愛すれどTigers


ジャイアンツに負け越し決定も首位がっちり

 今節は東京ドームでジャイアンツ3連戦。第1戦はマイコラスに手も足も出ずメッセンジャーは気合が空回りして完敗。第2戦は能見が5回に突如乱れて3投手で12失点と惨敗。第3戦は藤浪と菅野が互いに一歩も引かぬ投手戦を見せたが、9回裏に力尽き、呉昇桓がサヨナラ打を打たれて惜敗。よもやの0勝3敗。今季のジャイアンツ戦負け越しが早々と決まった。それでも0.5差で辛くも首位にとどまる。そして京セラドーム大阪でのベイスターズ3連戦はベイスターズが攻守に冴えない。初戦は岩田が丸刈りにして背水の陣を敷き、好投して連敗を止める。第2戦は岩崎が悪いなりによく抑え、連勝。第3戦はメッセンジャーが持ち味を生かした投球で久々の勝利。3タテを取り返す3勝0敗。今節は3勝3敗。今季通算では60勝52敗1分。勝率.536で首位を守る。2位ジャイアンツがカープに負け越したため2.5ゲーム差と持ち直し、3位スワローズとの差は4.5ゲームと開いた。

◎ジャイアンツ18回戦……1-8
 タイガースの先発メッセンジャーは明らかに力が入り過ぎていた。1回裏、先頭の立岡にセカンド内野安打を打たれ、片岡にバントで送られると、カウントを悪くしたところで坂本にセンター前に落とされて1点を先制される。2回裏は1死二三塁のピンチをなんとかしのいだが、3回裏につかまる。1死から坂本、安部、長野を歩かせて満塁に。亀井は三振に取ったが、村田にレフト横に走者一掃の二塁打を打たれて3点を追加された。4回裏には先頭のマイコラスにセンタ―前ヒットを打たれると1死後、片岡の二塁打で二三塁とされ、坂本を歩かせて満塁に。続く阿部も押し出し四球で5点差と差は開く一方。メッセンジャーはここで降板し、歳内につなぐ。歳内は後続を断ち、5回裏も無失点で切り抜けた。タイガース打線はマイコラスの前に手も足も出ない。6回2死までパーフェクトに抑えられる。その6回表2死から、梅野がサード村田のエラーで出塁し、パーフェクトは阻止。鳥谷が歩いて一二塁とすると、大和のショートゴロは二封しようとした坂本の悪送球で梅野が一気にホームイン。ノーヒットで1点を返した。6回裏、三番手の金田が炎上。久々の一軍で堅くなったのか、先頭の片岡にレフトスタンドにソロホームランを叩きこまれると、坂本、安部、亀井を歩かせて1死満塁に。村田にセンター前に2点タイムリーヒットを打たれ、致命的な3失点。タイガースは7回から高宮、山本の両左腕がよくつないで無失点で切り抜けたが、打線はマイコラスの前に無力。7回表、先頭のゴメスがこの試合唯一となるレフト前ヒットを放つも、マートンの併殺で反撃できず。9回まで走者を出せずにそのまま完敗。ゴメスのヒットがなければノーヒット1ランという珍記録を作らせてしまうところだった。
◎ジャイアンツ19回戦……3-12
 序盤はタイガースのペース。2回表、ジャイアンツ先発内海からマートン、新井良のレフトスタンドへの連続ソロホームランで2点を奪うと、続く江越が右中間を破る三塁打。ここで鶴岡はセンター前タイムリーを放ち、さらに1点を追加する。4回表、マートンが四球を選ぶと、新井良のライト前ヒットで無死一三塁に。ここで内海は降板。二番手土田に対し江越はサードへの内野安打で満塁の好機。しかし、鶴岡がサードゴロでホームゲッツー、能見は三振と得点できなかった。5回表、先頭の鳥谷がヒットと盗塁、福留の四球で1死一二塁のチャンスを作るもゴメスは三進、マートンは併殺とまたも追加点が取れない。4回までノーヒットピッチングの能見が、5回裏、突如乱調。長野と亀井の連打で無死一二塁とされ、村田の右中間を破る二塁打で1点を返される。二三塁で小林にレフト前タイムリーを打たれ、代打井端の犠牲フライで同点に追いつかれる。立岡には左中間を破る二塁打を打たれて1死二三塁とされると片岡のレフト前2点タイムリーで勝ち越される。ここで能見は降板。しかし、勢いのついたジャイアンツ打線を二番手歳内は止められない。坂本にはレフト線にタイムリー二塁打を打たれると、阿部と長野を歩かせ満塁に。歳内に変わって山本がマウンドに上がるが、亀井に右中間を破る2点タイムリー二塁打を打たれる。さらに村田にレフト線への2点タイムリー二塁打。小林は浅いライトフライに取るが、井端、立岡を歩かせてまたも満塁に。片岡にレフト線2点タイムリー二塁打でこの回なんと10被安打12失点。6回以降は石崎、高宮が1安打無失点に抑えただけに、5回裏だけで負けてしまったということになる。ジャイアンツは6回から小山が登板。しかし、タイガース打線に反発力はなく、毎回のように走者は出すが打線が続かずそのまま逃げ切られた。
◎ジャイアンツ20回戦……1-2
 タイガース藤浪とジャイアンツ菅野の投手戦。先制したのはジャイアンツ。2回裏、亀井の四球で2死一塁とされ、小林の左中間を破るタイムリー二塁打で1点を奪われた。しかし、4回表、先頭の福留がライトスタンドに同点のソロホームランを放つ。6回表には2死から福留が二塁打を打つが、ゴメスが空振り三振でチャンスを逸する。直後の6回裏、阿部と長野の連打などで1死一三塁とされるも村田を三振に取ってピンチを脱した。7回表にはヒットのマートンを今成のバントと代打伊藤隼のファーストゴロで三塁に進めるも鶴岡がセカンドゴロ。8回表、1死から鳥谷が歩き、大和のバントで二進。福留が敬遠され、ゴメスはまたも三振。8回裏には坂本への四球、阿部のヒット、長野への死球で1死満塁とされたが、代打高橋由、村田を連続空振り三振に退ける。9回表、先頭のマートンがヒットで出、今成のバントで二進。しかし俊介は浅いライトフライ、代打新井良はレフトフライに倒れてホームが遠い。9回裏、藤浪はもう限界だったか。先頭の小林に死球を与えると、代打橋本のバントを藤浪はファンブルしてオールセーフ。立岡にはライト前ヒットを打たれて無死満塁に。ここで藤浪は無念の降板。呉昇桓は片岡をファーストフライに打ち取ったが、坂本に食らいつかれ、当たりは悪かったが左中間に落とされてタイムリーヒットとされサヨナラ負け。藤浪が最後に力尽きた見ごたえのある試合であった。
