愛すれどTigers


藤浪が3年連続の10勝目

 今節は地元関西に戻り京セラドーム大阪でドラゴンズ3連戦。第1戦は雄太を打ち崩し能見が好投して先勝。第2戦はメッセンジャーの好投になかなか打線がこたえられなかったが、坂の三塁打で勝利。第3戦は大野に対して秋山が一歩も引かぬ好投を見せ、狩野の3ランで勝ち、3勝0敗。続く神宮球場でのスワローズ3連戦は首位争いという大事なカード。初戦は藤浪が不調ながらも自らのタイムリーをきっかけに立ち直り10勝目をあげる。第2戦は岩田が乱調で大敗。しかし第3戦は岩崎の好投と鳥谷、福留の一発でカード勝ち越しの続けて2勝1敗。今節は5勝1敗。今季通算では57勝49敗1分。勝率.538で首位を守る。2位スワローズと3位ジャイアンツの差は3.5ゲームと開いた。

◎ドラゴンズ18回戦……3-1
 ドラゴンズ先発の雄太を初回に攻略。先頭の鳥谷がレフト線に二塁打を放つと、大和のバントは雄太が処理をもたつき内野安打となって無死一三塁に。1死後、ゴメスがライト前に先制タイムリーヒットを放つ。マートンのライト前ヒットで満塁とし、新井良の一塁ゴロは一塁森野の前で大きく弾んで頭を越し、ライト線への2点タイムリー二塁打となった。雄太はこのあと立ち直り、タイガース打線を抑えるが、初回の集中打が効いた。タイガースの先発は能見。初回から安定した投球でドラゴンズ打線を抑える。4回表、先頭の大島にレフト線に二塁打を打たれるが、内野ゴロで2死を取る。ここで和田にセンター前タイムリーヒットを打たれて1点を失ったが森野をショートゴロに打ち取って最少失点にとどめる。以降も走者を許しても後続を断つ粘りの投球でリードを保つ。雄太は7回裏、先頭の鶴岡を歩かせたところで降板。二番手岡田に対し、能見はスリーバント失敗となったが鳥谷がヒットを放ち1死一二塁とする。しかし、大和、福留が連続三振に倒れて追加点が取れない。能見は8回1失点で降板。9回表は小熊に抑えられたが、9回裏、呉昇桓が先頭のルナにヒットを打たれるも平田、和田、森野の中軸を抑えて逃げ切り。ヒーローインタビューは9勝目をあげた能見。
◎ドラゴンズ19回戦……3-1
 タイガースメッセンジャー、ドラゴンズバルデスの投手戦。先制したのはタイガース。3回裏、1死から藤井彰がレフトオーバーの三塁打を放つと、メッセンジャーが三遊間を破るタイムリーヒットで1点を奪う。しかし、タイガース打線の中軸はバルデスにタイミングが合わず、追加点が取れない。5回表、メッセンジャーは和田、エルナンデス、杉山のヒットで1死満塁のピンチを招くが、バルデス、遠藤を連続三振に取ってピンチを脱した。しかし、6回表、1死からルナを歩かせ、平田のレフト前ヒットで一三塁とすると、和田のサードゴロは二封のみで併殺が取れず、ルナが生還して同点に。6回裏、メッセンジャーの代打中谷のセンター前ヒット、鳥谷のライト線の二塁打で無死二三塁とバルデスを攻めるが、代打狩野はキャッチャーフライ、福留は見送り三振、ゴメスはショートフライとあと1本が出ない。タイガースは7回表を安藤が、8回表を福原が締める。8回裏、ついに疲れの見えたバルデスをとらえた。2死から鳥谷がライト線に二塁打。ここで途中からセカンドの守備についていた坂が左中間を破るタイムリー三塁打で勝ち越すと、続く福留もライト線へのタイムリー二塁打で続き、2点差とする。9回裏は呉昇桓が三者凡退で逃げ切った。呉昇桓は日韓通算350セーブを記録。ヒーローインタビューは決勝打となる三塁打の坂。
◎ドラゴンズ20回戦……4-1
 ドラゴンズの先発は大野。タイガース打線は福留を休ませ狩野を3番に入れる布陣。しかし初回は三者三振に打ち取られる。2回裏、ゴメスがレフトスタンド中段にソロホームランを叩きこみ1点を先制。タイガースの先発秋山はこの1点をていねいな投球で守る。6回まで切れのある球でフライアウトを多く取り無失点で切り抜けた。7回表、1死から森野を歩かせると、エルナンデスに左中間を破る同点タイムリー二塁打を打たれてしまったが、藤井淳のレフトファールフライをレフトマートンが好捕すると、大野もセカンドゴロで仕留めて同点にとどめる。7回裏、疲れの見えた大野を攻める。先頭のゴメスが四球で出ると、マートンのライト前ヒット、代打俊介のバントはサードが取るも投げられず無死満塁に。代打福留はセカンドゴロでホームアウト。鶴岡は三振、代打江越はピッチャーゴロでとらえきれない。8回表は福原が亀澤にヒットを打たれるも無失点で切り抜ける。8回裏、ドラゴンズ二番手の又吉に対し、2死から狩野がレフトスタンドに勝ち越しソロホームランを放つと、ゴメスとマートンの連打、俊介の四球で満塁に。今成はセンター前に2点タイムリーを放ち、差を広げる。9回表は呉昇桓が森野の四球、藤井淳のヒットで2死一二塁とされるも代打赤坂をレフトフライに打ち取って逃げ切った。ヒーローインタビューは決勝ホームランの狩野。
◎スワローズ17回戦……7-3
