今節は甲子園でジャイアンツ3連戦。1試合目はまたまた降雨で流れてしまい2連戦に。第1戦はマイコラスを打って同点とし、マシソンからマートンがサヨナラヒットで勝ったが、第2戦はポレダに苦戦しながらも追い込んで降板させたが1点差まで追い上げながら逃げ切られ、1勝1敗。甲子園のカープ戦は初戦は黒田の好投の前に打線が沈黙して完封リレーで敗れる。2戦目は能見がよく踏ん張ったが引き分け。3戦目は前田健の前に打線がまたも沈黙して完封リレーで敗れ、0勝2敗1分。今節は1勝3敗1分。今季通算では65勝61敗2分。勝率.516で首位から陥落し2位。首位スワローズとは0.5ゲーム差、3位ジャイアンツとはゲーム差なしでわずかに勝率で上回るのみ。このままずるずるといくのか正念場である。
◎ジャイアンツ21回戦……4-3
ジャイアンツの先発は苦手とするマイコラス。タイガースが3回裏に先制する。先頭の伊藤隼がライト前ヒットで出ると、鶴岡が送り、藤浪が三遊間を破って1死一三塁とする。鳥谷のセカンドゴロで藤浪は二封されたが鳥谷は一塁を駆け抜けセーフ。併殺崩れの間に伊藤隼が生還した。しかし、藤浪は自分のミスで追いつかれる。4回表、先頭の阿部に二塁打を打たれ、長野のバントで三進。亀井はピッチャーゴロで安部は三塁に釘付け。村田とは勝負せずに四球。小林は当たりそこねのピッチャーゴロ。しかし藤浪は一塁へ悪送球し、阿部が生還して同点に。このあとは藤浪とマイコラスの投手戦となる。均衡を破ったのはジャイアンツ。7回表、2死から坂本を歩かせ、阿部にライトスタンド最前列に飛びこむ2ランホームランでリードを許す。しかし、タイガースも負けてはいない。7回裏、先頭の福留がセンター前ヒットで出ると、マイコラスのボークで二進。ゴメスの右中間を破るタイムリー二塁打で1点差に迫る。今成がゴメスをバントで三塁に送り、伊藤隼のライトへの犠牲フライで同点に追いついた。両先発がこの回限りで退くと、8回表は福原が抑える。8回裏、ジャイアンツ二番手の山口から代打新井良が投手のグラブをはじき三遊間に転がる当たりを二塁打とする。しかし鳥谷のバントで新井良は二三塁間で狭殺。その間に鳥谷は二進。上本のレフト前ヒットで1死一三塁とするも、マートンはショートゴロ併殺。9回表、呉昇桓が登板。先頭の堂上剛に内野安打を打たれ、代走鈴木に牽制悪送球で三塁に進まれる。このピンチに立岡はショートゴロ、代打高橋由はショートフライ、坂本はセンターフライと踏ん張った。ジャイアンツは9回裏に澤村を投入。呉昇桓は延長10回表も長野に二塁打を打たれたが後続を断つ。10回裏も澤村に抑えられ、試合は膠着状態に。11回表は安藤が三者凡退でリズムを作る。11回裏、マシソンがマウンドに。先頭の鳥谷が初球を叩きセンター前ヒット。上本が送って二進。そしてマートンは左中間を破るサヨナラタイムリー二塁打。緊迫した優勝争いを左右する熱戦はタイガースが制した。ヒーローインタビューはサヨナラ打のマートン。
◎ジャイアンツ22回戦……4-5
メッセンジャーは明らかに肩に力が入り、球が高めに浮いていた。2回表、そこをジャイアンツに攻められる。先頭の阿部の爪先に死球を与えると、長野のセンター前ヒットで一二塁とされる。アンダーソンはレフトフライに取ったと思われたが、マートンが球を見失ったか足元に落ちるヒットに。マートンが球を後ろにそらす間に阿部に先制のホームを踏まれる。無死二三塁となり、村田のセンターフライで長野は生還。しかし、大和が判断よく三塁に送ると、アンダーソンを三封。そのあと加藤とポレダに連打を浴びるも立岡を三振に取って大量失点は防いだ。しかし、タイガース打線はなかなかポレダを攻略できない。6回表、先頭の坂本を歩かせ、阿部にライトスタンドに2ランホームランを打たれ、メッセンジャーは6回4失点で降板。