倉敷マスカットスタジアムのドラゴンズ戦は小熊に翻弄されて完封リレーで敗れ、甲子園に戻った第２戦は能見が打たれて連敗。第３戦は秋山の好投もあって延長戦で相手のミスでサヨナラ勝ち。１勝２敗。と踏みとどまる。東京ドームでのジャイアンツ戦は、頼みのメッセンジャーと藤浪が崩れて連敗したが、第３戦は岩田が中４日の強行ローテーションで１失点の好投、安藤がしっかり抑えるとマシソンから執念で勝ち越し点をもぎ取り１勝２敗。今節も２勝４敗。今季通算では４０勝４１敗１分。勝率．４９４で首位の座を明け渡し、２位に。首位ジャイアンツとの差は１．０ゲーム。
◎ドラゴンズ１３回戦……０－３
岩田稔と若松の投手戦。岩田は走者を出しながらも、粘りの投球。タイガースは２回裏チャンスを迎える。先頭のマートンがヒットで出ると、鳥谷のファースト強襲ヒットは、ルナの若松への送球を鳥谷が蹴ってしまい、球が転がる間にマートンは三塁へ。しかし今成のサードゴロでマートンが飛び出し、帰塁しようとしてタッチアウト。さらに一塁へ送球されて今成もアウトに。鶴岡のレフト前ヒットで一三塁としたが、岩田がショートゴロでチャンスを逸した。６回まで双方無失点でしのいでいたが、７回表に均衡が崩れる。１死から藤井の内野安打、堂上直の四球、桂のライト前ヒットで満塁とされ、代打森野のセンターへの犠牲フライで１点を先制された。ドラゴンズは７回裏から高橋聡、田島を投入し、逃げ切りをはかる。８回表、二番手歳内が打たれる。先頭の荒木雅に二塁打を打たれると、平田のセカンドゴロで三進。ルナのライトへの犠牲フライで痛い追加点を奪われた。さらに代打大島にレフト前ヒット、盗塁と攻められ、藤井のレフト前タイムリーで大きな３点目を失った。９回表は高宮がしのいで打線の反撃を待ったが、９回裏、福谷の前に先頭のゴメスがヒットを放つも、進塁打も打てず後続を断たれて完封リレーを許した。
◎ドラゴンズ１４回戦……１－５
能見が初回に先制を許す。２死から平田にレフトオーバーの二塁打を打たれると、ルナにレフトスタンドに２ランホームランを叩きこまれた。その後、走者を許しながらもなんとか踏ん張っていたが６回表に先頭の遠藤にヒットを打たれると、荒木雅のバントで二進。平田のライト前ヒットで一三塁とされ、ルナのファーストゴロで遠藤を三本間で狭殺したが、続く和田に右中間を破られる２点二塁打を打たれると、藤井にもレフトオーバーの三塁打でさらに１点を追加され、降板。二番手安藤は堂上直を三振に取ったが、ここでの２点は重かった。ドラゴンズはハーラートップの大野。３回裏、藤井の四球を能見がバントで送れず二封。上本が四球で一二塁としたが、大和のサードライナーで二塁走者能見が飛び出し併殺。５回裏には２死から藤井のヒットと能見の二塁打で二三塁としたが、上本のヒット性の当たりはセカンドライナーでチャンスを逸した。７回裏、マートンがバックスクリーン左にソロホームランを放ち、完封を逃れるのがやっと。タイガースは安藤、筒井が好リリーフでさらなる追加点を防いだが、結局大野の前に７安打を放ちながら得点に結び付けられず、連敗。またも五割を切ってしまった。
◎ドラゴンズ１５回戦……３－２
先制したのはタイガース。１回裏、ドラゴンズの先発小熊から上本がレフト前ヒットを放つと、大和が送り、福留のセカンドゴロで三進。ゴメスが歩いて一三塁とする。ここでマートンがレフト前にタイムリーヒットを放ち１点を奪う。２回裏には今成の四球、鶴岡のバスターが内野安打となり、秋山が送り、上本が歩いて１死満塁に。ここで大和はピッチャーゴロ併殺。３回裏にはゴメス、マートン、今成のヒットで２死満塁とするも鶴岡が空振り三振で得点できず。今季初登板初先発の秋山は援護のないままそれでもていねいな投球で無失点を続ける。待望の追加点が入ったのは５回裏。ゴメスがレフトスタンドにソロホームランを叩きこみ２点差とした。しかし、秋山は６回表につかまった。先頭の亀澤にヒットを許すと、続く遠藤を歩かせ大島のバントで１死二三塁に。