愛すれどTigers


福留、連日の決勝打

 横浜スタジアムでのベイスターズ3連戦。初戦は岩田と久保の息詰まる投手戦でリードして呉昇桓に託したが、ブランコに逆転サヨナラホームランを打たれる。2戦目はゴメスがお返しの2欄で勝ったが、3戦目はメッセンジャーが乱調でせっかくり援護を持ちこたえられず逆転負けし、1勝3敗。甲子園球場に戻ってカープ戦は、藤浪が苦しい投球ながらも試合を作り、福留の決勝ホームランでとり、1勝。続くスワローズ戦は岩崎の好投とリリーフ陣の踏ん張りに伊藤隼と福留がこたえて逆転勝ちで1勝。今節は3勝2敗。今季通算73勝67敗1分で勝率.521。優勝が決定したジャイアンツとのゲーム差は7.0。2位カープとはゲーム差なしの3位。自力2位が復活し、残り3試合を全勝すれば2位確定となる。

◎ベイスターズ20回戦……1-2
 タイガース岩田とベイスターズ久保の投手戦。岩田は10勝目を賭けて、久保は最多勝を賭けて渾身の投球。タイガースは何度かチャンスを作るものの、久保の老獪な投球の前にことごとく併殺でチャンスをつぶす。一方の岩田は持ち味のゴロを打たせて取る投球がさえ、3回に1死満塁のピンチを迎えたがグリエルをショートフライ、筒香をセカンドゴロに打ち取り、そこからペースをあげていった。均衡が崩れたのは8回表。2死から上本、大和の連打でチャンスを作ると鳥谷のライト前タイムリーでついに先制点を奪った。岩田は8回無失点で交代。9回裏、切り札呉昇桓は1死から筒香を一塁ゴロに打ち取るが、ゴメスがファンブルして生かしてしまう。そしてブランコにレフトスタンドに逆転サヨナラ2ランホームランを叩きこまれ、悪夢のような敗戦を食らってしまった。
◎ベイスターズ21回戦……6-4
 雨天のため30分遅れで試合開始。先制したのはタイガース。ベイスターズ先発の山口に対し、四球の上本を大和が送り、鳥谷のセカンドゴロで三進。ゴメスのレフト前タイムリーで1点を奪う。しかしタイガース先発能見は2回裏、筒香にライトスタンドにソロホームランを打たれて同点に追いつかれる。3回表、1死から大和と鳥谷の連打、ゴメスの死球で満塁とし、マートンのセカンドゴロ併殺崩れの間に1点を奪い再びリード。5回表、先頭の大和が歩き、鳥谷のセンター前ヒットを桑原が後逸して大和は一気に生還。鳥谷も二塁に到達。マートンのセカンドゴロで三進し、福留の四球の際に捕手黒羽がパスボールして労せずして2点を奪う。楽勝かと思われた展開であったが、6回裏、先頭の代打柳田への四球、桑原の二塁打などで2死二三塁とされ、ブランコのセンター前2点タイムリーでまたも1点差に迫られる。能見はここで降板。この回は二番手安藤が抑えた。しかし、安藤は7回裏に代打石川のヒット、柳田の内野安打で1死一三塁とされ、高宮に交代。高宮は梶谷をショートゴロに打ち取るが、鳥谷が本塁へ送球したものの間に合わず、フィールダーズチョイスで同点に追いつかれた。残るピンチは松田の好投で断ち切る。ベイスターズは6回から小杉、加賀、三上の好投でタイガース打線を抑えたが、9回表、国吉が持ちこたえられない。鳥谷の一塁強襲安打、そしてゴメスのレフトスタンドへの決勝ホームランでまたもタイガースがリード。9回裏は呉昇桓がきっちり三者凡退で逃げ切った。ヒーローインタビューは決勝ホームランのゴメス。
◎ベイスターズ22回戦……4-5
