愛すれどTigers


連勝で最下位脱出も打線低調

 今節は神宮球場のスワローズ戦は初戦を台風の影響で流したが、不調のスワローズ相手に藤浪の今季初完投勝利もあり2勝0敗。続くナゴヤドームのドラゴンズ戦は初戦はリリーフ又吉の乱調と新外国人のサンティエゴの好投で取ったが、残る2試合は好投の能見を見殺しにする完封負けなどもあり2連敗し1勝2敗。今節は3勝2敗。今季通算で18勝22敗、勝率.450で最下位は脱出したもののカープと同率4位。首位ベイスターズとの差は7.0ゲームと開き、3位ドラゴンズとは1.5差。

◎スワローズ7回戦……7-5
 スワローズ先発新垣に対し、2回表に攻め立てる。マートンが二塁打を放ち、福留のセカンドゴロで三進。伊藤隼のセンターフライでマートンはホームへつっこむが、憤死。この時相手捕手西田がベース上に立って待ち構えているところへつっこんだものだから、激しく激突し、一時は乱闘寸前の不穏な雰囲気に。タイガースの先発は岩田。2回裏、雄平のヒット、西田への四球、新垣のヒットで2死満塁のピンチを招くが強気の投球で山田を三振にとる。直後の3回表、梅野がバックスクリーン右に先制のソロホームランを放つと、四球の西岡を上本がレフト線への二塁打で一気にホームまで返し、2点先行した。しかし、岩田は3回裏2死から畠山にレフトスタンドにソロホームランを浴び、1点差に。6回表、1死から鳥谷が内野安打で出、ゴメス三振の間に二盗。マートンの打席で新垣は二度も暴投して鳥谷は難なく生還。マートンがレフト前ヒットで続くと、福留がライトスタンドに2ランホームランを放って突き放した。7回裏、今度は岩田がつかまる。1死から山田の二塁打、上田のヒットで一三塁とされ、川端にセンター犠牲フライを打たれて1点を返されると、ここで降板。二番手安藤は畠山にヒットを許し、雄平の2点二塁打で1点差に詰め寄られた。荒木をサードゴロに打ち取りなんとかリードした形でつなぐと、8回表に三番手古野から鳥谷の二塁打とゴメスのヒットで一三塁とし、1死後、四番手久古から福留が四球を選ぶ。満塁で五番手のロマンが上がると、代打関本がセンター前にタイムリーを放ち、続いての代打狩野も犠牲フライで3点差と突き放す。8回裏は福原が抑え、9回裏には久しぶりに呉昇桓が登板。山田にいきなりレフトスタンドにソロホームランを打たれ、川端の二塁打と畠山への四球で苦しくなったが、雄平をセカンドゴロにとると、最後は荒木を空振り三振に仕留めて逃げ切った。ヒーローインタビューは連敗ストッパーの先発岩田。
◎スワローズ8回戦……4-1
 スワローズの先発成瀬から、1回表にいきなり西岡がレフトスタンドに先頭打者ホームランを打ち、日本での通算出場1000試合に花を添えた。タイガースは藤浪が先発。ていねいな投球を心掛けていたが、2回裏、先頭の畠山に同点となるソロホームランを左中間スタンドに叩きこまれた。タイガースの反撃は5回裏。鶴岡が移籍2年目にして初めてのソロホームランをバックスクリーン横に放りこむ。さらに6回裏、ゴメス、マートン、福留がいずれもセンターに3連打で無死満塁として成瀬をノックアウト。二番手秋吉から大和がしぶとくセンター前に2点タイムリーを放つ。オーバーランした福留がタッチアウトとなって、鶴岡、藤浪の連続三振で追加点はならなかったが、この試合の藤浪は3点差があれば十分。4回裏に2死満塁のピンチを中村のセンターライナーで切り抜けたあとは、全く危なげない投球。ストライク先行で追いこみ、9奪三振で完投勝利を収めた。タイガースは4位に浮上。ヒーローインタビューは今季初完投勝利の藤浪。
◎ドラゴンズ10回戦……2-1
