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失速! ジャイアンツに3連敗!

 甲子園球場でのジャイアンツ3連戦。初戦はメッセンジャーがまさかの乱調、2戦目はマートンを一番に置く打順組み替えも功を奏さず岩田が1点差を持ちこたえられず連敗、3戦目は能見が初回に崩れて0勝3敗。逆転優勝の夢はみごとに消し去られた。甲子園球場で続いたカープ3連戦は、初戦に福井を打ち崩して連敗を止める。2戦目は岩貞が自滅して敗れたが、3戦目はメッセンジャーが好投して2勝1敗。今節も2勝4敗。今季通算66勝63敗1分で勝率.512。首位ジャイアンツとのゲーム差は7.5と開き2位カープとの差も2.5の3位。背後からベイスターズの足音が聞こえてきた。

◎ジャイアンツ22回戦……2-8
 頼みのメッセンジャーが初回につかまった。先頭の長野を歩かせ、橋本のバントで二進したあと、坂本の左中間スタンドに飛びこむ2ランホームランで先制された。2回以降は立ち直ったかに見えたが、4回表に先頭の坂本にレフト前ヒットを打たれると、阿部を歩かせて亀井のレフト前ヒットで無死満塁に。村田のセンター前ヒットでまず1点を奪われ、ロペスのレフト前ヒットでさらに2点を追加される。片岡のレフト前ヒットでまたも満塁にされたところで金田にスイッチ。金田は杉内を高いバウンドのセカンドゴロに打ち取ったが、本塁でアウトにはできず一塁でアウトに。その間にまた1点。長野は前進守備のマートンをあざ笑うかのようにレフトオーバーに二塁打を放ち2点を追加。この回6失点のビッグイニングとなった。ジャイアンツの先発は杉内。内外角をていねいについてタイガース打線を封じていたが、大量得点をもらって油断したか、4回裏に崩れかける。先頭の上本がレフト前ヒット。続く大和は死球。鳥谷のセンターフライで上本は三進。ゴメスのセンター前タイムリーヒットで1点を返す。さらにマートンがレフト線に二塁打を放ち、2点目。1死二三塁とまだチャンスは続いたが、狩野はキャッチャーフライ、梅野は三振と2点にとどまった。タイガースは筒井と歳内のリレーでジャイアンツ打線の追加点を防いだが、タイガース打線も杉内を5回以降またも攻めあぐね、7回まで投げて西村に交代。9回裏は江柄子にあっさりと抑えられて完敗。メッセンジャーがいれこみ過ぎて微妙なコントロールを乱したのが大きかった。
◎ジャイアンツ23回戦……1-3
 背水の陣の和田監督は一番にマートンを置いてなんとか得点力をあげようとする。ジャイアンツの先発は故障上がりの菅野。1回裏、打線の組み替えが当たる。ヒットのマートンを上本が送り、鳥谷の右中間を破る二塁打で1点を先制した。タイガースの先発岩田は毎回走者を背負いながら要所を締めてジャイアンツ打線を封じる。一方の菅野も尻上がりによくなり、タイガース打線を封じる。6回裏、先頭のゴメスがライト線を破る三塁打を放ち、追加点のチャンスを作ったが新井貴がサードゴロ、福留が井端の好捕に阻まれセカンドゴロ。伊藤隼はサードへのファールフライでチャンスを逸した。直後の7回表、岩田が井端に痛恨の同点ソロホームランをレフトスタンドに運ばれた。8回表、福原が先頭の長野にレフト前ヒットを打たれる。代走鈴木尚が盗塁を仕掛けると、橋本がバントをして1アウトをくれた。坂本のショート強襲ヒットで鈴木尚が生還し、ついに負け越す。この回は高宮、安藤とつないで続くピンチを脱した。8回裏、二番手山口に対して先頭の鳥谷が歩き、ゴメスが強烈な打球を放ったが、サード村田へのライナーに。流れがこない。今成は三振、福留はセンターフライで本調子でない山口からも点を奪えない。8回表、イニングをまたいだ安藤が先頭のロペスに左中間を破る二塁打を打たれ、井端のバントで三進を許す。ここで負け試合ながら呉昇桓を投入するも代打矢野にセンターへの犠牲フライを打たれた。9回裏はマシソンの前に三者凡退。必死で流れを変えようとする和田監督の用兵が裏目に出た形の試合だった。
