今節は甲子園で6連戦。まずはドラゴンズと対戦。初戦はメッセンジャーの乱調で落としたが、2戦目は岩田の投打にわたる活躍で連敗を止めると、3戦目には新井良のサヨナラ打で取り2勝1敗。続くカープ戦はジャイアンツに3連勝した勢いに呑みこまれ、先発は崩れ打線は反撃できずといいところなしの3連敗。今節は2勝4敗。今季通算で15勝20敗、勝率.429でついに最下位に転落。首位ベイスターズとの差は6.0ゲームと離され、5位カープとは1.5差。
◎ドラゴンズ7回戦……2-9
メッセンジャーが初回につかまる。先頭の大島を歩かせると、亀澤のピッチャーゴロで二進。平田にレフト前タイムリーヒットを打たれる。さらに3回表、先頭の谷繁にセンター前ヒットを打たれ、大野のバントで二進。大島のライトへの二塁打で2点目を失った。2死後、平田にもレフト前にタイムリーを打たれてしまう。4回表にはナニータと高橋周にヒットを打たれ、谷繁にレフトポール際に3ランホームランを打たれて6失点でこの回限りで降板した。タイガース打線はドラゴンズ先発大野の前に2回裏のマートンのヒットだけに抑えられる。6回裏、先頭の代打新井良が四球で出ると、上本のサードゴロを高橋周がこぼして敵失で無死一二塁に。西岡のサードゴロで二三塁とし、鳥谷のショートゴロで新井良が帰りなんとか1点を返す。タイガースは二番手島本が無失点で抑えたが、7回表、三番手の二神が1死から平田に死球。ルナのレフト線への二塁打で1死二三塁とされ、藤井のセンターへの犠牲フライで簡単に1点を返された。それでも二神は8回は立ち直って追加点を許さなかったが、9回表に四番手の松田が2死から藤井とエルナンデスに連続四球を与え、高橋周と松井雅の連続タイムリーヒットで2失点。ドラゴンズは8回は祖父江、9回は金子を投入。9回裏、2死からゴメスがヒットを打ち、代走の俊介を置いて福留がライト線へタイムリー二塁打を放つが、反撃もそこまで。打線がジャイアンツ戦でタイミングを狂わされたまま甲子園に戻ってきたという感じである。
◎ドラゴンズ8回戦……4-2
タイガースの先発岩田が先制される。1回表、1死から荒木にライト前ヒットを打たれると、続く好調の平田にレフト線にタイムリー二塁打を放たれてしまう。しかし、タイガース打線もドラゴンズ先発の山井に食らいつく。直後の1回裏、1死から上本がヒットで出ると、鳥谷とのエンドランはセカンドゴロで二進。ゴメスがライト線にタイムリー二塁打を放ち同点とする。その後は両投手とも立ち直り、投手戦に。6回裏、2死からマートンがレフト前ヒットを放つと、落ちる球を星野松井雅が弾いた隙をついて二塁へ。伊藤隼のライト前ヒットで一三塁とし、梅野は四球で満塁に。ここで岩田がライト線に三塁打を放ち走者を一掃。自らの手で援護点をもぎ取った。直後の7回表、藤井と代打松井佑のヒットで1死一三塁とされ、大島の犠牲フライで1点を返され、この回限りで降板。二番手の福原は8回表に平田とルナの連打でピンチを作るが、福田を空振り三振にとると、エルナンデスはセカンドゴロ併殺に切って取り、無失点で切り抜ける。ドラゴンズは祖父江、田島のリレーでタイガースの追加点を阻むが、9回表、呉昇桓は代打小笠原にどん詰まりのショート内野安打を打たれたのみで、すべて速球をつまらせる好投で逃げ切る。呉昇桓は10セーブ目。ヒーローインタビューは投打で活躍した岩田。
◎ドラゴンズ9回戦……3-2
