愛すれどTigers


甲子園でシリーズ先勝

 2005年以来の甲子園での日本シリーズは、初戦、昨年までのチーム名とであるスタンリッジを打ちこみ快勝。これで2003年の第6戦から続いていた日本シリーズの連敗を6でストップさせた。この勢いで2連勝と意気込んだ2戦目は若い武田の縦に曲がるスライダーを打ちあぐんで、能見も好投したが惜敗。甲子園での連戦は1勝1敗の五分で終わった。

◎ホークス1回戦……6−2
 ホークスの先発スタンリッジに手を焼いていたタイガース打線だったが、4回裏に先制。センター前ヒットの上本が鳥谷のピッチャーゴロで二進。ゴメスのレフトオーバーの二塁打で生還してまず1点。さらに5回裏、レフト前ヒットの大和をメッセンジャーが送り、西岡はファールで粘り四球をもぎ取る。上本はセンターフライに倒れたが、鳥谷が四球で2死満塁に。ゴメスのレフト前タイムリーで2点を奪うと、マートンはセンターオーバーの二塁打でさらに2点を追加。これでスタンリッジは降板し、二番手は左腕の森福。福留のレフト線への二塁打で6点目を奪った。タイガースはメッセンジャーが先発。5回まで快調に抑えていたが、6回表にピンチに。代打松中のセンター前ヒット、柳田のレフト前ヒット、内川のライト前ヒットで1死満塁に。李大浩のセンターへの犠牲フライで1点を返される。しかし松田を歩かせると、中村をショートゴロに打ち取り最少失点でまとめる。7回表には二塁打の今宮を柳田のライト前タイムリーで返され、7回2失点でリリーフ陣にバトンタッチ。8回は福原、9回は呉昇桓の必勝リレーでタイガースが先勝した。ホークスは岩嵜、岡島、森のリレーでタイガース打線を抑えたが、打線が封じられてどうするともできなかった。和田監督の勝利インタビューに続き、メッセンジャーとゴメスがヒーローインタビューを受けた。
◎ホークス2回戦……1−2
 タイガースの先発能見が初回に先制点を許した。先頭の柳田にセンター前ヒットを打たれると、今宮のバントで二進。内川にレフト前に落とされ、タイムリーヒットとなる。しかし、続く李大浩は併殺打で1点にとどめた。ところがその李大浩に4回表にレフトスタンドにソロホームランをレフトスタンドに叩きこまれて2点差とされてしまった。それでも能見は粘りの投球で6回2失点と試合は作った。ホークスの先発は若い武田。ストレートと大きなカープのコンビネーションになかなかタイミングが合わず、6回2死までパーフェクトに抑えられる。6回裏、代打狩野が食らいついてレフト前ヒットを放つと、続く西岡がライト線へタイムリー二塁打を放ち1点差に迫った。タイガースは高宮、安藤、松田遼とつないでホークス打線を抑えこむ。松田遼は松田宣にセンター前ヒットを打たれたが、盗塁を試みた松田宣を梅野がストライク送球で刺し、難を逃れる。タイガース打線は7回裏に先頭の鳥谷が二塁内野安打で出るが、武田のワンバウンド投球の隙をついて二塁を狙うも細川の好送球に刺される。ゴメスが四球でまたも走者を出すが、マートン、福留と凡退し同点はならず。8回からは五十嵐、サファテの必勝リレーの前に走者を出すも得点には届かず今シーズポストシーズンの初黒星を喫してしまった。

愛すれどTigers週間MVP
投手……ランディ・メッセンジャー 球団史上初の、つまりバッキーもなし得なかった日本シリーズ初戦先発の大役を見事に果たした。強い速球とコントロール抜群の変化球の前にホークス打線が翻弄されていた。セ・リーグ最多勝利投手の意地を見せてくれた。
野手……マウロ・ゴメス クライマックス・シリーズファイナルステージの勢いをそのまま日本シリーズにも持ってきた。走者を置いて、外角寄りの速球を力で持っていき、初戦勝利の立役者となった。2戦目は武田の変化球に的が絞れなかったが、大隣に対してはタイミングもとれるのではないか。

 2005年以来に甲子園で開かれる日本シリーズ。パ・リーグの覇者相手にどれだけ力を発揮できるか少し心配していたが、初戦ののびのびとした試合ぶりに安心した。2戦目は敗れたが、場所を福岡に移して、勝ち運をもつ藤浪がどれだけホークス打線に立ち向かっていけるか。岩田の低めのスライダーを何でも手を出す積極打法の猛者たちが打ち損ねてくれるか。そして2度目の対戦となるメッセンジャーが再びホークス打線を手玉に取ってくれることを期待している。

(2014年10月27日記)


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