オールスター明けのカードは甲子園でジャイアンツ3連戦。第1戦は岩田が好投するもマイコラスを打てず敗れたが、2戦目からはメッセンジャー、能見がそれぞれ好投し、第3戦では苦手のポレダを攻略した上に江越のホームランが効果的に出て2勝1敗とカード勝ち越し。1日おいて続けて甲子園でベイスターズ3連戦。初戦は藤浪の完封に江越の2試合連続ホームランでとり、第2戦は岩崎が崩れて連勝が止まったが、第3戦は中4日でメッセンジャーが好投し、江越のタイムリーを含むプロ入り初の猛打賞で快勝。2勝1敗で2カード勝ち越し。今節は4勝2敗。今季通算では45勝44敗1分。勝率.506で2位に。首位スワローズとの差は1.0ゲーム。3位ジャイアンツとは1.0ゲーム差。大混戦はなおも続く。
◎ジャイアンツ15回戦……0-2
先発の岩田が初回に不運な失点。先頭の立岡のサードゴロを今成がファンブルし、内野安打とする。井端に送られ、坂本の三遊間を抜く弱い当たりのレフト前ヒットで1点を奪われた。しかし、岩田はよく粘り、後続を断つ。2回以降も走者を出しても低めをていねいについて失点しない。6回表に先頭の坂本にヒットを許し、亀井のバント、長野のセカンドゴロで三塁まで進められたが、阿部をファーストフライにとってここもピンチを脱した。対するジャイアンツの先発マイコラスに対し、タイガースはなかなかチャンスが作れない。6回裏、2死から福留が歩くと、ゴメスがレフト前ヒットでこの試合初めて得点圏に走者を進めるが、マートンはセカンドフライ。7回裏には1死から上本がヒットで出ると鶴岡が送り、代打関本を送りだすが、ヒット性の当たりもセカンド井端に好捕され、得点にならない。8回表は二番手安藤が好投。8回裏、ジャイアンツの二番手山口から先頭の鳥谷がサードへの内野安打。続く大和が送り、福留はいい当たりだがレフトフライに。ゴメスに対しては三番手マシソンをぶつけてきた。制球の定まらないマシソンに対し、ゴメスがよく見て四球で満塁に。マートンに対しては澤村を投入。マートンは力のないサードゴロで逆転機を逸した。9回表、三番手高宮が1死から長野をファーストファールフライにとったと思った瞬間、ゴメスが落球。そしてセンターバックスクリーンに追加点となるソロホームランを叩きこまれた。高宮は阿部を三振に打ち取ったところで歳内に交代し、歳内は村田をライトフライにとって、打線の逆転を待つ。9回裏、澤村に対し1死から上本がヒットを放ったが、代打狩野、新井良が続けて凡退し、完封リレーを許してしまった。
◎ジャイアンツ16回戦……2-1
タイガースの先発はメッセンジャー。初回、2死から坂本にライト前ヒットを許すと、亀井のショートライナーは鳥谷が弾いてエラー。長野の三塁内野安打で満塁のピンチを招いたが、阿部をライトフライに打ち取り無失点で切り抜けた。4回表には阿部と村田の連打でピンチを招くが、加藤がバスターで打って出てショートゴロ併殺。三塁に走者を残したが、杉内をレフトフライに取ってまたもピンチをしのいだ。ジャイアンツの先発は杉内。5回までヒットは出ても進めることができず苦戦していたが、6回裏にワンチャンスをものにする。先頭の鳥谷が一二塁間を破るヒットで出ると、上本が二塁に送り、福留は内野フライに打ち取られたものの、ゴメスが敬遠気味の四球。ここでマートンがレフトの頭を越す2点タイムリー二塁打を放ち、ついにリード。メッセンジャーは8回を投げて無失点の好投。ジャイアンツは杉内のあと、笠原、宮國のリレーでタイガースを抑えるが、ジャイアンツ打線は援護できない。9回裏、二番手呉昇桓が先頭の阿部にヒットを打たれ、代走には鈴木尚。しかし呉昇桓はランナーを無視して打者勝負。村田を浅いセンターフライに取り、代打高橋由は三振。鈴木には投球の間に二塁に進まれ、代打相川のレフト前タイムリーヒットで1点差に迫られたが、代打中井をセンターフライに打ち取り逃げ切った。ヒーローインタビューは無失点で久々の勝利のメッセンジャーと決勝打のマートン。
◎ジャイアンツ17回戦……4-2
ジャイアンツの先発はここまでタイガースに4勝のポレダ。その立ち上がりをつかまえる。鳥谷がレフト線にヒットを放つと、上本が送る。福留はショートゴロに打ち取られたが、ゴメスが四球。マートンは死球で2死満塁に。ここで新井良がセンターオーバーの走者一掃となる二塁打を放ち、3点リード。タイガースの先発能見は打線の援護もあり、粘りの投球。3回表には2死からポレダのショートへの内野安打と立岡への四球でピンチとなるが、井端の三遊間の当たりを新井良が好捕し、サードゴロで難を逃れた。4回表には坂本と長野への四球で1死一二塁とするも、阿部をセカンドゴロ併殺に仕留める。5回表、1死から小林と代打大田の連打でまたもピンチに。立岡は見逃し三振に打ち取ったが井端にセンター前にタイムリーを打たれて2点差とされた。しかし、6回裏、二番手笠原から江越が左中間スタンドに飛び込むソロホームランで突き放す。7回表、二番手安藤が代打堂上剛にライトスタンドにソロホームランを打たれて2点差に戻されたが、8回から福原、呉昇桓の必勝リレーで逃げ切り、連勝。勝率を五割に戻し、首位に立った。ヒーローインタビューは先制の二塁打の新井良とホームランの江越。