 タイガースの先発はメッセンジャーの代役で一軍入りした新外国人投手のサンティアゴ。ゴロを打たせて取る投球でドラゴンズ打線を抑える。対するドラゴンズの先発は小熊。こちらもコーナーをていねいにつく投球でタイガース打線を沈黙させる。均衡が破れたのは5回裏。亀澤と平田の連打で1死一三塁とされ、ルナのライトへの犠牲フライで1点を先制される。しかし、盗塁を試みた亀澤を鶴岡が刺して追加点は許さない。疲れの見えた小熊は7回を投げて無失点で降板。8回表、二番手の又吉に襲いかかる。先頭の代打新井良がセンター前にヒットを打つと、代走の大和が二盗。西岡がライト線に同点の二塁打を放つ。上本のヒットと二盗で無死二三塁としたが、鳥谷とゴメスの連続三振で嫌なムードに。しかしマートンがライト前に勝ち越しのタイムリーを放ち、又吉をノックアウト。三番手高橋聡の前に福留は打ち取られたが、サンティアゴに勝利投手の権利は残った。8回裏は福原が危なげなく抑え、9回裏は呉昇桓が2死から大島にヒットを許すも二盗を試みた大島をまたも鶴岡が刺して試合終了。連勝を3にのばし、3位に浮上した。ヒーローインタビューは来日初先発勝利のサンティアゴ。
◎ドラゴンズ11回戦……0-1
 タイガース能見、ドラゴンズ大野の投手戦。タイガースは3回表の藤井のセンター前ヒットと、5回表のマートンのセンター前ヒットのわずか2安打のみ。能見は2回裏、先頭のルナに二塁打を打たれ、ナニータのセカンドゴロで三進されたが、福田を三振、エルナンデスをショートゴロに打ち取り、ここは難を逃れた。しかし4回裏、荒木の打球を三塁西岡が止められず二塁打とされ、平田は三振、ルナはライトフライで2死三塁までこぎつけた。しかしナニータに一二塁間を破られるタイムリーヒットを打たれ、1点を失う。続く福田にもヒットを打たれたがエルナンデスを三振にとり、最少失点にとどめた。ただ、打線の援護が一切なく、7回限りで降板。8回裏は高宮と安藤のリレーで無失点に抑え、打線の奮起を待つ。8回表は上本の四球と代打俊介のバント、代打関本の死球で1死一二塁とし、代打狩野に賭けたがショートゴロ併殺。9回表には死球の西岡を上本が送り、鳥谷三振のあとゴメスが四球を選ぶ。ここでマートンに期待がかかったがセンター防いで試合終了。大野の力のある速球にどの打者も振り負けてしまい、力負け。惜しくも連勝ストップとなった。
◎ドラゴンズ12回戦……1-6
 タイガースの先発岩崎は3回までは好投していたが、4回裏に自滅。荒木、平田、ルナと三連続四球で無死満塁とすると、1死後、福田のファーストゴロの間に1点を先制された。さらに2死二三塁でエルナンデスの一塁ゴロをゴメスが飛びついたが弾き、ベースカバーの岩崎に送球するもセーフとなり、2者生還。3失点でマウンドを降りた。5回裏には二番手岩本が乱調。1死から大島を歩かせ、荒木のサードゴロで二進。平田にレフト前タイムリーヒットを打たれる。続くルナにもレフト前ヒットでつながれ、ナニータのセンター前タイムリー、福田のレフト前タイムリーで3失点。ドラゴンズは予告先発の吉見に変わり急遽武藤が先発。初回は西岡やゴメスのヒットでチャンスを作るもマートンがショートゴロで先制点を取れず。5回まで毎回のようにヒットを放つも決定打が出ず。6回裏からは浅尾、岡田、田島のリレーの前に得点できず。タイガースは6回以降は榎田、小嶋が好投して追加点を許さなかったが、時すでに遅し。9回表、ドラゴンズのストッパー福谷からゴメスがレフトスタンドに久々のソロホームランを叩きこんで完封を免れるのがやっと。鳥谷の打撃不振が特に目につく。

愛すれどTigers週間MVP
投手……藤浪晋太郎
 なかなか2勝目に手が届かなかったが、鶴岡のリードで生き返り、今季初完投勝利。とくに試合の後半は非常にいい形になっての投球だった。次はジャイアンツ戦。この感触を忘れず連勝といきたい。
野手……鶴岡一成
 タイガース移籍初のホームランを含め、リード面で投手陣をよく引っ張った。キャンプでの故障で出遅れたベテランが本領発揮だ。梅野、藤井との正捕手争いも見ものになってきた。

 連勝で調子をあげてきたかと思うと、一転して打線が湿ってしまう。特に今季は苦手投手を多く作り過ぎだ。次節は甲子園でジャイアンツ戦があり、横浜でのベイスターズ戦と合わせて上位2チームとの対戦。ここでなんとか勝ち越して交流戦にいい形で突入してほしいところだ。それにはキャプテン鳥谷の復調が欠かせない。ゴメスに久々の一発が出、マートンにも本来の打撃が少しずつ見られるようになってきただけに、その前を打つ鳥谷の役割は大きい。

(2015年5月18日記)


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