愛すれどTigers


一進一退でも僅差で首位を守る

 今節は甲子園でカープ3連戦。1試合はまたも降雨で流れてしまう。先発能見が丸と菊池を連続三振に取ったところで豪雨。ノーゲームとなった。第2戦は前田健の立ち上がりを攻めるも追加点が取れず落としたが、第2戦は福井を終盤に打ち崩し、藤浪が9四球を出しながら1失点の好投で連敗ストップ。勢いをつけてきたカープを押しとどめて1勝1敗。ナゴヤドームのドラゴンズ戦は最下位チームに取りこぼしが許されない。初戦は能見がカープ戦からのスライドだったが序盤から飛ばして勝ち、第2戦はメッセンジャーが好投し、濱田達の自滅もあって大勝。しかし第3戦は岩崎が好投しながらも和田監督が攻めどころをとらえきれず用兵の失敗で3タテができず2勝1敗。今節は3勝2敗。今季通算では64勝58敗1分。勝率.525で辛くも首位を守る。2位スワローズとは0.5ゲーム差、3位ジャイアンツとは2.0ゲーム差。まだまだ混戦は続く。

◎カープ17回戦……1-5
 タイガースが前田健の立ち上がりを攻める。1回裏、先頭の鳥谷が左中間に二塁打を放つと、上本が送り1死三塁に。ここで福留がレフトへ犠牲フライを放ち、1点先取した。タイガースは岩田が立ち上がりから好投。しかし4回表、先頭の新井貴がライト前ヒットで出ると、岩田の暴投で二進。エルドレッドのショートゴロの間に三塁に進む。梵が四球で一三塁とされ、鈴木誠の打席で梵は岩田の牽制を誘うように飛び出す。岩田が一塁に送球する間に新井貴が本盗。ゴメスがバックホームするもすれすれでセーフ。同点に追いつかれた。5回表、先頭の岩田が三遊間を破るヒットで出ると、前田健が送る。丸は三振に打ち取ったが、菊池のセンターへのフライは予想以上に伸び、センターオーバーのタイムリー二塁打となった。さらに新井貴に内野安打を打たれ、エルドレッドにバックスクリーン横に飛びこむ3ランを浴びる。岩田は5回5失点でマウンドを降りた。タイガースはこのあと歳内、二神のリレーでカープ打線を抑え追加点を許さない。しかし、前田健の前に打線は苦しむ。6回裏、先頭の鳥谷が四球を選び、1死後福留のレフト前ヒットでチャンスを作るが、ゴメスとマートンは凡退。7回裏には無死から今成と伊藤隼の連打でチャンスを作り、代打攻勢。しかし、狩野は見送り三振、新井良は空振り三振。鳥谷はショートフライで攻略できず。8回裏は大瀬良に、9回裏は中崎に抑えられ、連敗を止められず。カープが一か八かの本盗で流れを呼び込んだ。
◎カープ18回戦……5-1
 不振のゴメスを五番に下げ、移籍後初めて福留が四番に。マートンは三番にという新打線で臨む。先制したのはタイガース。カープの先発福井に対し、1回裏、鳥谷がセンター前ヒットで出ると、上本が送り、マートンが来日1000本目となるセンター前タイムリーヒットで1点を奪う。タイガースの先発藤浪はコントロールが定まらない。3回表は三者三振で締めたが、4回表は菊池と松山に四球。シアーホルツは空振り三振に取ったが田中を歩かせて満塁に。ところが野間、木村昇と二者三振に取ってピンチを脱する。5回表、先頭の會澤を歩かせ、福井のバントはファールフライになったが、丸を歩かせ、菊池にこの日のカープの初安打となるタイムリーヒットをライト前に運ばれ同点とされる。しかしここでも松山とシアーホルツを連続三振に取り、最少失点で抑える。6回裏、福留が勝ち越しのソロホームランをライトスタンドに運ぶ。7回裏、先頭の伊藤隼がライト前ヒットで出ると、鶴岡が送り、代打狩野が死球。鳥谷のライト前ヒットで満塁とし、2死後、マートンが左中間に走者一掃のタイムリー二塁打を放ち、福井を引きずり下ろした。カープは飯田、一岡が走者を許しながらも無失点で切り抜けたが、タイガースも8回は福原が無死二三塁のピンチを作りながらも會澤をファーストフライ、代打エルドレッドを空振り三振、丸をセカンドゴロに打ち取り無失点で切り抜けた。そして9回表は4点差ながら呉昇桓が登板。2死からシアーホルツにレフト前ヒットを許したものの田中をセカンドゴロに打ち取り試合終了。連敗を脱出し、首位を守った。ヒーローインタビューは決勝ホームランの福留と4打点と1000本安打達成のマートン。
◎ドラゴンズ21回戦……3-0
 ドラゴンズの先発は新外国人のネイラー。序盤はタイガース打線はタイミングが合わず苦戦。タイガースの先発メッセンジャーは4回まで毎回のように走者を背負いながらなんとか無失点でしのぐ。5回表、ゴメスの四球と今成のヒットで無死一二塁のチャンスを作るも伊藤隼はライトフライ、藤井彰はサードへの併殺で得点できず。メッセンジャーは5回以降は調子が出てきて走者を許さない。試合が動いたのは8回表。先頭の藤井彰が四球で出ると、代走に大和を送り、メッセンジャーのバントで二進。ここで鳥谷が三塁線を破るタイムリー二塁打で待望の先制点を取る。上本が歩き、ネイラーは降板。二番手に浅尾が登板。マートンのセカンドゴロは二封されたが一塁は間に合わず併殺崩れで2死一三塁に。福留のセンター前に落ちるタイムリーヒットで2点目を奪った。8回裏、今度はドラゴンズがチャンスを作る。1死から代打赤坂がライト前ヒット。2死後、荒木雅のヒットで一三塁とされたが、森野のセカンドゴロで二封して得点を許さない。9回表、三番手岡田から今成がセンター前ヒットを放つと、坂のバントで二進。祖父江に交代したが、大和のライト前ヒットで1死一三塁に。代打狩野のファーストゴロはルナがバックホームするが今成のスライディングがうまく野選となって3点差とする。9回裏は呉昇桓が平田、エルナンデス、藤井淳を三者凡退に片づけて余裕で逃げ切る。ヒーローインタビューは8回無失点で9勝目のメッセンジャー。
