスワローズ最終戦。そして甲子園で桧山の引退試合となるジャイアンツ最終戦。本来ならその次の節になる再来週の横浜でのベイスターズ戦で今季の公式戦の全日程が終わる。まさに雨中止の分の消化試合ばかり。移動に次ぐ移動でしんどいところだが、この残り試合でもう一度打線を組み替えて、CSで状態をベストにもっていけるように調整してほしい。残り6試合、月も変わって中継ががくんと減るけれど、スポーツニュースやテキスト実況などを駆使して最後まで追いかけていきますぞ。打線が機能していない以上、鳥谷の四番にこだわる和田監督の采配にも疑問符が付けられている。外野の声を一掃できるように勢いをつけてほしい。CSに向けて大切な最終節になるだろう。
(2013年9月30日記)