今節は甲子園でドラゴンズ戦。藤浪の好投と、新井良の先制ホームランで1勝。2日あいて横浜スタジアムでのベイスターズ戦は初戦はバッテリーエラーが響いて敗れる。2戦目は能見が打ち込まれて連敗。下位相手によもやの0勝2敗。甲子園に戻って首位スワローズと2連戦。初戦は苦手山中を打ち込み、岩田の好投で勝ったが、2戦目は藤浪は粘ったが二番手の安藤の乱調で勝ち越されて敗れる。今節は2勝3敗。今季通算では67勝64敗2分。勝率.511で2位。首位スワローズとは2.0ゲーム差、3位ジャイアンツとは勝率で上回るがゲーム差なし。12連戦の頭を2連敗したのが痛かった。
◎ドラゴンズ24回戦……3-0
タイガースの先発は藤浪。2回表にピンチを作る。先頭の森野を歩かせ、エルナンデスがバントで送る。藤井淳のヒットで一三塁とされるが杉山、大野を連続三振に取り、無失点で切り抜けた。2回裏、先頭のゴメスのショートゴロをエルナンデスが取れずエラーで出塁。続く新井良が初球をバックスクリーン左に運ぶ先制2ランで主導権を握った。藤浪は3回表、大島のファースト内野安打、ルナのレフト前ヒットでピンチとなるが、平田をショートゴロ、打者森野の時に亀澤が盗塁死でピンチを脱した。タイガースは立ち直った大野からなかなか追加点を奪えない。2点差のまま迎えた8回表、先頭の大島にヒットを打たれ、亀澤は三振に取ったがルナのライト線を破る二塁打で1死二三塁に。ここで平田を空振り三振に取ると、森野を歩かせ満塁に。代打小笠原には徹底した速球勝負でサードフライに取り、ここも無失点で切り抜けた。8回裏、1死から大和がレフト前ヒットで出ると、大野が牽制悪送球で大和は一気に三塁に進む。マートンの浅いライトフライで大和は一気にホームイン。犠牲フライとなって貴重な追加点を奪った。9回表は呉昇桓が代打和田にヒットは打たれたものの最後は大島をレフトフライに打ち取り、今季40セーブを達成。藤浪はハーラートップタイの13勝目。シーズン200奪三振も記録した。ヒーローインタビューは先制ホームランの新井良と連敗を止める好投の藤浪。
◎ベイスターズ23回戦……2-3
ベイスターズの先発は初対戦の石田。1回表、先頭の鳥谷が四球を選ぶと、大和のバントで二進。2死後、福留がライトのグラブの先をかすめる先生のタイムリー二塁打を放つ。しかし、ゴメスのヒットと新井良四球で満塁としながらも俊介はライトフライ。一気に石田をつぶせなかったのが響いた。メッセンジャーは5回裏、宮崎のヒット、代打下園の内野安打、荒波への四球で2死満塁のピンチを招くが、白崎の強い当たりのサードライナーを新井良が好捕してピンチを脱した。6回表、二番手三嶋に対して1死から藤井がヒットで出ると暴投で二進。2死後、鳥谷が歩いてチャンスを作るが大和はセカンドゴロで追加点が取れない。6回裏、先頭の梶谷にレフト線に二塁打を打たれると筒香はライトオーバーの同点タイムリー二塁打。暴投で三進され、ロペスのライトへの犠牲フライで逆転された。メッセンジャーはこの回限りで降板。7回表、三番手の須田から先頭のマートンがセンター前ヒットを放つと、1死後ゴメスのレフト前ヒット、今成の四球で満塁に。代打関本が二塁横にタイムリーヒットを放ち同点とするが、代打伊藤隼はライト線に後わずかではいる惜しいファールを打った後、空振り三振。続く代打坂も三振でひっくり返せず。7回裏には安藤が抑えたが、8回表は三上に抑えられ、試合は膠着状態に。8回裏、福原が先頭の梶谷に二塁打を打たれ、筒香はセンターフライに抑えたが、ロペスの打席で暴投。梶谷に一気にホームインされてしまい勝ち越しを許す。9回裏は山崎康にあっさりと三者凡退で12連戦の初戦を落としてしまった。
