オールスター明けのカード、甲子園球場でのジャイアンツ戦は初戦は岩田の好投で完封勝利、2戦目は天敵杉内を打ち崩し延長12回裏に福留のサヨナラホームランで連勝。3戦目は能見が好投したが最後に暴投で決勝点を与えて敗れ、2勝1敗。マツダズームズームスタジアムでのカープ戦は、初戦は前田健から上本が同点2ランを放つなどして逆転勝ちしたが、2戦目は岩崎、金田のリレーで逆転負け。3戦目もメッセンジャーのミスなどで連敗し1勝2敗。今節は3勝3敗。今季通算48勝41敗1分で勝率.539。首位ジャイアンツとのゲーム差は2.5で2位。
◎ジャイアンツ13回戦……3-0
ジャイアンツの先発澤村を2回裏につかまえる。先頭のマートンがライト前ヒットで出ると、福留が歩き、今成のライト前ヒットで無死満塁に。ここで梅野が三遊間を破る2点タイムリーで先制した。タイガースの先発は岩田。時折高めに入った球をヒットにされることはあったが、高低をうまく使い要所を締めて得点を許さない。鳥谷の美技にも再三救われる。8回を無失点で投げ切った。8回裏、立ち直っていた澤村に対し、先頭の代打西岡が右中間を破る二塁打を放つと、上本のバントで三進。大和への初球はフォークがワンバウンドで弾む暴投となり、西岡が生還して大きな追加点をもらった。9回表は呉昇桓が長野と阿部のヒットで1死一二塁とされたが、ロペスは高く上がるファーストフライ、代打高橋由はファーストゴロで逃げ切った。ヒーローインタビューは今季8勝目の岩田と先制タイムリーの梅野。
◎ジャイアンツ14回戦……3-2
タイガースの先発はメッセンジャー。初回、2死から亀井にレフトポール直撃の先制ソロホームランを打たれる。しかし、その一打以外はジャイアンツ打線を寄せつけない好投。一方タイガース打線は6回2死までゴメスの四球だけのノーヒットピッチングを杉内に許し、手も足も出ない状態。しかし、6回裏、2死からメッセンジャーがレフトオーバーフェンス直撃のヒットを放つと、上本のレフト前ヒットで一気に三塁まで走り、上本も二塁へ進む。ここで代打新井良がライト前に逆転の2点タイムリーを放つ。メッセンジャーは7回表、阿部とアンダーソンの連打で1死一二塁のピンチを迎えるが、井端をショートゴロ併殺に打ち取り、8回は福原にバトンタッチ。福原が三者凡退でバトンを呉昇桓に渡す。9回表、呉昇桓が2死をとったところで村田に代打高橋由が送られる。この起用が当たり、呉昇桓は高橋由にライトスタンドに同点ホームランを打たれた。ジャイアンツは8回裏は西村、9回裏は山口が抑え、試合は延長戦に。10回表は安藤が抑え、10回裏は山口から梅野がヒットを打つが代打鶴岡が打ち取られる。11回表、榎田がマウンドに。先頭の亀井にヒットを許すも長野のバントは判断よく榎田が二封。さらに盗塁を梅野が刺し、高橋由は三振。11回裏、先頭の上本が左中間に二塁打。俊介は敬遠で、鳥谷と勝負しにきた。鳥谷は三振に倒れ、代打藤井は四番手マシソンの前にショートゴロ併殺。12回表、1死から榎田がアンダーソンにヒットを打たれ、代走に鈴木尚。ここで六番手金田が投じた一球はバントの構えをした井端の体近くに行き、よけたバットに当たった打球は金田の正面に。井端は転倒し、あっけない併殺に。12回裏、2死からマシソンの速球を福留がとらえてライトポールに直撃するサヨナラホームランを放ち、引き分け目前となった試合にけりをつけた。ヒーローインタビューはサヨナラホームランの福留。
◎ジャイアンツ15回戦……2-3
