今節も変則日程。まずは甲子園でのスワローズ3連戦。初戦は江越のプロ入り初ホームランで勝つと、2戦目は岩田の粘りの投球で連勝。3戦目も勝ちはつかなかったが岩本が好投し、開幕以来2度目の同一カード3連勝。1日おいて東京ドームでジャイアンツ2連戦。初戦はまたもポレダに手も足も出ず完封負け。2戦目は能見の乱調で0勝2敗。今節は3勝2敗。今季通算で13勝16敗、勝率.448で5位。首位ジャイアンツとの差は4.5ゲームと変わらず、最下位カープとは2.5差。
◎スワローズ4回戦……3-1
タイガースがワンチャンスをものにして、首位のスワローズに快勝。2回裏、1死から福留が先発成瀬からセンター前ヒットを放つと、続くマートンとのエンドランが決まってライト前ヒットで一三塁とする。江越が甘い球を逃さず、レフトスタンドにプロ入り初ホームラン。この3ラン以外は成瀬に完璧といっていいほど抑えられただけに、まさに値千金の一打であった。タイガースはメッセンジャーが粘りの投球。三者凡退は初回だけ。2回以降は毎回走者を出しながら、ここというところで緩急を駆使して失点を防ぐ。6回表、畠山にソロホームランをレフトスタンドに運ばれた以外はなんとか抑え切った。7回表、先頭の荒木に二塁打を打たれ、2死三塁のピンチを招くも山田をセンターフライにとる。8回表には福原がマウンドに。上田のヒットと盗塁で無死二塁とされるも、川端を三振に取り、雄平は浅いライトフライ、畠山は歩かせて中村をセンターフライにとり、ここもしのいだ。スワローズは7回から徳山、オンドルセクとつないでタイガース打線を抑えるが、9回表には呉昇桓が先頭の荒木にセンター前ヒットを打たれるが、後続をきっちりと抑えて逃げ切った。ヒーローインタビューは甲子園では今季初勝利のメッセンジャーと決勝のプロ入り初ホームランを放った江越。
◎スワローズ5回戦……3-1
先制したのはタイガース。スワローズ先発の石山に対し、1回裏、1死から西岡と鳥谷が歩き、ゴメスのレフト前ヒットでまず1点。福留は三振したが、マートンはセンター前のテキサスヒットで鳥谷を迎え入れて2点目を奪う。タイガースの先発は岩田。毎回走者を背負うも粘りの投球。5回表は2死から上田と川端の連打でピンチを招き、雄平のセンター前に抜けるかという当たりを鳥谷が好捕して二塁封殺。バックの守備で盛りたてる。6回裏、ヒットのゴメスを塁に置き、福留のセーフティバントの構えに揺さぶられた捕手中村が後逸してしまう。さらにワンバウンドの球も弾いてゴメスは三塁に。福留のレフトフライではゴメスは生還できなかったが、マートンのライト前に落とすヒットで3点目をとった。7回を無失点でねばった岩田にかわり、8回表には安藤がマウンドに。畠山のヒット、荒木への死球、中村のライト前ヒットで無死満塁とされ、三番手高宮に。高宮は代打森岡をショートゴロ併殺にとり、その間に1点は返されるが最高の仕事をする。続く福原は代打飯原をファーストフライに打ち取ってピンチを脱した。スワローズのリリーフ、古野とロマンを攻めるも決定打が出ず、9回表には呉昇桓を投入。山田は三振にとったが、上田を歩かせてしまう。川端のサードファールフライはカメラマン席に。坂が身を乗り出して好捕し、すぐにタッチアップの上田を刺そうと二塁へ送球したがこれは間に合わず。しかし、雄平をピッチャーゴロに打ち取って試合終了。開幕以来の3連勝となった。ヒーローインタビューは今季初勝利の岩田と2打点のマートン。
◎スワローズ6回戦……5-1
タイガースの先発は岩本。初回から気合のこもった投球を見せていたが、3回表に先制される。先頭の山田に三塁強襲の二塁打を打たれ、上田のバントで三進。前進守備をしいたのが逆効果で、川端に一二塁間を抜かれるライト前ヒットで1点を奪われた。岩本はその後も走者を出しながらも要所を抑える投球を見せる。タイガース打線はスワローズ先発新垣の荒れ球に狙いを絞り切れず、4回までマートンのヒット1本に抑えられていたが、5回裏に1死から四球で出たマートンを伊藤隼がセンターオーバーの二塁打で返してワンチャンスで同点に。5回で降板した岩本に続く二番手松田は6回は抑えたが、7回表に制球が乱れる。先頭の代打田中浩を歩かせ、盗塁を許す。山田は三振、上田は浅い外野フライにとり、ここで高宮にスイッチ。当たっている川端を歩かせて2死一二塁とし、雄平をライトフライにとる。高宮の好投に打線がこたえた。7回裏、先頭の福留が二番手の中澤からセンターオーバーの三塁打を放つと、マートンは強い当たりの一塁ゴロで三塁走者は帰れず。ここで三番手秋吉に交代。代打関本は死球。続く代打狩野は空振り三振したが、さらに代打攻勢で出た俊介はファールでよく粘り四球をもぎ取って2死満塁に。上本はレフト線を破る走者一掃の二塁打で一気に3点のリード。続く西岡もレフト前にタイムリーヒットを放ち、4点差とした。8回表は福原が、そしてセーブのつかない場面だったが9回表には呉昇桓が登板し、難なく逃げ切った。開幕以来の同一カード3連勝を決めた。ヒーローインタビューは決勝の二塁打を放った上本。