平田のレフト前に落ちるタイムリーヒットで同点に追いつかれた。タイガースは７回から高宮、福原を投入し、走者を出しながらもなんとかしのぐ。ドラゴンズも６回から又吉、田島でタイガース打線を抑える。９回表からマウンドに上がった呉昇桓が１０回表にピンチに。先頭の亀澤を歩かせると、遠藤のバントと大島のヒット、平田への四球で１死満塁に。ここで代打和田をショートフライ、森野をセンターフライにとり、窮地を脱した。１０回裏はドラゴンズの若い左腕岡田の前にタイガース打線は沈黙。１１回表、安藤が谷繁にヒットを打たれるも後続を断つ。そして１１回裏、ドラゴンズは切り札福谷を投入するが、これが裏目に。先頭の上本が歩き、大和のバントで二進。さらに落ちる球を捕手の桂が弾きパスボールで三進。代打狩野、ゴメスが歩き満塁に。マートンの打席で、福谷が内角を突くも桂がこれをまた弾き、上本が生還してタイガースのサヨナラ勝利でけりがついたが、両チームとも満塁機であと一本が出ず、最後はバッテリーミスで決着というしまらない試合となってしまった。ヒーローインタビューはサヨナラのホームインをした選手会長の上本。
◎ジャイアンツ１２回戦……２－４
ジャイアンツの先発ポレダが初回に乱れた。１死後、俊介のセンター前のテキサスヒットはセンター立岡がダイレクトで取ろうとして失敗。俊介が二盗すると、捕手の加藤が悪送球で三進。福留の犠牲フライで１点を先制した。ここにつけこめなかったことが最後まで響く。メッセンジャーは２回裏、四球の阿部を置いて村田にライトスタンドに逆転２ランホームランを打たれる。１点のビハインドでメッセンジャーは粘る。しかしタイガース打線は走者を出してもなかなか続かない。３回裏、２死から上本がセンター前ヒットで出、二盗して揺さぶり、俊介が四球。しかし福留はセカンドゴロ。疲れの見えたメッセンジャーがついに根負け。６回裏、１死から阿部を歩かせ、村田はセンターフライに打ち取ったが加藤のライト線への二塁打で二三塁とされ、代打堂上剛にセンター前タイムリーを打たれた。さらに立岡にもライト前タイムリーを打たれ、３点差をつけられる。７回表、二番手山口に対し、１死から森越が四球を選ぶと、新井良がライト線に二塁打を放ち二三塁とする。代打関本のショートゴロの間に森越がホームインして２点差に。しかし、反撃もそこまで。７回裏は松田が走者を出しながらも村田の併殺などで切り抜ける。８回表はマシソンに対し、先頭の俊介がらいいと前ヒットを放ち福留の高いバウンドのピッチャーゴロの間に二進するも、ゴメス、マートンが連続三振で仕留め切れず。８回裏には筒井が加藤のヒットと松本のバスターで無死一二塁とされ、歳内にスイッチ。代打中井に送られ二三塁とされたが井端はショートゴロで加藤を三本間で狭殺。１死一三塁から井端に盗塁されるも坂本を三振に打ち取り、味方の反撃を待つ。９回表、澤村の前に三者凡退で煮え切らないままの敗戦となってしまった。
◎ジャイアンツ１３回戦……２－１１
タイガースは先発の藤浪がいきなり先制点を許した。１回裏、坂本にレフトスタンドにソロホームランを浴びる。さらに３回裏、先頭のマイコラスに二塁内野安打を許すと、立岡のバントで二進。井端にはセンター前ヒットを打たれて一三塁とされる。ここで打者坂本のところでワイルドピッチ。２点目を献上してしまった。タイガースは好調マイコラスの前に序盤から一人も走者を出せなかったが、４回表、２死から福留がライトスタンドにソロホームランを放ち、１点差に迫る。さらにゴメス、マートンの連打と鳥谷の四球で満塁まで攻め立てたが、今成がキャッチャーフライを打ち上げ、チャンスを逸した。ここでたたみかけられなかったことが後に響く。４回裏、１死から阿部を歩かせ、村田のヒットで一二塁とされると、相川に右中間を抜かれる二塁打を打たれてせっかくの味方の得点を帳消しにしてしまった。５回裏には２死から亀井を歩かせ、長野のヒットと阿部への四球で満塁とされ、村田に押し出し死球を与えてしまう。