甲子園でのカープ戦は初戦は大瀬良を攻略し、2戦目は藤浪がプロ入り初完投かと思える好投を見せ、3戦目は台風の影響で調子となり2勝0敗。東京ドームのジャイアンツ戦は、初戦は大竹を打ち崩し先勝。2戦目は杉内の好投に完封されたが、3戦目は関本の代打逆転満塁ホームランで勝ち越し2勝1敗。。今節は4勝1敗。今季通算43勝37敗1分で勝率.538。首位ジャイアンツとのゲーム差は3.5で2位に復帰。
◎カープ9回戦……3-1
カープの先発は大瀬良。2回裏、下位打線が攻略した。1死から今成のセンターへの二塁打を足場に、梅野三振のあと岩田のセンター前のテキサスヒットで今成が一気にホームインし、1点を先制する。直後の3回表、タイガースの先発岩田もつかまる。先頭の大瀬良を歩かせ、1死後菊池のセンター前ヒットで一二塁とする。丸の二遊間のゴロをセカンド上本が捕り自らベースを踏んで二封するも一塁へ悪送球し、大瀬良がホームイン、同点に追いつかれた。それでも3回裏、2死からゴメスがレフト前ヒットを放つと、相手の油断をついて盗塁。マートンが歩き、福留のセンター前に落ちるヒットでゴメスが一気に生還して勝ち越す。4回裏には梅野の甲子園では初めてとなるレフトスタンドへのソロホームランで2点差に。大瀬良は大和のピッチャーゴロを捕球した際に右手を打撲し降板。後をつないだ河内、今井らにタイガース打線はヒットを打ちながらも抑えられる。岩田は5回以降調子をあげ、左右の揺さぶりでカープ打線を翻弄する。7回裏、四番手今村に対し、先頭のマートンがレフト前ヒット。福留もレフト前に連打し、今成のバントを今村がジャッグルして無死満塁に。しかし、梅野、代打関本、上本と三者三振で絶好のチャンスを逃した。それでも流れはカープにはいかなかった。8回表は福原、9回表は呉昇桓が抑え、2点差を逃げ切った。ヒーローインタビューは好投の岩田と好リードとホームランの梅野。
◎カープ10回戦……6-5
タイガースの先発は藤浪。初回から快調に飛ばす。2回表、先頭の丸にヒットを打たれるも苦手のキラを併殺に取り、流れを作ったと思われたが、レフト前ヒットの田中に盗塁を決められ、木村のセンター前タイムリーで先制点を許した。しかし、元気な打線がカープ先発の九里をとらえる。2回裏、先頭の福留が歩き、暴投で二進すると、梅野のライト苗タイムリーで生還し同点に。3回裏にはセンター前ヒットの上本を大和が送り、鳥谷のレフト前タイムリーヒットで勝ち越し。鳥谷は二進を阻まれ封殺されたが、ゴメスがレフトスタンドにソロホームランで点差を2に広げた。5回裏には二番手河内に対し、1死からゴメスがサードフライを打つが捕手と交錯して落球し、ゴメスはセーフ。すかさずマートンがレフトスタンドに2ランホームランを叩きこむ。6回裏には三番手今井から藤浪のヒット、上本と鳥谷の四球で1死満塁とし、ゴメスのライト前に落ちるタイムリーで1点を追加し、5点差にした。プロ入り初完投へ7回までは快調な投球だった藤浪が8回表につかまった。1死から天谷と菊池の連打、丸への四球で満塁とし、岩本のライト前2点タイムリーで浴び、ここで降板。二番手のの加藤はキラを歩かせ、田中のライトへの犠牲フライと木村のショート公報に落ちる不運なタイムリーヒットで1点差に迫られた。三番手福原も代打梵に粘られるが、なんとかライトフライに打ち取り、1点差で踏みとどまった。9回表、呉昇桓は連続三振で2死をとってから、菊池のレフト前ヒットと丸のセカンド内野安打で逆転のピンチを迎えたが、最後は會澤を三振に取って逃げ切った。ヒーローインタビューはアベックホームランのゴメスとマートン。
◎ジャイアンツ10回戦……12-5
先制したのはタイガース。大竹に対し1死から大和がヒットで出塁し、ゴメスの四球で2死一二塁とすると、マートンがセンター前にタイムリー。ゴメスは三塁を狙って憤死したが、まず1点目。ジャイアンツもすぐに反撃。メッセンジャーから坂本のヒットと盗塁、亀井のセカンドゴロで2死三塁とされ、村田のセンター前タイムリーで同点にされた。2回裏には阿部のライトスタンドへのソロホームランでリードを許す。しかし3回表、ヒットの上本を塁に置き、大和がレフトへの浅い当たりのヒットを放つと、上本は一気に三塁へ。鳥谷のセカンドゴロ併殺の間に上本が生還して同点に。タイガースは6回表、大竹に襲いかかる。大和と鳥谷の連打でチャンスを作ると、ゴメスのレフト前ヒットで三塁まで進んでいた大和が生還。マートンはレフト線への二塁打でさらに1点を加えて無死二三塁に。ここで大竹は降板し、青木が福留をセカンドゴロに打ち取る。走者は釘付け。今成が打席に入ろうとした時、原監督がマウンドに行き、外野手までマウンドに呼び寄せ、なんと外野を守っていた亀井を内野の守備位置まで前に出させ、内野手5人、外野手2人というシフトをとらせる。ここで代打で西岡が登場。一度は元のシフトに戻したが、すぐに変則シフトに変える。西岡はそのシフトをあざ笑うかのようにセンター定位置へのフライを打つと、球は2人外野手の真ん中を破って走者一掃の二塁打に。