◎ベイスターズ24回戦……5-7
ベイスターズの先発井納に対し、1回表、鳥谷が先頭打者ホームランをライトスタンドへ運ぶ。さらに大和が四球で出たがマートンは併殺。それでも福留、ゴメスの連打でチャンスを作るも今成がセカンドゴロに倒れ、大量得点を奪うことができなかった。タイガースの先発は能見。2回裏、2死からバルディリスにレフト線に二塁打を打たれると、続く嶺井にもレフトへ同点タイムリー二塁打を打たれる。しかしタイガースは直後に反撃。3回表、鳥谷がライト前ヒットで出ると、大和が送り、マートンのライトへの二塁打で勝ち越すと、福留のセカンドゴロで三進。ゴメスにもライト前タイムリーヒットが出て2点差とする。ただ能見がピリッとしない。3回裏、倉本のショートゴロを鳥谷が一塁へ悪送球して生かすと、梶谷がライト前ヒットで続き、筒香にライトスタンドに逆転の3ランホームランを打たれてしまう。4回裏には死球の嶺井を置いて荒波にレフトオーバーの三塁打を打たれて2点差に。能見はこの回限りで降板。5回表、タイガースも反撃。二塁打のマートンに続き、福留もライト前ヒットで無死一三塁に。ゴメスのセンターへの犠牲フライで1点差に迫る。しかし、後が続かず同点にはならず。5回裏は高宮、二神のリレーで無失点に。ベイスターズは6回表を岡島が抑える。6回裏、二神がつかまる。宮崎、バルディリスに連打を浴びる。宮崎の代走内村は捕手梅野の二塁けん制で刺すが、嶺井に四球を与えて降板。四番手は島本。代打下園にセンター前にヒットを打たれたが、伊藤隼の好返球でバルディリスが本塁憤死。それでも荒波に四球を与え満塁に、倉本にはファールで粘られた末に押し出しの四球を与えて2点差に広げられた。7回表、須田からゴメスがレフトスタンドにソロホームランを叩きこみ1点差に迫る。タイガースは7回裏には安藤、8回裏には福原をつぎこむが、福原が嶺井にレフトスタンドにソロホームランを打たれてまたも2点差に。ベイスターズは三上、山崎康のリレーで逃げ切り、タイガースはまさかの2連敗。
◎スワローズ23回戦……8-1
タイガースの先発岩田は1回表1死から川端にヒットを打たれたが、山田のセカンドライナーで一塁を飛び出したところを大和が機敏な送球で刺し併殺。これで岩田が乗った。スワローズの先発は今季2敗を喫しているサブマリン山中。1回表、1死後今成がヒットで出ると、マートンのセカンドゴロで二進。福留が左中間を破るタイムリー二塁打で先制すると、続くゴメスが左中間スタンドに2ランホームランを放りこむ。2回裏、梅野のヒットと大和の内野安打でチャンスを作り、1死後、鳥谷の犠牲フライと今成のライト前のタイムリーヒットで2点を加える。マートンがヒットで続いたところで山中は降板。二番手徳山には4回までは抑えられたが、5回裏、今成、マートンの連打でチャンスを作ると、またも福留がライトオーバーのタイムリー二塁打で1点を加えた。ここで三番手松岡にスイッチされると三者三振でビッグイニングは作れず。7回までは2安打無失点と完璧な投球を続けていた岩田が、8回表につかまる。先頭の雄平にレフト前ヒットを打たれ、大引きのサードゴロは今成がグラブにかすめるも取れずエラー。中村のライト前ヒットで満塁とされ、荒木貴の犠牲フライで1点を返された。しかし、代打谷内のファーストゴロで二封し2死一三塁とすると、川端は三振。