ナゴヤドームでドラゴンズ３連戦。かつての鬼門も昨シーズンで苦手意識を払拭させられたか、初戦は藤浪が自滅して一度は追いつかれたが、打線が奮起してドラゴンズのリリーフ陣を打ち崩す。２戦目はメッセンジャーが打たれて連勝はならなかったが、３戦目は岩崎の好投で完封リレー。２勝１敗と勝ち越す。横浜球場でのベイスターズ戦は、初戦は打線の爆発、２戦目は岩田の２年半ぶりの完投勝利で２連勝したが、３戦目に若い歳内が打ち込まれ、２勝１敗。今節は４勝２敗。今季通算１７勝１０敗で勝率．６３０。首位カープとのゲーム差は２．０で２位。
◎ドラゴンズ４回戦……１０－４
先制したのはタイガース。２回表、１死からマートンが四球で出ると、今成との間にエンドランが成功し、一三塁に。ここで久々のスタメン出場の福留がライトへいい当たりの犠牲フライを放つ。さらに鶴岡のライト前のテキサスヒットで一三塁とし、藤浪がセンター前にタイムリーを放ち２点目を奪う。タイガースの先発は藤浪。援護をもらった２回裏、１死から森野にライトオーバーの二塁打を打たれると、和田を歩かせ堂上直のレフト前に落ちるテキサスヒットで１点を返された。しかし、タイガース打線がすぐに反撃。３回表、１死から鳥谷がセンター前ヒットで出ると、ゴメスがバックスクリーン左に２ランホームランを放りこむ。山井は５回限りで降板。その後高橋聡、又吉の継投にタイガース打線は抑えられる。藤浪も６回までは好投していたが、７回裏に自滅。森野、和田を歩かせて堂上直のバントを自ら取って一塁へ悪送球。森野が生還し、２点差に。ここで藤浪は降板。安藤は谷繁のセカンドゴロを打ち取ったが森野が生還して１点差。三番手加藤が登板し、代打小笠原にセンターに大きな犠牲フライを打たれて同点に追いつかれた。８回表、今度はドラゴンズ四番手の田島が自滅。１死からマートンが歩き、今成のレフト前ヒット、福留の四球で満塁に。ここで代打新井貴が初球を打ち三遊間を破る勝ち越しタイムリーに。代打関本は三振したが、上本がレフト前に２点タイムリーを放ち突き放す。さらに９回表、五番手祖父江に対し、２死からマートンの久々に放ったセンター前ヒット、今成のレフト前ヒット、福留のショートへの内野安打でまた満塁とし、代打新井良が押し出し四球、藤井が三遊間を抜く２点タイムリーで試合を決した。８回から福原、筒井の継投で逃げ切り、かつての鬼門ナゴヤドームで大勝。ヒーローインタビューは決勝タイムリーの新井貴。
◎ドラゴンズ５回戦……１－４
メッセンジャーと川上の投手戦。４回表、川上のコントロールが乱れる。鳥谷への四球、マートンへの死球、福留への四球で２死満塁に。しかし梅野はファーストへの高いフライでチャンスを逸した。６回表には１死からゴメスの死球、マートンの二塁打、代打新井貴の四球で１死満塁とするが、福留がセカンドフライ、梅野がサイドのチャンスにもショートフライで流れをつかめない。６回裏、今度はメッセンジャーが打たれる。ライト前ヒットの大島を荒木が送り、ルナはショートへの内野安打、平田は四球で１死満塁に。森野がセンター前に弾き返してドラゴンズが２点先取。さらに堂上直がライト前にタイムリーを放ち、３点目を入れる。７回は互いの二番手、金田と福谷が抑えたが、８回はドラゴンズの田島が前日のショックを振り払うような回答を見せたのに対し、タイガースの伊藤和は１死から平田と森野にヒットを打たれて二三塁とされ、和田のショートゴロの間に１点を追加された。さらに連続四球で満塁とされたが、代打小笠原は三振に取り、なんとか１失点でとどめた。９回表、切り札岩瀬から代打新井良がレフトスタンドにソロホームランを放つも、後続を断たれて一矢報いるにとどまり、連勝ストップ。
◎ドラゴンズ６回戦……３－０