この回、一気に4点を奪った。7回表には、三番手土田から、ヒットの鳥谷を塁に置き、ゴメスがレフトスタンドへ2ランを放つ。7回裏、長野のソロホームランで1点を返されたメッセンジャーはその後も走者を許すもこの回はなんとか1失点で乗り切る。8回表、四番手笠原から梅野がレフトスタンドにソロホームラン。取られたら取り返す。8回裏、二番手の福原がロペスにソロホームランを打たれ、さらにヒットを続けられた。阿部を迎えて三番手加藤がマウンドに。阿部のセカンドゴロは上本の送球が遅くセーフのタイミングだったが判定はアウト。これに激昂した阿部は塁審を突いて退場に。9回表、上本が五番手今村からレフトスタンド最前列にソロホームランを放つと、大和は二塁打で続き、鳥谷のレフト前タイムリーヒット、福留の犠牲フライでダメ押し点をとった。9回裏は加藤がそのままマウンドに上がったが、代打寺内にヒットを打たれ、井端のタイムリーで1点を返されたところで安藤にスイッチ。安藤は坂本をセカンドフライに捕ると、片岡を併殺に切って取り、試合終了。原監督は自ら命じた変則シフトのために自滅した。ヒーローインタビューは大けがをした東京ドームでの復帰の打席でタイムリーを放った西岡。
◎ジャイアンツ11回戦……0-5
タイガースの先発は脇腹痛から復帰した能見。1回裏、実戦勘の戻りきっていないところをつかまる。先頭の坂本にレフトオーバーの二塁打を打たれると、井端のセカンドゴロで三進。長野にライトオーバーのタイムリー二塁打を打たれて1点を先制された。しかし、2回以降は尻上がりによくなり、5回裏まで無失点で切り抜ける。ジャイアンツの先発杉内に対し、2回表にマートンのヒット、3回表に今成の内野安打が出たが、後続を断たれて得点できない。4回表、先頭の上本が四球で出塁。大和とのエンドランはショートゴロとなったが二進。鳥谷のセカンドゴロで三進。しかしゴメスがファーストフライに倒れ、同点の好機を逸した。6回裏、能見がついに力尽きる。1死後、長野と村田の連打でピンチを招くと、阿部のライトへの二塁打でついに2点目を与えてしまう。ロペスを歩かせて1死満塁のピンチが続いたが、矢野のショートゴロで本塁封殺。代打アンダーソンはセカンドゴロと、なんとか最少失点にとどめた。7回裏は金田が抑えるが、8回裏に先頭の長野を歩かせ、村田を三振に取ったところで榎田にスイッチ。阿部にライト前ヒットを打たれる。ここで鶴に交代。暴投で1点を献上し、代打亀井に2ランホームランをライトポールに当てられ5点差に広げられる。9回表、1死から関本が四球を選ぶが、上本のファーストゴロで併殺。連勝は8で止まった。
◎ジャイアンツ12回戦……6-4
タイガースの先発は岩田。中4日という短い間隔での登板。やはりリズムをつかめず先制される。2回裏、先頭のロペスに左中間スタンドにソロホームランを打たれ、さらにアンダーソンの一塁線の打球はゴメスのグラブの下をくぐりぬけライト線へ転がり三塁打に。橋本のファーストゴロをゴメスはバックホームしたが、送球がそれてアンダーソンがホームインし、2点目を献上した。ジャイアンツは澤村が先発。4回表、タイガースが反撃。死球の大和はゴメスのヒットで三進し、マートンのライトのファールフライが犠牲フライとなり、1点差に。しかし岩田は直後の4回裏にアンダーソンのライトスタンドへのソロホームランで再び2点差にされた。試合が動いたのは7回表、1死から今成がレフト前ヒットで出ると、梅野はショートゴロで二封。代打新井貴がライト前のテキサスヒットでつなぎ、上本が四球を選んで満塁に。代打関本の左中間スタンドへの満塁ホームランでついに逆転した。7回裏、二番手加藤が先頭のアンダーソンを歩かせ、代打矢野のレフト前ヒットと代打寺内のバントで1死二三塁とされたところで安藤にスイッチ。坂本のサードゴロの間にサードランナーが返り1点差に。亀井のヒットと長野への四球で2死満塁とされたが、村田を空振り三振に打ち取り、ピンチを脱した。8回裏は福原が抑え、9回表に香月から先頭の俊介が左中間に二塁打を放つと、上本が送って三進。関本のセンター前タイムリーで2点差に戻す。9回裏は呉昇桓が三者凡退に抑えて接戦を制した。ヒーローインタビューは代打逆転満塁ホームランの関本。
愛すれどTigers週間MVP
投手……岩田稔 カープ戦の好投を受け、中4日でジャイアンツ戦も先発。ここではホームランを2発打たれながら試合は作り関本の満塁ホームランに助けられ今節2勝。今節の快進撃を支えた。この勝利でチームトップに並ぶ7勝目。後半戦もローテーションの一角として期待したい。
野手……関本賢太郎 ジャイアンツ戦の一振り、代打逆転満塁ホームラン。これに尽きる。まさに神業。ここを落とすとまた苦しくなっていただけに、この一発は貴重だ。
オールスター前、ナゴヤドームでドラゴンズ3連戦。ジャイアンツ戦で勝ち越した勢いをそのままもっていってほしいもの。岩田の復活と岩崎の活躍でローテーションも確定してきた。後半戦に向け、最悪でも2勝1敗で前半戦を折り返してもらいたいものだ。
(2014年7月14日記)