◎ジャイアンツ24回戦……2-6
 タイガースの先発能見は初回、力が入り過ぎたか1死から橋本に死球、坂本、阿部に四球で満塁に。亀井にライト前2点タイムリーを打たれる。さらに村田にもレフト前に2点タイムリーを打たれ、4点を先行されてしまった。しかし、2回以降は尻上がりによくなり、追加点を許さない。ジャイアンツの先発澤村に対し3回裏、能見のヒットと上本の二塁打で2死二三塁としたが、鳥谷がセカンドゴロで好機を逸した。能見は5回を投げ切って降板。6回表、二番手の金田が1死から小林を三振に取るも暴投となり降り逃げに。澤村が送り長野の投手ゴロは鈍い当たりで内野安打に。橋本のレフトフライは前進守備のマートンの頭を越し2点二塁打に。タイガースの反撃は7回裏。先頭の梅野がレフト前ヒットを放つと、ここで久々に一軍復帰の西岡がライトオーバーに二塁打を放って無死二三塁に。マートンの死球で満塁に。上本がレフト前に2点タイムリーを放った。しかし、鳥谷は凡退、ゴメス、新井貴と連続三振でビッグイニングを作れない。澤村はこの回限りで交代。タイガースは三番手高宮、四番手歳内が好投。ジャイアンツも二番手青木が8回裏を締め、9回裏には西村を投入。1死からマートンがヒットで出ると、上本が四球を選びチャンスを作ったが、鳥谷がショートゴロ併殺で試合終了。鳥谷が完全にブレーキとなり、2カード連続3タテを食らってしまった。
◎カープ20回戦……8-2
 タイガースの先発藤浪が初回からピンチを迎えた。先頭の天谷を歩かせ、菊池には四球。さらに丸も内野安打で無死満塁に。ここで松山をピッチャーゴロに打ち取りホームゲッツー。キラを歩かせまた満塁とするが、田中をレフトフライに打ち取り無失点に抑えた。3回表には先頭の天谷にレフト前ヒットを打たれ、菊池のバントで二進を許す。丸はレフトオーバーの二塁打で1点先制される。しかし、この試合のタイガースは前日までとは違った。カープ先発の福井に対し、4回裏、1死から今成が自打球を受けたあと脇腹を傷めて坂が代打に出る。坂はライト前ヒットを放ち、鳥谷が四球で1死一二塁とすると、ゴメスのレフト前タイムリーヒットで同点に追いついた。マートンは死球で満塁に。ここで福留が押し出し四球を選び1点リードすると、続く伊藤隼はライト線へのタイムリー二塁打で2点を追加。二三塁から鶴岡の犠牲フライでさらに1点。藤浪は左中間を破る2点二塁打を打ってこの回久々のビッグイニングを作った。6回裏には1死から伊藤隼が四球を選ぶと、鶴岡がレフト前ヒットで続く。藤浪のバントで2死二三塁とし、福井の暴投で1点をもらい、さらに上本が右中間を破る二塁打で8点目を叩きだした。福井はこの回限りで降板。5回表に藤浪が菊池に与えた死球をカープサイドから報復ではないかとクレームがつき、警告試合となる騒然とした雰囲気の中、藤浪は2回以降立ち直り、10三振を奪う力投。8回表には丸と松山の連打と田中の犠牲フライで2点目を失ったが、甲子園で初めての完投勝利を飾って連敗を止めた。ヒーローインタビューは連敗を止める勝利をあげた藤浪。
◎カープ21回戦……5-17
 初回からタイガース先発の岩貞がつかまる。堂林への四球、菊池の左前打、丸への四球で無死満塁とし、ロサリオのレフト前2点タイムリーヒットを浴びる。梵のバントで1死二三塁とし、小窪にもセンター前に弾き返されてさらに2失点。この回限りでマウンドを降りた。1回裏、タイガース打線も反撃。大瀬良から上本と坂が連続四球を選ぶと、2死後マートンの2点タイムリー。さらに2回裏には伊藤隼と鶴岡の連打と歳内のバントで1死二三塁として上本の犠牲フライで1点差に迫る。二番手歳内は2回から5回までを投げて9人で打ち取る好投。流れを引き寄せたかに思われた。