甲子園開幕のベイスターズ３連戦。打線が振るわずよもやの３連敗。続くカープ戦は、雨で一息ついたものの初戦はメッセンジャーが黒田との投げ合いに敗れてついに６連敗で一時は最下位に沈んだが、第２戦は鳥谷の逆転ホームランで連敗を止め１勝１敗。今節は１勝４敗。今季通算で６勝８敗、勝率．４２９で４位。首位ドラゴンズ、ベイスターズとの差は２．５ゲーム。
◎ベイスターズ１回戦……３－８
先制したのはベイスターズ。能見は１回表、ヒットの石川をエンドランで桑原が二塁に進め、梶谷は四球。筒香のライト前タイムリーヒットで１点を失う。さらに２回表、先頭の飛雄馬がヒットで出ると黒羽根のバントをゴメスがエラー。井納は三振に取ったが石川のライト前タイムリー、梶谷のライト線への２点タイムリー二塁打、そして筒香のセンター前へのライナーは大和がダイビングして取りに行ったがこぼし、タイムリーとなる。５点のビハインドでベイスターズの先発井納はタイガース打線に狙い球を絞らせない好投。６回表には二番手金田が先頭のバルディリスにセンター前ヒットを放つが、途中交代でセンターに入っていた江越が後ろにそらしてバルディリスは三進。飛雄馬のセンター前タイムリーでさらに１点を失った。しかし６回裏、とうとうタイガースが反撃。１死から福留が右中間スタンドにソロホームランを叩きこむと、梅野もセンター前ヒットで続く。代打新井良が四球を選び、１死後鳥谷も四球で満塁。上本のショート飛雄馬を襲った痛烈な当たりはエラーを誘いさらに２点を追加して３点差に迫った。ところが７回表、三番手の島本がロペスにソロホームランを打たれて反撃ムードは断ち切られた。８回表は今季初登板の福原が抑えたが、９回表に五番手高宮が内野安打の梶谷に盗塁を許し、ロペスのタイムリーでダメ押しの１点を加えられた。ベイスターズは井納を６回限りで降ろし、加賀、国吉、エレラ、田中のリレーでタイガース打線を抑えて逃げ切った。
◎ベイスターズ２回戦……１－６
ベイスターズ先発、モスコーソの立ち上がりを攻める。１回裏、二塁打の鳥谷を上本が送り、西岡、ゴメスの四球で満塁とするもマートンがピッチャーゴロ併殺。２回裏には福留の四球、江越のセカンドゴロエラーなどで塁を埋め、岩本のバントと鳥谷の敬遠で２死満塁としたが、上本が三振。大きなチャンスを２度も逃してモスコーソを助けてしまった。タイガースは岩本が先発。立ち上がりは快調だったが、３回表に二塁打の梶谷を塁に置きロペスに先制タイムリーを打たれる。４回表には先頭の倉本を歩かせて進塁打を続けられ、石川にタイムリー。５回表には梶谷のセンター前ヒットが江越の隙を突かれて二塁打とされ、三進後バルディリスの犠牲フライ。６回表には先頭の黒羽根に二塁打を打たれ、代打松本のバントで三進を許し、ついに岩本は降板。二番手高宮は石川にスクイズを決められる。７回表、三番手石崎が二塁打のロペスをバルディリスのタイムリーで返させる。８回表、四球の後藤を関根のライトオーバーの三塁打で返され……つまり３回から８回まで小刻みに１点ずつ入れられて真綿で首を絞められるようにやられてしまった。５回裏、四球の上本をゴメスが久々のタイムリーとなるレフト左への二塁打で返した１点で一矢報いたのみ。モスコーソは５回を投げて降板し、あとは林、田中、エレラ、小杉と１回ごとの継投で抑えられ、連敗。
◎ベイスターズ３回戦……１－２
岩崎と高崎の投手戦。タイガースは上本を七番に下げ、二番打者に俊介を入れる打線に。しかしこの打線がなかなか機能しない。両チームともチャンスをものにできないまま試合は終盤に。８回表、岩崎は１死から筒香にライトオーバーの二塁打、ロペスのレフト前に転がるヒットでピンチを作って降板。二番手のベテラン福原がバルディリスにライト前にタイムリーを打たれて先制を許す。さらに飛雄馬にも一二塁間を抜くライト前タイムリーを打たれた。８回裏、二番手加賀から先頭の俊介が四球。西岡の二塁打で二三塁とすると、ゴメスのサードゴロの間に俊介が生還して１点を返す。しかし反撃もここまで。左腕の田中に後続を断たれる。９回表は島本の好投で打線の奮起を待つが、９回裏、山崎康に抑えられ逃げ切られた。
◎カープ１回戦……２－７