６回表、タイガースも反撃。先頭の俊介がセンター前ヒットを放つと、福留もライト前ヒットで続き無死一三塁に。ゴメスはキャッチャーフライに倒れたが、マートンはライトへ犠牲フライで１点を返す。さらに鳥谷が四球を選んで一二塁と攻め立てたが、今成は三振でここでもたたみかけられず。６回裏、好投のマイコラスへの代打堂上剛にセンター前ヒットを打たれると、立岡のヒット、亀井への死球などで２死満塁に。長野にライト前ヒットを打たれ１点を失ったところで藤浪は降板となった。二番手高宮は阿部にライト前２点タイムリーを浴び、なんとか後続は断ったものの、大きく差を広げられた。７回裏、三番手松田が炎上。２死から立岡に二塁打を打たれ、井端にレフトスタンドに２ランホームラン。坂本と亀井の連続二塁打でさらに１点、中井にセンター前タイムリーを打たれてこの回４失点。たまらず交代となり後は筒井が後続を断つ。ジャイアンツは宮國、矢貫のリレーでタイガース打線を封じ、タイガースも筒井が８回裏を抑えたが、大差をつけられたまま９回表も香月の前に三者凡退で連敗。
◎ジャイアンツ１４回戦……４－２
ジャイアンツ先発の菅野に対し、３回表に先制。先頭の鳥谷を俊介が送り、福留のセンター前ヒットで１点を奪う。それまでも満塁まで攻め立てながら得点できなかったりという嫌なムードを福留の一打が変えた。岩田はていねいな投球でジャイアンツ打線を抑えていたが、４回裏に試合が動く。先頭の坂本にセンター前ヒットを打たれたが、亀井はフルカウントから見逃し三振。エンドランで走っていた坂本を鶴岡が刺し、ピンチを脱した。と思った直後に長野にレフトスタンドに同点のソロホームランを打たれてしまった。岩田は５回１失点でマウンドを降りたが、中４日という強行ローテーションを考えると、十分な内容。６～７回は二番手安藤が巧みなコントロールでジャイアンツ打線を抑える。タイガースも７回１失点の菅野を攻めあぐねていたが、８回表に登板した二番手マシソンを攻め立てた。１死からマートンが右中間を破る二塁打で出ると、今成のレフト前ヒットと上本の死球で満塁に。代打狩野の当たりはセカンド後方に落ちるテキサスヒット。このタイムリーで１点リードしてなお満塁。続く代打新井良はレフト前に落ちるタイムリーで２点目。そして鳥谷がレフトへの犠牲フライで３点目と執念で勝ち越し点をもぎ取った。８回裏は福原が抑え。９回表、三番手高木京に対し２死から代打坂が歩き、盗塁。今成も歩いて高木京は降板。四番手矢貫も上本に四球で満塁に。さらにビッグチャンスというところだったが、大和が凡退して３点差のまま９回裏に。無論呉昇桓で締め。阿部にライトスタンドにソロホームランを打たれて２点差にされたが、後続は断ち、なんとか逃げ切り。執念で３連敗を阻止した。ヒーローインタビューは代打で勝ち越し打を放った狩野。
愛すれどTigers週間ＭＶＰ
投手……安藤優也 ここのところ、負け試合でも同点でも自分の投球をして無失点でつなぎ、流れをこちらにもってくる役割を果たしている。ベテランの卓越した投球術が、混戦からの脱出を演出してくれるか。
野手……狩野恵輔 決してきれいに打とうとしない。ただ食らいつくのみ。そこがいい。ここで３連敗したら苦しくなるジャイアンツ戦で、勝利を呼び込んだその一打だけで、今節のＭＶＰに値する働きをした。狩野には「代打の神様」などというきれいな呼び名よりももっとしぶとく食らいついて離さない「代打のピラニア」というような呼び名が似合いそうだ。
次節は甲子園に戻り、カープ戦。２連戦のあとオールスターブレイクに。じりじりと順位をあげてきたカープを突き離すとともに、勝ち越してオールスターを迎えたい。「６弱」とも呼ばれる混戦から抜け出すには連勝しかない。ベテランの加藤も一軍に戻ってきた。信頼できる左腕が中継ぎに一枚加われば、リードされている場面での無駄な失点も減ることだろう。さあ、折り返し点まで２試合。全力で試合をしてもらいたい。
（２０１５年７月６日記）
目次に戻る
ホームページに戻る