タイガース岩崎、ドラゴンズバルデスの投手戦。どちらも打者がタイミングを合わせにくい投手で、両チームともつまった当たりが多い。先行したのはドラゴンズ。3回表、2死から大島に死球を与えると、二盗を許し、荒木のセンター前タイムリーヒットで1点を奪われた。6回表に平田にレフトスタンドへのソロホームランを打たれ、岩崎は好投しながらも味方の援護なくこの回限りで降板した。三者凡退が続き淡々とした試合運びになったの空気を変えたのは新井良。8回裏、代打に出るとレフトスタンドに今季第1号となるソロホームランを叩きこむ。タイガースは7回から安藤、松田、福原のリレーで追加点を許さず、9回裏の攻撃を迎えた。バルデスの前に2死までとられたあと、ゴメスがセンター前ヒットで出ると、ここでドラゴンズは福谷に交代。しかし福谷はコントロールが定まらず、福留、マートンに連続四球で満塁として交代。三番手又吉もストライクが入らず、代打関本が押し出し四球で同点に。新井良はツーストライクと追い込まれながらも粘り強いバッティングでセンター前に落ちるサヨナラタイムリーを放つ。ドラゴンズの継投ミスに助けられたとはいえ、最後まであきらめない気持ちで勝利をもぎ取った。ヒーローインタビューは代打ホームランとサヨナラヒットの新井良。
◎カープ5回戦……3-8
タイガースの先発藤浪は初回から快調に飛ばす。自己最速の158kmの速度を記録した。しかし、そこに落とし穴が。3回表、積極的に打つカープ打線に捕まった。先頭の田中にヒットを打たれると、菊池のバントを梅野が二塁に悪送球で生かす。丸と新井貴は連続三振にとったが、松山のヒットで先制点を奪われる。野間を歩かせて満塁とし、木村勝にも押し出し四球を与える。さらに會澤にレフト線に走者一掃の二塁打を打たれ、この回だけで5点を失った。4回表には二名打の田中を塁に置き、丸に右中間スタンドに飛びこむ2ランホームランを打たれ、5回7失点で降板という大誤算。カープは黒田の代役として先発した戸田。このために二軍で戸田を打っている中谷をスタメン起用したが、中谷は不発。3回裏にやっと梅野の二塁打で初安打を記録し、三塁まで進め西岡の犠牲フライで1点を返した。4回裏には鳥谷とゴメスのヒット性の当たりをいずれもレフト松山のファインプレーに阻まれるなど、流れは完全にカープに。6回裏、上本がレフト線に二塁打を打ち、鳥谷の四球でチャンスを広げる。ゴメスのセンターフライで二三塁とし、福留のセカンドゴロの間に1点を返す。7回裏には二番手今村から鶴岡と新井良の連続四球と上本のライト前タイムリーでさらに1点を返したが、後続を断たれて大量点につながらない。6回からは小嶋が2イニングを三者凡退に抑える小気味よい投球で希望をもたせたが、8回表を抑えた島本が9回表につかまった。菊池のレフト前ヒットと丸への四球、鈴木誠のヒットで1死満塁とされ、代打小窪にレフト前タイムリーで大きな1点を奪われた。カープは8回に三番手永川がタイガース打線を抑え、9回裏、四番手の一岡が代打狩野の顔面をこする四球で危険球退場。急遽登板の五番手中崎から新井良がヒットを放つが、代打関本、上本と二塁ゴロで菊池の好守に阻まれ、鳥谷のライト前に届こうかという当たりも菊池のジャンピングキャッチで試合終了。好調カープの勢いを止めることができなかった。
◎カープ6回戦……0-10
カープ先発ジョンソンの前にタイガース打線はあと1本が出ない。1回裏、ヒットの西岡を上本が送り、2死後ゴメスと福留の連続四球で満塁とするもマートンはセカンドゴロに倒れ、先制の機会を逸する。タイガースの先発能見は毎回得点圏に走者を許す苦しい投球。3回表、1死から田中にライト線に三塁打を打たれると、菊池を歩かせ丸にセンター前タイムリーで1点を先制される。4回裏、福留の四球を足場に、藤井。大和の連打で2死満塁と攻め立てたが、西岡が空振り三振で逆転機を逸した。直後の5回表、ヒットの田中を置いて新井貴に移籍第1号となる2ランホームランを浴び、能見は6回限りで降板した。