◎ベイスターズ20回戦……3-2
 タイガースが先制。ベイスターズ先発の砂田に対し、2回裏、先頭のマートンがセンターオーバーの二塁打で出ると、新井良三振のあと、江越がセカンドへの内野安打で一三塁とする。久々の先発マスクとなった梅野が右中間を破るタイムリー二塁打で走者一掃。2点をまず奪う。岩田は三振に倒れたが、鳥谷が二遊間を抜くタイムリーヒットで3点目を取る。タイガース先発の岩田は序盤は快調にベイスターズ打線を抑えていたが、4回表に乱れる。先頭梶谷の投手強襲ヒットに続き筒香にライト前に運ばれ、ロペスのセンター前タイムリーで1点を返された。しかし、この試合の岩田はここから粘る。バルディリスを浅いレフトフライに抑えると、宮崎はセカンドゴロ、高城は三振と崩れることなくピンチを脱した。5回表には1死から乙坂の一塁ゴロをゴメスがこぼし出塁を許す。白崎はサードゴロで2死二塁。梶谷のショートゴロを鳥谷が弾き、2失策で一三塁と苦しい状況に追い込まれたが筒香をセカンドゴロに打ち取り、難を逃れた。砂田は3回以降持ち直し、5回を投げ切る。ベイスターズは須田、平田のリレーでタイガース打線に追加点を許さない。岩田は8回表、梶谷にヒットを打たれて2死一塁としたところで降板。二番手福原はロペスにヒットを打たれるが、バルディリスをセカンドランナーに打ち取り無失点で切り抜ける。9回表は呉昇桓が代打下園にライトスタンドに1点差に迫られるソロホームランを打たれたが、後続を断ち逃げ切り、連敗ストップ。首位をなんとか守った。ヒーローインタビューは久々の勝利をあげた岩田と、先制タイムリーの梅野のバッテリー。
◎ベイスターズ21回戦……7-2
 ベイスターズ先発の三嶋からタイガースが先制。1回裏、先頭の鳥谷がセンター前ヒットで出ると、大和が送り、福留の右中間を破るタイムリー二塁打で先手を取った。タイガースは岩崎が先発。初回は三者凡退と立ち上がり好調と見られたが、2回表につかまる。筒香、ロペスの連打とバルディリスへの死球で無死満塁のピンチに。白崎は三振に取ったが、高城に押し出し四球を与えて同点に追いつかれた。それでも三嶋を三振に取ると、桑原をセンターフライに打ち取って最少失点にとどめ、3回以降はコントロールは定まらぬが相手の拙攻もあって失点を防ぐ。4回裏、先頭の今成が三塁強襲のヒットで出ると、江越もセカンドへの内野安打で続く。藤井のショートゴロは白崎が二封しようとするも江越の足が一瞬早く、野選となって満塁に。岩崎はキャッチャーフライに倒れたが、鳥谷がライトオーバーの2点タイムリー二塁打を放ち、勝ち越しに成功。大和のファーストゴロはロペスの悪送球を呼び、さらに1点を追加した。岩崎に疲れの見えたのは7回表。バルディリスにレフトスタンドへのソロホームランを打たれて2点差と迫られる。しかし7回裏、二番手須田から今成の内野安打、福留の四球、ゴメスのレフト前ヒットで無死満塁に。マートンはショートゴロでホームアウト。今成は前進守備のセンターの頭をこえるかという当たりを飛ばしたが、桑原の候補に阻まれた。しかしこれが犠牲フライとなり福留は生還して1点を返す。ただ、飛び出していたマートンが一塁に帰塁できずアウトとなり、さらなる追加点はならず。8回表は福原がきっちりと抑える。8回裏、三番手長田に対し、2死から代打伊藤隼が歩くと、鳥谷がライトオーバーのタイムリー三塁打でダメ押し。さらに大和のショートゴロを白崎が悪送球。鳥谷も生還して試合を決定づけた。9回裏は安藤が登板。きっちりと抑えて連勝。ヒーローインタビューは先発勝利の岩崎と、満塁での決勝打とダメ押し三塁打の鳥谷。
◎ベイスターズ22回戦……3-1
 モスコーソからタイガースが先制。1回裏、鳥谷が歩き大和が送り福留がライト前タイムリーと前日同様3人で1点を奪う。しかし、モスコーソはそこから立ち直り、タイガース打線を抑える。4回裏、次の1点を取ったのはタイガース。マートンのレフトスタンドへのソロホームランでリードを広げた。5回裏には2死からメッセンジャーが内野安打で出塁すると、鳥谷のライト前ヒットで一三塁とする。大和は肘に死球。満塁で福留がよく見て押し出しの四球を選んだ。モスコーソはこの回限りで降板。タイガースの先発メッセンジャーは立ち上がりから緩急の差をうまくつけ、好投。7回までわずか1被安打。しかもそれはモスコーソに打たれたもので、野手は完璧に抑えていた。4回表には山下幸、梶谷、筒香と三者三振。中4日の登板ながら完封も期待された。しかし、8回表、さすがに疲れが見えたか、球が高めに浮き始める。先頭のロペスにレフト線に二塁打を打たれると、2死後、嶺井にレフト前にタイムリーを打たれ、2点差と迫られた。代打宮崎を空振り三振に取ってなんとか最少失点にとどめる。ベイスターズは6回以降平田、福地、三上とつないでタイガース打線に追加点を与えなかったが、打線が低調で、リリーフ陣の奮闘にこたえられない。9回表には呉昇桓が登板し、あっさり三者凡退で逃げ切り、このカードを3連勝で締めた。ヒーローインタビューは久々の勝利となったメッセンジャーと、先制タイムリーとダメ押し押し出し四球の福留。