 またも雨天のため30分遅れで試合開始。ベイスターズ先発モスコーソの立ち上がりを攻める。大和の死球、鳥谷のヒット、ゴメスの四球で1死満塁とし、マートンのライトオーバーの二塁打で2点、さらに福留のセンター前タイムリーで2点といきなり4点を奪う。しかし、タイガースの先発メッセンジャーはなかなかマウンドに立てなかったせいかいらつき気味。2回裏、2死からモスコーソにヒットを打たれると石川のレフト線への二塁打で1点を返される。さらに5回裏、ブランコ、筒香、バルディリスの連打で無死満塁とされ、柳田への押し出し死球、代打後藤への押し出し四球で2点を献上して1点差とされマウンドを降りた。6回裏、二番手高宮は梶谷、ブランコを連続三振に取ったが筒香にヒットを打たれ、松田に交代。松田はバルディリスを歩かせ、柳田のレフト前タイムリーで同点に追いつかれた。7回裏は安藤が抑えたが、8回裏には福原が筒香にライトスタンドに決勝ホームランを叩きこまれる。ベイスターズはモスコーソが5回まで持ちこたえると、長田、三上、加賀、国吉とつないでタイガース打線に決定打を打たせず逃げ切った。
◎カープ23回戦……4-3
 先制したのはカープ。1回表、1死からタイガースの先発藤浪は菊池にショートへの内野安打を許し、丸にライトオーバーのタイムリー二塁打を打たれた。4回表、先頭の丸にレフト前ヒットを打たれ、エルドレッドの二塁打で二三塁とされる。松山の投手強襲ヒットで丸が生還し、2点差に。6回表には丸を歩かせ二盗されると、松山の一二塁間を抜くタイムリーヒットで3点差とされた。カープの先発は九里。4回裏には大和のヒットと鳥谷の二塁打で無死二三塁と攻め立てたが、ゴメスのショートゴロで本塁に突っ込んだ大和の出足が悪く、本塁で憤死。福留の死球で2死満塁と攻め立てたが、坂はピッチャーゴロ。なかなかチャンスをものにできない。6回裏、大和と鳥谷の連打でチャンスを作り、1死一二塁でマートンがセンター前にタイムリー。ここで九里は降板し、左腕の戸田がマウンドに。しかし、福留が速球を狙い撃ちしてバックスクリーン右への逆転3ランホームランを放つ。7回表からは継投。安藤が7回を抑えると、8回は福原、高宮、呉昇桓の小刻みなリレーで1死一二塁のピンチを脱した。呉昇桓は9回表を三者凡退に抑えて逃げ切った。カープが破れてジャイアンツがベイスターズに勝ったため、ジャイアンツのリーグ三連覇が決定した。ヒーローインタビューは逆転ホームランの福留。
◎スワローズ24回戦……2-1
 タイガース先発の岩崎が初回につかまる。荒木と畠山のヒットで2死一二塁とされ、雄平にライト前にタイムリーヒットを打たれた。しかし、このピンチで川崎をライトフライに打ち取ると、以降は立ち直り、5回1失点と試合を作った。タイガース打線はスワローズ先発の石山を打ちあぐんでいたが、5回裏、代打伊藤隼がバックスクリーン左のスタンドに同点ホームランを叩きこんだ。タイガースは6回以降、松田、安藤、福原を1回ずつ送りこみ、スワローズ打線を抑える。8回裏、先頭の大和がレフト前ヒットで出るも、鳥谷のセカンドゴロ併殺でチャンスを逸したかに思われた。しかし、続くゴメスが歩き、マートンのセンター前ヒットで一三塁とし、福留がレフト前に落ちるタイムリーでついに勝ち越す。9回表はもちろん呉昇桓を投入。きっちり抑えて連勝。ヒーローインタビューは同点ホームランの伊藤隼と決勝タイムリーの福留。

愛すれどTigers週間MVP
投手……岩田稔 勝てなかった。しかし、8回1失点で呉昇桓さえサヨナラホームランを浴びなければ勝っていた。打線の援護がなくとも、粘りの投球を見せた。クライマックスシリーズに向けて、先発投手陣の軸として期待できる好投だった。
野手……福留孝介 今節も絶好調。甲子園に戻っての2試合連続の決勝打はもう全盛時に戻ったかのよう。福留の調子が上がれば、打線もつながりクライマックスシリーズでも接戦をものにできるだろう。

 次節は甲子園球場でベイスターズと2連戦。マツダスタジアムに移ってカープと最後の直接対決。ここで3連勝すれば2位が確定してクライマックスシリーズの第一ステージを甲子園で行うことができる。こうなったらクライマックスシリーズに向けて勢いがつくように3連勝で締めてもらいたいものである。

(2014年9月29日記)


目次に戻る

ホームページに戻る