しかし、6回裏に反撃開始。先頭の新井良がセンター前ヒットで出塁。代打俊介のセカンドゴロで新井良は二封され走者が入れ替わる。代打狩野はいい当たりのサードライナーに倒れたが、鳥谷の打席でポレダはボーク。動揺するところを鳥谷のレフト前タイムリーヒットで1点を返した。7回表に二番手二神が三者凡退でリズムを作ると、7回裏にポレダを攻めたてる。1死から福留のセンター前ヒットとゴメスのライトへの二塁打で二三塁とし、ここでポレダは降板。二番手宮國から上本が四球を選び満塁に。新井良はファーストフライに倒れたが、梅野が三遊間を破る2点タイムリーヒットを放ち、1点差に迫る。8回表、三番手安藤が坂本にレフトスタンドにソロホームランを打たれて2点差とされるが、8回裏、タイガース打線は粘る。三番手山口から先頭の鳥谷が四球を選ぶと暴投で二塁に。代打関本のセンター前ヒットで一三塁とチャンスを広げた。山口にかわり澤村がマウンドに。マートンはショートゴロ併殺で、その間に鳥谷が生還して再び1点差に迫る。9回表、福原が無失点で抑えると、9回裏に澤村に襲いかかる。先頭の上本がセンターオーバーの二塁打。代打今成のバントで三進。一打同点というチャンスを作る。梅野はショートゴロで上本は動けず、狩野は手首に死球で一三塁。鳥谷に期待は集まったが、セカンドゴロに倒れて逃げ切られた。ベンチには野手は鶴岡と伊藤隼を残すだけという総力戦。惜しくも敗れたが、終盤に見せたあきらめない攻めは今後に期待を抱かせた。
◎カープ19回戦……0-3
岩田は初回から不安定。自らのエラーで先頭の丸を出塁させると、新井貴、エルドレッドにも四球で1死満塁に。ここは小窪を空振り三振、鈴木誠をショートゴロに打ち取り、ピンチを脱した。しかし3回表、1死から菊池にセンター前ヒットを打たれると、新井貴のピッチャーゴロは一塁送球がそれてゴメスの足がベースから離れ、セーフに。エルドレッドのレフト前タイムリーヒットで1点先制される。6回表、1死から鈴木誠のセカンドゴロを上本が弾き、記録は内野安打。2死後、石原を敬遠気味に歩かせ、黒田と勝負するも歩かせ満塁に。丸のショートゴロは鳥谷が一塁に送球するも丸はヘッドスライディングで内野安打とし、1点を追加される。ここで岩田は降板。二番手の二神が菊池を三振に取って大量点は防いだ。その二神も7回表、新井貴のライトフライは福留のスライディングキャッチにもかかわらず前に落ち二塁打となる。2死まではなんとか取ったが鈴木誠に左中間に二塁打を打たれて3点目を奪われ、降板した。高宮が田中を内野フライにとって追加点は防ぎ、8回も高宮が抑え、9回表は歳内が抑える。タイガース打線は黒田の前に沈黙。2回裏に先頭の福留がレフト線へ二塁打を打ったのが数少ないチャンスだったが、後続は三者凡退。8回を投げて2安打無失点。三塁も踏ませずという好投を見せられた。9回裏は中崎の前に三者凡退。ミスが試合の流れをカープに引き寄せてしまった。
◎カープ20回戦……2-2
タイガースの先発は能見。初回、不安定な投球。先頭の丸を歩かせ、菊池のセンター前ヒットでつながれ、新井貴のライトフライで丸は三振。ここでエルドレッドがライトへ犠牲フライを放ち、カープに先制される。しかし、直後の1回裏、カープ先発の戸田をタイガースも攻める。先頭の鳥谷がセンター前ヒットで出ると、大和が送り、マートン三振のあと、福留がセンター前にタイムリーを放ち、同点に。4回表、エルドレッドに勝ち越しのソロホームランをレフトスタンドに叩きこまれ、リードを許す。5回裏、2死から能見がレフト前に落ちるテキサス性のヒットで出ると、鳥谷のセンター前ヒットで一三塁とする。ここで大和が三遊間を破り、能見が生還して同点に追いつく。ここから両チーム得点が入らない。能見は7回まで投げて2失点。