愛すれどTigers


開幕2連続サヨナラ勝利で3連勝スタート

 京セラドーム大阪の開幕3連戦は対ドラゴンズ戦。初戦はメッセンジャーが打たれたが、ドラゴンズのリリーフ陣を打ち込んで同点とし、延長戦はマートンのサヨナラヒットで開幕。開幕サヨナラ勝利は73年ぶりの快挙。さらに第2戦は岩田とバルデスの投手戦から延長10回裏満塁で関本のサヨナラ死球。球団史上初の開幕2試合連続サヨナラ勝利を飾る。第3戦はゴメスと福留のホームランで逆転し、乱打戦を制して2008年以来の開幕3連勝を飾った。今節は3勝0敗。勝率1.000で単独首位発進となった。

◎ドラゴンズ1回戦……5-4
 タイガースの開幕投手はメッセンジャー。初回、いきなりピンチを招く。1死から荒木にライト前に落とされると、森野のセカンドゴロで二進。ルナのセンター返しのタイムリーで先取点を奪われた。ドラゴンズの開幕投手は山井。初回、鳥谷が先頭打者ヒットを打つも、上本との間のエンドランはファールで失敗し、上本、西岡の連続三振のあとゴメスがよくファールで粘ったがいい当たりのレフトフライでチャンスを逸した。山井は変化球を巧みに操り、タイガース打線はボール球を振らされて6回まで鳥谷のヒット1本に抑えられた。見方の援護を待つメッセンジャーは好投を続けたが、5回表に先頭のエルナンデスにライトへ二塁打を打たれ、山井のバントで三進。2死三塁から大島にセンター前に落ちるタイムリーで追加点を許す。さらに6回表、二塁打の森野をルナがセカンドゴロで三塁に進め、平田のバットをへし折った打球はセカンド後方に落ちるタイムリーとなる。3失点でメッセンジャーはこの回限りでマウンドを降りた。7回表は榎田がぴしゃりと抑える。7回裏、やっと山井をつかまえる。レフトオーバーの二塁打をゴメスが放つと、マートンのセカンドゴロで二進。福留がセンター前タイムリーで1点を返した。8回表、三番手の桑原が先頭の荒木を歩かせると森野のバントで二塁に。ここで審判が桑原になにやら注意。これで桑原はリズムを乱した。ルナにライト前に落とされて荒木が生還。再び3点差にされる。しかしドラゴンズは二番手の又吉が乱調。2死から鳥谷がヒットで出ると上本もライト前ヒットで続く。西岡はライト前タイムリーで2点差と迫り、ゴメスがライト線ぎりぎりに入るタイムリー二塁打で同点に追いついた。9回表、呉昇桓が1死満塁のピンチを作ったが、荒木はセカンドゴロで本塁封殺。森野をライトフライに打ち取りピンチを脱した。ドラゴンズも三番手浅尾が好投。試合は延長戦に。10回表は松田がなんとか抑え、打線の援護を待つ。10回裏、四番手田島に対し、先頭の上本が四球を選ぶと、代打俊介のバントで二進。ゴメスの三振で2死となったが、ワイルドピッチで上本は三塁へ。この日ノーヒットだったマートンがショートの頭上を襲うサヨナラタイムリーを放ち、今季初勝利を飾った。ヒーローインタビューはサヨナラ打のマートン。
◎ドラゴンズ2回戦……1-0
 岩田と新外国人投手バルデスの投手戦。両投手とも初回に満塁のピンチを招くがなんとか切り抜けると、2回以降はそれぞれの持ち味を出す。岩田はスライダーを軸にゴロを打たせて取る。バルデスは右打者のインコースを突く投球でタイミングをとらせない。特にマートンは全くタイミングが合わず三振ばかり。バルデスは6回で降板したが、7回から9回までは浅尾と又吉のリレーでタイガース打線を沈黙させる。岩田は8回を投げ切り、9回は呉昇桓に託す。いきなりルナのヒットでピンチとなるが、平田の強烈なショートライナーを鳥谷が好捕。飛び出していたルナは帰塁できず併殺に。藤井にもヒットを許したが、エルナンデスをレフトフライに打ち取って難を逃れた。延長10回表は松田が無失点で切り抜けると、その裏にドラゴンズ祖父江が自滅。先頭のマートンはショートへの内野安打で出塁。続く福留が歩き、二塁走者マートンには代走田上が出てサヨナラのチャンスをつかみにいく。梅野のバントは祖父江が三塁送球を焦って足を滑らせ送球が遅れ、フィルダース・チョイスとなり、無死満塁。代打関本はフルカウントまで粘り、肩口へのサヨナラ押し出し死球となった。開幕から2試合連続サヨナラ勝利は球団史上初。また、松田は前日に続いて勝利投手となった。ヒーローインタビューはサヨナラ死球の関本。
