愛すれどTigers


交流戦は初戦を落とすも5割発進

 交流戦が始まった。京セラドーム大阪でのバファローズ2連戦。パ・リーグ首位を走る好調バファローズに、初戦は西に好投されて大敗。しかし2戦目は打ち合いを制して、1勝1敗とタイに持ち込んだ。ヤフオクドームでのホークス戦は初戦にゴメスの先制ホームランをメッセンジャーが守れず落としたが、2戦目は能見が自己最多の13奪三振を奪い、リリーフが最小リードを継投で守り切り、1勝1敗。甲子園に戻りマリーンズ戦。初戦は岩田が崩れ、藤岡の力投に打線も抑えられまたも初戦を落としたが、雨中止をはさんだ2戦目は藤浪の好投で連敗を阻止し1勝1敗。今節は3勝3敗。今季通算28勝22敗で勝率.560。首位カープとのゲーム差は2.0で2位。

◎バファローズ1回戦……2-12
 好調バファローズ打線に藤浪が飲みこまれた。初回、先頭の平野恵を歩かせると、安達のバントを悪送球。無死二三塁からヘルマンのセカンドゴロの間に1点を奪われ、糸井を歩かせた上に盗塁を許して1死二三塁に。2死から坂口のセンター前2点タイムリーでいきなり3点を失う。2回裏には先頭の伊藤を歩かせ西のバント、平野恵のヒットで1死一三塁に。安達のセーフティスクイズで1点を追加されると、ヘルマンの2ランでなんと6失点での降板となった。3回表、バファローズの先発西から先頭の代打緒方がセンター前ヒットを放つと、この試合から復帰した上本が右中間を破る三塁打で1点を返す。さらに鳥谷の犠牲フライで2点目を奪ったが、反撃もここまで。3回裏、二番手の秋山が坂口と駿太に連続四球を与え、伊藤にレフトスタンドへ3ランホームラン。せっかく返した2点がふいに。4回裏にはヒットのヘルマンに盗塁を許し、坂口のセンター前タイムリーでさらに1点を取られて秋山もノックアウト。三番手二神は2死から糸井にレフト前にヒットを打たれるとT-岡田の二塁打で二三塁とされ、坂口のセンター前2点タイムリー。3投手で12失点と大炎上。タイガース打線は西の伸びのある速球を打ちあぐみ、6回まで8安打を打ちながら、得点は3回表の2点のみ。タイガースは高宮、加藤の両左腕が無失点で切り抜けたが、バファローズのマエストリ、岸田、海田の継投の前に打線は沈黙。関西ダービー初戦は昨年同様敗戦に終わった。
◎バファローズ2回戦……7-6
 バファローズの先発は新人の東明。初回につかまえる。先頭の上本が右中間に二塁打を放つと、大和が送って三進。鳥谷はライトとセカンドの間に落ちるヒットでこれが先制タイムリーになる。ゴメスの当たりそこねのゴロは捕手伊藤が捕り進塁打となる。マートンのショートへの強襲ヒットは大きく弾かれて鳥谷が生還し、2点目が入った。タイガースの先発榎田は味方にもらったリードを守りきれない。2回裏、先頭の坂口にヒットを打たれると、安達の左中間を破るタイムリー二塁打で1点を奪われ、送球の間に三塁に進まれる。そしてワイルドピッチで安達も生還、同点とされた。その後も伊藤を歩かせ、平野恵にもヒットを打たれてピンチは続いたが、糸井はピッチャーゴロに抑えて同点で乗り切った。3回表、レフト前ヒットの上本を大和が送り、鳥谷の右中間へのタイムリー二塁打で1点リード。それでも榎田は踏ん張りきれない。5回裏、先頭の平野恵にヒットを打たれると、糸井の右中間を破る二塁打で二三塁とされ、ペーニャのショートゴロの間に平野恵が生還し同点を許す。2死後、坂口を歩かせたところで鶴に交代。鶴の初球は安達にレフトスタンドに運ばれて3ランホームランとなり逆転された。バファローズはマエストリから比嘉につなぐ必勝リレー。しかし、その比嘉をつかまえる。6回表、マートンのショートゴロを安達がこぼし、今成のレフト前ヒットで一二塁とする。福留のライトフライでマートンが三進し、坂のショートゴロで生還。