なかなか初戦が取れない交流戦。甲子園球場でのライオンズ初戦は、シーソーゲームを制するかと思われた瞬間、呉昇桓が自らのミスもあって来日初めて逆転負け。2戦目は敗戦処理のリリーフ陣が滅多打ちにあい、0勝2敗。札幌ドームでのファイターズ戦は初戦に能見が好投したが大谷の一発に泣き、勝ちパターンのリリーフである安藤がミランダにサヨナラホームランを打たれて落とす。しかし2戦目は岩田の好投とワンチャンスをものにしたゴメスのタイムリーで勝ち、1勝1敗。今節は1勝3敗。今季通算29勝25敗で勝率.537。首位カープとのゲーム差は3.0で3位。
◎ライオンズ1回戦……5-7
甲子園4試合連続完封を狙うメッセンジャーが初回につかまる。2死から栗山にレフト線に二塁打を打たれ、中村のレフト前タイムリーで1点先制された。しかし、ライオンズ牧田から2回裏にゴメスがレフトスタンドに同点ソロホームランを叩きこむ。4回裏には先頭の鳥谷がセンター前ヒットで出ると、続くゴメスの二塁打で無死二三塁とし、マートンのライト前タイムリーで勝ち越すと、新井貴はセンター前に落ちるタイムリーで2点差に。しかし、福留、大和が平凡なセンターフライに終わると清水も三振でビッグイニングが作れず。6回裏、マートンのヒット、新井貴の四球、清水の死球などで2死満塁のチャンスを作ったが、上本がセンターフライで追加点ならず。これで流れが変わったかメッセンジャーが7回表に乱調。木村のヒットと盗塁、清水の悪送球で1死三塁とされ、炭谷のショートゴロは木村を三塁に釘づけにしてアウトにしたが、代打大崎のライト前タイムリー、秋山を歩かせて脇谷に同点のライト前タイムリーを打たれてしまった。しかし、タイガース打線も食らいつく。二番手岡本洋から今成がセンター前ヒット、鳥谷が歩き、ゴメスとマートンは打ち取られたが新井貴がレフト前にタイムリー。鳥谷狭殺の間に今成が生還して再びリードする。ここからが勝ちパターンの継投と8回表には安藤をマウンドに送る。しかし、栗山とメヒアの連打でピンチとなり、2死から代打森本のレフト前タイムリーでまたも追いつかれた。8回裏、三番手増田から福留がヒット。俊介を代走に送り、大和のバントで二進。代打関本は倒れたが、上本のレフト前ヒットで満塁とし、今成がセンター前に落ちるタイムリーでまたも1点リード。今度こそ勝利をつかむため呉昇桓がマウンドに。ところが先頭の金子侑にレフト前ヒットを許すと、呉昇桓は突如乱れる。秋山を歩かせ、脇谷の投手前バントを三塁に悪送球して同点に追いつかれると、栗山の打席でワンバウンドのボールを今季初マスクの日高が後ろにそらし勝ち越しのランナーがホームイン。栗山とアブレイユは連続三振に取ったが、メヒアにセンターのフェンス最上部に当たって跳ね返る二塁打を打たれてさらに1点を失った。9回裏、左腕高橋から2死後に新井貴がヒットを放ったが、俊介は三振で試合終了。ミスの連発という後味の悪い逆転負けを喫してしまった。
◎ライオンズ2回戦……2-13
先制したのはタイガース。ライオンズ先発の菊池から大和の四球、鳥谷のライト前ヒット、ゴメスの死球で1死満塁に。マートンのセンター前ヒットで2点を奪うが、新井貴はハーフスイングを止めて四球と思いきやスイングをとられて三振。新井良はセンターフライで一気に菊池を崩せず。菊池は2回以降もヒットや四球でチャンスをくれるが、あと1本が出ない。タイガースの先発は岩崎。4回まで走者を出しながらも要所を締めていたが、5回表につかまる。1死から金子侑のレフト前ヒットと盗塁でピンチを迎えると、秋山にセンターオーバーの二塁打を打たれ1点差に。栗山にもライト線に同点タイムリーを打たれ、ここで降板。二番手鶴は、ここは中村をサードゴロに打ち取り逆転は免れた。しかし、6回表、ヒットのメヒアを塁に置き、2死から炭谷と金子侑に連続三塁打を打たれ、三番手加藤も秋山にもセンターオーバーの二塁打と一気に3点を失った。鳥谷は5回裏に通算1500本安打を放つが、得点にはつながらない。6回裏、ゴメスとマートンの連打、代打関本の四球で2死満塁と最大のチャンスを作るも上本は力ないセンターフライ。7回表、四番手金田は栗山の二塁打、メヒアのヒット、浅村への四球で1死満塁とされ、大先のタイムリーと炭谷の犠牲フライで2点を失う。