しかし、三番手金田が6回表に堂林にライトスタンドにソロホームランを打たれ、そこから崩れた。四球の菊池と二塁打の丸を置いてロサリオにセンター前に2点タイムリーを打たれる。6回表には大瀬良のショートゴロを鳥谷がこぼしてしまい、堂林の2打席連続になるバックスクリーンへのツーランホームランで傷口を広げた。7回表、四番手筒井がロサリオの二塁打、小窪への死球などでピンチを作り、石原のセンター前タイムリーに伊藤隼のエラーもからんでさらに2点を献上。筒井は8回表、大炎上。四球の堂林とヒットの丸を置いて、赤松のグリップエンドに当たった球がフェアゾーンに落ち、筒井が焦って本塁へ悪送球し、さらに1失点。続く小窪にはレフト前2点タイムリー。田中にはライトスタンドに2ランを浴びてこの回6失点。タイガース打線は荒れ球の大瀬良をつかまえられず、8回裏にやっとヒットの坂を置いてゴメスがレフトスタンドにツーランホームランを打ちこんで一矢報いたのみ。9回表は高宮が抑えたが、9回裏、永川勝の前に三者凡退で試合終了。5回裏、歳内の代打西岡がチャンスで凡退して流れを断ち切ってしまったのが思ったよりも大きく響いてしまった。
◎カープ22回戦……5-0
 タイガースの先発メッセンジャーは初回から苦しい投球。1死から菊池のヒット、丸への四球で一二塁のピンチを作ったが、ロサリオをショートフライ、松山を一塁ゴロに抑えて切り抜ける。3回表にも菊池の内野安打、ロサリオへの四球で2死一二塁とされるも松山をセカンドゴロに打ち取り難を逃れた。対するタイガース打線も九里の前にチャンスをものにできない。1回裏、上本のヒットとゴメスの四球で2死一二塁としたが、マートンがショートフライ。4回表にはゴメスの二塁打で1死二塁のチャンスを作るもマートンのセンターフライ、福留のファーストゴロでチャンスをつかめない。6回表、1死からロサリオを歩かせ、天谷のヒットで一三塁とされたが、田中をサードへのファールフライ、木村を三振に取って一歩も譲らぬ投手戦となる。7回裏、ついに均衡が破れた。二番手の中田に対して1死から福留がライトスタンドに先制のソロホームランを放つと、続く坂は四球を選び、梅野のバントで二進。ここで代打西岡が右中間を破る三塁打で坂を返し貴重な追加点を奪う。さらに上本のサードへの内野安打で西岡を返して3点差に広げた。ここでカープは三番手永川勝を投入。その永川勝に、8回裏、ヒットの大和を塁に置いてマートンがレフトスタンドに2ランホームランを放ち、試合を決めた。8回表は福原、9回表は呉昇桓が抑えて逃げ切り、2位のカープにカード勝ち越しを決めた。ヒーローインタビューは12勝目でハーラートップタイとなったメッセンジャー、先制ホームランの福留、代打三塁打の西岡。

愛すれどTigers週間MVP
投手……藤浪晋太郎 プロ入り2度目の完投勝利。しかも甲子園では初めて。この勝利で連敗をストップさせ、カープ追い上げに弾みをつけた。2年連続10勝まであと1勝。今後タイガースが踏みとどまるには藤浪の活躍が不可欠だ
野手…西岡剛 大活躍をしたというわけではないが、あえてMVPとした。重かったベンチの雰囲気が、西岡の復帰で一気に明るくなった。ジャイアンツ3連戦でよどんだ空気が、一気に明るくなった。今のタイガースに最も必要なものをもって、きてくれた。

 次節は神宮球場でスワローズと3連戦。神宮では打ち負けているだけに、先発投手陣の奮起が期待される。そして甲子園に戻ってドラゴンズ戦。ナゴヤドームでの3タテのお返しをして、下位2チームから少しでも多く勝利し、なんとか盛り返してもらいたい。できればジャイアンツにはここから全敗していただけたらなんて虫のいいことを考えたりもするのだが。とりあえずタイガースが勝つことが大事なのです。

(2014年9月15日記)


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