2点差としたところで代打新井貴が初球をレフトスタンドに運び、あっという間に同点に追いついた。6回裏から登板した加藤は7回裏につかまる。先頭のT-岡田に二塁打を打たれると、駿太のバントで三進。坂口を歩かせたところで安藤にスイッチ。安達はセカンドゴロでT-岡田は本塁憤死。そして代打鉄平もショートゴロで打ち取ってピンチをしのぐ。8回裏には先頭の山崎勝を歩かせ、ヘルマンのバントで二進される。ここで安藤は踏ん張る。平野恵をショートライナーに打ち取り、糸井を敬遠し、勝負したT-岡田は落ちる球で空振り三振。バファローズは馬原から佐藤達へとリレー。9回表、その佐藤達からゴメスがレフトスタンド最上段に決勝のソロホームランを放つと、9回裏には呉昇桓が締めくくり、好調バファローズの連勝を止めた。ヒーローインタビューは決勝ホームランのゴメス。
◎ホークス1回戦……2-4
 先制したのはタイガース。ホークスの先発岩嵜を初回に攻める。2死から鳥谷が四球を選ぶと、ゴメスがレフトスタンドに2ランを放つ。しかし、岩嵜は2回以降はタイガース打線を翻弄。それでもタイガースの先発メッセンジャーは5回までは完封ペースで好投。落とし穴は6回裏に待っていた。明石と今宮の連打で無死一三塁のピンチを作ると、内川のサードゴロを今成がこぼしてどこにも投げられず、1点を返された。続く李大浩にバックスクリーンに逆転の3ランを打たれてしまった。ホークスは二番手千賀が7回表に崩れる。今成と福留が連続四球で出ると、鶴岡はバントを失敗して三振に打ち取られたが、代打関本は死球。1死満塁から二番手五十嵐が登板。上本が、そして代打新井貴が連続三振でチャンスをものにできず。8回表には先頭の鳥谷がセンター前に弾き返して出塁するが、ゴメスは空振り三振、マートンはファーストゴロ。走者を二塁に置き、代打新井良が三振。タイガースはメッセンジャーが降板したあと小嶋と鶴がともに三者凡退でリズムを作ったが、9回表、先頭の福留が抑えの切り札サファテに対しセンター前ヒットで出たが、代打緒方が三振。さらに福留は盗塁死。田上も三振に終わり、試合終了。2回以降はあと1本が出なかった。
◎ホークス2回戦……4-3
 ホークスはFA移籍の中田。1回表、まず先頭の上本がライト前ヒットで出ると、大和との間にヒットエンドランを仕掛けてショートゴロで二進。鳥谷がすかさずレフト前タイムリーで先制。タイガースの先発能見は2回までは快調な立ち上がりを見せたが、3回裏につかまる。1死から今宮を歩かせ中村のセンター前ヒットと長谷川の二塁内野安打で満塁とされる。李大浩を歩かせて押し出し四球で同点に。松田のショートライナーは鳥谷のグラブに当たって強襲ヒットとなり、2点目を失う。しかし柳田、李杜軒と連続の空振り三振に打ち取り最低限のリードを許すにとどまる。4回表、今度はタイガース打線が反撃に転じる。先頭の鳥谷がセンター前ヒットで出ると、ゴメスが歩き、1死後今成は死球で満塁に。福留の押し出し四球で同点に。清水のセカンドゴロで福留は二封されたがショート今宮が一塁へ悪送球して2者生還。相手のミスに助けられて逆転に成功した。能見は直後の4回裏、先頭の鶴岡にレフト前ヒットを打たれる。中田はスリーバント失敗の三振、今宮は空振り三振と2死をとったが中村のレフト前ヒットで一二塁とされ、長谷川にセンター前タイムリーを打たれて1点差に詰め寄られた。ここで李大浩を空振り三振に取ってピンチを脱する。能見は3失点ながら6回を13奪三振で投げ切り、7回からは安藤、加藤につなぎ、ホークスの反撃を許さない。タイガースは5回表に上本の内野安打、大和の投手右へのプッシュバントによる内野安打、鳥谷はショートのグラブの先をかすめるライナー性のレフト前ヒットで無死満塁と攻め立てたが、ゴメスが一塁ゴロでホームゲッツーをとられるとマートンもセカンドゴロで追加点ならず。ホークスは7回から森、嘉弥真、森福のリレーでタイガース打線を抑えて反撃を待つ。1点差で迎えた9回裏、マウンドには呉昇桓。長谷川と李大浩には変化球を打たれて無死一二塁とされたが、松田以降は速球で押しまくり、松田をつまらせてセカンドフライ、柳田のセカンドゴロで二封、本多は平凡なセンターフライで逃げ切った。ヒーローインタビューは先制タイムリーを含む猛打賞の鳥谷。