先制したのはタイガース。ジャイアンツ先発小山から鳥谷のセンター前ヒットで2死一塁とし、ゴメスのレフトスタンド最前列に飛びこむ2ランホームランでリードする。しかし、タイガースの先発能見も3回表につかまる。ロペスにレフトスタンドへのソロホームランを打たれると、ライト前ヒットの井端を小山が送り、2死後橋本のライト前タイムリーヒットで同点に追いつかれる。それ以降は投手戦に。能見がスライダーとフォークを使い分けてジャイアンツ打線を翻弄すると、小山は落ちる球を駆使してタイガース打線を抑えこむ。3回裏、上本と鳥谷のヒットで2死一二塁としながらも、ゴメスは空振り三振。7回裏からは香月が登板。死四球は出すがヒットは打てず、抑えられる。9回表、能見がつかまる。先頭の亀井にライト前ヒットを打たれると、代走の鈴木尚に神経を使い、長野は三振に取ったが、村田の打席で盗塁を許し、村田は四球。阿部をサードへのファールフライにとり2死までこぎつけたが、ロペスも歩かせ満塁に。代打矢野の打席で採算止めていたワンバウンドのフォークを梅野が弾いて暴投で1点を献上してしまった。矢野も歩かせ、満塁のピンチは続いたが、片岡をセンターフライに打ち取ってなんとか最少失点にとどめた。9回裏、山口の前に代打で新井貴、新井良が続けて起用されたが凡退。最後はマシスンの前に梅野が三振して3タテはならず。
◎カープ11回戦……4-3
初回にタイガース先発の藤浪がつかまる。先頭の天谷がセカンドへの内野安打。菊池のバントと丸のセカンドゴロで三進され、エルドレッドは四球で2死一三塁に。キラのセンター前タイムリーヒットでまず1点を与え、エルドレッドが三進して2死一三塁は変わらず、田中のレフト前タイムリーヒットで2点目を与えた。カープはエースの前田健。3回まではいいようにやられていたが、4回表、1死からゴメスが四球を選ぶと、マートンがピッチャー返しのセカンド内野安打。続く今成の一二塁間の当たりはセカンド菊池がつかみ損ない、エラーとなって満塁に。福留のレフト前タイムリーヒットでゴメスが生還し1点差に迫る。しかし、続く満塁のチャンスも梅野が空振り三振、藤浪がセンターフライで同点機を逃す。2回以降は立ち直った藤浪だったが、6回裏に田中のライトスタンドへのソロホームランで再び2点差に。藤浪はこの回限りで降板。7回表、1死から伊藤隼がサード田中のグラブを弾くレフト前ヒットででると、代打新井良はライトフライに倒れたが、上本がよくファールで粘り、フルカウントからレフトスタンドに同点2ランを叩きこんだ。7回裏は榎田が抑え、8回表、二番手河内から鳥谷がライト前ヒットでチャンスを作る。三番手中田に対し、ゴメスはショートフライに倒れたが、マートンがレフト前ヒットで1死一二塁とする。ここで今成のレフト線ぎりぎりにフェアゾーンに入る二塁打で鳥谷が生還し、ついに勝ち越し。8回裏は福原、9回裏は呉昇桓がそれぞれ三者凡退に抑えて見事な逆転勝利。福原はプロ入り500試合登板を達成。榎田が今季初勝利をあげた。ヒーローインタビューは勝ち越しタイムリーの今成。
◎カープ12回戦……5-7
先制したのはタイガース。先発大瀬良に対し初回に上本がセンター前ヒットで出ると、1死後盗塁。鳥谷のレフト前ヒットで一気にホームイン。捕手會澤のタッチをかいくぐる好走塁打。続くゴメスはレフト線に二塁打で鳥谷を返し、マートンは左中間を破る二塁打でゴメスを返し、一気に3点取る。タイガースの先発岩崎は1回裏、堂林と丸にヒットを打たれ、1死一二塁からエルドレッドのレフト前タイムリーで1点を返された。2回裏には1死から會澤を歩かせて大瀬良のバントで二進を許すと、堂林のライト前タイムリーヒットで1点差に迫られた。この回限りで岩崎は降板し、3回裏のマウンドには金田が。先頭の菊池にセンター前ヒットを許すと、丸にもライト前ヒットで続けられ、エルドレッドのレフト前タイムリーヒットで同点に。金田はキラを三振に取り、梵を投手ゴロに打ち取ったが、二封しようとして悪送球。