戸田は5回2失点で交代し、ヒースがつなぐ。7回裏、三番手の一岡に対し、1死から鶴岡、代打伊藤隼が連打。鳥谷が歩いて満塁とし、大和はショートゴロで本塁封殺。マートンはファールで粘ったが最後は空振り三振で長蛇を逸した。8回はタイガースが福原、カープが今村で抑える。9回からは呉昇桓が、延長10回まで抑えると、今村も9回を抑え、10回裏と11回裏には大瀬良がそれぞれ抑える。11回表から12回表、タイガースは安藤が登板。12回には1死から田中があわやホームランというセンターのフェンス最上段に三塁打を放つが石原をセカンドフライに打ち取ったが、代打梵に死球を与える。ここでタイガースは高宮にスイッチし、丸をセカンドゴロに打ち取ってピンチを脱した。12回裏、カープは中崎を投入。2死からゴメスがヒットで出、なんと投手の島本を代走に送るところまでの総力戦。ベンチに最後に残った野手である代打田上はショートゴロで試合終了。4時間半をこえる死闘は引き分けに終わった。
◎カープ21回戦……0-3
先制したのはカープ。タイガース先発岩崎は2回表にエルドレッドに右中間スタンドにソロホームランを叩きこまれた。対するタイガース打線は5回1死までカープ先発前田健からヒットも打てない。5回裏、1死からゴメスがライト前に初安打を放つと、2死後、今成もレフト前ヒットで続いて一二塁とこの試合で最も得点に近づいた。しかし、岩崎を好リードしていた藤井に代打坂を送るという必死の用兵も実らず。坂はセンターフライに終わる。6回表、先頭の菊池に二塁打を打たれ、新井貴はキャッチャーフライに打ち取った岩崎だったが、エルドレッドを前に二神に交代。二神がエルドレッドを歩かせると、次は高宮をマウンドに。代打松山のライトフライで菊池が三進。堂林の打席で一塁走者のエルドレッドが飛び出す。鶴岡は二塁送球。本来なら高宮がカットしてホームにという形だったはずが、高宮はカットせず、送球はゆっくりと二塁に。その間に菊池がホームスチールで2点目を追加された。エルドレッドはタッチアウトでチェンジとなったが、相手の作を見破りながら防げないというミスが出た。7回からは安藤、福原とつないで追加点を阻む。タイガース打線は前田健の前に7回2安打のみ。8回裏、二番手ヒースから今成の四球でチャンスを作るも後続を断たれる。9回表、2点のビハインドで呉昇桓を投入するが、2死から野間にヒットを打たれると暴投で二進させ、堂林のタイムリーヒットで3点目を失う。9回裏には大瀬良の前に代打関本のヒットで一瞬盛り上がるもマートン、福留が凡退で逃げ切られた。
愛すれどTigers週間MVP
投手……二神一人 リードされた場面で出てきて、威力のある速球を投げ込みリズムを作る役割を果たしている。追加点を与えることもあるが、他の若手投手と違い大量点に結びつけることがない。かつてのドラフト1位投手がついに蓄えた力を発揮できるようになってきた。
野手……大和 上本の肉離れによる戦列離脱によりふたたびセカンドでの先発を任せられる。守備では捕球から送球への早さで再三のピンチを救い、打撃でもカープ第2戦の同点タイムリーなどいいところを見せている。上本の長期離脱が確実となり、大和にかかる期待は大きくなるばかりだ。
代打の切り札関本が復帰したと思ったら、狩野がジャイアンツ戦での死球で骨折して二軍落ち。さらに勝負強い上本も肉離れで戦列離脱。状況は厳しくなった。次節は甲子園でドラゴンズ戦を1試合したあと、2日間の予備日をあけてそこから12連戦。横浜球場のベイスターズ2連戦を皮切りに甲子園でのスワローズ2連戦。その後は東京ドーム、ナゴヤドーム、マツダスタジアムとロードが続く。マートンとゴメスの両外国人が不振のままでは打線がつながらない。優勝を目指すためにはここから勢いをつけていってもらいたい。
(2015年9月14日記)