◎ベイスターズ14回戦……2-0
タイガースの先発は藤浪。自分のミスでピンチを作る。3回表、先頭の倉本に初安打を打たれると、高城のバントに対し打者走者に自らタッチしに行ったがタッチできず、あわてて送球するもセーフ。井納にバントを決められて1死二三塁とされる。しかし、石川を三振に取ると、松本啓は歩かせたが梶谷はセカンドゴロでピンチを脱した。以降は危なげない投球でベイスターズ打線を抑えた。打線はベイスターズ先発井納の前になかなかチャンスを作れない。初回に鳥谷がヒットを打つも、上本のバントは飛球となり、後続を断たれる。7回裏、2死から今成がセンター前ヒットで出ると、江越が2試合連続となる2ランホームランをレフトスタンドに運び、ついに先制。8回裏には先頭の鳥谷の二塁打を今度は上本がなんとかバントを決めて三進に成功。福留のライトへの大きな犠牲フライで追加点を奪う。藤浪は尻上がりによくなり、9回表、完封をかけてマウンドに。筒香とバルディリスのヒットで1死一二塁とされたが、代打後藤を空振り三振に取ると、代打宮崎をライトフライに打ち取り、今季2度目の完封勝利を決めた。ヒーローインタビューは完封の藤浪と、決勝ホームランの江越。
◎ベイスターズ15回戦……2-5
先制したのはタイガース。ベイスターズの先発の若手左腕砂田に対し、3回裏、先頭の岩崎がセンター前に落ちるヒットを放つと、鳥谷のショートゴロは二封されたが併殺崩れで1死一塁に。上本のセンター前ヒットと福留の四球で満塁とすると、ゴメスのライトへの犠牲フライで1点先制。さらにマートンがレフト線へ二塁打を放ち、2点目を加える。しかし新井良はファーストへのファールフライでビッグイニングは作れず。タイガースは久々の先発となった岩崎が4回まで無失点の好投を見せるも、5回表に崩れた。先頭のバルディリスに二塁打を打たれ、1死後。黒羽根のライト前タイムリーヒットで1点を失う。代打柳田は三振に取ったが、代打桑原のセンター前タイムリーヒットで同点に。続く白崎、梶谷にも連続タイムリーヒットを浴び、この回4失点で降板。筒香は二番手の加藤が三振に取り、なんとか流れを押しとどめる。6回からは歳内が登板。7回表、白崎にレフトスタンドにソロホームランを打たれて3点差とされる。8回からは岩本が好投して打線の援護を待つ。しかし、5回以降は、小杉、大原、平田と1回ずつ無失点でつながれ、9回裏はクローザー山崎康に抑えられて反撃できず、連勝ストップ。
◎ベイスターズ16回戦……3-0
先制したのはタイガース。ベイスターズ先発山口に対し、2回裏、先頭の今成が歩くと江越がレフト前ヒットで続く。藤井はバント失敗の末三振に倒れ、メッセンジャーのセカンドゴロで2死二三塁に。ここで鳥谷がセンター前に2点タイムリーを放つ。5回裏には先頭の福留のヒット、1死後マートンもセンター前に弾き返し、今成の三振で2死一二塁となるが、江越が三遊間を破るタイムリーで福留を迎え入れ、大きな追加点を奪った。メッセンジャーは初回に三塁まで走者を進められたがそこを切り抜けると危なげない投球を続ける。6回裏、代打乙坂に三塁への内野安打を打たれると二盗を許し、2死後、梶谷の一塁ゴロをゴメスが弾き、それでも間一髪でベースカバーのメッセンジャーに投げるが判定はセーフ。一三塁のピンチも筒香をレフトマートンへの強烈なライナーに打ち取ってピンチを脱した。8回表は福原が登板。乙坂の内野安打、代打後藤のレフト前ヒット、筒香への四球などで2死満塁とされ、呉昇桓に交代。呉昇桓はロペスをセカンドフライに打ち取る。ベイスターズは6回以降、福地、長田、エレラとつないでタイガース打線を封じたが、9回表も呉昇桓の前に三人で打ち取られ、試合終了。ヒーローインタビューは中4日でまたも無失点の好投を見せ7勝目のメッセンジャー、先制タイムリーの鳥谷、プロ入り初の猛打賞を記録した江越。
愛すれどTigers週間MVP
投手……ランディ・メッセンジャー 中4日のフル回転で今節だけで2勝を稼ぐ。来日通算奪三振数も郭源治(D)、郭泰源(L)、ジョー・スタンカ(H)に続く歴代4位を記録。後半戦、夏に強いエースが絶好調だ。
野手……江越大賀 2試合連続の、しかもいいところでの一発は将来の主砲を予感させる美しい放物線。我慢して使い続けた和田監督の期待にようやくこたえはじめた。次節にも期待大。
次節はナゴヤドームでドラゴンズ2連戦。1日おいて甲子園で好調スワローズ3連戦。下位に沈んでいるドラゴンズを叩いて勢いをつけ、甲子園では弱いスワローズに勝って首位の座をもぎ取ってほしいもの。長期ロードが眼前に迫ってきているだけに、ここで本拠地の利を生かしておきたい。
(2015年7月27]日記)