愛すれどTigers


6連勝で単独首位に立つ!

 長野オリンピックスタジアムでのカープ戦は雨中の熱戦で、あと一人で勝利というところで追いつかれ、引き分け。しかし富山アルペン球場では打線が野村を攻略して圧勝し、1勝1分。甲子園に戻ってのベイスターズ戦は、初戦は雨で流したが第1戦は福留の連発で取り、第2戦も福留とゴメスの連続ホームランなどで打ち勝ち2勝0敗。今節は3勝0敗1分。今季通算では36勝33敗1分。勝率.522でついに単独首位に。2位ジャイアンツとの差は2.0ゲームで、セ・リーグで唯一勝ち越しているという状況である。

◎カープ8回戦……6-6
 タイガースが先制。カープ黒田から2回裏、今成のライトスタンドへのソロホームランが飛び出した。しかし直後に豪雨で30分を過ぎる中断。雨はその後も降りしきり、タイガース先発岩田はこの雨に悩まされる。4回裏、先頭の石原にライト前ヒット、黒田のバントで1死二塁とされ丸にライトスタンドに逆転2ランホームランを打たれる。さらに菊池、新井貴のヒットでピンチを作るとエルドレッドにセンター前タイムリーヒットで2点差をつけられる。岩田はこの回限りで降板。5回表、先頭の今成が四球で出ると鶴岡が送り、代打新井良が三振のあと鳥谷のライト前ヒットで1死一三塁とし、柴田の右中間を破る2点タイムリー二塁打で同点とする。5回裏からは松田と高宮が好投し、カープも黒田が7回まで投げて降板。7回裏、三番手安藤が打たれる。石原とシアーホルツの連打、丸のショートゴロで1死一三塁に。打者菊池のところで安藤のフォークが暴投となり、1点のリードを許す。8回表、二番手大瀬良に対し、先頭の鳥谷が四球で出ると、柴田のバントで二進。福留のライト前ヒットで一三塁とし、ゴメスがレフトスタンドら逆転3ランホームランを放った。8回裏、勝ちパターンで福原が登板したが、新井貴にレフトスタンドに1点差と迫られるソロホームランを打たれる。さらに9回裏、呉昇桓が乱調。先頭の會澤を歩かせると、代打野間に死球。丸のライト線への同点二塁打を打たれてしまう。菊池はサードゴロに打ち取ったが代打松山を歩かせて1死満塁に。ここで新井貴を浅いライトフライに打ち取ると、エルドレッドは三振で延長戦に。カープはヒース、中崎とつなぎ、タイガースは歳内が好投。11回裏、先頭の丸にヒットを打たれ、菊池のバントで二進。中東は三振にとり、新井貴を敬遠すると、代打小窪をレフトフライに打ち取りピンチを脱した。12回表、戸田、今井のリレーの前に、大和がヒットで出るも盗塁失敗でチェンジに。12回裏、歳内は梵、田中と連続四球でピンチを作ったが、會澤のバントは藤井がサードへ好送球し、さらに一塁に転送して併殺に。そしてベンチに残っていた最後の投手島本がマウンドに上がり野間をピッチャーゴロに打ち取って5時間48分の死闘は引き分けに終わった。
◎カープ9回戦……7-2
 カープの先発野村を初回から攻略。先頭の鳥谷が初球を叩いて右中間に二塁打を放つ。柴田のバントで三進、福留のライト前タイムリーヒットで1点先制した。4回表にはゴメス、マートンが連打で出ると、上本が四球を選んで無死満塁に。今成のセンターオーバーの二塁打で2点を追加し、1死後、能見のセンター前タイムリーヒットでさらに2点を追加し、野村を引きずり下ろした。5回表には二番手飯田からマートンがレフトスタンドにソロホームランを放ち、6点差に。能見は初回に菊池に内野安打を打たれただけで、4回まで無失点と快調に投げる。5回裏、梵に甘く入った球をレフトスタンドに運ばれたが、このソロホームランの1点のみで7回までつけ入る隙を与えない。7回表、四番手戸田から先頭の代打大和が右中間に二塁打を放つと、1死後、ゴメスのセンター前に落ちるタイムリーヒットで再び6点差に。8回裏、能見が崩れる。先頭の梵を歩かせ、1死後會澤にレフト前ヒットを打たれ、代打小窪を歩かせたところで変調を訴えて降板。満塁で出た二番手高宮は丸にライト前タイムリーを浴びる。ここで福原が登板。菊池をキャッチャーフライに打ち取り、シアーホルツの強い降りもゴメスが好捕してファーストゴロで危機を逃れた。9回裏、呉昇桓が前日のリリーフ失敗を取り返すように打たせて取る投球で締め、単独首位に躍り出た。ヒーローインタビューは地方球場のため、残念ながらなし。
◎ベイスターズ9回戦……5-3