8回表、五番手小嶋が1死から山崎のヒットと栗山への四球で走者をため、中村のレフト前タイムリーを浴びる。メヒアは三振に打ち取ったが、浅村を歩かせ満塁とし、森本の左中間を破る走者一掃の二塁打と炭谷のレフト前タイムリーで5失点。9回表には六番手岩本が2死から永江と脇谷の連続二塁打で1失点。13失点は今季最多失点。タイガースは7回表に二番手ボウデンから大和の四球と鳥谷のヒットでチャンスを作るも、ゴメスがあわやトリプルプレイという併殺でチャンスを逃す。8回裏には増田から新井良と梅野の連打でチャンスを作るが、俊介のヒット性の当たりは一塁山崎のファインプレーで進塁打にとどまり、上本と大和が外野フライでまたもチャンスを逸した。9回裏、岡本洋から鳥谷がヒットを放つもののゴメスは空振り三振、マートンは併殺で反撃にもならなかった。
◎ファイターズ1回戦……1-3
能見とメンドーサの投手戦。5回までは両投手とも相手を寄せつけない好投。能見がボール球を振らせて三振を取れば、メンドーサは低めの球を打たせて取る。先制したのはタイガース。6回表、先頭の能見が歩くと、上本のバントで二進。緒方がライト前ヒットを放ち一三塁とすると、鳥谷のセンター前ヒットで1点をあげた。しかし、ゴメスとマートンが倒れて追加点は取れず。快調に投げていた能見だったが、決め球のスライダーを大谷にライトスタンドに運ばれ同点に。動揺した能見は崩れかかったが気を取り直して8回まで1失点でマウンドを降りた。ファイターズは7回からカーター、宮西、クロッタ、増井の継投。8回表、宮西から上本と鳥谷がヒットを放って勝ち越しのチャンスを作るが、クロッタの前にゴメスとマートンが抑えられ、9回表には増井から福留の内野安打と代打新井貴の四球でチャンスを作るも上本がセカンドフライでまたもチャンスを逸した。9回裏、タイガースは二番手加藤が西川と大谷を打ち取り、中田に対しては安藤を送る。これが裏目に。中田を歩かせ、ミランダにライトスタンドにサヨナラホームランを打たれてしまった。
◎ファイターズ2回戦……4-1
タイガース打線がワンチャンスをものにした。3回表、ファイターズ先発の上沢に対し、む先頭の緒方が左中間を破る二塁打を放つと、岩田のバントを上沢がサードに送り、タッチできずフィルダーズチョイスとなった。無死一三塁から上本が歩き満塁。大和は三振に倒れたが、鳥谷がよく選んで押し出し四球で先制。続くゴメスが右中間に走者一掃の二塁打を放ち、この回一挙4点を奪った。上沢はここで降板。藤岡、谷元、多田野、石井と出てきたリリーフ陣に対し全く得点できなかっただけに、この4点は大きかった。タイガースは岩田が先発。初回いきなり陽に二塁打を打たれ、西川のセカンドゴロで三進を許したが、大谷を空振り三振に取ると中田をピッチャーゴロに抑えてピンチを脱した。2回以降はテンポよく、持ち味の内野ゴロで打ち取る投球を軸に、相手の意表をついて見逃し三振をとるなど完全に自分のペース。7回裏、ミランダと大引の連打でピンチを招くが、近藤、大野、代打杉谷とすべて内野ゴロに取り、大野のセカンドゴロの間に1点返されたものの、最少失点で切り抜けた。9回裏は呉昇桓が登板、中田、大引を三振に取るなど三者凡退で締めた。ヒーローインタビューは連敗ストップの好投を見せた岩田。
愛すれどTigers週間MVP
投手……岩田稔 連敗中の苦しい状況で、落ち着いて自分の投球を貫き連敗をストップさせた。ムードを変える打者大谷を完全に抑えきったのも大きい。今季は確実にローテーションの一員として今後も力を発揮してくれそうだ。
野手……鳥谷敬 プロ入り通算1500本安打を達成。さらには死四球の数も球団史上3位に。現時点で交流戦首位打者だ。今後の反撃のキーマンとなるか。
次節はコボスタ宮城でイーグルスと2連戦。難病で星野監督がベンチから外れてしまったのは残念だが、昨シーズン全敗したお返しをしたいところだ。続いて甲子園にもどりバファローズと2連戦。続いて甲子園でホークス2連戦。指名打者が使える試合が続くだけに、新井とゴメスの併用ができるのが大きい。新鋭緒方の調子も上がってきた。ここに福原が一軍復帰をしてくると、これまでのようにはいくまい。巻き返しを期待したい。
(2014年6月2日記)