◎マリーンズ1回戦……2-5
 タイガースの先発岩田が3回につかまる。先頭の角中を歩かせ、加藤のバントで二進。江村のサードゴロを新井良がエラー。荻野貴のレフト前タイムリーで1点を失う。鈴木は三振に取ったが、井口を歩かせてサブローのライト前2点タイムリーで傷口を広げた。マリーンズの先発は藤岡。切れの良い速球とタイミングを外すカープが決まり、タイガース打線は翻弄される。4回裏、1死からゴメスが四球を選び、マートンと新井貴の連続ヒットで満塁としたが、新井良はサードフライ、鶴岡はセカンドフライで数少ないチャンスを逸した。7回表、荻野貴と井口のヒットで1死一三塁とされると、二番手鶴に交代。サブローの犠牲フライとクルーズのレフトオーバーの三塁打で5点差とされてしまう。8回裏、先頭の大和が四球で出ると、鳥谷がライト線の二塁打で無死二三塁とし、藤岡からロサに交代。ゴメスが浅いライトフライに打ち取られ、マートンのショートゴロの間に1点を返す。新井貴が歩いて2死一二塁とし、新井良のライト前タイムリーで3点差に迫ったが、反撃もそこまで。タイガースは三番手小嶋、四番手岩本が好投したが、9回裏、抑えの切り札西野の前に三者凡退で試合終了。
◎マリーンズ2回戦……2-0
 タイガースの先発は藤浪。四球を出しても併殺で切り抜ける。マリーンズはFA移籍の涌井。3回までは緩急をつけた投球でタイガース打線を抑えていたが、4回裏につかまる。先頭の鳥谷が四球を選ぶとすかさず盗塁。ゴメスのレフト線二塁打で1点先取すれば、1死から新井貴がセンター前ヒットで一三塁。福留のレフトへの犠牲フライで2点目を奪った。藤浪は6回まで3安打の好投を続けていたが、7回表、1死からクルーズに死球。そのまま退場してしまったのにいくぶん動揺したか、今江に四球で1死一二塁に。角中のピッチャーゴロは藤浪が弾き併殺に取れず2死二三塁に。ここでブラゼルが代打。空振り三振でピンチを脱した。涌井も5回以降はタイガース打線を抑えきり、投手戦に。藤浪は8回を投げ切り、9回表には呉昇桓が登板。2死から根元にヒットを打たれたが、今江をセンターフライに打ち取り、マリーンズの交流戦連勝をストップさせた。ヒーローインタビューは8回無失点で久々の勝利投手となった藤浪。

愛すれどTigers週間MVP
投手……安藤優也 苦しい展開の中で、セットアッパーとしてみごとな働き。先発投手が長いイニングを投げ切れなくても、安藤が故障で抹消の福原の分もフル回転の大活躍だ。ベテランの技術に加えて気持ちの入った投球が光る。
野手……鳥谷敬 交流戦に入り、持ち前の選球眼のよさに加えて好球必打でチャンスでの巧打も光る。他の打者が苦しむ中、キャプテンがチームを引っ張る。

 次節は甲子園で不調のライオンズと2連戦。続いて札幌ドームでファイターズと2連戦。ともに本来の力を出し切れていないチームだけに、ここまでの6試合よりは気持ちの上で優位に立って試合を進められるだろう。先発一塁でスタメン復帰した新井貴とゴメスの定位置争いも楽しみの一つ。上本の復帰で打線につながりが出てきた。ここまで好調のチームに対し交流戦5割に持ちこたえてきただけに、ここから勢いをつけてもらいたい。まず初戦をとること。そしてカード連勝を続けていけば勢いに乗れるだろう。

(2014年5月27日記)


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