タイガース岩崎、ドラゴンズ岡田の若い両先発が好投。岩崎は３回裏に先頭の松井雅にヒットを打たれるが、岡田のバントを自ら二封し、大島をファーストへのファールフライ、荒木にはヒットを打たれたがルナをレフトフライに打ち取り危機を脱する。５回まで１安打に抑えられていたタイガース打線が、６回表に岡田をつかまえる。１死から大和の二塁打、２死でゴメスは四球。ここでマートンがセンター前に先制タイムリーを放つ。８回表には二番手又吉からヒットの上本を大和が送り、鳥谷のライト前タイムリーで待望の追加点を奪うと、マートンが四球を選び、新井良のレフト前タイムリーで鳥谷も生還して３点差に。岩崎は７回を投げ切って８回に福原にバトンタッチ。ヒットは打たれたが無失点で福原が切り抜けると、９回裏には呉昇桓が三者凡退で締めて鬼門といわれたナゴヤドームの最初の３連戦を勝ち越した。ヒーローインタビューは２勝目を勝ち取った岩崎。
◎ベイスターズ４回戦……１４－４
ベイスターズの先発三嶋に、１回表から襲いかかる。鳥谷が今季１号ソロホームランをライトスタンドに叩きこむ。３回表には先頭の能見がレフト前ヒットで出ると、三嶋のボークで二進。上本が歩き大和のバントはバルディリスが少しもたつき内野安打に。満塁で鳥谷の一二塁間を抜くライト前ヒットでまず１点。ゴメスはレフト前タイムリーで２点目。マートンが歩き押し出しで３点目。二番手の左腕田中に対し新井良のショートゴロの間に１点が入る。１死一三塁から福留の投手ゴロは併殺を狙ったが走者にタッチできずに内野安打となり５点目。ビッグイニングを作った。４回表、左中間を破る大和の二塁打を足がかりに鳥谷のセンター前タイムリーで大和が長躯生還。５回表、センターオーバーの二塁打を放った福留を藤井がライト前ヒットで返す。ここで藤井は足を痛めて鶴岡に交代する。能見がスリーバント失敗のあと、上本が三塁強襲のヒットでつなぐ。大和がセンターオーバーの二塁打で走者を一掃し、１０点差をつけた。能見は完封ペースで投げていたが、５回裏にバルディリスにバックスクリーンにソロホームランを打たれると、６回裏にはヒットの荒波を置いて梶谷にライトスタンドに２ランホームランを打たれてしまう。７回を投げて能見は筒井に交代する。７回表、三番手大田に対し、内野安打の鶴岡、四球の上本、鳥谷を置いて２死満塁でゴメスはセンターフライ。しかし荒波がこれを落球し、走者一掃のタイムリーエラーとなる。８回裏、二番手筒井は二塁打の筒香をバルディリスのタイムリーヒットで返されるが、９回表、四番手藤江に対し先頭の大和が四球。１死後、今成がレフト間前ヒットでつなぎ、田上のセンター前タイムリーですぐに１点を返した。９回裏、三番手伊藤和が締めて２０安打の大勝。ヒーローインタビューは先制ホームランを含む４安打の鳥谷。
◎ベイスターズ５回戦……７－１
ベイスターズの先発は井納。２回表、タイガースが先制。新井良のレフトスタンドへのソロホームランが飛び出した。４回表には四球の鳥谷がゴメスのライト前ヒットで三進し、マートンの犠牲フライで２点目。５回表、１死から上本がセンター前ヒットで出ると、すかさず盗塁。大和の一塁ゴロの間に三進し、鳥谷が歩き、ゴメスのレフト前へのヒットで３点目。６回表、またもや新井良が左中間スタンドにソロホームラン。井納はこの回限りで降板した。７回表、二番手長田に対し上本のヒットと盗塁、大和のバントで三塁に進むが、鳥谷のショートゴロでホームへつっこみ、好守に阻まれ憤死。しかし鳥谷が盗塁し、捕手の送球がそれて三進。ゴメスのセンター前タイムリーで５点目が入る。タイガースは前回序盤に崩れた岩田。この試合は思い切りのよい投球で６回まで無失点。完封ペースの投球だったが、７回裏に先頭の梶谷にヒットを打たれ、パスボールなどで２死三塁とされ、筒香のレフト前タイムリーで１点を返されて完封を逃した。９回表、四番手山口から先頭の上本が四球を選び、大和がバント。山口は二塁に投げかけて間に合わないと見て一塁に送球するが、ベースカバーの宮崎が山口の動作を見ておらず後ろにそらし、上本は一気にホームインし、６点目。三塁に進んだ大和を置いて、鳥谷がレフト前にタイムリー。７点の大量援護に守られ、岩田は今季初完投勝利。前回の汚名を返上した。ヒーローインタビューは完投勝利の岩田。