二番手高宮は7回表にヒットの田中を菊池に送られ、丸を歩かせたところで松田に交代。松田は新井貴にセンター前2点タイムリーを打たれた。8回表には梵に二塁打を打たれると、鈴木誠に頭部死球を与え、松田は危険球退場に。四番手の小嶋は田中に犠牲フライを打たれたもののなんとか最少失点で抑える。しかし、9回表、五番手の島本が炎上。丸と木村昇のヒット、梵への四球で2死満塁とされ、鈴木誠に左中間スタンドに満塁ホームランを打たれてしまう。大差のついた9回裏、ザガースキーに続く三番手今村に対し、2死から代打中谷がプロ入り初安打ほセンター前に運び、続く可能もレフト前に落として意地を見せたが、西岡が三振で試合終了。大量失点に完封負けで、最下位に陥落してしまった。
◎カープ7回戦……2-7
先制点はカープ。メッセンジャーは2回表、先頭の松山にセンター前ヒットを打たれ、盗塁を許す。梵と野間を打ち取って2死にしたが、會澤にライト前にタイムリーを打たれる。それでもタイガースはすぐに反撃。福井に対し3回裏にヒットの大和をメッセンジャーが送って西岡のセンター前タイムリーで同点に追いついた。このまま投手戦かと思われたが、カープ打線は今は何をしてもうまくいく。5回表、ヒットの會澤を福井が送り、田中、菊池に連続四球を与えて満塁に。丸のセカンドゴロの間に勝ち越しの1点を入れられ、2死一三塁で丸の盗塁を藤井が刺せず、田中が本盗して2点目を奪われた。6回表にはライト前ヒットの梵を置いて會澤にレフトスタンドに2ランを打たれる。5失点でメッセンジャーは降板。7回表、二番手の榎田が1死から菊池のヒットと丸への四球でピンチを作る。ロサリオをセンターフライに打ち取り、代打小窪が出たところで交代。三番手の渡辺は小窪にライト前タイムリーヒットを打たれたあと、梵と野間に連続四球。満塁押し出しでさらに1点を与えた。8回裏、タイガースがようやく反撃。二番手一岡から上本が歩き、鳥谷のライト線への二塁打で一気にホームインして1点を返した。しかしゴメスは力んでサードゴロ。タイガースは渡辺が続投し8回表を抑え、9回は高宮でしのぐが、9回裏、カープ三番手のガザ―スキーの前に福留がヒットで出たが、梅野はショートゴロ、代打の俊介と大和は連続三振でもう一押しができなかった。
愛すれどTigers週間MVP
投手……岩田稔 打線がチャンスで打ってくれないなら俺が打ってやるとばかりに満塁で三塁打。失点も抑えて連敗をストップさせた。前節での今季初勝利がいい具合に働いたようだ。先発投手陣が大崩れしている中で、非常に安定した投球をみせてくれている。次節もこの調子でチームのムードを良くしてほしい。
野手……該当者なし 正直、カープ戦での各打者を見ていると、とてもMVPといえる選手をあげられない。復調の兆しのある鳥谷、上本も決め手に欠ける。サヨナラ打の新井良もカープ戦で先発したとたんに不発。次節は誰を選んでよいか困るくらいになってほしい。
中継ぎの若手で期待された松田と島本が二軍落ち。快調に飛ばしていたが、疲れが出てきたか。二軍から這い上がってきた小嶋の好投が光る。打線は不振のマートンを外したり、二軍で首位打者の中谷を先発メンバーで起用したりと、和田監督も苦労してやりくりしているのだが。その中谷がプロ入り初安打を放って一軍残留につなげた。これを機に一気にブレイクしてくれればと願っている。不調のメッセンジャーが二軍落ち。開幕投手がこの時期に再調整というのは苦しいところだ。こういう状況だけに思い切った選手起用も許される。通用するかどうかわからないまでも、北條や横田を試してみてもよいのではないか。
次節は神宮とナゴヤに遠征。ともに苦手とする球場だが、開き直って投手は真っ向勝負、打者は積極打法で活路を開いてほしい。
(2015年5月11日記)