 先制したのはタイガース。ベイスターズの先発井納を初回に攻める。2死から福留が四球で出ると、ゴメスが右中間を破るタイムリー二塁打で1点を奪った。タイガースの先発はメッセンジャー。2回表、レフト前ヒットの筒香を置いて、ロペスはキャッチャー前のゴロ。藤井が二塁へ送球するも大きく外れてセーフに。ロペスの守備妨害ではないかと和田監督が抗議したが、覆らず。バルディリスのセンター前に落ちるヒットで同点とされると、倉本には一二塁間を抜かれて逆転を許す。4回表には1死からバルディリスにセンター前ヒットを打たれると、倉本へは四球。高城のセンター前ヒットで満塁とされた。井納のライト前の当たりでバルディリスが生還したが、福留が判断よく二封し、記録はライトゴロ。続くピンチも荒波をサードゴロに打ち取り最少失点で抑えた。直後の4回裏、タイガースも反撃。福留のセンターオーバーの三塁打で無死三塁とした。しかし、ゴメスとマートンは連続ピッチャーゴロで福留は三塁に釘付け。上本が三遊間を破るタイムリーヒットで1点差とした。6回裏、福留がバックスクリーン右に同点ソロホームランを放つと。メッセンジャーは7回まで投げ切る。井納も7回3失点で降板。8回表、二番手福原は1死から筒香にレフトオーバーの二塁打を打たれ、2死後バルディリスを歩かせたが倉本をセンターフライにとり、ピンチを切り抜けた。8回裏、左腕田中の前に2死を取られたが、福留がまたもバックスクリーン右に勝ち越しのソロホームラン。交代したエレラからゴメスがレフトスタンドに特大のソロホームランでダメ押し。9回表は、呉昇桓が三者凡退で逃げ切って連勝を5とのばした。ヒーローインタビューは11塁打4得点の福留。
◎ベイスターズ10回戦……6-2
 藤浪と三浦の先発で始まり、序盤は両投手とも持ち味を生かした投球。4回裏、タイガースが先制。福留がライトスタンドにソロホームランを放つと、続くゴメスも右中間に技と力のソロホームランで2点を奪う。しかし、直後の5回表、ベイスターズも反撃。先頭の黒羽根にライト前ヒットを打たれると、三浦はスリーバント失敗と抑えたが石川を歩かせ、関根のライト前タイムリーヒットで1点差とされる。梶谷は三振に取ったものの、筒香にレフト前に運ばれ同点とされた。5回裏、鶴岡がライト前ヒットで出ると、藤浪がバントで二進。上本がセカンド頭上を辛うじて越えるヒットで鶴岡は一気にホームインし、再びリード。三浦はこの回限りで降板。6回裏、二番手小杉からゴメスの四球とマートンのライト前ヒットでチャンスを作り、今成はバントしたが三塁封殺。ここで三番手には新人でプロ入り初登板の左腕福地。鳥谷の四球で1死満塁とし、代打狩野のショートゴロは二封のみの併殺崩れで1点を追加。さらに藤浪がレフト前にタイムリーを放ち、3点差とした。四番手平田には後続を断たれる。藤浪は7回を投げ切り、8回表は福原が好投。8回裏、五番手国吉に対し、マートンの四球、今成のライト前ヒット、鳥谷の四球で無死満塁に。1死後、代打新井良がライト前にダメ押しのタイムリーヒットを放ち、4点差とする。9回表は呉昇桓が2死から梶谷に強烈な当たりのセンター前ヒットを打たれたものの筒香をセカンドゴロに打ち取って試合終了。連勝を6に伸ばした。ヒーローインタビューはこの試合、3年連続の100奪三振を記録し勝利した藤浪。

愛すれどTigers週間MVP
投手……能見篤史
 前日、リリーフ陣の不調で引き分けに終わり、嫌な流れになりかけたところを自らのバットで打点をたたき出し、7回途中に足がつるアクシデントに見舞われながらも、チーム全体の流れを引き戻した。ベテランならではの好投。経験がものを言う勝利だった。
野手……福留孝介
 文句なし。ただ今絶好調。全盛期の輝きを完全に取り戻した。打撃も守備も走塁も、移籍後最高に充実している。

 次節は関東遠征。神宮球場でのスワローズ戦と横浜スタジアムのベイスターズ戦。いずれも甲子園でそれぞれ2連勝ずつして、嫌なイメージを与えている相手。それだけに勢いに乗って叩きつぶすというよりは、相手の反撃に耐えて粘りの野球で1戦ずつものにしていってほしい。
 オールスターファン投票の結果、タイガースからは鳥谷がショート部門で選ばれた。監督推薦ではもう少し選ばれることだろうが、投票時期が厳しい戦いを続けていた時期と重なったのでこうなったのだろう。監督推薦であとどれくらい選ばれるかが楽しみである。

(2015年6月29日記)


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