◎ベイスターズ６回戦……４－８
ベイスターズ先発のモスコーソを初回から攻め立てる。１死から大和が死球、盗塁、鳥谷が四球、ゴメス三振の間にダブルスチールで二三塁とする。しかし、マートンが空振り三振で得点できず。これで流れをベイスターズにやってしまった。タイガースの先発は今季２度目の歳内。１回裏、ヒットの石川を牽制でアウトにとり相手の流れを断ち切ったかに思われたが、ヒットの荒波に盗塁を許し、２死から中村紀、筒香に連続四球を与えて、バルディリスに三塁線を破る走者一掃の二塁打を打たれて先制される。３回裏には先頭の梶谷にヒットを打たれると、盗塁と中村紀のセカンドゴロで三進。筒香にレフト前にタイムリーを打たれ、歳内は二番手渡辺に交代した。渡辺は２四球で１死満塁としたが靍（つる）岡をセカンドゴロで併殺に取り、失点を防いだ。モスコーソの前に３回までノーヒットのタイガース打線が、４回表、２死からマートンのヒットで走者を出すと、新井良がライトスタンドに２ランを放つ。さらに５回表、１死から上本と大和の連打で一三塁とし、鳥谷のライトへの犠牲フライで１点差に迫る。５回裏、三番手の筒井が誤算。１死から中村紀の右中間を破る二塁打と筒香のセンター前ヒットで一三塁とされ、バルディリスのレフト線への二塁打で１点を失うと、白崎に四球を与えて満塁に。靍（つる）岡にも押し出しの四球を与え、代打金城にも押し出しの四球で、たまらず降板。四番手の金田は石川をセカンドゴロに打ち取るが、上本が本塁へ悪送球でさらに１点を奪われた。それでも金田は荒波、梶谷と内野ゴロに仕留めてなんとかそれ以上の失点を防いだ。だが、１点差に迫ったところで４点を自滅のような形で献上したのは痛かった。６回表、ベイスターズ二番手の大田から先頭のマートンがヒット。新井良の四球と福留のライトフライで１死一三塁と攻め立てたが、鶴岡のサードゴロでマートンが飛び出し狭殺。さらに二塁をオーバーランしていた新井良も狭殺され、反撃の流れを自ら断ち切った。ベイスターズは山口、藤江、三上とつなぎ、タイガースも五番手伊藤和が好投。９回表、三上から梅野がプロ入り初ホームランをレフトスタンドに運んで一矢報いたが、反撃もそこまで。初回の攻防で試合が決まってしまった。
愛すれどTigers週間ＭＶＰ
投手……岩田稔 前回登板は打線の援護で今季初勝利をあげたが、今節はテンポよくストライクを投げ込み、ベイスターズ打線をのんでかかった。こういう投球がいつもできれば軽く１０勝できる投手なのだ。ただ、特に近年の岩田は好投が２試合続かないケースが多い。次回登板に注目したい。
野手……鳥谷敬 開幕直後はペースが上がらなかったが、前節あたりからどんどん調子をあげ、現時点でリーグ３位まで打率をあげてきた。チャンスメイクもでき、一二番が出塁するとつなぐ、返す。まさに理想の３番バッターという感じだ。守備に関しては今さら言わずもがなであろう。
次節は甲子園球場に戻ってカープ３連戦。好調の首位カープに苦手意識を持たないように、とにかくカード勝ち越しを目指してほしい。１日あけて神宮球場のをスワローズ３連戦。ここはスワローズを完全にお客さんにして勝ち星をのばす機会としてほしいところだ。そのためには、先発投手がもう一枚ほしい。秋山、榎田、歳内らチャンスを与えられても生かしきれない若手たち。ここがチャンスなのだから、二軍で活躍中の岩本あたりにがんばってほしいところだ。
（２０１４年４月２８日記）
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