 タイガース先発藤浪が立ち上がりから不調。2回裏、雄平とデニングに連打を浴び、2死後、古野を歩かせ満塁に。ここで三輪も歩かせ押し出し四球で1点を与える。川端は三振に取ってこの回はなんとか切り抜けた。3回表、スワローズ先発の古野に対して江越が同点のソロホームランをレフトスタンドに。それでも藤浪はなかなか修正できない。3回裏、先頭の山田に二塁打を打たれ、畠山のショートゴロで三進。雄平を歩かせて一三塁とされ、暴投で山田はホームイン。またもリードを許す。デニングは一塁ゴロに打ち取るが今浪を歩かせまたもピンチに。ここで中村を三振に取って最少失点で切り抜けた。古野は相手に献上してもらったリードを守れない。4回表、先頭のゴメスに死球、続くマートンを四球で歩かせる。今成のセカンドゴロと江越の三振で二死となるも、鶴岡の三塁線を破るタイムリー二塁打で同点に。なおも二三塁で藤浪が三塁横を破る2点タイムリー二塁打で勝ち越す。これで古野は降板し、二番手松岡が後続を断つが、流れはタイガースに。4回以降は藤浪が立ち直り、7回まで無失点で投げ切った。スワローズは5回から秋吉が登板。5回表、先頭の大和が左中間に二塁打を放つと福留が送って三進。ゴメスのライト前タイムリーヒットで3点差に。7回表は久古に抑えられたが、8回表、1死から登板したロマンに対しゴメスが歩き、ロマンの暴投で二進。マートンはショートゴロ。代走の荒木郁を今成がレフトオーバーのタイムリー二塁打で返して4点差とする。8回裏、二番手歳内が先頭の畠山に死球を与えると、三番手高宮にスイッチ。雄平はサードファールフライに取ったがデニングに死球で降板。安藤が四番手で出るが、大引は外野フライに打ち取ったが中村にライト前にタイムリーを打たれて3点差に。9回表、六番手オンドルセクの前に鶴岡と代打伊藤隼が連続三振に取られるも、鳥谷のライト前ヒット、大和のレフト前ヒットで一二塁とし、福留のライト前タイムリーヒットでまたも4点差にひき離す。9回裏、五番手岩本は三輪と川端に連打を浴び無死一三塁とされるが、呉昇桓がこのピンチに山田、畠山、雄平を連続三振に取って逃げ切り。6連勝を飾った。ヒーローインタビューはハーラートップとなる3年連続10勝をあげた藤浪。
◎スワローズ18回戦……1-9
 タイガースの先発岩田は立ち上がり快調。3回をパーフェクトに抑える。対するスワローズの先発館山は四球を連発する苦しい立ち上がり。2回表、今成、江越の連打から鳥谷の四球などで2死満塁と攻め立てるも大和がショートゴロに打ち取られて得点できず。4回裏、岩田は先頭の比屋根にセンター前に初安打を許すと、川端のライト前ヒットで無死一三塁とする。打者山田のところで暴投、まず1点を献上した。山田にもライト前ヒットでまたも一三塁に。畠山はショートゴロ併殺に打ち取ったが、その間に川端が生還して2点目を許す。5回表、タイガースは反撃。1死からゴメスが歩くと、マートンと今成の連打で満塁とし、江越の打球はサードを襲う。川端の弾いた球をショート大引がバックアップして二封。その間にゴメスが生還して1点を返した。しかし、反撃もここまで。5回裏、先頭の大引にセンター前ヒットを打たれると、荒木貴のバントで二進。中村のヒットで一三塁とされ、ここでまたも暴投で1点を与える。この暴投で中村は三進し、代打田中浩のショートゴロは併殺崩れとなり、さらに1点を失う。岩田はこの回限りで降板した。6回からは歳内の好投で追加点を阻んだが、スワローズも6回から松岡、秋吉、オンドルセクの継投でタイガース打線を抑える。8回裏、三番手岩本が乱調。先頭の川端に二塁打を打たれると、山田、畠山と連続四球で無死満塁とし、降板。四番手高宮は雄平をセカンドゴロに打ち取ったかと思われたが高く弾んで坂の頭を越し、ライト前2点タイムリーとなる。高宮はスワローズ打線の勢いに呑みこまれ、大引、三輪、中村の三連打でさらに3点を追加され、降板。五番手山本が登板し、スワローズ打線を抑えた。9回表にはバーネットが登板。タイガース打線はマートンのヒットでかろうじて意地を示したのみで逃げ切られた。
◎スワローズ19回戦……6-1
 スワローズの先発石山に対し、1回表、鳥谷がライトスタンドに先頭打者ホームランを放ち、1点を先取する。タイガースの先発は岩崎。立ち上がりからコントロールが定まらないが、スワローズ各打者のタイミングを狂わせてなんとか抑える。3回裏、先頭の中村を歩かせるが、石山のバントは小フライに終わる。中村は盗塁で二進。2死後、川端のショートゴロを鳥谷が後ろにそらし、中村は一気に生還、同点に追いつかれた。その後は両投手がタイミングをずらしながら無失点で試合は膠着状態に。均衡を破ったのは6回表。1死から鳥谷が歩くと、大和のセーフティバントは内野安打となった上に畠山の送球をベースカバーの山田が後逸して鳥谷が三進。ここで福留がライトスタンドに3ランホームランを打ちこむ。荒木郁のバットを借りてのホームランで、ベンチ前で出迎える荒木郁に福留がハグする場面も。岩崎は6回裏に先頭の山田に二塁打を打たれるも後続を断って反撃の芽を摘む。7回表、先頭の今成がヒットで出ると、代打俊介のバントは二封され、失敗。続く藤井がバントを決め、俊介は二進。代打狩野がセンターオーバーのタイムリー二塁打で1点を追加し、石山はここで降板。二番手の久古から鳥谷がライト前ヒットを放つも、狩野は本塁憤死。7回裏、二番手安藤が無失点で切り抜けると、8回表にはスワローズ三番手ロマンから大和がセンター前ヒット。福留の左中間を破るタイムリー二塁打でダメ押しの1点を加えた。8回裏は福原が先頭の山田に二塁打を打たれるも後続を断つ。9回表、四番手徳山から俊介の二塁打、藤井のライト前に落ちるテキサスヒット、代打伊藤隼の四球で無死満塁と攻め立てるが、鳥谷はショートゴロで本塁、三塁と送られる併殺。大和もライトフライに倒れ得点はならず。9回裏、歳内が登板したが、足の状態が悪く1死後代打今浪、代打武内に四球を与えてしまう。ここで山本がマウンドに。代打荒木貴をセカンドゴロ併殺に打ち取って試合終了。ヒーローインタビューは決勝のホームランと日本通算300二塁打を放った福留。

