甲子園球場最終カードとなったベイスターズ2連戦。初戦はまたも岩田と久保の息詰まる投手戦でゴメスのサヨナラ犠牲フライで勝利。2戦目はメッセンジャー好投を打線が見殺しにした形で、1勝1敗。今季最終戦となったマツダズームズームスタジアムのカープ戦は、カープに敗れれば3位確定となるところを、堅くなったカープの選手たちのミスにも助けられ1勝。今節は2勝1敗。最終の順位はカープの勝敗にゆだねられたが、カープが最終戦でジャイアンツに敗れて2位確定。今季通算75勝68敗1分で勝率.521。優勝したジャイアンツとのゲーム差は7.0。3位カープとは0.5ゲーム差。
◎ベイスターズ23回戦……1-0
またもタイガース岩田とベイスターズ久保の投手戦。今回も岩田は10勝目を賭けて、久保は最多勝を賭けてさらなる渾身の投球。両チームとも決定打に欠ける。岩田の最大のピンチは2回表。筒香とバルディリスを連続三振に取り、黒羽根を一塁ライナーに抑えて切り抜けた。岩田は8回を、久保は9回を投げ切って一歩も譲らず。9回表はタイガースは呉昇桓を投入。延長戦に。呉昇桓が10回表も三者凡退で抑えると、10回裏、二番手の国吉に対し、代打西岡が四球。打者上本の時に国吉の暴投で二進。上本は四球で、ここで三番手林が登板。大和がバントを決めて二三塁に。鳥谷は敬遠。四番手加賀からゴメスが犠牲フライでサヨナラ勝利。ヒーローインタビューはサヨナラ打のゴメス。
◎ベイスターズ24回戦……0-1
ベイスターズがワンチャンスをものにした。メッセンジャーは快調に投げていたが、5回表に下園のショート内野安打とバルディリスのレフト前ヒット、黒羽根への四球で無死満塁とされる。山口はピッチャーライナーに、石川は浅いセンターフライに抑えて2死までこぎつけたが、山崎を追いこみながら内角のきわどい球で押し出しの死球を与えてしまう。梶谷をセカンドゴロにとって最少失点にとどめたが、結局これが決勝点となる。ベイスターズの山口は緩急をつけた投球でタイガース打線を散発3安打に抑える。8回裏、先頭の福留が歩き、坂のバントで二進。代打西岡はセンターフライに倒れ、代打関本のヒットで一三塁とするも上本のレフトフライでチャンスを逸した。9回表は呉昇桓が抑え、サヨナラを期待したが山口は最後まで球威が衰えず、完封。カープが勝ったために自力2位のチャンスが消えてしまった。
◎カープ24回戦……4-2
カープの先発は大瀬良。1回表、大和のヒットとゴメスの四球で1死一二塁とし、マートンのライト前タイムリーヒットで先制する。3回表には四球の上本が大瀬良の暴投で三塁まで一気に走り、鳥谷のセンター前タイムリーで2点目を追加。4回表、先頭の福留がヒットで出るも新井貴のショートゴロで二封。しかし鶴岡のセンター前ヒットで一三塁とし、能見のピッチャーゴロは新井貴の本塁狭殺プレーとなったが、梵が捕手に送球できず新井貴はホームインし、相手のミスで3点目が入った。カープは4回裏、ロサリオのレフトスタンドへのソロホームランで1点を返す。能見は6回1失点で降板。カープも大瀬良を4回であきらめ5回から永川勝、7回は中崎でタイガース打線を抑える。7回裏、タイガースの二番手松田は2死から田中を歩かせ小窪の左中間への二塁打で1点を奪われ、高宮に交代した。代打松山のところで高宮は暴投し小窪は三進。このピンチで松山をショートゴロに打ち取りピンチを脱した。8回表、四番手戸田からレフト前ヒットの鳥谷は暴投で一気に三塁へ。ここでゴメスが犠牲フライを放ち、2点差に広げる。8回裏、福原が登板するも1死から丸の二塁打とエルドレッドへの四球でピンチを招いたが、呉昇桓を投入してロサリオをセカンドゴロ、堂林を三振に打ち取りピンチを脱する。呉昇桓は9回も三者凡退に打ち取り、2位への希望を残したまま最終戦を終えた。ヒーローインタビューは5連投でセーブ王を確定した呉昇桓。
愛すれどTigers週間MVP
投手……岩田稔 またも勝てなかった。しかし、8回を投げて無失点は勝利と同等の値打ちがある。次の1勝はクライマックスシリーズであげてもらいたい。
野手……マウロ・ゴメス 甲子園での今季公式戦最終勝利は143試合4番打者に座り続けた主砲のサヨナラ打。これで打点王をほぼ確定させた。チャンスに強い手法の打棒がポストシーズンも火をふくか。
クライマックスシリーズファーストステージは甲子園での開催が決まった。2年連続の2位ということになる。優勝のチャンスはあったが、ここというところで力を発揮できない勝負弱さが今季も目に付いた。この汚名はクライマックスシリーズで晴らしてもらいたい。カープは終盤で明らかに選手が緊張して本来ののびのび野球ができなくなっていた。ジャイアンツはエース格の菅野が故障でポストシーズンは投げられない模様。勝負はやってみないとわからないが、日本シリーズ出場のチャンスはおおいにある。最後までファンをやきもき、いや、楽しませてほしい。
西村憲投手、吉見祐治投手、高山久外野手、育成契約の阪口哲也内野手の4選手が戦力外通告をされ、チームを去る事になった。また、久保田智之投手と日高剛捕手が引退を発表した。特に久保田投手はJFKのトリオで2005年のリーグ優勝の立役者となっただけに、感慨もひとしおである。6選手にまずはお疲れさまと言いたい。
(2014年10月6日記)