◎ジャイアンツ7回戦……0-1
タイガースの先発藤浪は初回から速球の切れがよく、ジャイアンツ打線を寄せつけない。4回裏にはヒットの片岡に盗塁され、アンダーソンのセカンドゴロで三塁まで進まれたが、大田、フランシスコを連続三振に取ってピンチを脱した。しかしタイガース打線も苦手のポレダからチャンスを作るもあと1打が出ない。3回表には先頭の上本がヒットで出るも盗塁死、西岡もヒットで出、鳥谷の四球でチャンスを作ったがゴメスは三振。福留も内野ゴロでチャンスを逸した。6回表には1死からゴメスの二塁打でチャンスを作るも福留がセンターフライ、マートンが三振でまたもチャンスをつかめない。7回裏、センターオーバーの二塁打を打った大田を塁に置き、フランシスコに一塁強襲のタイムリーを打たれてついに均衡が破れた。8回表には西岡のヒットでチャンスを作るが、鳥谷は併殺崩れのショートゴロ。ここでポレダからマシスンにリレーされ、ゴメスは三振。9回表には三番手澤村に対し、福留がレフト前ヒットで出て、マートンのサードゴロで代走大和が二進。代打関本のサードゴロで三塁まで進むが、代打伊藤隼がセカンドゴロで試合終了。1失点完投の上に10奪三振の藤浪を見殺しにする形になってしまった。
◎ジャイアンツ8回戦……3-10
先制したのはタイガース。2回表、ジャイアンツの先発高木勇から福留がライトオーバーの二塁打を放つと、マートンのサードゴロは村田がこぼして無死一二塁に。伊藤隼はセカンドゴロに倒れたがマートンの二封のみで福留は三進。藤井の当たりそこねのピッチャーゴロの間に福留が生還して、すっきりした取り方ではないがとにかくまず1点を奪う。3回表には上本の四球、西岡のライト前ヒット、鳥谷の四球で無死満塁とする。ここでゴメスはセカンドフライに倒れたが、福留はライトへの犠牲フライで2点目をもぎ取る。ただ、続くマートンがピッチャーゴロに終わり、ビッグイニングは作れず。タイガースの先発能見は初回から快調にジャイアンツ打線を抑えていたが、3回裏にヒットの橋本を置いて片岡にレフトスタンド最前列に入るドームならではの2ランホームランを打たれて同点に追いつかれた。さらに4回裏、1死から井端と村田に連打を浴び、小林の右中間を破る二塁打で1点リードされる。タイガースも粘る。5回表、2死から鳥谷とゴメスの連打でチャンスを作ると、福留のライト前タイムリーヒットで同点に追いついた。ここでもマートンはセカンドライナーで一気にたたみかけられない。能見は6回につかまる。先頭のフランシスコにヒットを打たれ、井端のバントは鈍足のフランシスコのおかげで二封となり、流れが変わるかと思われたが、村田にセンター前ヒットを打たれて1死一三塁とされる。小林を三振に取って2死までこぎつけたが、代打金城に三塁線を破られる2点タイムリーを打たれ、またもリードを許した。タイガース打線は7回表、山口にいいようにあしらわれ、流れはジャイアンツに。7回裏、二番手金田がつかまる。ライト前ヒットの片岡に盗塁を許し、長野のセカンドへの内野安打で無死一三塁とされる。ここで打者大田に対し、藤井の捕逸が出て1点を失うと、一塁代走の鈴木尚が一気に三塁へ。大田は投手強襲のヒットで一三塁となり、金田は降板。三番手は高宮。フランシスコは凡フライに打ち取ったが、寺内にセーフティスクイズを決められ、さらに1点を失った。8回裏には島本がマウンドに上がるが、ジャイアンツ打線の勢いを止められない。1死から橋本にレフト前ヒットを打たれると、片岡にもレフト前ヒットで一二塁に。代走から守備についていた鈴木尚にリフトスタンドに3ランホームランを打たれ、大差をつけられてしまった。ジャイアンツは戸根、宮国のリレーで気力を失ったタイガース打線を抑え、勢いをつけて乗りこんだ東京ドームで不覚の2連敗。
愛すれどTigers週間MVP
投手……岩田稔 毎回走者を出す苦しい展開ながら、粘りの投球で生還を許さず今季初勝利。これまでも打線の援護がない中、好投しても報われていなかっただけに、この勝利をきっかけに勝ち星を積み重ねていってほしい。
野手……西岡剛 打撃好調で打線を引っ張った。上本、西岡が出塁し、ゴメスと福留で返すというのが現状のタイガースの得点パターン。上本がまだ試合ごとにムラがあるだけに、西岡が一番打者の役割を果たしている。ムードメーカーとして、この調子を維持していってもらいたい。
中継ぎの若手に結果が出ていない。金田はついに二軍落ちして二神が一軍に上がってきた。ドラフト1位のプライドをかなぐり捨てて必死の投球が見たい。島本もここ2試合は失点が続いている。松田はなんとか復調の兆しを見せてきたが、まだ不安定だ。結局高宮、安藤、福原らベテランに頼るということになりつつある。先発投手陣が安定してきただけに、負けている時の若手の奮起で投手陣の底上げができてくる。
次節は甲子園でドラゴンズ3連戦。1日おいて、引き続き甲子園でカープ3連戦。東京ドームで勢いが止まったが、本拠地でなんとか盛り返してもらいたい。
(2015年5月4日記)