今節はマツダズームズームスタジアムでカープ3連戦。1試合は台風の影響で流れてしまう。第1戦は能見が得意のカープ戦にも関わらず打ち崩されて落とし、第2戦は前田健の前に打線が完封され好投の岩田を見殺しに。長期ロードの最後のカードは0勝2敗。それでも今季の長期ロードは勝ち越しで甲子園に帰ってきた。甲子園球場のスワローズ戦は首位攻防戦。初戦は藤浪が今季3度目の完封で連敗を止める。しかし第2戦はメッセンジャーが好投しながらも8回に突如崩れて逆転負け。第3戦は岩崎が4回にピンチをしのぎ切れず、リリーフ陣も打たれ、最終回に反撃したものの及ばず連敗。よもやの1勝2敗。今節は1勝4敗。今季通算では61勝56敗1分。勝率.521で辛うじて首位。2位スワローズ、3位ジャイアンツとのゲーム差は1.0ゲーム。混戦のまま9月に突入することになった。
◎カープ15回戦……2-4
マツダスタジアムでのカープ戦は相性が良いはずの能見が不調。3回裏、石原にレフトスタンドにソロホームランで先制され、ジョンソンの二塁打、丸への四球などで1死一二塁とされるも、ここは後続を断ち最少失点に抑える。4回裏には先頭の新井貴を歩かせ、エルドレッドのヒットで無死一二塁に。梵はセカンドフライに取ったが田中にセンター前タイムリーヒットを打たれて失点を重ねる。5回裏には1死から丸を歩かせ、菊池と鈴木誠の連打でさらに1点を追加された。タイガース打線はジョンソンの手元で動く球にタイミングをずらされる。3回表には能見が梵の悪送球で生きて、1死後大和のライト前ヒットで三塁を狙うもスライディングがうまくできずタッチアウトに。この時に足を痛めたのがその後の投球に影響を与えたか。福留がヒットで続いたもののゴメスがレフトフライで先制ならず。4回表には新井良と江越の連打でチャンスを作るも鶴岡と能見が凡退。チャンスを生かせず。5回途中から能見にかわって登板した二神が好投するも、7回表、三番手の玉置がエルドレッドにレフトスタンドにソロホームランを打たれて万事休したかに思われた。しかし、9回表、クローザーの中崎に対しヒットの今成を置いて梅野がレフトスタンドに2ランホームランを放ち、さらに鳥谷と大和の連打でマウンドから引きずり下ろす。三番手の大瀬良に対し福留もセンター前ヒットでつないで1死満塁でゴメスを迎えたが、ゴメスはショートゴロ併殺に終わり、試合終了。併殺崩れになるかと思われる弱い打球だったが、セカンド菊池が一塁へみごとな送球を見せて併殺となった。
◎カープ16回戦……0-2
タイガース岩田とカープ前田健の投手戦。岩田が2回裏にエルドレッドにレフトスタンドにソロホームランを浴びた以外は散発の4安打1失点で7回を投げ切れば、前田健も走者は出しても要所を締める投球。1回表、先頭の鳥谷がライト前ヒットで出た時に大和との間にヒットエンドランを敢行したが三振と盗塁死で立ち上がりを攻めきれなかった。5回表には1死から伊藤隼がライト前ヒットで出、梅野もレフト前ヒットで続いたが、岩田のバントは前田健に捕られ三塁封殺の上に一塁に転送されて併殺となる。これらの拙攻が最後までたたった。前田健は8回を投げて4安打無失点。8回裏、タイガースの二番手安藤が2死から丸を歩かせ、菊池のレフト前ヒットで一三塁とされると、代打松山にセンター前タイムリーヒットを打たれて大きな1点を追加された。9回表、抑えの中崎を攻める。1死からゴメスが外野とセカンドの間に落ちるテキサスヒットで出ると、江越を代走に送る。マートンはライト前ヒットで続き、同点の走者は代走の俊介。逆転勝利のお膳立てはできた。しかし今成がライトフライに、伊藤隼がセカンドゴロに倒れて逃げ切られ、長期ロードの締めくくりは連敗で終わってしまった。
◎スワローズ20回戦……9-0
スワローズの先発はロマン。2回裏、ゴメスのサードゴロは川端が弾き悪送球で出塁。マートンと今成の連続ヒットで無死満塁とし、伊藤隼のライトへの犠牲フライで1点を先制。タイガースは藤浪が先発。4回表、1死から川端にこの試合の初ヒットを打たれたが、山田の三塁線を襲う当たりを今成が好捕し、併殺に取り、流れを作る。5回裏、ロマンの制球が乱れ、伊藤隼と藤浪の四球で1死一二塁に。ここで鳥谷がライト前タイムリーで1点を加えると、上本三振のあと福留も四球で満塁に。ゴメスが久々のタイムリーとなるライト前ヒットでさらに2点を追加する。6回裏は中澤に抑えられたが、7回裏、三番手古野から上本が四球、福留のライト前ヒットとゴメスの四球で無死満塁に。マートンはショートゴロで本塁封殺となったが、今成のセカンドゴロは併殺崩れとなりさらに1点を追加。8回裏には四番手松岡に対し鶴岡が内野安打で出ると藤浪が送り、2死後、上本のセンター前タイムリー、福留が歩いて一二塁とし、俊介の右中間への二塁打でさらに2点を追加。坂もセンター前タイムリーで続いて9点という大差がついた。大量の援護に守られた藤浪は速球の切れがよく、スワローズのバッター、特に山田は手も足も出ず3安打1四球、8奪三振で今季3度目の完封勝利。連敗を止めた上に、ジャイアンツに3連勝して2.0差と迫ってきたスワローズを突き放した。ヒーローインタビューは完封でハーラートップタイとなる11勝目をあげた藤浪。