愛すれどTigers週間MVP
投手……岩田稔
 ヒーローインタビューで、この試合でだめだったらファーム行きも覚悟していたと語った。まさに背水の陣で臨み、ていねいな投球で東京ドームで3連敗した嫌なムードを払拭した。次回の登板もこの試合を思い出して持ち味のゴロを打たせる投球で勝ち星をのばしていってほしい。
野手……福留孝介
 ジャイアンツ戦での菅野から打った同点ホームランといい、ベイスターズ戦での2試合連続先制打といい、一時の不調を脱してここ一番というところでみごとな働きをしてくれた。ドラゴンズ時代に優勝を経験しているベテランが、その経験を生かすのはここからだ。

 次節は長期ロード最後のカードとなるマツダスタジアムでのカープ3連戦。台風の影響で1試合は中止になるかもしれないが、ここはジャイアンツに連勝して意気上がるカープをしっかり叩いてもらいたい。そしてやっと甲子園に戻ってスワローズ3連戦。長期ロードの勝ち越しも決定し、一時は勝ち越しの数も5まで減ったが8に戻した。五番手の先発岩崎もほぼ確定したので、ここからは勝ち越しの数をのばしてジャイアンツを今度こそ突き放してもらいたいものだ。今年のジャイアンツはバント失敗と守備のエラーが目立つ。下位チームに取りこぼすことも多い。タイガースは逆に取りこぼしが目に見えて減ってきた。このままいくと、チャンスはおおいにある。

(2015年8月24日記)


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