カープ先発のメジャーリーガー黒田に初回から襲いかかる。鳥谷がレフト前ヒットを放ち、俊介のバントで二進。西岡が四球で一二塁とする。しかし、ゴメスがショートゴロ併殺でチャンスを逸した。ここで一気に打ちこめなかったことがあとあと響く。メッセンジャーは四球が多く苦しい投球。２回表、松山と會澤への四球と田中のライト前ヒットで２死満塁とされ、安部のライト前タイムリーヒットで１点を先制される。しかし、カープの走者はみな消極的な走塁だったので大量失点にはならず。直後の２回裏、福留がライトスタンドに同点ソロホームランを放つ。このあと、黒田とメッセンジャーの投手戦となったが、６回表にメッセンジャーがつかまった。ロサリオと松山の連打で無死一三塁とされ、新井貴のレフトオーバーの二塁打で１点を勝ち越されると、會澤には死球で満塁に。田中、黒田に連続タイムリーを打たれてメッセンジャーは降板。二番手高宮は代打梵のタイムリーでさらに１失点。しかし、菊池のショートゴロで本塁封殺とした後、丸の浅いセンターフライで二塁走者が飛び出し、ランダンプレーで三塁走者をアウトにし、なんとか切り抜けた。６回裏、タイガース打線は疲れの見えた黒田に対し、ゴメスとマートンが連打。福留のライト前タイムリーヒットで１点を返した。しかし７回表、三番手金田がロサリオと新井貴のヒットと會澤への四球で１死満塁とされ、田中の左中間を破る二塁打で２点を追加され、試合は決した。金田は８回はしっかり抑え、９回表は石崎が無失点で切り抜けたが、カープも７回から永川、一岡、ザガースキーのリレーでタイガース打線を抑えこみ、完敗。カープのヒーローインタビューは新井貴。敵ながら、タイガースファンからも声援を送られていた。
◎カープ２回戦……４－３
打順を大幅に組み替えた和田監督。一番西岡、二番大和、三番鳥谷という昨年の形に近いものになった。これが功を奏したか、先制する。カープの先発は新外国人左腕のジョンソン。２回裏、先頭の福留の二塁打と藤井のライト前ヒットで１死一三塁とし、藤浪のレフトフライで福留がホームへつっこみ、返球が福留にあたる幸運もあり、まず１てん。さらに西岡の三塁線の打球はサードベースにあたって弾む幸運もありタイムリー二塁打となる。タイガースはこの日が誕生日の藤浪。５回表に追いつかれた。先頭の野間にライトオーバーの三塁打を打たれ、石原のレフト前タイムリーで１点差とされると、ジョンソンのバントで二進。２死後、菊池にレフト前に同点タイムリーを打たれる。６回表には二塁打の松山を塁に置き、田中のサードゴロは西岡の悪送球でついに勝ち越しを許した。藤浪はこの回限りで降板。８回表には二番手松田が抑えて打線の奮起を待つ。８回裏、カープの二番手中崎から代打新井良が四球を選ぶと、鳥谷がライトポール際に逆転２ランホームランを放つ。９回裏には久しぶりの登板となった呉昇桓が走者を許すも後続を断ち逃げ切り。連敗は６で止まる。ヒーローインタビューは逆転ホームランの鳥谷。
愛すれどTigers週間ＭＶＰ
投手……藤浪晋太郎 勝ち投手にはならなかったが、連敗ストップに向けて自ら犠牲フライを打つなど、勝利への執念を見せてくれた。藤浪の粘りがあったからこそ逆転の一発も出たものと思う。課題の四球も今期は格段に減った。次回は気持ちよく勝ってくれるものと信じている。
野手……鳥谷敬 昨年の定位置である３番打者にもどり、連敗ストップの一発を放った。連敗中も好調を維持し、通算出場試合数は藤村冨美男さんをこえた。キャプテンが引っ張って、ここからチームが復調することを願う。
ゴメスとマートンがチャンスで打てない。連敗の原因はまずそこにある。一番西岡、三番鳥谷の並び変えで打線が少しつながった。不調のマートンを六番に下げ、ここ一番で打てる福留を五番にすえるなど、まだまだ改善の余地はあるだろう。打線の援護があれば、もともと投手力はよいのだから、復調できるはずだ。次節はナゴヤドームでのドラゴンズ戦、そして甲子園でジャイアンツ戦と続く。首位を走るドラゴンズに対し鬼門のナゴヤドームと明るい材料は少ないが、開幕戦の３連勝を思い出し、仕切り直しのつもりで試合に臨んでほしいものだ。
（２０１５年４月１３日記）
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