丸が生還して逆転を許した。しかしそこから立ち直り、5回裏まで無失点で切り抜ける。カープの大瀬良も故障があったか3回で降板。4回からは中崎、一岡とつないでタイガース打線を封じこめる。7回裏、タイガース三番手の榎田がエルドレッドにレフトスタンドにソロホームランを打たれ、2点差に。それでも8回表、2死から代打新井貴がレフト前ヒットを放つと、上本が2試合連続となる同点2ランホームランをレフトスタンドに。8回裏、四番手の福原が先頭の會澤にセンター前ヒットを打たれ、代打木村を歩かせる。堂林のバントで1死二三塁とされ、菊池のセーフティスクイズで代走赤松が生還。ゴメスが一塁に送るも菊池はセーフで内野安打。その送球の間に木村もホームを突き、2点スクイズとなった。9回表、抑えのミコライオから鳥谷とゴメスの連打、福留の四球で1死満塁とする。伊藤隼のヒット性の当たりはサードライナーとなり、飛び出しかけていた鳥谷が必死の帰塁。なんとかセーフでチャンスをつないだが、代打関本がセカンドゴロで試合終了。タイガースは継投の難しさを感じさせられる敗戦となった。
◎カープ13回戦……1-6
カープの先発福井を初回にとらえる。左中間を破る二塁打の上本を今成が送り、鳥谷の右中間を破る三塁打で1点を先制した。しかし、続くゴメスが死球で出たもののマートンがセカンドゴロ併殺で追加点は取れず。ここで1点に終わったことが大きく響く。タイガースの先発メッセンジャーは2回に突如崩れた。キラ、田中、木村の三連続ライト前ヒットで無死満塁とされ、會澤への押し出し死球で同点とされたが、福井は三振、堂林はサードフライでなんとか2死までこぎつけた。しかし、菊池のライト前ヒットはバックホームされた送球がそれて捕手鶴岡が後ろにそらし、メッセンジャーのバックアップがなかったこともあり、走者一掃のタイムリーとなった。メッセンジャーは3回以降立ち直ったが、5回裏に菊池に二遊間を襲うセカンドへの内野安打を打たれると、丸のレフト線へのタイムリー二塁打で1点を追加され、エルドレッドに死球を与えたところでマウンドをプロ入り初登板の山本に譲った。山本はキラを三振に取り、田中にヒットを打たれたところで歳内にスイッチ。歳内が後続を断つ。6回裏、歳内は2死から菊池にレフト前ヒットを打たれ、続く丸の止めたバットに当たったピッチャーゴロを焦って一塁に悪送球。菊池は一気にホームを突いて痛い追加点を献上した。7回以降は二神が好投して追加点を阻んだが、タイガース打線は福井の前に何度も走者を出して攻め立てるが、決定打が出ず、1失点完投勝利を許してしまった。
愛すれどTigers週間MVP
投手……岩田稔 大事な後半の開幕に先発し、ジャイアンツを0点に抑えて勝利。今タイガースで一番安定しているのは岩田だろう。後半戦、先発投手陣の柱として期待できる。
野手……福留孝介 むろん、ジャイアンツ戦のサヨナラホームランは殊勲甲であるが、他の試合でもコンスタントにヒットが出るようになり、ボール球に手を出す回数が減って四球を選ぶ割合も多くなった。まだ全盛時の姿を取り戻すには至っていないが、堅実な守備も含めて後半戦の鍵を握る選手になれそう。。
長期ロード前の甲子園6連戦。スワローズ戦とベイスターズ戦という具合に下位チームとの対戦が続く。ここでとりこぼしがあるようだと苦しくなる。能見の復調が鍵になるだろう。不調の岩崎にかわりドラフト1位の岩貞がデビューするという予想もある。また、中継ぎ陣にメジャーから復帰の建山が加わる。前節でプロ入り初登板を果たした山本とともに中継ぎ陣の貴重な戦力としてがんばってもらいたいところである。そして、気持ちよく高校生に甲子園を明け渡せるようにしてもらいたい。
(2014年7月28日記)