甲子園に戻ってオールスター直前のカープ2連戦。第1戦は能見が粘りの投球で二軍落ちの危機をなんとか踏ん張って取る。2連勝をもくろんだ第2戦はメッセンジャーが好投するも打線が振るわず敗れて今節は1勝1敗。今季通算では41勝42敗1分。勝率.494で3位に。首位ベイスターズとの差は0.5ゲーム。2位ジャイアンツとは同率ながら勝ち数の差でゲーム差はなし。大混戦はまだまだ続く。
◎カープ10回戦……5-2
先制したのはタイガース。カープ先発野村に対し、2死から福留がライト前ヒット、ゴメスがセンター前ヒットでチャンスを作り、マートンの三遊間を抜くヒットで福留が生還して1点をあげた。さらに3回裏、1死からショートのエラーで俊介が出ると、福留がまたもセンター前ヒットでチャンスを広げ、ゴメスの四球で満塁に。ここでマートンがレフトに犠牲フライで2点目を奪う。リードをもらったタイガースの先発能見は、2回表に2死から田中と會澤の連打でピンチを作るも野村を三振にとり無失点で切り抜ける。5回裏、またも福留のヒットとゴメスの四球で無死一二塁とするも、マートン、今成が凡退で嫌なムードに。ここで上本がセンターオーバーの二塁打を放ち、2点を追加。さらに鶴岡は四球、能見のセカンドゴロは菊池が弾いて満塁に。野村はここで降板し、左腕の飯田がマウンドに。しかし鳥谷のライト前タイムリーでダメ押しとも言える5点目を奪った。カープは永川、今井のリレーでタイガース打線の追加点を阻み、打線の反撃を待つ。能見は7回表、2死から堂林のセンター前ヒットと、丸のセカンドゴロの送球をゴメスが弾くエラーでピンチに。菊池にはレフト前タイムリーを打たれ、この回限りで降板。8回表、福原は1死から二塁打の鈴木誠を代打松山のセンター前タイムリーで返されて1点を失うが、なんとか踏ん張り、9回を呉昇桓に託す。呉昇桓は1死から丸にヒットを打たれたが、菊池を浅いライトフライに打ち取ると、シアーホルツを空振り三振に打ち取り逃げ切った。勝率を五割に戻し、オールスター前に勝ち越せるチャンスを残した。ヒーローインタビューは先制打など2打点のマートンと先発で6勝目の能見。
◎カープ11回戦……0-3
タイガースが拙攻の連続で連勝を止めてしまった。カープの先発は新人の薮田。1回裏、先頭の鳥谷が四球で出たが、続く俊介はバント失敗の末バスターでショートゴロ併殺。その直後に福留のヒットが出るというちぐはぐさ。3回裏には先頭の藤井が四球で出ると、メッセンジャーがバントで送り、鳥谷凡退の後、俊介は肘に死球、福留は四球。満塁としながらゴメスは三振。タイガースの先発メッセンジャーはよく辛抱していたが、4回表に崩れる。菊池のレフト前ヒットと丸への四球でピンチを作り、新井貴の一二塁間を破るタイムリーヒットで先制された。直後の4回裏、1死から上本が左中間を破る二塁打を放つと、坂は肩口に死球を受け、警告試合を宣告される。藤井も四球で満塁としたが、メッセンジャーは三振、鳥谷はレフトフライで2度目の満塁のチャンスもものにできない。薮田は4回限りで降板し、左腕の戸田が5回からマウンドに。5回裏も福留の四球とゴメスのヒットでチャンスを作るが、マートンはサードゴロで二封。上本は三振と、同点機を逸する。メッセンジャーは中4日ということもあり、6回1失点で今季初登板の加藤にスイッチ。7回表、先頭の松山を歩かせ、木村昇にバントを決められ、三番手安藤に交代。安藤は會澤にレフト前にタイムリーヒットを打たれ、痛恨の追加点を与えた。カープは大瀬良でつなぐ。タイガースも8回表は福原がきっちりおさえたが、負けている展開で9回表に呉昇桓をつぎこみ、失敗。9回表、先頭のシアーホルツを歩かせ、代走赤松という場面で野間にバントを決められる。木村昇の当たりはレフト前に落ちるテキサス性のタイムリーヒット。風がいつもの逆に吹いていたのも大きかった。9回裏、中崎に対し、先頭の代打関本がヒットで出ると、鳥谷の一塁への当たりは新井貴のファインプレーに阻まれるが中崎のベースカバーが遅れ内野安打となる。しかし、大和はショートへのインフィールドフライ。頼みの福留がセカンドゴロ併殺で試合終了。前半戦最後の試合を勝利で飾れなかった。
愛すれどTigers週間MVP
投手……能見篤史 勝ち越しており返す可能性をもたせる勝利をあげ、チームに希望をもたせた。後半戦に入っても今日の勝利を忘れず、このまま最後まで勝ち続けてほしい。信頼を取り戻せるまでは、まだまだ負けられない。
野手……マット・マートン 能見の援護をする活躍で、交流戦後の打率3割をキープ。ゴメスとマートンの両名が本調子になっていけば、そうそう打ち負ける打線ではないのだ。
次節はオールスター明けには甲子園でジャイアンツ戦。1日おいて甲子園でベイスターズ戦。目の上野たんこぶを叩いて一気に浮上できるチャンスだが。とにかく1試合ずつ粘り強い試合を見せてもらいたい。
オールスターでは初戦で藤浪がなみいるパ・リーグの猛者を3回パーフェクトに抑えもMVPに輝いた。鳥谷も2試合連続でヒットを放ち、呉昇桓も2戦目の締めくくりに登板して期待通りの投球を見せた。オールスターで活躍したチームが勢いをつけて後半戦に活躍するという例は過去に何度もある。これをきっかけにさらに後半戦も大活躍してくれると信じている。
(2015年7月19日記)