ピンチを脱した。8回裏、四番手中澤をとらえる。1死から梅野のセカンドゴロを山田がトンネル。大和のバントは小フライで2死となったが、代打関本のライト前ヒットで一二塁とし、鳥谷のライト前ヒットで梅野が生還。今成のレフト前ヒットで代走中谷も生還してダメ押しの2点を追加した。9回表は歳内が三者凡退でスワローズ打線を退けて完勝。横浜での連敗で沈んだ雰囲気を払拭した。ヒーローインタビューは8勝目の岩田、4安打2打点の今成、先制タイムリーなど2打点の福留。
◎スワローズ24回戦……2-5
先制したのはスワローズ。藤浪は初回の満塁のピンチは切り抜けたが、3回表に1死から川端を歩かせて山田に左中間を破るタイムリー二塁打を打たれて1点を先行される。しかし、タイガースはスワローズ先発杉浦をすぐに攻め立てる。直後の3回裏、先頭の大和がレフト前に落ちるヒットを放つと、藤浪はスリーバント失敗に終わったが、鳥谷が歩いて1死一二塁に。今成も四球で続き、マートンのショートゴロ併殺崩れの間に大和が生還して同点に。4回表、藤浪が雄平に右中間スタンドに勝ち越しホームランを打たれると、4回裏にはゴメスが3試合連続となるソロホームランをバックスクリーンに打ちこんで同点に。6回裏、二番手ロマンから福留、伊藤隼、代打関本が四球を選び1死満塁に。ここで大和はスクイズを敢行するもファールで失敗。結局サードゴロで本塁封殺。ここまで粘ってきた藤浪に代打新井良を送るがボール球をふりまわして三振に倒れ、1点も取れず。7回表、安藤がつかまる。1死から上田にセンター前ヒットを打たれると、川端の深いショートゴロは内野安打に。山田にレフトオーバーのタイムリー二塁打を打たれ1点を失うと、畠山には四球で満塁に。バレンティンも歩かせて押し出しで2点目を失ったところで降板。三番手高宮は雄平にレフトへ犠牲フライを打たれる。四番手歳内がマウンドに上り、代打荒木貴を打ち取りやっとこさチェンジに。歳内は8回も投げて無失点、9回表には二神が無失点で打線の奮起を待つ。しかし、7回裏には久古と秋吉のリレーで、8回裏は秋吉に、9回裏はバーネットに抑えられ、2連勝して首位奪回とはいかなかった。
愛すれどTigers週間MVP
投手……岩田稔 低めになげる丁寧な投球で持ち味のゴロアウトを重ね、スワローズの強力打線を1点に抑え、首位戦線に踏みとどまった。チーム状態のいい時は打たれ、がけっぷちで踏みとどまる不思議な投手だが、ここでの勝利は大きかった。
野手……マウロ・ゴメス ベイスターズ戦から復調し、3試合連続のホームラン。しかもスワローズ戦は先取点を取ったあとの追いうちの2ラン、勝ち越された直後の同点ソロと貴重な場面での一発だった。ここから調子をあげてくれば、4番復帰も近い。
次節は東京ドームでジャイアンツ2連戦、ナゴヤドームでのドラゴンズ戦をはさんでマツダスタジアムでカープ2連戦。特にジャイアンツ戦では初物に弱いジャイアンツ打線に「不思議なストレート」(広澤克己)の持ち主である岩崎がどれだけ好投するかが見もの。これまで和田監督はいつも同じ投手をジャイアンツにぶつけてやられてきただけに、12連戦という条件下で岩崎をぶつけることになるのは偶然とはいえ、もしかしたら岩崎がジャイアンツキラーとなる可能性もある。ジャイアンツの初戦をとって、今度こそ勢いに乗りたいところだ。「巨人戦はビタミン」と星野仙一元監督も言っていた。これまで苦杯をなめてきたお返しをぜひしてほしい。
(2015年9月21日記)