◎ドラゴンズ22回戦……8-2
 ドラゴンズの先発濱田達が自滅。3回表、先頭の鶴岡が四球で出塁、能見がバントで送る。鳥谷が、大和が、連続四球で満塁に。マートンのライト前タイムリーヒットで1点を先制。なおも満塁で福留が押し出し四球。濱田達はここで降板。二番手小熊からゴメスが久々のセンター前2点タイムリーを放つ。上本の左中間を破る2点二塁打のあとは、今成のサードゴロをエルナンデスが弾いて敵失で1死一三塁に。打者一人でまわってきた鶴岡はライトへの犠牲フライでこの回7点目を奪った。5回表、三番手金子からヒットの上本を今成の左中間を破るタイムリー二塁打で返して8点差に。能見は初回から快調に飛ばし、走者を出しても併殺などで切り抜ける。しかし回を追うごとに疲労が出たか、6回裏に失点。杉山のヒット、代打藤井淳の四球で無死一二塁とされ、大島のセカンドゴロで杉山が三進。荒木雅の犠牲フライで1点を返された。7回裏にはヒットの平田をエルナンデスの二塁打で返され、能見はここで降板。二番手歳内が後続を断つ。その歳内も8回裏につかまる。2死から荒木雅に内野安打を打たれると、ルナと平田に四球を与えて満塁に。三番手高宮がマウンドに上がり代打森野を三振に取って危機を脱した。ドラゴンズは祖父江、岡田の好投でタイガース打線に追加点を与えなかった。9回裏、タイガースは大差ながら四番手に安藤を投入。先頭のエルナンデスは歩かせたが、堂上直をセカンドフライに打ち取ると、杉山をサードゴロ併殺にとって締めた。ヒーローインタビューは先制打を含む3安打のマートン。
◎ドラゴンズ23回戦……0-5
 タイガース岩崎とドラゴンズ若松の投手戦。岩崎は持ち味であるタイミングを取りにくいストレートが冴え、若松はチェンジアップを効果的に使い、両チームとも6回までは攻略法を見いだせないままでいた。空気が変わったのは7回表。先頭の今成がレフト前ヒットで出ると、伊藤隼がバントを決める。しかし和田監督はここで代打攻勢に出ず藤井彰をそのまま打たせる。結果はショートゴロで二塁走者の今成は釘付け。岩崎もそのまま打席に送り、見逃しの三振。7回裏、岩崎は先頭のルナに死球を与え、平田にライト線への二塁打を打たれ、和田はサードゴロに取ったがエルナンデスには四球で1死満塁に。ここで岩崎は降板。二番手は安藤。代打森野にライト前先制タイムリーを打たれ、まず1点を失った。2死後、代打藤井淳にセンター前にタイムリーを打たれ、さらに1点を奪われる。大島のライト前に落ちるかという当たりは福留が地上すれすれですくい上げるように好捕し、さらなる失点は防いだ。ドラゴンズは8回表は二番手浅尾が好投。対するタイガースは8回裏には三番手福原が荒木、ルナの連打で無死二三塁とされ、平田のレフトスタンドへの3ランホームランで勝負はほぼ決した。福原は1死も取れずに降板。四番手二神がそのあとは三人で抑えた。9回表、バルデスが来日初リリーフで登板し、タイガース打線は三者凡退で試合終了。ドラゴンズ戦の連勝は8で止まった。

愛すれどTigers週間MVP
投手……藤浪晋太郎
 連敗で苦しいところ、調子が悪いなりにカープ打線を抑え、首位にとどめる貴重な勝ち星をあげた。前節に続き、今節もMVP。藤浪が投げると負けないという確信めいたものが生まれつつある。タイガースのエースはメッセンジャーでも能見でもない。藤浪である。
野手……福留孝介
 不振のゴメスに代わって四番に座ると、ここぞというところで打ってくれる。しかも相手投手の決め球を狙って。ベテランがチームを引っ張る。痛めている中指が心配だが、それを感じさせない活躍である。

 次節は甲子園でジャイアンツとの直接対決3連戦。例年はここ一番でジャイアンツに連敗。今季も東京ドームで3連敗しているが、甲子園で負けるわけにはいかない。ジャイアンツに引導を渡したい。続いて甲子園でカープとの3連戦。カープの勢いが止まってきただけに、突き放していきたいところだ。ドラゴンズ戦ではここぞというところでたたみかけるような采配を振るうことができなかった。ここからは守りに入るのではなく攻めて攻めて攻めまくるくらいの強気で押していってほしい。

(2015年9月7日記)


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