◎スワローズ21回戦……4-8
メッセンジャーが立ち上がりに打たれる。初回、先頭の比屋根にセンター前に運ばれ、盗塁を許すと川端のセカンドゴロで三進。山田は三振に打ち取ったが、畠山にセンター前タイムリーヒットを打たれる。しかし、タイガース打線もすぐに反撃。直後の1回裏、スワローズ先発の石山から鳥谷が左中間に二塁打を放つと、上本が送って三進。福留が初球を叩いてライト前タイムリーヒットで同点とした。2回以降は両投手の投手戦。均衡が崩れたのは6回裏。2死から今成と伊藤隼の連打でチャンスを作ると、藤井がファールで粘ってついに三遊間を破るタイムリーヒットで勝ち越した。メッセンジャーは7回表も三者凡退と好調。スワローズは7回裏、二番手久古を投入。鳥谷がレフト前ヒットで出ると、上本が送り、追加点のチャンス。しかし、福留はレフトフライ。ここで三番手秋吉がマウンドに上がりゴメスは空振り三振。追加点が取れない。メッセンジャーは8回につかまる。先頭の今浪にショートへの内野安打を打たれると、比屋根に送られ、川端にセンターオーバーの同点二塁打を打たれる。さらに山田にもライトオーバーの勝ち越し三塁打を打たれ、降板。二番手福原は畠山を歩かせ、雄平に犠牲フライを打たれ、2点差とされる。さらにミレッジにもヒットを打たれて一二塁とされ、代打ユウイチの2点タイムリーでこの回一挙5点とそれまでの投手戦が嘘のような展開に。8回裏にはオンドルセクにタイガース打線は抑えられる。9回表、三番手高宮が今浪のヒットと比屋根の犠打で1死二塁とされる。川端を三振に取ったところで二神にスイッチ。二神は山田にレフトスタンドに2ランホームランを打たれ、一方的な展開に。9回裏、徳山から代打狩野が二塁打を打ち、上本のレフトスタンドへの2ランホームランで2点を返したが、反撃はそこまで。痛い1敗を喫した。
◎スワローズ22回戦……8-11
スワローズ先発館山を1回裏に攻める。先頭の鳥谷が歩くと上本が送り、福留がレフト前タイムリーヒットで返し、1点を先制。タイガース先発の岩崎は3回を1被安打と上々の立ち上がり。しかし、4回表に崩れた。先頭の川端のレフト前ヒット、続く山田のサードゴロは今成が弾いて生かし、畠山に四球で無死満塁に。ここで雄平はサードへのファールフライ、ミレッジは浅いレフトフライで岩崎が踏ん張ったが、大引にセンターオーバーの逆転3点三塁打を打たれる。これでスワローズ打線が勢いづいた。中村を歩かせ館山と勝負に行くと、館山はなんと低めの難しい球をすくい上げてレフトスタンド最前列に飛びこむ3ランホームラン。ヒットの比屋根を置いて川端にレフト線へタイムリー二塁打を浴びたところで岩崎は降板。二番手玉置が山田を三振に取り、長い攻撃が終わった。5回表には続投の玉置が1死から雄平に二塁打を打たれ、ミレッジのタイムリーでさらに1点を追加された。6回からは三番手二神が無失点で切り抜ける。スワローズも6回から中澤、松岡とつないで試合は動かず。8回表、四番手の筒井が炎上。中村のヒットと三輪の二塁打で無死二三塁に。比屋根のタイムリーヒット、山田と畠山の連続犠牲フライでこの回3失点。10点差で万事休したかと思われたが、大差で油断したか8回裏、スワローズ四番手の古野が打たれる。福留、ゴメスが連打で出ると、マートンの二塁打で2点を返すと、2死後、梅野もレフトオーバーの二塁打で1点を追加し、この回3点のお返し。9回表、高宮が無失点で抑えると、9回裏は久古を攻める。鳥谷が歩き、上本がショートへの内野安打。福留はショートゴロで二封されたが、ゴメスがセンター前タイムリーヒットで1点を奪うと、マートンがヒットで1死一二塁に。代打狩野は三振したが、久古の暴投で2死二三塁に。大和の左中間を破るタイムリー二塁打で2点を返し、3点差に迫った。ここで切り札バーネットを引きずりだす。梅野はいい当たりのレフトフライに倒れ逆転はならなかったが、大差をつけていても勝ちにいく試合には全力を尽くさなければならないという反面教師となった。
愛すれどTigers週間MVP
投手……藤浪晋太郎 首位を守れたのは藤浪の好投があったからこそ。今季最高といっていい球の切れでスワローズ打線を力でねじ伏せた。これでハーラートップタイの11勝。押しも押されぬエースへと成長しつつある。
野手……上本博紀 ついに一軍復帰。先発出場したスワローズ戦ではタイムリーありホームランあり。セカンドの守備でもヒット性の当たりをたびたびアウトにした。大和との競争もあり、必死で食らいついている。勝負強い曲者がやっと戻ってきた。
次節は甲子園でのカープ3連戦。前節のマツダスタジアムで抑えられたジョンソンと前田健との再戦になる。地の利を生かしてしっかりとお返しをしてもらいたい。続いてナゴヤドームで最下位争いをするドラゴンズとの3連戦。ここからは下位チームへの取りこぼしをぜひとも避けたいところだ。シーズン前から和田監督が言っていた「勝負は9月」がついにやってきた。1戦必勝でとにかく首位の座だけは死守してもらいたい。そうすれば、今季のスワローズとジャイアンツは下位との連敗もある。ラストスパートをかける時が来た。
(2015年8月31日記)