◎ドラゴンズ3回戦……10-8
 タイガース先発の藤浪が初回につかまる。1死から亀澤にレフト前に運ばれると、森野のセンター前ヒットで一三塁に。ルナのショートゴロで森野を二封するも、上本の一塁への送球は森野があげた手にあたり、併殺ならずで1点を先取された。ナニータにもヒットを打たれ、平田のライト前に落ちるタイムリーで2点目を、続くエルナンデスのセンター前タイムリーで3点目を奪われた。三塁を狙った平田を狭殺して失点はここまででとどめたが、その後も四球は出さないものの球数は多く、なんとか3失点でとどめて5回までを投げ切った。打線はバファローズより移籍の左腕八木の前に3回まで沈黙していたが、4回裏に爆発。センター前ヒットの西岡を置いてゴメスがレフトスタンドへ特大の2ランを放つと、ライト前ヒットで続いたマートンを置いて福留がバックスクリーン右に入る2ランホームランで逆転。5回裏には二番手朝倉を襲う。先頭の鳥谷がセンター前ヒットを放ち、上本のバントで二進。西岡は三振に倒れたがゴメスは敬遠気味の死球。二死一二塁のチャンスでマートンが左中間を破る二塁打で2点差とすると、福留の四球で満塁に。梅野が今季初安打となる右中間を破る走者一掃の二塁打で5点差とした。さらに大和のヒットで一三塁とし、代打新井良のサードへの内野安打で1点を追加する楽勝モード。6回表は二番手安藤が締めたが、7回表に三番手榎田がつかまる。1死から、大島と亀澤の連打と高橋周への死球で満塁とされ、ルナにライトへの犠牲フライを打たれる。ここで四番手桑原が代打福田に2点差と迫られる3ランホームランをレフトスタンドに叩きこまれた。ドラゴンズは田島、高橋聡のリレーでタイガースだランを抑えにかかるが、7回裏、高橋聡に対し、1死からヒットで出た福留を梅野が送り、大和のサードゴロは高橋周のトンネルで1点を返した。8回表は新人石崎がプロ初登板を三者凡退で飾り、9回表には抑えの切り札呉昇桓が三連投。1死から亀澤のヒットと高橋周への四球で一二塁のピンチに。ここまで無安打のルナにセンター前タイムリーを打たれて2点差とされ、代打小笠原のヒットで満塁に。しかし、平田を浅いライトフライに打ち取ると、エルナンデスをセカンドゴロに仕留めて逃げ切った。ヒーローインタビューは逆転ホームランの福留。開幕からの3連勝は2008年以来。

愛すれどTigers週間MVP
投手……松田遼馬
 本調子でない呉昇桓のあとを受けて2試合連続で延長10回表を抑え、サヨナラ勝利のお膳立てをした。自身も開幕2日目で2勝と、現時点でリーグ最多勝。福原不在のリリーフ陣で、安心して見ていられる投手に成長してきた。
野手……福留孝介
 昨シーズン後半の勢いを持続している。ここぞというところでの集中力は全盛時を思い出させる。恐怖の6番打者として、相手投手陣をこれから何度も震え上がらせてくれそうだ。

 ドラゴンズのリリーフ陣が万全でない隙をついての3連勝とはいえ、まず3つの勝ち越しでと東京遠征に出るのは気持ちの余裕が違うだろう。次節は神宮球場のスワローズ戦、そして東京ドームのジャイアンツ戦。どちらも先発の頭数がそろわない中での開幕だけに、連続でのカード勝ち越しも不可能ではないだろう。甲子園に戻るまでにスタートダッシュを続けていってほしい。

(2015年3月30日記)


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