愛すれどTigers週間MVP
投手……秋山拓巳
 勝ち星はつかなかった。しかし、相手は天敵大野。秋山はローテーションの谷間。ここまで一歩も引かない好投をすると誰が予想しただろうか。6人目の先発として、もう一度チャンスを与えたい。誰よりも勝ち星に飢えている男が、次こそ白星を記すことだろう。
野手……狩野恵輔
 福留を休ませるために3番に入ると決勝ホームラン。代打で中押しのタイムリーと、ここぞというところでの働きが光る。ベテランの域に入ってきて、打席での集中力が今季は一段と増している。優勝に向けて欠かせない選手として、その存在感は大きくなるばかりだ。

 次節は首位争いの第二弾となる東京ドームでのジャイアンツ3連戦。続いて京セラドームに戻ってベイスターズ3連戦。長期ロードをここまですべて勝ち越してきているだけに、その勢いでジャイアンツを蹴散らしてほしい。これまでこの時期はタイガースが2位で首位のジャイアンツを追いかけるというパターンが多かったが、3.5差で首位と優位に立っているだけに、余裕を持って戦えるはず。ベイスターズも一時の勢いを失っている。ここらあたりで勝ち越しの数を10に乗せておくと、一気に独走という感じになるので、なんとか今の勢いを保っていってほしいところだ。

(2015年8月17日記)


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